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パンスペルミア 人類の未来

世界に広がるかもしれない「誰も妊娠してはいけない」状態 : 赤ちゃんに影響を及ぼすジカウイルスでのブラジル非常事態宣言から思う来年

投稿日:2015年12月26日 更新日:

2015年12月24日の米国報道より

brazil-dont-pregnant-Daily Beast




 

クリスマスイブの報道の衝撃

クリスマスイヴの日に、上のような衝撃的なタイトルの報道を目にしたのですが、少し調べると、これは「今後の世界」にとっても、あるいは少し関係するものかもしれないと思いまして、このことに関することをご紹介しようと思います。

これまでいろいろなニュースもを見たりご紹介したりしてきましたが、広大な地域を対象にして「妊娠を避けてください」という警告を出すというような事態を聞いたことは、多分ないような気がします。

女性が妊娠しないと「人類は存続しない」ということを考えても、インパクトのある意味の文字だと思います。

この「妊娠を避けてください」というのは、蚊が媒介するウイルスが関係したことなのですが、それについては後で報道などをご紹介しますが、それと共に、クリスマスの報道でちょっと思うことがありました。

それにしても、クリスマスといえば、日本のクリスマスの雰囲気は、この10数年くらいでずいぶんと変わってきた気もしまして、今ではイベント感をほとんど感じられません。

大きな街とかではそれなりにいろいろと飾り付けられているのでしょうけれど、人にも街にも「過剰なクリスマス感」はないですね。

まあ、本来は日本と関係のないクリスマスを過剰に何か祝うというのもおかしな話だったのかもしれないですので、これが正常なのかもしれないですが、私の子供時代や青年時代のクリスマスの「ウキウキ感」はちょっと異常なほどでした。

しかし、最近は日本はこんな感じですが、本場のアメリカなどでも最近は盛り上がらないようで、12月25日のウォールストリート・ジャーナルには、「死に絶えたクリスマス、様変わりのNY繁華街」というタイトルの記事があり、下のように書かれていました。

(かつては)人々は38丁目から59丁目にかけてぶらぶら歩き、華やかなクリスマスの飾りにあふれたショーウインドーを見ようと歩道を埋め尽くしたものだ。

ところが、今年は家にいたほうがましだ。今年の12月の5番街と言えば、クリスマスらしさはほとんどかけらも見られない。

今週、5番街を歩くと、目にするものはクリスマスらしくないばかりか、反クリスマスとしか言いようがない。

5番街では今年、伝統のサンタクロースさえ見当たらない。サンタの小人たちもいない。今までのクリスマスは死に絶えてしまったようだ。

とのことで、実は記事を読んでも、理由はよくわからないのですが、アメリカもそういうことになっているようです。ただ、今年のニューヨークの場合は「ニューヨークの気候」も関係していたかもしれません。

下は、12月24日のニューヨークのタブロイド新聞で、楽しげなサタン、もといサンタが表紙になっています。

ny-hotTwitter

 

これは、上のどちらの新聞も「熱波のクリスマス」ということを伝えているようで、報道によりますと、

ニューヨーク22度、Tシャツ姿も…史上最も暖かいイブ

読売新聞 2015/12/25

クリスマスイブを迎えた24日、米北東部は記録的な暖かさとなった。

米メディアによると、ニューヨークで最高気温が22度を記録し、観測史上最も暖かいクリスマスイブとなった。この時期の気温は通常、5度程度で、これまでで最も暖かかったのは、1996年の17度だったという。

ということで、22℃だと、涼しい夏くらいですかね。

そして、この「並外れた暖かさ」が、冒頭の「妊娠を避けてください」という状態の(特に北米への)拡大と関係あるかもしれないということで、これが前置きとなります。

 

ブラジルでの2015年の勧告が語ること

まず、「妊娠を避けてください」とは、どういうことから来ているのかということに関して、 CNN の報道からご紹介します。

「妊娠は避けて」、ブラジルで異例の勧告 小頭症激増受け

CNN 2015/12/24

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南米ブラジルで蚊が媒介する感染症と新生児の小頭症の因果関係が指摘され、衛生当局が異例の勧告を出して妊娠を避けるよう呼びかけている。

ブラジルでは今年に入って小頭症が疑われる症例が20州で2400例以上も報告され、昨年の147例に比べて激増した。乳児29人の死亡についても専門家が関係を調べている。

