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これからの太陽活動 人類の未来 宇宙の中の地球

「地球は磁極のポールシフトで磁場を失うことにより、太陽風に晒され水と大気を失った火星と同じ状態を200年間経験するだろう」 -- NASA火星探査メイヴン計画主任

投稿日:2015年11月7日 更新日:

NASA の火星探査 MAVEN 計画での「火星が大気を失った理由」が重大発表だった意味がわかりました


▲ 2015年11月06日の英国 EXPRESS より。




 

前回の記事、

スクリーム顔の小惑星、謎の星 KIC 8462852、南極の氷は実は増えていた、宇宙最大の構造体の発見…… 最近のNASAが成し得ていること(2)
 2015/11/06

の最初に、NASA から発表があった「火星が大気を失った理由」に対して、いろいろと思うところもあったのですが、この火星探査は MAVEN 計画というものなのですけれど、今回の探査チームがなぜ「重大」だと言いたかったのかというポイントが、今日の英国エクスプレスの記事を読んで、少しわかったのです。

それは、火星のことはともかく、

「地球もこれから、過去の火星のような状態に晒される」

ということを言いたかったようなんですね。

要するに、太陽風というか、太陽放射に地球は晒され続けると。

しかし、火星と違って、地球には強力な磁場があるので大丈夫だと思っていましたが・・・ふと、

「・・・ああそうだ、地球の磁場は弱くなり続けているのだった」

と思い出しまして・・・。

これは、地球の「磁極のポールシフト」ということと関係しているのですが、まずは、そのエクスブレスの記事をご紹介してから、少し補足させていただきます。


 

Earth faces 200 YEARS of solar radiation blasts as 'magnetic poles shift', say NASA

EXPRESS 2015/11/06

地球は磁極のポールシフトと共に、200年の間、太陽放射に吹きつけられる事態に直面していると NASA は言う

地球は、最大で 200年間、防ぐことができない太陽放射に晒される可能性があり、それは皮膚ガンを誘発し、世界中の電子通信機器の遮断の危機を招くかもしれないと NASA は警告している。

このアメリカの宇宙機関は、私たちが、地球の磁極が反転するという特別な出来事に向かっていることを確認した。

気候の研究者たちは、地球は磁場の反転に向かっていると確信している。この磁極のポールシフトは、以前に起きた際に、ネアンデルタール人を地上から一掃した。

NASA の火星探査計画 MAVEN (メイヴン)計画の主任研究員である米国コロラド大学ボルダー校のブルース・ジャコスキー( Bruce Jakosky )氏は、磁場の反転が起きる時には、太陽の放射線から地球を防御している磁場が失われ、地球は危険な放射線に晒され続けることになると述べる。

そして、その期間は 200年間だという。

ジャコスキー氏は、先日、MAVEN 計画によって、火星が大気と海の水の 99%を失った原因を明らかにした歴史的な発表をおこなった。火星は過去数十億年、太陽風に晒され続けていたことが、大気と水を失った原因だと氏は述べる。

ジャコスキー氏は以下のように言う。

「磁極のポールシフトが発生した場合、地球は 200年間、磁場を持たない状態になります。その間、太陽の放射線は、磁場の防御が消えた地球に降り注ぐのです。数十億年前の火星と同じように」

しかし、氏は、地球の大気が完全に消滅するには 200年では足りなく、生物が絶滅するようなことはないだろうと付け加えた。

NASA の火星ミッションの主任科学者、マイケル・マイヤー( Michael Myer )氏は、火星が太陽の放射を受け続けた数十億年前は、太陽は今よりはるかに強力なエネルギーだったことを付け加えた。

その強い太陽からの放射の数十億年のそのプロセスの中で、火星は大気の 99%を失った。

マイヤー氏も、地球が磁場の防御のない状態での 200年間の状態の中では、地球で驚くようなオーロラが見られるであろうことと共に、私たち人類の生活に影響を与えるだろうことを認める。

