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地球最期のニュースと資料

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多くの人々が「永遠の天国」と「永遠の地獄」を信じているアメリカ人たちの未来

   

米国シンクタンク「ピュー研究所」のニュースリリースより

heaven-hell-americaPew Research Center

 

昨日の記事、

アメリカ人たちの憂鬱 : エイリアン大統領候補 vs ゾンビ大統領候補の中で浮かび上がる「アメリカの人口の大移動」と「強力なリッチシステム」
 2016/05/25

では、アメリカの大統領選など、まあいろいろなアメリカのことを書いたのですが、その前回の記事で「アメリカ人」というものを考える上で書き足しておきたい資料というのか、そういうものがあったのですが、前回の記事はちょっと長くなりすぎたので、今回それを記したいと思います。

その資料とは、冒頭にある「アメリカ人の多くは天国の存在を信じている」というアメリカのピュー研究所というシンクタンクの調査です。

ピュー研究所 – Wikipedia

ピュー研究所 (ピュー・リサーチ・センター) はアメリカ合衆国のワシントンD.C.を拠点としてアメリカ合衆国や世界における人々の問題意識や意見、傾向に関する情報を調査するシンクタンクである。

というところが、アメリカ人の様々な宗教に所属している人と、所属していない人、あるいは無神論者などのそれぞれのグループでの、「天国と地獄を信じる人々の割合」の調査を行ったのでした。

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永遠の天国や地獄と同居できない概念は?

ここでいう「天国」や「地獄」というのは、それぞれの宗教などで、概念は多少は違うと思いますが、いわゆる死んだ後に行くという意味で一般的に言われるところの天国と地獄でのことです。

今回、冒頭のピュー研究所のニュースリリースをご紹介しますが、その全リストが下になります。

特筆すべきところに注釈を入れたりしましたので、ちょっと見づらいかもしれないですが、このようになっています。

heaven-hell-2014

トータルではアメリカ人の 72%の人々が「天国の存在を信じる」となっていて、58%の人々が「地獄の存在を信じる」というようになっています。

上のグラフで目立つのは、

・モルモン教徒は 95%が天国の存在を信じている

・イスラム教徒は一般的なキリスト教徒よりも天国を信じている率が高い(86%)

・エホバの証人の信者の人たちは宗教の中で「地獄」を信じている人が極端に少ない(7%)。天国を信じている人の率も全体より大幅に少ない(50%)

・無神論者で天国を信じている率は 5%のみ

・不可知論者も、天国、地獄とも信じている率は極端に低い

などですが、「不可知論者」と書いたところで、

「なんだ? 不可知論って」

と、この言葉を知らないことに気づきました。「 agnostic 」という単語を辞書で引いて出てきたものを書いただけなのですけれど、知らない単語です。

調べてみますと下のようなもののようです。

不可知論 – Wikipedia

不可知論は、ものごとの本質は人には認識することが不可能である、とする立場のこと。

不可知論は本質的な存在については認識不可能だとする。

不可知論のなかにもさまざまなタイプがあり、存在を絶対のものとして、認識を言葉以上のものではないとする立場があり、また、認識が不可能であることを認めつつも本質的存在自体を想定することは可能であるとする立場もある。

「へえ」と呟きつつも、何だか難しそうではありますけれど、意外と私自身こんな感じなのかもしれません。

それはともかく、「ものごとの本質は人には認識することが不可能である」という人たちは、天国や地獄の存在をほとんど信じないということのようです。

ちなみに、上の「無神論者では、天国を信じる率が 5%で、地獄を信じる率は 3%」という部分は、その少なさに注目するというより、

「ほんの少しでも、無神論者で天国と地獄を信じている人がいるんだ」

と、何となく微笑ましく思ってしまった次第です。

無神論者なら、どちらも「 0%」と毅然といってほしかったです。

それにしても、なぜ、前回の記事のような、アメリカの大統領選に関係する内容のものに、このような資料を付け加えようと思ったのかというと、まあ、具体的な理由があるわけではないのですが、「死後をどのようにとらえるか」ということは、自身の生活が(国の変化と共に)大きく変化していく中での生き方と関係があるような気がしたからです。これは、これから国が大きく変わっていくかもしれない日本での生活でも言えることのようにも思います。

ところで、この調査は、「宗教的な概念での天国や地獄を信じるか」というものであり、「死後の存在を信じるかどうかを聞いたわけではない」ということは注意が必要だと思います。

なぜなら、ごく一般的な考えとして書かせていただきますと、私のような永遠の生命を信じている人間には、「永遠の天国」とか「永遠の地獄」という概念は持ちようがないところがあるからです。それは、つまりは、

「天国と輪廻転生は同居できない」

からです。

天国にしても地獄にしても、それは死後、その天国(あるいは地獄)という場所に永遠に居続けるという概念かと思いますが、「それでは人は次の生に生まれ変われない」ということになるわけで、

・永遠の天国
・永遠の地獄

という概念と「輪廻転生」は逆の概念になりますので、そういう意味では、私個人の考えでは「天国は存在しない」という考えが正しいのかどうかはわからないですが、「天国も地獄も存在しないと考えるほうが健全」な気がいたします。なぜなら「死がすべてを解決する」というような考えを排除できるからです。

