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4月12日にメルマガ夢見と古代ギリシャと「痛みとの個人的歴史」が混沌とを発行させていただきました。

2016年からの世界 人類の未来 拡大する自然災害

現在の地球の気温の極端さを象徴する「現世紀ブラジル」からオリンピックを契機に世界へと伝わるかもしれないいくつかのこと

投稿日:2016年6月14日 更新日:

オリンピック試合会場でスーパー耐性菌が検出されたことを報じる2016年6月10日のニュース

brazil-super-bacteria
‘Super Bacteria’ Found At Brazil Olympic Venues, Beaches

この報道はタイトル通りのものですが、後でふれようと思います。




 

ブラジルは、昨年今年と非常に多くの話題を提供してくれましたが、その中でも、全世界で最もジカウイルスによる感染症が蔓延したことについては、大きく報じられ続けました。

そして、その「ジカウイルスの本拠地」ともいえる場所で、世界中から人々が訪れるオリンピックが行われるということで、とても懸念はあるのですが、今のままの状態で気候が進行すれば、ブラジルでのジカウイルス感染の懸念はなくなっていくかもしれません。

何が「今のままの状態」かといいますと、寒いのです。

ブラジルの人は、雪には不慣れと見えて、上のような「なっていない雪だるま」が、あちこちに作られていたことなどが報じられていました。

6月9日にブラジルで降った雪で作られた雪だるま(もはやダルマとはいえないですが)

brazil-snow-2016WHO SAID BRAZIL HAS NO WINTER?

 

平年より「数十度」低い気温に包まれているリオを含むブラジル南部

ブラジルという国は、大体全土にわたり、1年を通して「熱帯気味な温暖な気候」のはずなのですが、ここ最近続いているブラジル南部と、南米各地の寒さにはものすごいものがありまして、

ブラジルに歴史的な寒波が到来 : 南部サンタカタリーナ州では異例のマイナス20℃に
 地球の記録 2016/06/10

という記事では、このタイトル通りに、ブラジル南部にあるサンタカタリーナ州で、6月8日に最低気温が氷点下 20℃という度を超えた寒さを記録した場所があることが報じられていたことをご紹介しました。

その後、さらに気温が低下したようで、報道によれば、サンタカタリーナ州で氷点下 22℃と、北極よりも寒いような状態となったようです。

2016年6月10日の報道より

brazil-coldwave-06plus55.com

ブラジルの 42都市が氷点下を下回っているということで、こういう気温がこれからも続くとしたならば、蚊が活動できるわけもなく、ジカウイルスの拡大の心配は大幅に減ると思われます。

まあ、ブラジルは面積の大きな大国ですので、全部がこういう「ミニ氷河期状態」というわけではないですが、オリンピックのおこなわれるリオデジャネイロあたりも、なかなかの低温状態が続いています。

下は最近のブラジルの気温の分布です。華氏での表示ですので、注釈をつけています。

2016年6月10日の南米の日中の気温

brazil-temperature-0610Sunrise's Swansong

この気温図が載せられた記事のタイトルは、「 WILL BRAZIL CHILL KILL COFFEE? (ブラジルの低温はコーヒー畑を壊滅に導く?)」というもので、考えてみれば、度を超えた低温は、農作物への影響もありそうですね。

ちょっと前までは、ブラジルは「干ばつでコーヒーが危険にさらされている」という状態でしたのに、今度は寒波で、というように、なかなか気候も容赦ない面はあります。

それにしても、上の地図を見てみますと、これから冬に向かう南米の南部が寒いのはある程度は理解できますけれど(ちょっと寒すぎますが)、赤道直下あたりにある国や地域も、軒並み気温が低いのは気になります。

これがずっと続くということはないのでしょうけれど、あるいは「極寒の中での夏のリオデジャネイロ・オリンピック」というような構図も展開されたりする可能性もあるのかもしれません。

それでもやはり、ジカウイルスの媒体のことを考えますと、今のブラジルは暑いよりは寒いほうがいいかもしれません。

しかし、気候というのは面白いもので、ブラジルをはじめとした南米諸国が激しい寒波に見舞われている中、その多くの旧宗主国・・・というより征服者だったスペインとポルトガルは、類を見ない「超熱波」に見舞われています。

2016年6月6日のスペインの報道より

spain-heatwave-0609regiondigital.com

 

上は、6月6日の報道ですが、今も続いているというか、さらにヒートアップしていまして、下は 6月13日のヨーロッパ南部の最高気温分布です。

2016年6月13日のヨーロッパ南部の気温

spain-heat-0609via vk

 

数字が小さくて見づらいかとは思いますが、赤色の最も濃いところが 35℃以上の地域です。この日のスペインでは、最高気温 40.7℃ を記録したところもあったようです。

まあ・・・・・まだ6月ですからね。

これからさらに高くなってりしていくのですかねえ。

厳寒の南米にしても、猛暑のヨーロッパ南部にしても、今後それぞれどういう方向に進むのかはわからないですが、現時点では、この状態は、双方共に「異常気象」といえると思います。

 

カオス化する世界の気温(と埼玉県南部の気温)

なーんて人ごとのように他の国の気温を見た後に、自分の住む地域(埼玉県南部)の1週間予報を見てみますと・・・。

埼玉県南部の1週間予報
saitama-35cYahoo! 天気情報

「な・・・・・」

と私は絶句し、

「スペインのことをどうだこうだ言えない・・・」

と落胆し絶望しました。

まだ予測段階とはいえ 35℃。

6月ですよ、6月。

しかも、「梅雨の真っ只中」ですよ。

そこに 35℃おおううう?

