In Deep

地球最期のニュースと資料

*

スクリーム顔の小惑星、謎の星 KIC 8462852、南極の氷は実は増えていた、宇宙最大の構造体の発見…… 最近のNASAが成し得ていること(2)

      2016/01/30

前記事:スクリーム顔の小惑星、謎の星 KIC8462852、南極の氷は実は増えていた、85億光年の幅の銀河の発見…… 最近のNASAが成し得ていること(1)

NASAが発見したこれまでで最大の銀河団による宇宙構造体

spitzer_wise20151003NASA

 

衝撃的すぎたNASAの事前アナウンスされたビッグニュース

前回の記事で最初に取りあげました「 NASA が金曜日に火星の大気についての重大発表」の件ですが、これは予想をはるかに上回る衝撃的なものでした。

何が衝撃的かというと、

「これの一体どこが重大発表なのかがどうしてもわからない」

というところにありまして、そのせいもあり、科学系メディア以外の一般メディアではあまり取りあげられていませんが、事前アナウンス報道をした CNN はニュースにせざるを得なかったようです。その冒頭が今回の NASA の「重大」発表の内容となります。

火星は太陽風で不毛の惑星に NASA発表

 CNN 2015/11/06

米航空宇宙局(NASA)は5日、かつて豊かな大気や水に満ちていた火星を現在のような姿に変えたのは太陽風だったとみられることが、探査機「MAVEN」の観測で分かったと発表した。

数十億年前の火星は濃い大気に覆われ、気候は温暖で豊かな川が湖や海に注いでいたというのが定説とされる。しかしそれを現在のように乾燥した冷たい惑星に一変させた理由は解明されていなかった。

 

「 (;゚д゚)・・・こんな・・・内容・・・?」

と、やや愕然としましたが、まあ、気を取り直しますと、「大昔の火星には、水も大気もたくさんあったのが、太陽風の影響で数十億年かかって、水や大気が消えていった」と「みられる」ということを発表したということのようですが、「ああまあ・・・そうですか」というリアクションしか取ることができませんでした。

とはいえ、科学的には重要な話なのかもしれないですので、NASA の発表ページをリンクしておきます。

NASA Mission Reveals Speed of Solar Wind Stripping Martian Atmosphere
 (太陽風が火星の大気を奪っていったことが NASA のミッションにより判明)

さて、このことはここまでにしておきまして、NASA が、興味深い発見やミッションをたくさんおこなっているのも事実です。今回記事は前回の続きで、そいうものを取りあげたいと思います。

まずは、最近、激論になっている「謎の星 KIC8462852 」についてご紹介します。
 

Sponsored Link

 

謎の星 KIC8462852 を旋回するものの正体は

NASA のケプラー宇宙望遠鏡による惑星探査ミッションで発見された約 1500光年先にある「謎の動きを見せる星」について、熱い議論が交わされています。

どんなものかというのは、下の記事の冒頭部分の抜粋で何となくおわかりになるでしょうか。

宇宙人の巨大建造物なのか?恒星「KIC 8462852」を周回する謎の物体

 excite ニュース 2015/10/25

ケプラー宇宙望遠鏡で宇宙を観測する研究者は、データの中に奇妙な点を見つけた。1,480光年先にあるKIC 8462852という恒星に、それを周回する惑星ではない巨大な何かが存在するのだ。

通常、惑星が恒星の前を通過するとき、数時間から数日の間惑星の光を遮る。やがては背後に消え、また正面に現れる。しかし、このケースでは一度に80日間も光が弱まり、それが起きる間隔も不規則だ。

というもので、つまり、たとえば下は私たちの太陽系の図ですが、惑星が太陽の前を通過する際に、それを遠くから観測した場合、その部分の光が遮られるので、太陽の光が減光されて観測されるということになると思います。

kic-lightcollectivelyconscious.net

 

しかし、惑星の場合だと、その減光の時間的な規則は常に一定で、不規則だったり、ランダムであることはあり得ません

ところが、この KIC 8462852 という恒星の減光は、下のグラフのように「時間的に不規則」だというのです。

ケプラー望遠鏡が送信してきた時間的に不規則なKIC 8462852の減光データ

kepler-KIC-8462852Did Astronomers Find Evidence of an Alien Civilization?

