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人類の未来 地球という場所の真実 宇宙の中の地球

太陽系が受けるダブルの衝撃 : 存在が濃厚となってきた惑星Xが「定期的に地球に大量絶滅をもたらしている可能性」についての研究が再び脚光を浴びている

投稿日:2016年4月4日 更新日:

2016年4月1日の天文学メディア「ユニヴァース・トゥデイ」より


Universe Today




 

今年の1月に、下の記事を書きました。

それはニビルかネメシスか・・・「惑星X」と呼ばれ続けた惑星の存在がカリフォルニア工科大学の研究で実在濃厚に
 2016/01/21

その内容は、以下の日本経済新聞の記事で十分におわかりになると思います。

太陽系に9番目の惑星か 海王星の外側に

日本経済新聞 2016/01/21

カリフォルニア工科大のチームは(2016年1月)20日、海王星の外側に新たな惑星が存在する可能性があると発表した。

実際に観測によって見つかると、太陽系の第9惑星になると期待される。

チームによると、惑星は地球の10倍程度の質量があり、太陽から約45億キロ離れた海王星よりも20倍離れた軌道を回っているとみられる。太陽の周りを1周するのに1万~2万年かかるという。

そして、この9番目の惑星が、以前から言われていた「惑星X」ではないのかということになっている科学界の話題をご紹介したものでした。

最近の科学界では、9番目の惑星として、惑星ナイン(Planet 9)と呼ぶことが多いですが、いずれにしても、その存在はかなり濃厚となってきているようです。

そして、存在が濃厚である可能性と共に浮上したのが、かつて出されていた、

「惑星Xが地球の過去の大量絶滅と関係している可能性」

についての研究です。

それについて、最近海外で一斉に記事になっていて、まあ、私自身も、ずいぶん昔の記事ですが、

良い時代と悪い時代(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
 2012/10/06

を書いて以来、たびたび、「太陽系の天体の爆撃の時代が近づいているのではないだろうか」という思いはずっとありました。

そういうこともあり、今回は、冒頭の「ユニヴァース・トゥデイ」の記事をご紹介しようと思います。

それによれば、大量絶滅を説明できる要因として、惑星Xが周期的に「太陽系に彗星や小惑星を押し出す」ことにより、太陽系全体が混乱期に入るということのようです。

まあ、地球だけではなく、太陽系全体の惑星がグッチャグチャになるという感じですかね。

そういえば、先日も、

木星で起きた「周辺数千キロに影響が及ぶほど」の謎の大爆発。これが小惑星など天体の衝突だった場合、太陽系の「状態の変化」の幕開けになっている可能性もあるのかも
 2016/03/26

という記事で、木星で、おそらく小惑星の衝突と思われる謎の大爆発が起きたことをご紹介したことがありました。

2016年3月17日に木星で観測された大爆発

jupiter-02b

 

こういうようなことが太陽系全体で起きる時代が周期的にやってくると。

過去にはそういう時代に何度かの大量絶滅が起きたということを説明していまして、そして、次のサイクルが来た時には、やはりまた同じことになるのだということだと思われます。

ユニヴァース・トゥデイの記事はちょっと難解な部分もありますので、惑星Xが大量絶滅と関係していたとした場合の話ですが、どのような理屈で、大量絶滅まで至るのかご説明してから、本文に入りたいと思います。

 

こうして太陽系は「ダブルの衝撃」につつまれる

ちなみに、地球では以下のような5回の大きな大量絶滅があったとされています。

 

  • 1. オルドビス紀(約4億8830万年前〜約4億4370万年前)の末:生物種の85%が絶滅
  • 2. デボン紀(約4億1600万年前〜約3億5920万年前)の後期:生物種の82%が絶滅
  • 3. ペルム紀(約2億9,900万年前〜約2億5,100万年前)の末:生物種の95%が絶滅
  • 4. 三畳紀(約2億5100万年前〜約1億9960万年前)の末:生物種の76%が絶滅
  • 5. 白亜紀(約1億4500万年前から6600万年前)の末:生物種の70%が絶滅

 

