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2016年からの世界 人類の未来 日本の未来

たとえばこの国に飢えが現実化する日があれば、どんなことが起きるのだろう : 極限の食糧難の渦中にあるベネズエラの報道を見て

投稿日:2016年8月3日 更新日:

2016年7月31日の報道より


PJ MEDIA




 

今、ベネズエラは経済を含めて様々な意味で大変な状況にあり、上のように、動物園の動物たちに食糧を行き渡らせることができないために、動物たちが次々と餓死しているということについては、動物たちに対しての感情的な問題を別にすれば、理屈としては理解できます。

後述しますけれど、今のベネズエラには人間の食べ物も極端に少ないのですから。

しかし、事態が次のようなことにまでなっているということについては、日本の報道で知らされることはあまりないように思います。

2016年7月31日のメディア TRUE ACTIVIST の記事より

Starving Venezuelans Break Into Zoo And Eat Equally Starving Animals

この、

「飢えた人々が動物園に押し入り、飢えた動物たちを食べている」

というフレーズには、なかなか末期的なものを感じる部分もありますが、もちろん、ベネズエラの人々が置かれた現状を考えれば、そういうことを外部から非難したり是非を決めたりというのは筋違いですが、こういう状況にまで突き進んでいる最近のベネズエラのことを書きたいと思います。

そして、あるいは、その姿は今後のわりと多くの国(いつかは日本も含めて)の姿かもしれないと思ったり。

ところで今現在、少し前のように「地磁気がやや乱れている最中」にあるのですが、前回のその期間は、何だか異常に荒れていましたので。そのことを先に少し書いておきます。

華々しく飛び交う軍用機の群と地磁気の乱れ

これも関係話題かもしれないですが、私の住んでいるところは、近くに米軍の通信基地があり、少し先には自衛隊の入間空軍基地があります。

正式には空軍ではなく、航空自衛隊入間基地ですが、私の住むところの上空がちょうど軍用機たちが飛行していくルートにあたるために、たとえば、私の家のすぐ上をかなりの低空で飛んでいったりします。

その際には、それなりにうるさく、部屋の中での会話も成立しないほどの騒音になることは普通でもあるため、「今日は飛行機が多いなあ」という日は当然、それに気づくわけで、奥さんなどと、

「今日は多いねえ。また何かあったのかねえ」

などと話します。

「また何かあったのかねえ」というのは、特別に飛び交う飛行機が多い日は、後になって報道などで、どこかの国が領海侵犯をしていたとか、領空侵犯をしていた、とか、そういう「何か」が必ずある日なんです。

それらは数日後に発表されることが多いですので、後になってわかります。

そりゃまあ、軍用機が理由なく発進することもないでしょうから、「何かあった」からこそ、数多くの軍用機が頭の上を通り過ぎていくわけですけれど、今日がもまた、午前中から多いのですよ。

「何だろうかなあ」

と報道などを見ていますと、8月3日の午前に、「北朝鮮が弾道ミサイル発射 秋田沖250キロに落下産経新聞)」というような報道もあり、「これと関係しているのかな」とも思いますが、何ともいえないです。

とにかく、今日の午前中は、軍用機慣れしている私がイラつくほどうるさかったです。

それとは関係ないですが、先日の、

太陽も地球も空も何より人間が「浮躁」している今大事なことは、精神のスローダウンかと思います
 2016/07/25

という記事で 7月23日の太陽フレアに伴って発生した CME (コロナ質量放出)の影響で、地球の地磁気が乱されることを書きまして、過去にこういう時には暴力とかイライラとかによる行為が増発しやすいようなことを書きまして、その後いろいろ起きたことについて具体的に書くつもりはないですが、犯罪を含めた、いくつかの激しい事象が起きました。

そして、今現在また、その時と同じような感じとなっているのです。

7月29日に太陽フレアが発生し、それに伴うコロナ質量放出の磁気の嵐がちょうど今、地球にやってきています。

2016年7月29日の太陽フレアに伴い発生したコロナ質量放出

cme-0729Spaceweather

そして、やはり以前と似たような大きなコロナホールか太陽の表面に出現し始めていて、これも地球の磁場を乱す原因となりそうです。

2016年8月2日の太陽表面。黒い部分がコロナホール

coronalhole_sdo_0802NASA/SDO

人間社会のほうはどうなるかわからないですが、アメリカのウェストヴァージニア州では「犬が飼い主の車を運転して、ウォルマートに突っ込む」という事案なども起きていて、犬なども興奮しているようです。磁気の乱れのせいでしょうか(いや)。