しかし、それと同時に、この晴れの多い1週間予報を見て、ふと呟いたのは、「水が・・・」という言葉でした。

先日、

このままだと関東に前例のない水不足? 利根川上流のダムの貯水率が同時期としては過去最低に
 地球の記録 2016/06/08

という記事で、関東6都県に水を供給している利根川系水系の最大のダムである矢木沢ダムが「干上がりに突き進んでいる」ことを書いたのですが、その記事を書いた時の矢木沢ダムの貯水率は 22.2%で、利根川系水系の合計貯水率が 48.9%だったのですね。

それが今日。

2016年6月14日の矢木沢ダムの貯水率(9.5%)

yagisawa-dam-0614東京都水道局

もはや 10%を切ってきているわけですが、このすごさは「減り方の急ピッチさ」なんです。

矢木沢ダムの貯水率は、産経ニュースによりますと、50%を切ったのが 5月27日のことで、わりと最近のことなのです。そして、6月9日には、20%を切り、昨日、10%を割り込みました。

仮に雨が少なくて、このペースが保たれれば、6月の下旬までには「枯渇しちゃう」という計算になってしまいます・・・。

利根川水系全体のダムの貯水量も 40%を切っていて、今年の梅雨があまり雨に恵まれなかった場合、結構「小さなカタストロフ」ですよね。

いずれにしても、世界各地でこのような「極端」な気温や気象が続いています。

6月12日に中国のハルビンでは、前例のないような雹(ひょう)が降り、その光景からは非常に黙示録的な感じを受けました。

中国ハルビンで雹に埋もれた通行中の車両 2016年6月12日

harbin-hail-0612Epoch Times 地球の記録

この「雹」というのも、気温と上空大気のカオスな関係で生まれるものではあり、それが今、本当に世界中で増えています。

ほぼ毎日のように「巨大な雹」が、世界のどこかで降っているような感覚があるのですが、今度ご紹介できることがあれば、一覧でご紹介してみたいとも思います。多すぎて無理かもしれないですが。

 

今年3月に、

気候のコヤニスカッツィと頻発する「神の手」…… 世界の気象はもはや均衡を失っている様相で
 2016/03/03

という記事を書きました。

いろいろなことと書きましたけれど、要するに「世界中で気温が混沌としてきている」ということを記させていただいたのですが、ここにきて、その両極端ぶりがさらに激しくなっている感じがします。

もはや、地球温暖化とか、地球寒冷化とか、そういう枠組みには何も入らない、ひとことでいえば「気温の混沌」の時代なのだとしみじみと思います。

もちろん、十年くらいの少し長い目で見れば、地球が全体としての寒冷化に向かうということは間違いないとは思うのですが、それにしても、「地球全体」かどうかはよくわかりません。

そういえば、今回は「ブラジル」の話で始まりましたが、ブラジルからの話題は尽きないですよ。

数日前、

「リオデジャネイロ・オリンピックで海上スポーツの試合会場として使われる湾から、スーパー耐性菌が発見された」

というニュースが報じられていました。

それが冒頭の報道です。

見つかった場所は、リオデジャネイロで最も観光客たちの人気があるビーチのようで、オリンピックでは、セーリングやウインドサーフィンなどの試合が行われるのだそう。

今回の調査では、2013年から 2014年までにリオデジャネイロの5つのビーチの 10ポイントから、サンプルを集めたところ、

「すべてのビーチでスーパー耐性菌が見つかった」

ということで、「検査地点のすべてから」といいうことは、リオデジャネイロの海には、スーパー耐性菌が相当蔓延しているということになるようです。

それにしても、2013年から 2014年までのサンプル採取ということは、ずいぶん前に結果はわかっていたような気がするですが、なぜ今になって、この結果を公表?

ちなみに、これらのスーパー耐性菌は、髄膜炎、尿路感染症、胃腸炎、肺炎、血流感染などを引き起こすそうですが、抗生物質がまったく効かないですので、治すことが難しい疾病となるものです。

まあ・・・このビーチにも、オリンピック開催時には、たくさんの人が集まるのでしょうし、影響はどんなものなんでしょうかね。

少し前に、

「西洋医療の崩壊」は防げるか : 抗生物質の黙示録の時代に出現した「新しいスーパー抗生物質テイクソバクチン」と、スーパー耐性菌の未来の戦いの行方
 2016/05/30

という記事を書きましたが、ジカウイルスもそうですが、スーパー耐性菌も、リオデジャネイロ・オリンピックから全世界へと・・・というようなことにならなければいいですが。

それにしても、今度のオリンピックはいろいろと話題が多くて、6月13日には、下のようなニュースが流れていました。

リオ五輪ビーチバレー会場、建設途中で工事差し止め

AFP 2016/06/13

ブラジル・リオデジャネイロのコパカバーナ・ビーチで、今年8月のリオデジャネイロ五輪に向けて建設中のビーチバレーボール会場の一部が、強い波の影響で損傷を受けている。また、リオの環境対策室がAFPに語ったところによると、建設会社による管理上のミスで工事が差し止められているという。

大丈夫なんですかね。

オリンピックはともかくとしても、世界中の天候の混沌が激しくなっている中、気象専門家たちの予測通りに、この後、ラニーニャ現象となっていくのならば、混沌はさらに拡大すると思われます。

私はとりあえずは目先の「 6月の 35℃問題」に取り組みます。

 

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