以下、説明となりますが、詳細の部分では間違っているかもしれないですが、大ざっぱな理解としては、このようなことが記事に書かれています。

1. 惑星Xの軌道が、2800万年ごとに彗星や小惑星が密集したカイパーベルトと呼ばれる領域を刺激する

kuiper-beltkenpress.com

2. それにより太陽系内に彗星や小惑星が数多く突入する

Comet-raining-comets-Earth-bombardment-NASA-JPLCaltechNASA

3. 太陽系の多くの惑星が天体の爆撃にさらされて、いろいろとワヤになる

Impact_event-public-domainUniverse Today

4. 彗星や小惑星が粉砕・気化したものが太陽系に満ちるため、惑星への太陽光の到達量が減る

sun-in-the-skypaper4pc.com

5. 小惑星の衝突による直接的な影響と、太陽光線が届かなくなるという「ダブルの衝撃」が太陽系の惑星のそれぞれに起きる

 

という過程となりますが、天体の衝突自体の影響も突然大きなものですが、それによって「地球に届く太陽の光の量が減る」という可能性は今回の記事で始めて知りました。

「なるほど、それは滅亡する」と思いましたね。

太陽光の到達量が著しく現象した期間が長期間続いた場合、太陽光がなくても、生きていける多細胞生物もたくさんいるでしょうけれど、しかし何よりも、まず「植物」の多くが生き残れなくなるはずです。これは地球にとって致命的な自体となり、陸地も植物と微生物の共生関係が崩壊し、海も、植物プランクトンがいなくなると、生態系はおそらく「完全に」崩壊するはずです。

過去記事、

私やあなたはなぜ地球にいられる? それは「4.5億年の藻が植物として地球を支配するため」に上陸したから…
 2016/10/07

に書きましたけれど、地球の人類に至る歴史は、「まず植物が地球の陸地を支配し、あらゆる陸地の生命がそこで生きられるような地球を作ること」から始まったと私は思っていますので、その「逆」に向かえば、それは確かに、他の生命もそういう場所で生きていけることはないはずです。

そして、天体と衝突の影響と、太陽のあまり届かなくなり、植物も消滅し始めた地表では、ついに下のようなことが始まるということのようです。

6. 恐ろしい大量絶滅が始まる

Dinosaur-01123rf.com

かわいい恐竜さんのイラストで締めてみましたが、ちなみに、そのような大量絶滅が「終息した後」に「地球に新しい生命をもたらすものは何か」というと、

「それもまた地球に衝突する彗星や小惑星」

なのです。

先ほどリンクしました記事にも書きましたが、41億年前から 38億年前の地球は「後期重爆撃期」という天体の衝突が相次いだ時代だったとされていますが、「地球の生命はその直後に地球上に登場した」ことがわかっていて、これは、地球に衝突した彗星や小惑星などの天体が地球に生命をもたらしたものだということがわかります。

そして、多くの大量絶滅の際には、生命は「消えた」のではなく、実は「新たに」なっていっているわけです。時代時代で、「地球の生命が一新され続けてきた」ことも、同じ理由によるものだということがわかる気がします。

こういう話題は、「絶滅」という言葉の方だけに注目がいきますが、実は、「刷新」ということの方が、地球には重要な意味なのだと思います。

もちろん、今後もそうだと思います。

何となく「絶滅的な雰囲気」も強くなっていますが、仮に、いつの日か「良い時代」から、そういう「悪い時代」に移行したとしても、そんなに悲観しないで生きていけるほどの人間になれたら・・・嬉しいですけど、まだ難しそうですね。

最近は、実は、太陽系・・・というか、銀河系自体の動きが変化に富んできている感じがありまして、今後それらについても、少しまとめてご紹介したいと思います。

というわけで、ここから、ユニヴァース・トゥディの記事です。


IS PLANET X LINKED TO MASS EXTINCTIONS?
Universe Today 2016/04/01

惑星Xは地球の大量絶滅と関係しているのか?