2016年8月1日の米国UPIの報道より

dog-crasher-wvDogs drive owner's car into West Virginia Walmart

この犬もまた動物ですが、ベネズエラでは、動物園の動物たちが次々と餓死するだけではなく、その肉を食糧とする人々が出てきている、というようなことになっているようなのですが、今、ベネズエラはどうなっているのか。

 

食糧を買えば1日で1カ月分の給料が飛ぶベネズエラの今

ベネズエラの首都カラカスのスーパーマーケット 7月末

caracas-supermarket-juneGoing hungry in Venezuela

ベネズエラは、もはや経済破綻が間近だとされますが、原油価格の下落によって物価が非常に高騰している他、食料品や医療品が決定的に不足しています。

上の写真は、BBC の報道からのもので、首都カラカスのスーパーの棚ですが、ほとんど何もありません。

右側の棚にかろうじて残っているものは「ブラン・シリアル(bran cereal)」というもので、ブランは「ふすま」、つまり、「小麦をひいて粉にしたあとに残る皮」のシリアルというようなことらしいですが、それだけが少し残っています。

日本だと、ブラン・シリアルのようなものは「ヘルシー」というようなことになるのかもしれないですが、今のベネズエラではヘルシーも何もなく、とにかく米やパンや肉といった基本的な食べ物を手に入れることが大変なようです。

また、食糧も実質、闇市場などでしか手に入らなくなりつつあるようなのですが、その価格について CNN では、以下のように報じていました。

食糧不足が深刻化、パスタの価格は200倍に ベネズエラ

CNN 2016/08/03

南米ベネズエラで牛乳や粉といった主食となる食品が極端な品薄に見舞われ、闇市場で価格が何百倍にも急騰している。

牛乳の値段は公営のスーパーマーケットで購入できれば粉ミルク1袋当たり70ボリバルで済む。しかし店の棚に並ぶことはほとんどない。闇市場では100倍の7000ボリバル(米ドル換算で700ドル=約7万円)で売られているのが見つかった。

主食のパンに使われるトウモロコシ粉は、公営スーパーで1キロ入りの袋が190ボリバル、民間のスーパーでもほぼ同程度。しかし闇市場では約15倍の3000ボリバルに跳ね上がる。

公定価格15ボリバルの1キロ入りパスタは、首都カラカスの闇市場で約200倍の3000ボリバルという値段が付いていた。闇市場でトウモロコシ粉とパスタと粉ミルクを1袋ずつ買っただけで、月額最低賃金の1万5000~2万ボリバルを使い果たしてしまいそうになる計算だ。

このような状況となっているようでして、日本円にすれば、今のベネズエラでは、闇市価格で、

・粉ミルク 1袋 7万円

・トウモロコシ粉 1キロ 3万円

・パスタ 1キロ 3万円

ということになっているとのことで、ベネズエラの月額最低賃金は、日本円で約 15万円〜 20万円ですので、普通の人はまとねに闇市で食糧を買えるというものでもなさそうです。

先ほどの価格から考えますと、闇市で食べ物を買うと、粉ミルクとトウモロコシ粉とパスタを買っただけで、約 13万円となり、1カ月分の給料の大半が一回の食料の買い物だけで吹き飛んでしまうことになります。

これは確かに一般の人には難しいです。

そのようなわけで、人々は、価格が比較的適正な普通のスーパーに並ぶのですが、もはや、スーパーでは食べ物はほとんど手に入らなくなっているようです。

CNN の記事にも、ベネズエラの人たちの、

「午前3時から並んで買えたのは歯磨き粉2本だけ。今晩は歯磨き粉を食べるしかないかも」

という 19歳の女性の声や、

「粉もコメも砂糖も手に入らなかった。あったのは石鹸だけ。でも石鹸じゃ食べられない」

という 25歳の男性の声が紹介されています。

確かに、手に入るものが歯磨きや石鹸ばかりでは、精神的にも栄養的にもちょっと厳しいものがあります。

スーパーに物がないという光景は、食糧不足によるものというわけではないですが、2008年のジンバブエのハイパーインフレの時にも報道で見たものでした。

ジンバブエの首都ハラレのスーパー 2008年10月9日

Empty-shelves_-zimamweTelegraph

この時のジンバブエのハイパーインフレは、Wikipedia によれば、2008年2月の時点で、すでにインフレ率が 16万4000%という途方もないものになっていたのですが、6月には 1120万%、7月には 2億3100万%のインフレとなり、2009年1月にはついにインフレ率が、

6,500,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 %

というものとなり、後ろから 0が 15個目で 1,000兆ですので、もう日本語での数の単位を当てはめることができないインフレーションになっていました。

100兆円あっても、ジュース1本買えないというようなことになっていったわけですが、当時のジンバブエの人たちは、そのような中で、「物々交換」などで生活して生き抜いたといわれています。