特に東部のペルナンブコ州では900を超す症例が報告され、これまでに6州が非常事態を宣言した。

小頭症は脳の発育が遅れる神経疾患で、頭が極端に小さい子どもが生まれ、深刻な発育障害が残ったり、幼少時に死亡したりすることもある。

小頭症の症例が急増した時期は、ブラジル国内でジカウイルスが確認された時期と重なっていた。母親が妊娠初期に、微熱や発疹、頭痛といったジカ熱の症状を発症していたことも分かった。

小頭症の症例は当初は北東部に集中していたが、今では南部のリオデジャネイロやサンパウロでも患者が確認され、ブラジル全土に不安が広がっている。

 

・ジカウイルス
・小頭症

という、どちらも聞き慣れない言葉が出てきます。小頭症という言葉は知っているようで具体的には今ひとつわからないですが、ブリタニカ国際大百科事典 によりますと、

頭蓋骨の縫合が早期に完成するために頭が極端に小さいものと,脳の発育が悪いために脳体積が小さく,頭蓋腔の容積も拡大しないものの二つがある。

知能の発達遅滞が顕著である。

前者は頭蓋骨癒合症の治療に準じるが,後者には有効な治療法がないことが多い。

というものとのことです。

本来、赤ちゃんの頭蓋骨は縫合していなく、そのため脳が急速に発達しても大丈夫になっているのですが、それが早くに縫合してしまうために脳が発育しないものと、もともとの脳の発育が悪いものとにわけられるようですが、どちらも赤ちゃんが脳を発達できないという深刻なものだといえます。

それが、ブラジルで激増していて、その原因と考えられるのが、「ジカウイルス」というもののようです。

このジカウイルスというのは、蚊が媒介する感染症ですが、実は、今年 5月15日に南北の全アメリカ大陸に対して注意喚起が発令されていました。

下は、厚生労働省検疫所の 2015年 5月15日の注意喚起情報です。

2015年05月15日更新 アメリカ大陸でのジカウイルス感染症への注意喚起

2015年5月7日付で汎米保健機関(PAHO)よりジカウイルス感染症に対する注意喚起情報が発表されました。

ジカウイルス感染症は、デング熱、日本脳炎、ウエストナイル脳炎といったウイルスに近い、ジカウイルスによって起こる感染症です。ジカウイルスはヤブ蚊により都会でも田園地帯でも感染伝播します。

3日~12日の潜伏期間の後、急性の発熱、非化膿性の結膜炎、頭痛、筋痛、関節痛、脱力、斑点状丘疹、下部肋骨水腫を起こします。頻度は下がりますが、後眼窩痛、食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛を起こします。症状は4-7日間続き、自然に治まります。合併症は滅多に現れません。

このようなもので、発熱などを伴う感染症ではあるのですが、

> 合併症は滅多に現れません。

というもののはずだったものが、今回のブラジルの例で、「妊婦がジカウイルスに感染した場合に小頭症が激増する」という重大な後遺症が判明したというものです。

上の注意喚起で注目するのは、これを発令したのが「汎米保健機関」という、南北すべてのアメリカ大陸に対しての保険機関だということです。

そして、先ほどふれました「冬なのに異常に暖かいアメリカ東海岸」という状況などから、「ニューヨークなども含めて、アメリカ合衆国の一部は、この季節でも蚊が蔓延しやすい状況となっている」ということになっている可能性も想定され、ブラジルの拡大状況の速度を見ていますと、北米へのジカウイルスの拡大もかなり想定されるように思います。

つまり、さきほどご紹介したニューヨークの「クリスマスの熱波」が伝える意味はわりと不気味なものなのかもしれないのです。

アメリカのワシントン・ポストは、今年9月に、「北米の脅威」として、このジカウイルスについて、その歴史などについて述べていましたが、しかし、その際には、今、ブラジルで起きているような「妊婦が感染すると小頭症の赤ちゃんが増える」ということについてはわかっていなかったため、警戒の度合いが違ってきたといえるかもしれません。

 

ジカウイルスの拡大の歴史と今後

ジカウイルスの拡大の歴史は、

・1947年 アフリカ、ウガンダのジカという町で発見される
・2007年 ミクロネシアのヤップ島で世界で最初の流行
・2013年 タヒチで流行
・2014年 ニューカレドニアとクック諸島で患者が報告される
・2015年 イースター島とブラジルで流行