 

自然現象や、現行の宇宙の法則では、惑星が恒星(私たちなら太陽)の周囲を「不規則に周回する」ということはないわけで、そこで、

「なぜ、こういうことが起きているのか」

という議論になっているようなのです。

そして、下の AFP のようなことになってきているそうなのです。

謎の変光星めぐり天文学界で激論、「宇宙人文明」唱える説も

 AFP 2015/10/21

地球から約1500光年の距離にある謎の星は、明るさの変化パターンが異常なため、科学者らの間で議論を巻き起こしてきた。一部では、宇宙人文明が見つかるかもしれないとの説まで唱えられている。(略)

米エール大学の博士課程修了学生、タベサ・ボヤジャン( Tabetha Boyajian )氏と市民科学者数人が発表した論文は、KIC8462852が異常な光度パターンを示すことを説明、その周囲を物体が周回しているように思われると示唆している。

ボヤジャン氏は「このような恒星はこれまで見たことがない」と、米誌「アトランティック」に語っている。

米ペンシルベニア州立大学の天文学者、ジェイソン・ライト( Jason Wright )氏は、KIC8462852の光度パターンを地球外文明のしるしとして解釈する独自の研究論文の準備を進めている。

ライト氏は、恐らく宇宙人の太陽光発電パネルのような類いの「巨大構造物の大群」を減光の原因とする説を唱えている。

という騒動になっているのです。

何か巨大な人工物の集団が恒星の周囲を回っていて、それにより、不規則な減光が観測されているのではないかという説が強くあるようなのですね。

ちなみに、この KIC 8462852 は恒星ですが、大きさは下のように私たちの太陽よりも大きいです。

Sun-KIC-8462852Wikipedia

 

これだけ大きな恒星が、先ほどの AFP の記事によりますと、

謎の星、KIC8462852から発せられる光は、不規則な間隔で15~22%減光するようにみえる。

惑星は、この減光の原因にはなり得ないと考えられた。なぜなら、惑星が太陽系最大の木星くらいの大きさだとしても、KIC8462852と望遠鏡の間をこの惑星が通過する際に起きる減光は約1%にすぎないからだ。

ということで、仮に木星ほど巨大な惑星が通過した際でも減光は 1%ほどしか起こらないというのに、この KIC 8462852 では、20%前後の減光が起きているということで、何かとんでもない巨大なもの、あるいは、そういうものの群れが不規則に周回していると考えることもできるのかもしれません。

「つーか・・・それはどれだけ大きいんだよ」

とも思います。

上に木星のことが出てきましたけれど、たった 1%の減光しか起こさない大きさとされる木星も、地球と比べると、下のように巨大な惑星です。

jupi-earth紗夜香の星空喫茶

 

この木星の何十倍(?)もあるものが、仮に周回していると考えると、どれだけ大きいものが KIC 8462852 の光を遮っているのだろう、とは思いますね。もちろん、減光の理由は他にあるのかもしれないですし、現時点では何もわかりはしませんが。

ただまあ・・・宇宙規模で考えると、「大きいものはとにかく大きい」ということもあります。

たとえば、私たち太陽系の住人にとっては、太陽はとにかく巨大で偉大な存在なわけですけれど、「デカさ自慢の星々」と比較しますと、下のように、我が太陽は、恒星の中では決して大きなものではないということがわかります。

アンタレス、ベテルギウスなどの大きさの比較

antares-suneve is one

 

宇宙には大きなものはいくらでもあるようなんですよね。

ですので、KIC 8462852 の減光の原因は明確にはわかりようがないとはいえ、何かが周回していることで起きているのだとしたら、ものすごく大きくて、そして、「動くもの」が存在しているということなるのかもしれないです。

ところで・・・この名前・・・ KIC 8462852 ・・・今日全部コピペで記述しています。

そう、覚えられないのです!(まあええわ)

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の名称を覚えられなくて、精神的に追いつめられている時に、また課題が山積みとなっていきます。

 

「巨大なもの」というと、最近、NASA は、カザフスタンで発見された巨大な地上絵の数々を ISS (国際宇宙ステーション)から撮影したものを公開しました。

 

NASAが公開したカザフスタンの巨大な地上絵群に見られる「シンボル」性

これについては、ニューヨーク・タイムズや、ナショナルジオグラフィックなどが詳しく報じています。

kazafstan-works

▲ 2015年10月30日のニューヨーク・タイムズ NASA Adds to Evidence of Mysterious Ancient Earthworks より。

 

現在までに、カザフスタンで 260 あまりの地上絵が見つかっていて、それらは ISS から撮影できるほどの巨大なものです。

目的や年代等は今、議論されていますが、学者の中には「 8000年以上前のものだ」と主張する人もいるようです。

このカザフスタンの地上絵で気になったことは、ナスカの地上絵のような、現実にあるものと思われるものが書かれているわけではなく、「十字架」のように見えるものや、「卍(まんじ / スヴァスティカ)」のように見えるものなどのシンボル性のある抽象的なマークが多かったこともあります。

カザフスタンの地上絵

30KAZAKHSTAN3

Kazakhstan-2・NY Times

 

結局、この地上絵については何もわかっていない状態ですので、先ほどの KIC 何とか(もう略してるのか)と同じように、科学者たちの議論が続いている(だけ)という状態ではあります。

ナショナルジオグラフィックは、日本語でも記事になっていましたので、リンクしておきます。ご興味のある方はどうぞ。

カザフスタンに謎の地上絵、NASAが撮影 – 完成は2800年前? 年代や目的が議論に

 

