In Deep

地球最期のニュースと資料

*

人間が病気になる「基本的なメカニズム」(2): すべての疾患への扉となり得ている「多様化を失った」現代文明社会下でのストレスの本質

   

前記事:人間が病気になる「基本的なメカニズム」(1):交感神経・副交感神経の働きと「ストレスが引き起こすこと」の関係がぼんやりと理解できた日に

human-healthspiritual evolution

 

病気の種類は違っても、発病の根幹は

前記事では、

「人間が病気になるメカニズムの根本を支えているのは白血球」という前提のもとで、

・人間は、肉体や、場合により精神も「交感神経(ストレスなどで働く)」と「副交感神経(リラックスなどで働く)」に支配されている

ことと、

・白血球は、そのうちの「顆粒球」が交感神経に対応していて、「リンパ球」は、副交感神経に対応しており、ストレスや興奮・怒りなどの強い状態が長く続くと、白血球の成分のバランスに異変(顆粒球が過剰に増加する)が起きる

というようなことを書きました。

 

白血球の免疫細胞の正常な比率
white-blood-cells-003アレルギーQ&A

 

上の表のように「顆粒球とリンパ球の割合」は、一定の範囲の中で保たれているのですが、この「白血球のバランスの異変」が起きることが、とても多くの病気の原因と関係している可能性についての説明の続きとなります。

この割合に異変をもたらすのは、「人間の精神と感情の状態(ストレス状態か、リラックス状態か)」となりますが、「発病」の具体的な例としては、

・ストレスによって顆粒球が増えると、リンパ球(ウイルスやガン細胞などを退治してくれる)の比率が減るので、ウイルス、ガン細胞、花粉や化学物質などに対しての防御が弱くなる

ということは言えそうでして、ここから考えますと、「持続するストレスが、カゼやインフルエンザにかかりやすい状態を作り出したり、あるいは、花粉や物質に対してのアレルギーなどが頻発しやすいような体の状態をつくりだすかもしれない」とは想像できます。

いや、程度の差はあれ、それらの病気には「ストレスでの白血球のバランスの異変」が関係しているはずで、そのことをさらに書いていきたいと思います。

上に挙げた例のような発病の仕組みは、白血球の働きを考えますと、とてもストレートな関係ですので、わかりやすいとは思います。むしろ、わかりやす過ぎる部分がありますが、「白血球の組成バランスとは、一見関係なさそうな病気」はどうでしょうか。

たとえば、私が悩まされていた「胃潰瘍」などはどうでしょうか。

実は、この胃潰瘍の発病も「ストレス」で説明できます。

胃潰瘍の発症メカニズムを、他の医学者の方の説などを添えて、「あくまでひとつの病気の例」として考えてみたいと思います。

 

胃潰瘍の発病メカニズム

胃潰瘍は、現在の学説では、ピロリ菌という胃の常駐菌と「胃酸」によるものとされていて、また、現在の医学で、このピロリ菌は Wikipedia に、

ヘリコバクター・ピロリの感染は、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃癌や MALTリンパ腫やびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫などの発生に繋がることが報告されている他 (略) 細菌の中でヒト悪性腫瘍の原因となり得ることが明らかになっている唯一の病原体である。

とありますように、大変な悪者扱いをされています。

まあ、私自身は、過去記事、

善と悪の正体 : それは人間や宇宙の反応と同じ「ペアである一体」であり、善悪どちらの働きも共に相互をサポートする
 2015/08/02

などで書きましたように、「悪だけの存在というものはこの世には存在しない」と考えていますが、まあしかし、今回はそういう概念は置いておきまして、胃潰瘍や胃ガンの原因の筆頭として挙げられるピロリ菌ですが、日本人の感染率から考えると、そもそもおかしい話ではあるのです。

何しろ、ピロリ菌の感染者は、日本人では 6000万人以上いるといわれ、高齢者では、80%近くが持っているきわめて普通の常在菌なのです。

なので、このピロリ菌だけが原因というならば、理屈だけでいえば、数千万人が胃潰瘍にならなければ変なのですが、そんなことにはなっていません。

胃潰瘍に関しては、その原因については昔からいろいろと議論がなされていましてが、たとえば、「ストレス学説」という説を確立したハンス・セリエという生理学者は、胃潰瘍がストレスによって起こることを 1950年代に提唱しています。

