In Deep

地球最期のニュースと資料

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「日本の裏側」に近年最大の隕石が落ちた日に見る「異常なレベルで激増する小惑星、火球、そして宇宙線」のデータ

   

今年2月6日に2013年2月(ロシア)以来の規模の火球が落下した大西洋の場所

meteorite-crash-2016Daily Mail

 

 

その火球は意味ありげな場所に落ち

先日、大西洋の上の場所に隕石と思われる火球が落下したことが、NASA の地球近傍物体プログラムで報告されていました。

落下地点が海でしたので、平地への影響はなかったですが、地球に落下した火球の規模としてはかなり大きいものだったそうで、2013年に火球の落下で多数の負傷者を出したロシアのチ・・・えーと・・・もう地名忘れてますね。

えーと、ロシアのチェリャビンスク州に落下した隕石以来の大きさだそうです。

2013年のチェリャビンスク州の火球

russian-2013-meteoriteThe New Yoker

 

それでまあ、この火球の落下した「位置」なんですよね。

冒頭に載せました地図が、その火球の落下場所なんですが、日本の人以外は何にも思わないかもしれないですが、この場所は、

「地球の日本の裏側」

なんですよ。

インターネット上には、地球の「裏側の場所」を表示する 対蹠地マップ(Antipodes Map)というものがあるのですが、それで日本列島の裏側を見ますと、下の位置になることは以前から知っていました。

japan-antipodes

 

そのこともあり、今回の火球の落下の地図を見て、「ああ近いな」と思った次第なのでした。

もちろん、正確に裏ということではなく「大体」の話ではあります。

正確にはこの火球の落下地点の裏側は東北の太平洋沖で・・・平たくいえば、2011年の震災の震源地に近い場所なのですが、そう書くのは、やや抵抗がありますので、ここでは「日本」という表現にしています。

まあ、この、今回の火球が落ちた場所をご紹介したいと思ったのは、その地図を見たときに、

「右にアンゴラ、左にリオデジャネイロ」

という、最近記事に出てきた地名が並んでいたことも印象的だったということもあるのかもしれません。

[参考記事]
《アンゴラ》ナンバー「404」は神か悪魔か、それとも単なるノット・ファウンドか — 不思議な空の模様を見ながら神か悪魔のどちらかの健闘ぶりを思う (2016/02/22)
《リオデジャネイロ》ジカ戦争:ジカウイルスは変異し続けている? そして、軍事的目的でウイルスが使用される可能性に言及するロシア (2016/02/19)

 

地球に接近する天体に関しての最近の話題として、「 3月5日に小惑星が地球にかなり接近する」ことが NASA から発表されています。

ナショナルジオグラフィックが下のように「地球スレスレ」というような表現を使っていたのが印象的でした。

2月19日のナショナルジオグラフィック・ニュースより

near-2013-tx383月5日に小惑星が地球スレスレを通過、NASAが発表

 

通常ですと、NASA は、かなり正確に小惑星の通過位置の予測を発表して、それはほとんどが予測通りとなりますが、今回の小惑星は、通過場所の関係で十分なデータを取ることができなかったようです。

小惑星には「 2013 TX68 」という名前がつけられていることから、2013年に発見されたものだとわかりますが、何と、その発見された時に1度観測されただけで、その後、太陽の光に遮られ、正確な軌道の計算が出来ないまま 3月5日の最接近の日を迎えます。

とはいっても、現在の計算では、最大に近くても地球から 1万7000キロメートル(静止衛星の高度の半分くらい)ということで、地球に衝突する可能性はほとんどないと思われます。

仮にそういうことがあったとしても、この小惑星は直径 30メートルと小っちゃいのですよ。

ですので、それほど心配するようなものではないですが・・・ただですね。

今回のものは心配ないとはいえ、今後は、それは「おそらく」としか言いようがないですが、

「火球や隕石、小惑星などの地球への影響事例は増える」

と思います。

実はここ数年の火球と地球接近型の小惑星の増え方がものすごいのです。

NASA などのデータは、「圧巻」といえるものです。
少しご紹介させていただこうかと思います。
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壮絶な勢いで増え続ける火球と地球近傍小惑星

