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地球最期のニュースと資料

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歴史的な大干ばつの時代に突入していることを「進行する7つの干ばつ」で知った3月3日。そして、そこから思う世界の食料流通が崩壊した時の私たちの国

   

drought-2016-s1guardian

 

3月3日は日本では、ひなまつりの日でしたけれど、その日の報道などを見ていて、複数の報道で同時に飛び込んできたのが drought = 干ばつ の文字でした。

世界では常にどこかで干ばつは起きているものですが、こんなに深刻な干ばつが世界の至るところで進行していることは知りませんでした。

その日、見たのは「7つの国と地域」」での干ばつのニュースでしたが、どの国や地域の干ばつも、過去数十年で最悪、あるいは、「歴史上で最悪」レベルのもので、ストレートに人道危機に直面している場合も含みます(平たく書けば、人々が亡くなり始めているということです)。

その日報道で知った7つの国と地域は、エチオピア、パプアニューギニア、インドのマハーラーシュトラ州の周辺、モロッコ、ハワイ、南アフリカ、スワジランドです。

エチオピアとパプア・ニューギニアの干ばつは、このままだと「大量死」という状況と結びつくギリギリになっている様相のようで、インドやモロッコの干ばつも、このまま進行すると、厳しい状況となりそうです。

ちなみに、前回の記事は、気象に関してのものでしたが、干ばつの進行に関しても、世紀末的な様相を呈し始めているのかもしれません。

まずは、その日見た7つの干ばつの報道の見出しと、簡単な状況を並べます。

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3月3日に知った世界の7つの歴史的干ばつ

エチオピアの干ばつ

2016年3月3日の英国ガーディアンより
ethiopians-pray-drought‘We’re waiting to die’: Ethiopians pray even as drought response praised

[エチオピアの現在の干ばつの状況]

  • 過去数十年で最悪の干ばつで1020万人が影響を受けている
  • その中で 40万人以上の子どもたちが限界の飢餓に直面している
  • 国際援助は十分ではない状態

 

パプアニューギニアの干ばつ

2016年3月3日のオーストラリアの報道より
papua-drought-2016Papua New Guinea drought: Prime Minister Peter O’Neill rejects reports of widespread deaths

[パプアニューギニアの現在の干ばつの状況]

  • 過去数十年で最悪の干ばつ
  • パプアニューギニア全域で飢餓などによる死者が出ているという報告が出たが、首相は、その死が干ばつと関係あるかどうかわからないと報告書の内容を否定
  • 20年前の干ばつの時にはオーストラリア空軍が飛行機で食料を援助したが、その時より状況が悪い
  • パプアニューギニア政府は、オーストラリア政府の援助の申し出も拒否

 

インド北部の干ばつ

2016年3月3日のインドの報道より
india-drought-2016aCabinet meeting in Latur today: Govt bigwigs in Marathwada to tackle drought condition

[インド・マハーラーシュトラ州の現在の干ばつの状況]

  • 過去最悪級の干ばつ
  • 約 15,000の村(州にある村の 35%)が干ばつの影響を受けている
  • 農業だけではなく、水そのものが不足しているので、工業活動にも影響
  • 主要ダムの水位は 6.5%にまで低下
  • インドで一般的に干ばつとなるのは「夏」だが、まだ夏前なのにこの状況なので、夏になると、どんなことになるのか予測がつかない

インド・マハーラーシュトラ州の場所
Maharashtra-map

 

モロッコの干ばつ

2016年3月3日のブルームバーグより
morocco-catastrophic-droughtMorocco Prays to Save Wheat Fields After Catastrophic Drought

[モロッコの現在の干ばつの状況]

  • 全土の半分以上の小麦畑が全滅。そして、さらに畑の破壊が進んでいる
  • 国王が、国民に対して「雨が降るように祈りなさい」と呼びかける事態に
  • モロッコの人たちは、小麦をとてもよく食べる(世界平均の約4倍)ので、食料不足が深刻化する可能性
  • この数年のエジプト、リビア、チュニジアの政府転覆は食糧不足がキッカケとなっているだけに、当局は神経質になっている模様

小麦の消費量の比較
wheat-compare

 

ハワイの干ばつ

2016年3月3日のハワイの報道より
hawaii-drought-2016El Nino leads to return of severe drought conditions in Hawaii

[ハワイの現在の干ばつの状況]

  • 今年1月の降水量は通常の 50%以下で、地域によっては、平年の 10%しか降っていないところも
  • 予測では今後も雨は望めず、次の雨期シーズンは 10月
  • 1998年のエルニーニョの時には、4年間干ばつが続いた

 

南アフリカの干ばつ

2016年3月3日の南アフリカの報道より
sa-drought-2016aDrought hurting SA, says Zuma

[南アフリカの現在の干ばつの状況]

  • 首相が明らかにしたという報道で、干ばつ状況の詳細は不明

 

スワジランド(南アフリカに囲まれた位置の国)の干ばつ

2016年3月3日の報道より
Swaziland-drought-intensifiesNational emergency declared as Swaziland drought intensifies

[スワジランドの現在の干ばつの状況]

  • 2014年から始まった干ばつがエルニーニョでさらに激化
  • 30万人が深刻な水と食糧危機に(スワジランドの人口は107万人)
  • 農業での作物収穫量は通常の 10%以下と推測され、牛なども多数が死んでいる

 

などとなっています。

上のスワジランドでは非常事態宣言が出されていますが、2月は、いくつかの国や地域で、干ばつによる非常事態宣言が出されています。2月上旬に、ジンバブエで干ばつによる非常事態宣言(Mirror)、そして、ソマリアで干ばつによる非常事態宣言(garoweonline.com)などがありました。