その理屈は、

ストレスが自律神経系の中枢である視床下部を刺激し、それにより、交感神経の緊張が起こり、それが粘膜破壊につながる。

まどろみ助産院さんより)

ということですが、このあたりに関して、さらに、とても納得できる理論を述べられているのが、新潟大学名誉教授の安保徹さんで、以下のように記しています。

ストレスは交感神経を緊張させて顆粒球を増やします。顆粒球は常在菌と反応する性質があり、増殖したヘリコバクター・ピロリ菌と反応して大量の活性酸素を放出し、組織を破壊します。ストレスが長引くことで、潰瘍が形成されます。

免疫相談室:胃潰瘍より)

この「ストレスによる顆粒球の増加」という概念を提唱した人こそが、安保徹さんなのですが、「顆粒球の性質」というものは以下のようなものです。

・顆粒球の寿命は2〜3日程度

・顆粒球は死ぬ時に大量の活性酸素を出す

というもので、つまり、顆粒球が大幅に増えますと、体内に大量の「活性酸素」が作り出されるということになります。

この「活性酸素」というものも身体に必要なものなんですが、しかし、たとえば、最近では、「増えすぎた活性酸素が老化の原因となる」ということがわかってきたり、活性酸素は酸化力が強いので、血管や臓器を痛めたり、そして、活性酸素には、「粘膜を破壊する」働きがあります。

・大量の活性酸素 → 粘膜の破壊

と来ますと、「胃の粘膜破壊」でしたら、できるものは「潰瘍」です。

これが胃潰瘍の発症のメインシステムです。

胃潰瘍の発症に対しては、(私もそうでしたが)直接的な原因として知られているものに、少し前の、

超病気の時代に生きる:「大腸ガンをアスピリンで予防する臨床試験」の報道を見て、そのNSAIDsにより死にかけた昔を思い出し、ついでに「この世に病気がある理由」も何となく頭に浮かび
 2015/11/30

という記事に書きました「 NSAIDs (非ステロイド性抗炎症薬 / エヌセイズ)」があります。これは、バファリンやロキソニンから、湿布薬のインドメタシンまで、身近にある解熱鎮痛剤はほとんど NSAIDs です。私たちは NSAIDs に囲まれて暮らしています。

これは確かに潰瘍の原因となるひとつであることは確かですが、しかし、「それだけでは主要因とはならない」とも感じていました。なんといっても、かつての私は、解熱鎮痛剤など、頻繁に飲んでいましたけれど、胃潰瘍になって倒れたのは1度だけです。

そして、思い出すと、その時は「強いストレスを長く感じていた」時期でした。

NSAIDs は確かに発症のキッカケのひとつではあったかもしれないですけれど、「手助けしたのはストレスによる顆粒球の増加」だったことが今にしてわかるのです。つまり、ピロリ菌であろうと、NSAIDs であろうと、それらは「粘膜の脆弱化」を起こすかもしれないですが、それら単一の原因では胃潰瘍の発症には至らない。そこに、「顆粒球の増加による粘膜の障害」が加わり、初めて胃潰瘍が発症すると思います。

余談:胃潰瘍の治療薬 H2 ブロッカーは「副作用」が胃潰瘍を治しているかもしれない

胃潰瘍の治療薬として有名なのは、「ガスター」などの H2 ブロッカーというカテゴリーの薬です。理屈として、これらは、胃酸の分泌を強力に抑えるために、それによって胃潰瘍が良くなる・・・とされています。

しかし、最近の考え方では、どうやら、その「本効果」のほうではなく、この H2 ブロッカーが持つ「強力な副作用」が胃潰瘍の治療に役立っているかもしれないことが明らかになりつつあります。

消化性潰瘍治療薬というページに、

> H2ブロッカーは、壁細胞上のH2受容体へのヒスタミンの作用をブロックすることで胃潰瘍に有効であり、顆粒球減少症が重大な副作用とされています。ところが、本剤の胃潰瘍への効果のメカニズムは、顆粒球を減少させることで顆粒球による胃粘膜障害を抑えることのように思えます。

とあるように、どうやら、H2 ブロッカーには「顆粒球を減少させる副作用」がというものがあり、その副作用のおかげで、胃潰瘍の粘膜障害を改善させていると考えられるのです。