まずは、ふたつのデータをご覧下さい。

NASA による地球近傍小惑星(地球に接近する小惑星)の数の過去 20年の推移のデータと、アメリカ流星学会(AMS)による火球の観測数の過去 10年の推移のデータです。

地球に接近した小惑星の数の推移

NEAs_NASAsott.net

 

火球の観測数の推移(アメリカ)

total_fireballs

 

ものすごい曲線を描いていますが、これらのグラフを見る際に考慮しなければならないのは、

「観測技術の向上」

ということがあるはずです。

つまり、昔は観測できなかったような火球や小惑星も、設備と技術の進歩で観測できるようになったと。

これは数の増加のかなりの部分を占めているとは思います。

そうは思いますけれども、それにしても、火球の観測数は 10年で 20倍近く、小惑星に至っては 80倍などの増加となっていまして、観測技術の向上を差し引いても、かなりの増え方をしていると思います。

そして、例えば、「過去数年」となりますと、観測技術はほぼ同じレベルで推移していると思いますが、過去数年だけでも、

小惑星 → 2010年の 900個前後から 2015年は 1,600個超え
火球 → 2010年の 900前後から 2015年は 9,000超え

となっていて、この数年で、共に急激に増加していることがわかります。

さきほど、「火球や隕石、小惑星の地球への影響事例は増えると思われます」と書きました根拠はこれらのデータです。増え続けているものが突然減り始めるという理由は見出しにくいことから、火球も地球に接近する小惑星も、まだ増えると考えるのが妥当かと思います。

それと、あまり関係ないですが、今後、太陽活動がさらに小さくなる時期に入りますけれど、太陽活動が弱くなりますと「宇宙線が増える」という傾向があります。

 

これからは宇宙から降ってくるものがいろいろと増えていく時代になりそうです

宇宙線が増えたからどうだこうだということではないですが、火球にしても、小惑星にしても、宇宙線にしても、

「これからは上から降ってくるものが多くなる」

ということは、ほぼ確定的な事実としてあると思っています。

実際、先月のスペースウェザー・ニュースでは、「宇宙線が増大している」ことについてを報じていました。

2016年1月31日のスペースウェザー・ニュースより

cosmic-ray-2016Cosmic Rays are Intensifying

 

宇宙線の増加がどんなことに影響を与える可能性があるかといいますと、

デンマーク工科大学での実験で確定しつつある宇宙線と雲の関係
 2013/09/05

などで書いたことがありますが、「宇宙線は、雲を作ることに関与している可能性が極めて高い」ということで、つまり、宇宙線が増えると、天候が影響を受ける(具体的には雲のある日が多くなる)ということがあります。

これに関しては、雲を作っているのが宇宙線であることを発見したデンマークのスベンマルク博士の『“不機嫌な”太陽-気候変動のもうひとつのシナリオ』という本が参考になるかもしれません。

そして、確定している学説でも何でもないとはいえ、4年ほど前の、

米国メディアで相次ぐ「近く地球は小氷河期入りする」という記事
 2012/02/03

という記事などに書いたことがありますが、東京工業大学の丸山茂徳教授などによる「宇宙線が地震や火山噴火のトリガーとなっている」という主張も存在します。

そして、火山の噴火の増加もまた世界の気候や天候に影響します。

宇宙線が関係しているかどうかはともかく、現実として、この数年の火山の噴火の増加は明らかです。

つまり、宇宙線が激化していくと、「天候を含めた環境の変化がさらに激しくなる」ことも予測されるということだと思います。

今年から・・・ということではないですが、これからしばらくの期間の地球は、「上からいろいろと降って来て、いろいろな影響を受ける可能性がある」のだと思います。

これらのことを考える上で大事なことは、

「小惑星も宇宙線も、それらの地球へ進行を止めることは人類にはできない」

ということです。

なので、心配したりするようなことではないです。

おそれたり心配するのではなく、「今は環境が変わっていく可能性がある時代にいる」ということを考えながら、準備をしたり(具体的にはどういう準備をすればいいのかわからない面もありますが)、心持ちをそのような時代に向けたりして生きていければ、それでいいのだと思います。