となっています。

地図で示しますと、下のようになり、「 2007年頃から急速に拡大している」ことがわかります。

ジカウイルスの拡大の状況

Zika-Fever-MapWashington Post

 

これを見る限りは、1947年のウガンダで発見されたものが、その 60年後に発見された 2007年や 2014年のものへとつながっていったという感じはあまりしません。というのも、2014年からの拡大の速さとあまりにも違うからで、何となく「それぞれが別々に宇宙からやってきた」感じがします。

あ、宇宙から来たというのは唐突に聞こえるかもしれないですが、パンスペルミアの視点です。今回はそのことにはふれませんが、過去の参考記事をリンクしておきます。

 

[ウイルスが宇宙からやってくることに関しての参考記事]

地球外生物の「生命の種」はチタンで作られた微細な球の中に収められて飛来していることを英国の大学研究者たちが突き止める 2015/09/18

パンスペルミア説を証明できる実験が数十年ぶりにおこなわれ、成層圏で宇宙から地球への「侵入者」が捕獲される 2013/09/23

『宇宙が生命を作り出している』ことの証明に近づく新たな観測結果 2011/10/28

 

パンスペルミア説に関しての記事はとても多く、関連する過去記事のすべては、かつてのカテゴリー「パンスペルミア」にあります。

さて、宇宙からやってきたにしても、地球で突如として現れたにしても、とにかく、ジカウイルスは、先ほどの地図のように急速に拡大していて、媒介しているのは、蚊(だけかどうかはわかりませんが)であるわけで、つまり、蚊の生息できる場所なら、どこででも感染拡大する可能性はあるといっていいのではないでしょうか。

蚊の生息できる場所というのは、もうこれは「地球で人の住んでいるところのほとんど」といえそうです。

そして、まあ・・・このジカウイルスが現在流行しているブラジルは、来年のオリンピックの開催場所だったりもして、来年まで流行が収まらなかった場合は、「人を介して世界に広がる」ことなんてのも想定できるのかできないのかはよくわかりません。

それを契機として、こんな病気のパンデミックめいたものが、たとえばアジアなどにまでも広がると、ちょっと物騒なことではあります。

そしてですね、ブラジルのリオデジャネイロは現在「医療の崩壊」に直面しているということも同時に起きているのです。

やはりクリスマスイヴの 12月24日に、「財源不足で病院の休業が相次いでいる」ことに対しての非常事態が宣言されたばかりなのです。

ブラジル・リオ州が非常事態宣言 財源不足で病院休業

日本経済新聞 2015/12/25

ブラジル・リオデジャネイロ州のペザン知事は24日までに、財源不足から州立病院が相次いで休業に追い込まれたなどとして厚生分野での非常事態を宣言した。期間は180日。

州都リオデジャネイロでは来年五輪が開かれる。大規模事故や災害などが発生した場合に万全の態勢が取れるか懸念の声が上がりそうだ。

地元メディアによると、医薬品や消耗品の購入に充てる財源の不足や、職員の給与支払いの遅延などにより、今週、少なくとも28の医療機関が全面的、あるいは部分的に休業し、死亡する危険のある患者だけを受け入れるなどの対応を取った。

これは「何かあっても、病院がない」ということを意味しまして、来年までに改善するのかどうなのか。

このリオデジャネイロオリンピックというのは、いろいろな意味で、注目されているものですが、ブラジルは未来の世界の分岐点を作るかもしれないですね。

まさに、未来世紀を描くブラジルであります。

それにしても、今のブラジルのような「妊娠してはいけない」というような状態が世界に広がっていったら・・・と思うと、先日の記事「私たちは日月神示の「1日10万人の死…」の警告をはるかに越えた時代に生きているという世界にいることを実感したりもして、いろいろなことを考えさせてくれるクリスマスのいくつかの報道でした。

 

そういえば、今年のクリスマスは、1977年以来、38年ぶりの満月だったのだそうです。

ニューヨークの満月

christmass-full-moonChristian Science Monitor

 

イヴの夜に歩いていた時、自転車に乗った親子連れが、

子供 「あ、満月だ」
母親 「クリスマスに満月なんてねえ」

と言った後に、お母さんは、「真っ赤なお鼻のトナカイさんは〜♪」と、口ずさみながら、自転車で走り去っていきました。これが、今年のクリスマスで、唯一、クリスマスらしさを感じた瞬間でした。 

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