副作用が本作用というのは皮肉な感じもしますが、結果として、H2 ブロッカーは、一時的な処方としてはよく効くことは確かです。ただし、後述しますが、連用していると、胃潰瘍のリスクがさらに高まることも事実です。

 

いろいろと書きましたが、胃潰瘍の最大の原因は「ストレス」だということは確実だと思われます。

ということは、胃潰瘍で悩んでいる方などは、H2 ブロッカーなどの薬で症状を抑えていても、主要因であるストレスのほうを対処していかないと、いつまで経っても胃潰瘍は治らないし、そのうち、H2ブロッカーの長期連用の弊害(胃酸が抑えられている状態が続くとピロリ菌などの細菌が活動しやすくなる)によって、多くは症状が悪化と、さらに難りにくくなります。

 

ここでは自分にとって身近だということで、胃潰瘍を例にしたのですが、胃潰瘍は、

「粘膜の障害」

ということに注目していただきたいのですが、「粘膜」は人間の肉体の全身にくまなく存在します。皮膚などを除けば、人間は内部などは「すべて粘膜の状態」といってもかまわないのではないでしょうか。

ということは、「ストレスはこの全身の粘膜の細胞に障害を起こし続ける」ことになるはずです。

つまり、ストレスによる顆粒球の増加が影響するのは、実は全身すべてです。全身すべての細胞が障害を起こしやすい状態から導かれる病気の数は計り知れないものがありますが、そのうちのひとつはガンだと思います。

 

ガンになる基本的原因もストレスであるかもしれないこと

先ほど述べました胃潰瘍は、「胃の上皮の疾患」ですが、この「上皮の疾患」の代表格とは何かというと、「ガン」です。

あらゆる上皮にガンが発生しますが、胃潰瘍の理屈が、ここにも下の「ストレスからの活性酸素の大量放出による影響」の法則は、ある程度は適用できるはずです。

stress-illness-002

 

それと共に、顆粒球が増えると、必然的に「ガン細胞を退治しているリンパ球の割合が減る」ということになり、本来だと人間が持っているガンへの抵抗力が弱くなるということも同時に起きているので、ガン細胞への免疫力がさらに低くなっているということも言えるかと思います。

要するに、実際にガンになるならないはともかとくしても、「ストレスが持続している状態では、ガンになり《やすい》」のは事実だと思います。

ガン細胞を退治しているリンパ球が減っている上に、活性酸素などの働きで、臓器や血管、あるいは細胞の障害が起きやすくなる。

そして、ガン化につながる。

これが「ガン組織の発生のメカニズム」だと思われます。

まあ、それでも、ガンに対しては「外部要因説」、つまり、発ガン物質のような概念を最初に考えてしまいがちです。たとえば、「WHOが公式発表した「ガンの原因となる116の要因」」などのような外部要因説は相変わらず根強いですが、それらがまったく影響がないわけではないにしても、外部要因は、比率として低いと今は思います。

最近の記事の、

カナダの大学が突き止めた「ガン腫瘍を最大80パーセント縮小させた物質の正体」を知り、人間の体の中には「病気をおこす物質と、治す物質」があらかじめ組み込まれていることを再認識する
 2015/12/03

というものの中で書きました、米国のジョンズ・ホプキンス大学の大規模な臨床試験によって、

・ガン患者の全体の3分の2は外部要因や遺伝的要素は関係していない

・全体の3分の1に外部要因と遺伝的要素が見られる

とした研究結果のことについてふれたことがありますが、その3分の2は「細胞のランダムな突然変異」によって起きたとしていて、環境はガンになる最大の要因ではないという結論になりました。

これを「ストレスのために顆粒球が増えすぎて、活性酸素が体内に過剰にある状態」と関連して考えますと、下の図にありますような活性酸素の働きから、「細胞のランダムな突然変異」の原因の何かと関係する部分も感じます。

 

活性酸素の働きのひとつ
Reactive-Oxygen-Specieskamome.her.jp

 

外部要因だけが原因というのが、「何となくおかしいな」と思い始めたのは、最近、たとえば有名人の人などの間でも、とても若くしてガンになる人が増えたこととも関係あります。そのように、若くしてガンになったような人々を考えてみますと、それらの人たちが、外部要因的に悪い生活ばかりしていたとは、とても思えない方々ばかりのように思うのです。