話が逸れましたが、ちなみに、ベネズエラ政府は現在、ジャマイカ政府と「物々交換」で物資を手にしている状態となっていて、ベネズエラに対して石油の借金があるベネズエラは、お金のかわりに、食料や医薬品をベネズエラに支払い、借金の返済にあてているというのです。

2016年8月2日の報道より

nenazuela-jamicaVice News

「国家間の借金を食料で返す」というのは、あまり聞かれるものではないようにも思いますが、いずれにしても、その原油価格も最近再び下げに転じ、特に、この数日大きな下落を続けていて、このがどうなるのかはよくわかっていません。

そんな中で、冒頭のような動物園に関係した事態がニュースとなっているものですすが、これらの出来事をある程度まとめて伝えているサイトがありましたので、その内容をご紹介したいと思います。


Hungry Venezuelans Slaughter Zoo Animals For Food
yournewswire.com 2016/07/29

飢えたベネズエラの人々が動物園の動物たちを食料用に殺している

Zoologico-Caricuaoefectococuyo.com

ベネズエラでの食糧不足が悪化する中、犯罪者たちが動物園に押し入り、いくつかの動物たちを食料とするために解体するという出来事が起きている。

先週の日曜の朝、カリキュアオ動物園(Caricuao Zoo)に侵入者が入り込み、希少種の黒い種馬が屠殺された。犯人は、短時間のうちに国立公園内に侵入し、馬を捕獲したと見られると検察は述べている。

馬の死体は、人里離れた場所で解体された姿で発見された。動物園の飼育係は、日の出後に捜索を行い、頭部とあばらの部分だけが山積みになっている陰惨な光景に出くわした。

caballo-horseFusion

しかし、この馬が、ベネズエラの壊滅的な食糧不足の影響を受けた最初の動物園の動物というわけではない。

それ以前も、何頭かの豚や羊が7月初めにこの動物園から盗まれている。

その一方で、ベネズエラの動物園では食糧供給が不足していることで、特に大型動物たちがやせ細って衰えてきていることが伝えられている。最近も、2頭のバクが栄養失調で死亡した。

飼育係たちは、苦肉の策として、動物園に食料が届くまでの間、カバやゾウなどにベネズエラの地元産のマンゴーやスカッシュを食料として与えている。これは異例であり、異常事態とも言える。

カリキュアオ動物園を運営する政府機関の労働機関リーダーは、ロイターに以下のように述べた。

「私たちの動物園が置かれている状況は非常に悲しいものです。この動物園には、最大で 15日間何も食べていない動物たちがいるのです。それは彼らの健康状態に大きな影響を与えています」

ベネズエラの多くの人々は、食料を手にするのが大変な状況で、肉や米などの基本的な食料を手にいれられることを期待して、スーパーマーケットの前に長い行列を作る。

経済学者たちは、ベネズエラの社会主義政府によって課せられた厳しい価格統制および外国為替管理が、人間と動物の両方の食糧不足を悪化させてきたと述べる。

しかし、ベネズエラ政府は、今後の政策の変更について何も語っていない。


 

ここまでです。

要するに、あくまで一部の人たちによって、動物園の動物たちが食料として盗まれているということで、動物員の職員を始めとして、この大変な状況でベネズエラの人たちは頑張っているようです。

しかし、ベネズエラ当局は、この危機的な食料不足に対して、具体的な方策は出していないようで、どうも今後さらに厳しい局面となっていく可能性もないではないのかもしれません。

そして、どう考えても、このベネズエラの状況は、今後の多くの国で「ひとごとではない」ということになっていくのではないかとも思えます。

このベネズエラにしても、まだ「原油」という交換できるものがあるため、お金がなくても、ジャマイカなどから食料を輸入できていますが、「交換するものが何もない国」は、将来は厳しいのかも、とも思います。

日本も食料や資源などの輸出できるものがほとんどない国のひとつですし、それがいつかはわからなくても、厳しい危機になった場合は、ベネズエラどころではないのかもしれません。

これまで、主要国の多くの国や地域が、水と食べ物はいくらでも手に入る生活を謳歌してきましたけれど、水にしても、食糧にしても、これが永遠のものではないこともまたわかっていることで、その日が来た時にはどうなるのかなとも思います。

そして、たとえば、以前、

あと25年で「30億人分の水が足りない」状況になることを報告したウィキリークスがリリースした機密文書 : 原因は世界中で進行し続ける過度な肉食 (2016/05/09)

という記事でも記したことがありますが、早ければ、今後数年から 10年単位程度の間にそういう「不足」が起きる可能性は、非常に多くの国々に存在するのです。





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Oka In Deep

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