地球の磁気は、有害な紫外線に対する防御の最前線にあり、私たちを守り続けてくれており、この防御がない場合、皮膚ガンのリスクが高まる可能性がある。

また、磁場がない状態、あるいは極端に磁場が少ない状態は、世界的な通信設備と電気インフラの被害を生じさせる可能性がある。さらに、何人かの研究者たちによれば、磁場の少ない状態(太陽放射が多い)は、暴動などにつながりやすいという。

破滅論者たちは、以下のようなことも予測している。

磁極の北から南への移動は、大陸が移動し、数多くの地震を誘発し、また、急激な気候変動と世界的な破壊が進むだろうと。

地質学者たちによれば、磁極のポールシフトは、地球の歴史の中で何度も起きている出来事だと述べ、最後に起きたのは石器時代の間で、今から 78万年前のことだった。

英国地質調査所の地磁気担当の主任であるアラン・トンプソン( Alan Thompson )氏は以下のように語る、

「私たち地質学者は、化石や他の記録から、(過去のポールシフトの際に)世界的な大陸の移動は起きていませんし、地球規模の災害も起きてはいないと言うことができます」

地球の磁極が逆転するときに発生する最も劇的な変化は、全電界強度(磁場)の非常に大きな減少であると、地球物理学研究所で地磁気の逆転の研究を行っているジャン=ピエール・バレー( Jean-Pierre Valet )氏は言う。

そして、地球の磁場が、過去 160年間で大幅に弱まっていることは、科学的に確認され続けている。この「磁場がどんどんと弱くなっている状況」は、地球の磁場の反転がいつ起きて不思議ではないことを意味するのかもしれない。

ドイツの GFZ ニーメック地磁気観測所の科学主任、モニカ・コルテ( Monika Korte )氏は、地球の磁場の逆転についてこう述べる。

「地球の磁場の反転は突然起きるものではなく、ゆっくりとしたプロセスです。その間の地球の磁場は弱くなりますが、それと同時に、おそらく、磁場フィールドが、より複雑なものとなり、しばらくの間、2つ(今の地球の磁極は、北極と南極の2つ)以上の磁場が示される可能性があります。」

磁場が極端に弱くなった場合、私たちは、太陽フレアにも直接さらされ続ける危険性がある。

ロチェスター大学の地球物理学専門のジョン・ターデュノ( John Tarduno )教授は、以下のように述べる。

「太陽からのコロナ質量放出( CME / 太陽フレアの際に放出される)は、たびたび発生しており、時に、地球に直接向かうこともあります」

「しかし、 CME で発生した粒子の一部は、地球の磁場によって遮断され、通常は、地球上にいる私たちには影響はあまりありません。しかし、磁場が弱い場合、その地球の防御システムがあまり役に立たないのです」

科学者の中には、種の絶滅と、磁極のポールシフトに関連があるとは考えていない人たちも多い。

地磁気観測所のコルテ氏は、

「地球の磁場が非常に弱くなったとしても、地球表面はその大気によって、放射線から遮断されています。そして、現在、私たち人類が磁場が弱くなっていることを感じることはないのと同様に、地球の磁場が反転したとしても、私たちはその大きな変化に気づかないと思われます」

はっきりしていることは、次の磁極の反転は「いつかは起きる」ことと、過去 160年間で地球の磁場は驚くべき速度で劇的に弱くなり続けているということだ。


 

ここまでです。

記事に出てくる科学者の方々の主張は主張として、このエクスプレスの記事で述べられていることは、

「地球の磁極が逆転した際、一時的に地球の磁場がなくなることによって、地表を太陽放射などから守ってくれている主要なものが消えてしまう」

ということで、たとえば、地磁気が乱れたり、通信や電力網に問題が起きたり、他に様々な問題が起きる「かも」しれないということです。

イメージ図で示しますと、下のように、「磁気圏」というものが地球の磁場によって形成されていて、この領域が地球の周囲を大きく囲っています。

earth-magnetic-2

・NASA

 