太陽系の海王星の外側にある黄道面付近の、小惑星が密集したカイパーベルトと呼ばれる領域の軌道を説明するために提唱された惑星ナインは、「ダークな一面」を持っているかもしれない。

地球上で過去に起きた定期的な大量絶滅、この惑星ナインがと係しているかもしれないことを、世界中の化石の記録が示しているという研究結果が発表されたのだ。

この結果を発表したのは米国アーカンソー大学数理学部の天文学専門であるダニエル・ホイットマイア(Daniel Whitmire)元教授だ。

惑星ナインは、地球より 10倍の大きさを持つと推測されており、現在、その軌道は、地球と太陽の距離の約 1,000倍離れた場所にあるとされる。

世界中の天文学者たちが長年、この「存在する可能性のある」大規模な惑星を探し続けてきた。

そして、この推定上の「惑星X」と呼ばれている惑星が、過去5億年の主要な地球上の大量絶滅の一部と関係している可能性が出てきたのだ。

過去5億年間、地球上では、何度も環境の激変による大量絶滅が繰り返されきた。それらの際には、地球上の生物種の 50%以上が絶滅し、その中には、約 2億5000万年前に起きた地球の歴史上で最大のペルム紀末の大量絶滅のような、すべての生物種の 90%から95%が絶滅したものもある。

ホイットマイア元教授と、彼の同僚であったジョン・マテーゼ(John Matese)氏が、最初に惑星Xと地球の大量絶滅との関係性についての研究を発表したのは、1985年のことで、科学誌ネイチャーに発表された。

この時は、二人ともルイジアナ大学の天体物理学者であった。

彼ら二人は、存在の可能性がある惑星Xが、2800万年のサイクルで、海王星を越えたカイパーベルトから地球の方向に「彗星の大群を放っている」ことと、地球での大量絶滅のサイクルがシンクロしている可能性があることを提唱していた。

彼らがその論文を書いた時点で提出されていた他のいくつかの考え方、たとえば、銀河系においての太陽の軌道に対しての垂直震動などの要因は、地球の大量絶滅のタイミングと合致しないために、除外され、結局、大量絶滅と時期的にシンクロしているという部分で考えられる唯一の理由は、惑星Xだけとなった。

そして、今、その理論が再び注目を集めている。

ホイットマイア氏とマテーゼ氏は、惑星Xは、その傾いた軌道に沿って、ゆっくりと太陽を周回し、近日点(太陽に最も近い点)を移動させながら同じ場所で歳差運動をしていると提唱した。

すべての惑星は歳差運動をしているので、それ自体は驚く意見ではない。

しかし、研究チームは、惑星Xの位置が変わることには大きな意味があるとし、それは、惑星Xの遅い軌道旋回は、ほぼ 2700万年ごとに、カイパーベルトから太陽系の内側に彗星を押し出していると主張したのだ。

彗星は、太陽に近づくにつれて分裂し、バラバラになり、また、気化もして、地球など天体に太陽光が届くのを妨げる原因となるだろうと彼らは述べた。

つまり、その主張によれば、その時代には、地球は、彗星、あるいは小惑星の衝突の衝撃を受けていただけではなく、地球に到達する太陽光の量が減少していたという重なった破壊を地球は受けていたいうことになる。
心に留めておくべき一つのことは、彼らが 1985年にこの研究をしていた時には、惑星Xのサイズは地球の5倍で、距離は地球と太陽の距離の 100倍だとして導いた結論だということだ。

現在は、惑星X(惑星ナイン)のサイズと質量は、カリフォルニア工科大学の研究者たちの推測では、そのような数値ではないが、しかし、これに関しては、実際に惑星Xを捉えるまでは議論の余地がある。

彗星や小惑星が地球に降り注ぐ状態は、多くの場合、大量絶滅のエピソードの中で悪者として描かれる。

なぜか?

それは私たちは、6500万年前に恐竜を滅ぼした原因が、小惑星の衝突による影響である確かな証拠を持っている。また、1994年以来、木星に6度の小惑星、あるいは彗星が衝突した事実がある。

宇宙は、確かにビリヤードの玉のように惑星を投げつけているのかもしれないが、ただし、それはビリヤードのようなゲームオーバーに結びつくものではないだろう。





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