たとえば、『身体に悪いものばかり食べて飲んで、たばこを吸いまくり、不規則な生活をしまくり、放射線や化学物質を浴び放題浴びている」・・・というようなイメージの人はあまりいないように思うのです。むしろ、そういうことに気をつけている人たちが多い気がします。

どちらかというと、そうではなくて、「まじめで責任感が強くて、がんばり屋で、周囲の人たちのことに気をつかい」・・・というイメージの人が多いような気がするのです。もちろん、それらの有名人の方々が実際にどんな方々かは知らないですが、私の知り合いで 40代でガンになった女性は、そのような、「こんなにまじめで責任感の強い人は見たことがない」というほどまじめで、人の気持ちを常に考えている人でした。

まじめに生きれば生きるほど、あるいはまじめに考えれば考えるほどストレスを強く受けるのが今の社会のような気もしますが、そういう人たちこそ、少し気を抜いて、ゆったりと生きていくことを考えるのも大事かと思います。

 

何から何までストレスの原因となっている現代社会に気づいてみれば

最近の日本を含めた主要国の人々の暮らしには、「すでに自分ではストレスと気づいていないタイプのストレス」が満ちています。

パソコンの画面を一日見続けていることも、「もともとの人間の生態」としては、ストレスに他ならないでしょうし、あるいは、スマートフォンなどの端末の普及で、「いつでもどこでも他人とつながっている」というのは、ものすごいストレスを生んでいると思います(一日中、スマートフォンで他人とつながっているなんて世界は現代人類史十数万年のうちの、このたった数年だという異常性に気づくべきです)。

私はスマートフォンをさわったことがないので、詳しいことはわからないですが、若い人たちなどは、連絡やメールがきたら「すぐに返信」しないといけないとか、いろいろと大変な話も聞きます。それらの、昔では想像もできないストレスを若いうちから抱えている今の社会の「病気の時代」は加速すると思っています。

パソコンとインターネットが一般的になった 1990年代から急速にガンなどの病気が増え続けて、そして、スマホが一般的になったこの数年、かつてないほどの様々なウイルス性疾患が爆発的に増加している背景と、それらのことが無縁とは思えません。

結局、娯楽と快適という名の下に、現代の文明生活は「命」という代償を捧げることになったのだと思います。

さらに多くのストレスを人間に与えていると私が考えているのが、「多様化を失い硬直してしまった社会の価値観」です。

「多様な価値観」が認められない社会が、どれだけ人間にとってストレスを生んでいくものかを、おそらく、多くの人は軽視しています。

この社会が日々、ストレスを多く生み出していることは、実際に、とめどなくガン患者が増えて、メンタルの病気の人たちも増えているという事実がまったく語っていると思いますが、今の時代によくある SNS などの「炎上」も「考え方の多様性を認めない」という典型的な現象だと思います。

この、

「自分と違う意見が存在しているのは許せない」

という今の社会のストレスの生まれ方は尋常ではないと思います。

インターネットやスマートフォンが、それらを加速させているツールであることも事実かもしれないですが、それらがなくなる世の中というのは、少なくとも今すぐには想像しようがないです。

そんな中で、十代くらいから「価値観的に束縛」された青春時代を送っている若い人たちの発病年齢は、ますます早くなるとも感じます。

 

行くところまで行くしかないのか、それとも、何か手はあるのかはわかりません。

 

こんなにガンなどの病気が増えている「その原因」について、お医者様をはじめ、多くの人が真剣に考えない場合は、「行くところまで行く」しかないのだとは思いますが・・・。

まあ、社会全体のことはともかとくして、今回書きましたように、ガンをはじめとした非常に多くの病気は、その原因の相当大きな部分として、「ストレス」が根幹にある、ということは間違いないと思っています。

そして、現代社会のストレスの厄介なところは、「避けようにも避けられない」あるいは「自分でストレスと感じていない」ものが多いところにあります。

それでも、仮に何か大きな病気になったとした場合、その時に、はじめて、

「自分の生活や環境は何か間違っていたのではないか」

あるいは、

「病気は自分が作り出していたのではないか」

と思うことができて、そして、その時に初めて、生き方に目覚めることができるのならぱ、病気になること自体も悪いことではないと思っています。