この磁気圏があるために、太陽からの荷電粒子はこの領域を横切れず、地球は防御されているということになります。荷電粒子は電荷を帯びた粒子のことで、これが地球に大量に到達すると、通信や電力網に影響が出る可能性があります。

そして、地球の磁場がなくなると、おそらく、この地球を守っている磁気圏も消滅するか、非常に弱まると考えられていて、その場合、太陽や宇宙からのいろいろな放射線や宇宙線が「降り邦題」ということになるという予測です。

もう一度書きますが、これはあくまで予測です。

なぜなら、どうして磁気圏が生成されるかということ以前に、「なぜ地球に磁場が発生するのか」ということも、実際にはよくわかっていないからです。

しかし、わかっていなくとも、

「磁場は、地球という惑星で生命が生きていくために絶対に必要なもの」

であることは確かだと思います。

その磁場が、一時的とはいえ、「消えるかもしれない」ということには大きな興味があり、この磁極のポールシフトに関しては、過去かなり取りあげたことがあります。過去の記事は、こちらのリンク先などに一覧があります。

少し振り返ってみます。

 

弱くなり続ける地球の磁場

まず、エクスプレスの記事で、

「過去 160年、地球の磁場は弱くなり続けている」

という記述があるのですが、それはもうグラフで明確で、「一貫して」地球の磁場は減り続けています。

1880年からの地球の地磁気の変化

・過去記事 ドイツの科学研究法人が「急速なポールシフトと気候変動と超巨大火山の噴火が同時に発生していた」ことを証明 より。

 

いつかは「磁場がゼロ」になると見込まれていますが、それがいつかはわかりません。

そして、この百数十年は、実際に「磁極は速度を上げながら移動」しています。

1831年から2001年までの北極(北の磁極)の移動距離と方向

・過去記事 加速するポールシフト: この100年間での極の移動の距離はすでに1100キロに より。

 

特に、西暦 2000年を越えた頃から、磁極の移動距離が急速に上がっているのです。

1590年からの北の磁極の移動距離の推移

420-year-magnetic-pole-shift

・過去記事 アメリカ海洋大気庁( NOAA )が発表した「驚異的」な近年のポールシフトの加速 より。

 

この百数十年の磁極のポールシフトは下の3つの特徴があります。

・磁極のポールシフトの移動距離は 50年ごとに約2倍ずつ増えている。

・過去 150年の間、ポールシフトは同じ方向に動いている。

・北磁極のポールシフトは、過去 50年間で移動した距離のほぼ半分の距離をこの 10年間だけのあいだで移動した。

つまり、2000年ころから、加速していると考えられるのです。

 

ところが・・・です。

 

私たちは 2001年以降の現状を知ることはできないのです

なぜなら、上の加速するポールシフト…で引用した海外の記事の下の記述のように、どうやら 2001年以降は、北の磁極の測定は行われていない(あるいは公表されていない)ようなのです。

北の磁場の位置が最初に確認されたのは 1831年で、2001年の測定まで定期的におこなわれてきた。その後はおこなわれていない。

なぜ、2001年から極の位置の観測がおこなわれていないのか、その理由は不明だが、観測がおこなわれていないために、現在の極の位置は計算から予測するしかない。

1831年という、かなりの昔から測定し続けられていた「極の観測」が、なぜ行われなくなったのかはよくわからないのですが、これに関しては、データがなければ推測ではどうにもならないところです。

そもそも、エクスプレスの記事のドイツのコルツさんという科学者が言うように、

「私たち人類は磁場が弱くなっていることを感じることはない」

という面があり、他の非常に多くの動物たち(特に鳥など)が「磁場を直接見る」機能を持っているのに対して、私たち人間には磁場を直接感じる機能はないということがあり・・・まあ、体感的な違和感とかくらいはあるのかもしれないですが、少なくとも、はっきりと「磁場を感じる」ことはできません。