イスラム過激派などが自爆テロを行うときには「天国に行ける」と繰り返し教えられているという背景があることが知られていますが、イスラム教では「永遠の天国」がコーランに描写されていることを、過去記事の、

「イスラム国」戦闘員が最も恐れるもの - それはクルド人「女性」戦闘員に殺害されること
 2014/12/24

という記事に書いたことがあります。

イスラムにおける天国 – Wikipedia

イスラムにおける天国は、信教を貫いた者だけが死後に永遠の生を得る所とされる。イスラム教の聖典『クルアーン(コーラン)』ではイスラムにおける天国の様子が具体的に綴られている。

そこでは決して悪酔いすることのない酒や果物、肉などを好きなだけ楽しみ、フーリーと呼ばれる永遠の処女と性行為を楽しむ事ができる。

そのためこのような天国での物質的快楽の描写がジハードを推し進める原動力となっているという指摘もある。

先ほどのグラフでは、キリスト教徒も「天国を信じる人」の割合が多いですが、実は、キリスト教では、

> キリスト教の教理では、最後の審判以前の死者がどこでどのような状態にあるのかについて、各教派間の統一見解を得るに至っていない。

ということで、厳密には、キリスト教は「永遠の天国」ということは述べていないようです。

他の多くの宗教にも「永遠の天国(永遠の地獄)」という概念はないように思われます。

人間やあらゆる生命の存在自体は永遠であるという理念を貫くには、「天国も地獄もない」と考えることが最も合理的な考えではないかと私は思いますが、まあしかし、それもまた、思想の自由ということで、いろいろあっていいのかもしれません。

いずれにしても、アメリカ人のとても多くの人々が「天国の存在を信じている」というのなら、いろいろな意味で現実が壊滅的な状態になっても、そんなに苦しくはないのかもしれないですね。仮に何かあっても、自分たちが想像している素晴らしい天国という場所に行けるのですから。

私は転生という概念が身についてからは、天国とか地獄があるとは考えることがないです。もちろん、あってもいいんですが、それ以上に、そもそも「死ねば何かが解決する」という考えがなくなりました。

解決しない人生の問題は「解決するまで続く」はずです。どこかの世でそれを解決しないと、それこそまさに「永遠の地獄」を生き続けるようなもののような気がしています。

これは生きることに執着するという意味ではなく、「なるべくきちんと生きるにはどうしたらいいのかな」と考えながら生きることは大切なことかもしれないとは思います。できてはいないですけれども。

そんなわけで、ピュー研究所のニュースリリースをご紹介します。


Most Americans believe in heaven … and hell
Pew Research Center 2015/11/10

大半のアメリカ人は天国と…そして地獄を信じている

人間というのは、最終的に人生を良い方向に持っていきたいと願うものだ。それは生きている時はもちろん、亡くなった後の生活に対しても。

ピュー研究所による 2014年の宗教的景観の研究によると、およそ 10人に 7人( 72%)のアメリカ人が天国を信じていることがわかった。この場合の天国の定義は「死後、人々が永遠の素晴らしい人生と幸福の報いを得られる場所」となる。

そして同時に、アメリカの成人の 58%は地獄を信じている。地獄の定義は「反省なく死んだ者が行く、極悪な環境と永遠の厳罰が続く場所」となる。

これらの数字は 2007年に行われた同じ調査とさほど変わらない。

その際のピュー研究所の宗教的景観の研究では、アメリカ人の 74%が天国を信じ、59%が地獄を信じていた。

また、2007年の調査では、何らかの宗教に帰属している人々は、全体よりも、天国を信じる割合が高く、82%が天国を信じていた。また、この宗教グループは地獄に関しても比較的多く信じていた。

クリスチャンと非クリスチャンを比較すると、アメリカのクリスチャンは、死後の行き先として、天国も地獄もどちらも信じている率が高い。

天国という場所の存在を信じている率が最も高いのは、モルモン教徒の 95%だ。

同様に、福音派、カトリック教徒、正教会のキリスト教徒、主流派プロテスタントも 10人に 8人が天国の存在を信じている。

一方、福音派の 82%が地獄を信じている。

イスラム教徒の死後の世界観はクリスチャンと似ている。イスラム教徒の 89%が天国を信じ、76%が地獄を信じる。

しかし、他の非キリスト教宗教の間では、永遠の天国や永遠の地獄といった死後の世界観は広く支持されてはいない。

ヒンズー教徒、仏教徒、ユダヤ教徒のそれぞれが天国を信じる割合は 50%に満たない。ヒンズー教徒、仏教徒、ユダヤ教徒は、地獄に関して、3分の1以下ほどの率でしか信じていない。

当然といえば当然なのかもしれないが、無神論者を含むグループや、宗教は「特にない」という人たちのグループは、天国と地獄を信じる人の割合はさらに下がる。

この「宗教に関心がない」グループで、天国を信じるのは 10人に 4人( 37%)で、地獄は 27%だけが信じる。

ただ、特定の宗教には属していないが、宗教という存在は大事であるとしたグループでは、72%の人たちが天国を信じており、これは全体の統計の率と似ている。

また、このグループでは、地獄を信じる割合が、宗教に関心がないグループの2倍の 55%だった。