他の巨大な地上絵もそうなんですが、最も不思議な点は、結局、「かなり高度な上空からでないと認識できないものを何のために描いたか」ということに尽きるわけで、仮にこれらが書かれたのが 2000年前にしても 8000年前にしても、少なくとも、その時代にはおそらく宇宙ステーションも、ジェット機もなかったと思われます(わからないですが)。そのあたりが、地上絵に多くの人が興味を抱く点なのかもしれないですね。

NASA は、現在は ISS の正式なミッションに、このカザフスタンの地上絵の観測を取り入れています。

 

「巨大」というキーワードが続きますが、最近、NASA は、スピッツァー宇宙望遠鏡と赤外線天文衛星の「広域赤外線探査衛星 / WISE 」というものによって、これまで見つかった中で最大の宇宙の存在を発見しています。

銀河が数多く集まった「銀河団」というものらしいんですが、そのことを報じたデイリーメールの記事をご紹介して締めたいと思います。

most-biggest-thing

 


The biggest thing in the universe: Astronomers spot gigantic ‘galaxy gathering’ 8.5bn light years away
 Daily Mail 2015/11/04

宇宙で最も大きなもの : 天文学者たちは、85億光年先に超巨大な「銀河の集団」を発見した

天文学者たちは、宇宙の非常に遠い場所に超巨大な銀河の集団を発見した。これは、NASA のスピッツァー宇宙望遠鏡と広域赤外線探査衛星 / WISE によってもたらされた発見だ。

地球から 85億光年離れたところにあるこの銀河団は、このような地球からはるかに遠い距離で見られるもので、今までのところ最も大規模な構造物だ。

銀河団とは、銀河が数百から数千という単位で集まって作るシステムのことだ。銀河団は時間と共にどんどんと成長する。

NASA ジェット推進研究所の WISE プロジェクトの科学者であるピーター・アイゼンハルド( Peter Eisenhardt )氏は、「銀河団が宇宙のごく初期から成長を始めるメカニズムについての私たちの理解に基づけば、この時点で、この構造体は宇宙の5つの超巨大構造体のうちのひとつとなるはずです」と言う。

WISE チームは来年、巨大な銀河団を追い求めるため、スピッツァー宇宙望遠鏡を使い、1700以上の銀河団の候補を取捨選択して観測する予定となっている。

「私たちが最も巨大な銀河団を発見した場合、私たちは銀河が極端な環境の中ででどのように進化したかの調査を始めることができるのです。長い時間をかけて光が地球に到達するため、私たちは非常に遠くにあるものを見ることができます」

例えば、私たちは今、新たに発見された銀河団を見ている。それは、大規模な宇宙構造体 MOO J1142+1527 と命名された 85億年前という地球が誕生するはるか以前に存在していたものだ。

WISE は 2010年から 2011年に全天に渡って撮影された画像内の数百万の構造物をカタログ化した。

そして、「 WISE 巨大遠隔銀河団調査( Massive and Distant Clusters of WISE Survey / MaDCoWS )」というプロジェクトのもとで、カタログ化されたその中から、興味深い構造体 200に絞り、スピッツァー宇宙望遠鏡で調査を開始した。

スピッツァー宇宙望遠鏡は、WISE のような全天の観測はおこなわないが、個別に関して、より詳細な情報を観測することができる。

この探査の中で、超巨大銀河団 MOO J1142+1527 が、極端な存在であることが浮かび上がったのだ。

この銀河団までの距離の測定は、W.M.ケック天文台とハワイのジェミニ天文台が用いられ、この銀河団までの距離が 85億光年であることがわかった。

ちなみに、この銀河団の質量は、私たちの太陽の「 1000兆倍」だと判断できるという。

この銀河団 MOO J1142+1527は、初期宇宙における、このクラスの質量を持つ銀河団のほんのわずかなもののうちのひとつだったと科学者たちは推計している。


 

ここまでです。

記事に、

> 銀河団は時間と共にどんどんと成長する。

とありますが、今の宇宙論だと、銀河団に限らず何もかも「時間と共に成長する」ということになると思うのですが、今より 85億年も前に「今まで観測された中で最も巨大な構造物」が見つかるということ自体、もしかすると、ヘンなことではないのですかね。

あるいは、さきほど挙げました、ベテルギウスなどの、あまりにも巨大な星が地球からそれほど遠くないところにあるとか(同じような時間軸で成長してきたのなら、地球とベテルギウスなどのサイズが違いすぎるのはどうしてなのか、など)、何かこう、「時間と共に成長する」という概念って崩壊しているのでは? とも思うのですが、しかし、そのあたりをどうこうするのが今の科学と物理の世界というものなのかもしれません。

この NASA の WISE プロジェクトに注目しているのは、

「どうやっても現在の宇宙論では説明できない構造体が発見されないかなあ」

ということに期待をかけてのことです。

130億年前の今回のより大きな超巨大銀河団とか。

最近、アウトロー気味の NASA ならきっとやってくれると信じています。