また、地球の磁場の減少の影響に関しましては、昨年、

地球の磁気圏が崩壊を始めた…
 2014/02/05

という記事を書いたことがあり、そこでは英国デイリーメールの下の記事をご紹介しました。

Daily Mail

 

そこにも、以下のような記述があります。

地球上の生命にとって非常に重要である磁場は、過去 200年の間に 15%も弱くなっている。これは、科学者たちが主張することもある地球の極が反転しようとしている兆候かもしれない。

専門家たちは、私たちの地球は現在、磁極の反転の機が熟していると考えている。しかし、それがいつ起きるかについては誰にもわからない。

しかし、仮に、これが発生した場合、それは地球の気候を根本的に変えてしまい、ガンの発生率を押し上げる。さらに、地球の電力網を一掃してしまう可能性があり、人類にとって壊滅的な出来事のひとつともいえる。

英国リバプール大学の地球海洋生態科の科学者であるリチャード・ホルム( Richard Holme )教授は、「これは深刻な事態です」と述べる。

「あなたの生活から数ヶ月間、電力が消え去る事態を想像してみるとよいかと思います。今の生活はどんな些細なことでも、電力なしでは成りっていないことに気づかれると思います」。

やはり、多くの科学者たちは、現在、磁場が加速度的に弱くなっていることに警戒感を持っているようです。

 

現在はすでに磁極の逆転の渦中にいる可能性

磁極のポールシフトの際に、本当にそのような大変なことになるのかどうかはわからないにしても、私自身は、

「磁極のポールシフトはすでに始まっている」

と考えています。

2000年過ぎから始まり、そして、これからも地球の磁場はさらに弱くなっていくと考えています。

実際、欧州宇宙機関( ESA )は、磁気観測衛星によって地球の磁場の変化を観測するミッション「 SWARM 計画」を開始していて、地球の磁場の弱まり方の激しさが確認されています。

これに関しては、昨年の、

地球の磁場が弱くなっていることを欧州宇宙機関の地磁気観測衛星(SWARM)が確認
 2015/06/30

に、その観測データを載せています。

ESAの地磁気観測衛星が撮影した2014年6月までの磁場の変化(弱くなっているところは青で示されます)

magnetic-2014-junESA

 

非常に広範囲で「強い青」、つまり磁場が弱くなっていることが示されます。

上の図は、半年間ほどの変化で、それ以前から地球の磁場は一貫して弱くなり続けているのですから、「そろそろ限界的な時点に近づいている」という可能性も感じないではないです。

もちろん、先ほども書きましたけれど、磁場が極端に弱くなったからといって、何もないのかもしれません。

それはわからないです。

しかし、人間には何もなくとも、磁場を頼りにして生きている「鳥」や、あるいは、おそらくは、魚類を含めての海洋生物の多くには深刻な影響があるはずです。

たとえば、「磁場がない状態では、多くの鳥は生きられない」はずです。

 

さらに、2014年 5月には、中国科学院の研究グループが、

「磁場が逆転する時、酸素が地球外へ流出していく」

という内容の論文を科学誌に発表しました。

Earth & Planetary Science Letters

 

いくら何でも、そんなことは起きないだろうとは思いますが、これは科学誌「アース&プラネタリー・サイエンス・レターズ」に掲載された正式な科学論文の内容ですので、「根拠」はあるのでしょう。

何というかこう、つまりは、「起きてみないとわからない」という面は強いのですが、先ほど書きましたように、あくまで個人的な感じですが、磁極の反転、つまりポールシフトはすでに始まっていると思っています。

この数年で起き続ける様々なこと・・・

・動物の大量死
・噴火の増加
・地震の増加
・異常な気象
・社会と人間性の混乱

これらが、地球磁場の変化とまったく関係ないとは私には思えないのです。
 

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  • この記事を書いた人

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