他にも、世界で継続している干ばつは、カリフォルニアとかブラジルとか、いくらでもありますが、大きな問題は、上の干ばつを含めて、「本格的な干ばつの季節は普通はこれから」ということがあります。

そして、「支援の限界」という問題も表面化しそうな気がするのです。

 

1日10万人の死をさらに超えて

今の世界は、干ばつだけではなく、洪水などの被害も多いですが、そのような自然災害に見舞われている国や地域のうちのいくつかには、国連などの援助が行われることになるのでしょうけれど、しかし、どうも状況が危ういという感じはするのです。

というのも、昨年の時点で、資金を含めて、すでに「不足」している状態になっていることがうかがえるからです。

たとえば、昨年の秋以降、下のふたつのできごとをご紹介したことがありました。

ソマリア全土で続く洪水による流行病の発生と、食糧価格の急騰に対しての援助の必要性について国連が緊急リリースを発表
 地球の記録 2015/11/26

国連発表 : アフリカ南東部マラウイで280万人が過去最悪の飢餓に瀕している
 地球の記録 2015/10/03

マラウイの記事では、国連のプレスリリースをご紹介しましたが、その中に、国連世界食糧計画( WFP )の代表の言葉として、

「世界食糧計画の活動資金は、政府、企業や個人からの任意拠出金によって賄われているが、今回の 81万ドル(約 9700万)規模の資金供出には、25%以上が足りない状態となっており、追加の資金供出が緊急に必要とされている」

と、資金不足が生じていることが説明されています。

また、ソマリアでは、洪水と干ばつに繰り返し見舞われたことによって農地が荒廃してしまったのですが、その記事の中に、

> 国連( UN )の報告によれば、2015年10月19日以来、ソマリア全土を襲っている大洪水は、水を原因とする疾患の流行、現地の食料品価格の急上昇、そして、人道支援の物資の支援の中断をもたらしている。

とあり、あまりにも現地の状況が悪いと「人道支援そのものが物理的にできない」という事態が起き得ることもわかります。

そのような「支援が必要な自然災害」がすでに進行している中で、先ほどご紹介しましたように、現在、壊滅的な干ばつは、アジアからアフリカ、南北アメリカ大陸まで非常に広い範囲で出現しているということになっているわけです。

さらに、大きな問題は、「多くの地域は、これからの季節が干ばつになる」ということです。

つまり、今はまだ夏の前なので、本来なら北半球などでは干ばつがこんなにひどくなることはないはずなのです。

それなのに、このようにひどい干ばつになっているということは、これからの気候にも左右されますでしょうが、今後、さらに激しい干ばつが、より多くの国や地域を襲う可能性はあるということになりそうです。

その場合、今でさえ限界に近づいている国際援助がどのくらい機能するのかということが懸念されそうです。

ここには「景気や経済や金融市場」も関係します。

さきほどの世界食糧計画の代表の言葉にありましたように、たとえば、世界食糧計画の活動資金は、

> 政府、企業や個人からの任意拠出金によって賄われている

という部分を見てもわかりますが、国家や企業などが豊かではない状態になった場合は状況は厳しくなっていく可能性は常にあるということになるとも考えられそうです。

というより、もし、現在の「気候カオス」が、もう少し過度に世界的に広がった場合は、いわゆる主要国であっても、「他の国への人道支援」という以前に、「自分の国の食料問題」にスポットを当てなければならない国や地域も出てくるようにも思います。

それは食料自給率が低い国などは特にそうです。
下は、カロリーベース(その国の食料消費を自国でどの程度まかなえているか)の食糧自給率の比較です。

food-balance-2010農林水産省 – 食料自給率

日本は韓国よりも低く、主要国の中でダントツですが、ただ、この「食糧自給率」の問題は昔から言われていることだとはいえ、日本の以下の問題、

・高齢化
・農業を継ぐ人が少ない

を考えますと、普通に考えれば、これからさらに食糧自給率の低下は加速していくことになりそうです。

今までと同様に、海外から食べ物がいくらでも安く入って来るという状況が未来永劫に続くのなら、食料自給率が壊滅的な数値となったところで問題はないのかもしれないですが、そんなことはあり得ないと思っています。そして、今の気候カオスの状況は、「食料自給率が低い国の食料の問題」を加速させる可能性があるのかもしれません。

結局、「国交を閉ざして自力でも生きていける」というのは、食べ物が自分たちでまかなえることが条件のような気はします。そういう意味では、上の食糧自給率のグラフはいろいろと表しているような気がします。

なんだかんだいっても、アメリカやフランスでさえも、農業を大事な産業としてとらえて続けてきたことがわかりますし、日本や韓国、台湾といった東アジアの「先端技術国」が、どちらかというと農業を軽視した政策を拡大してここまで来たということも何となくわかります。

先端技術や車や家電もいいでしょうが、「人間には第一に何が必要か」ということを・・・まあ、今から考えても、すでにやや遅いでしょうが。

いずれにしても、この日本の近代化の歴史のツケはくるのではないですかね。

そういうことを考えますと、最初に示しましたような「今起きている世界の大干ばつ」の報道は、実は、将来的に自分たちとも関係してくるかもしれない未来の危機を現しているということのような気もします。

すぐにではないにしても、食料の問題は、世界的な規模の問題として必ず起きてくるはずです。

昨年のクリスマス頃に、

2015年の世界全体の死者数は「5760万人」。私たちは日月神示の「1日10万人の死…」の警告をはるかに越えた時代に生きている
 2015/12/23

という記事で、「実は今の社会はすでに 1日10万人以上が亡くなっている」ことを書きまして、これには「病気」が多いことを記したのですが、現在の気候カオスがもたらす食料の問題もまた、この数を上昇させそうです。

やはり、いろいろと、いよいよ近いのかもしれません。