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3月22日にメルマガ悪魔に乾杯を発行させていただきました。

2018年からの世界 人類の未来 宇宙の中の地球

ベテルギウスより近い太陽系の「隣」で超新星爆発が起きていたことが判明。これにより「宇宙線に異常が起きている」と科学者たちが発表。場合により異常気象と生物の突然変異が増加する可能性も

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7月12日のロシアの通信社リア・ノボスチの報道より


ria.ru

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地球にくる宇宙線は、量だけではなく「質そのもの」が異常になっている


ktelegram.com

公的な気象機関は、普通は「異常気象」という言葉をほとんど使いませんが、2日ほど前に、世界気象機関(WMO)が、

「この 7月の北半球は異常気象」

と公式に発表していました。下は、日本経済新聞の記事からの抜粋です。

世界各地、7月は異常気象 日本は豪雨で米西部に高温

日本経済新聞 2018/07/11

世界気象機関(WMO)は10日、7月には日本が豪雨に見舞われた一方、北アフリカや米西海岸で記録的な高温となるなど世界各地で異常気象が観測されていると発表した。

日本の豪雨は、台風の通過により、湿った大気が停滞していた梅雨前線に大量に流れ込んだことが原因と分析。各地に7月の平均降水量の2~4倍の降雨をもたらしたとした。

北アフリカでは、アルジェリアのワルグラで7月5日に51度を記録。同国で過去最高の気温とみられる。オマーンのマスカット南方では6月28日に夜間になっても気温が下がらず、一日の最低気温として42.6度を観測。記録的な高温としている。

米西海岸のカリフォルニア州デスバレーで7月8日に52度を観測した。カナダ東部ケベック州では熱波により高齢者らに死者が出た。

カナダ東部でもニューファンドランドとノバスコシアで季節外れの雪が降り、ハリファクスで氷点下1度を観測した。

WMOは「長期的な温暖化傾向が異常気象をもたらしている可能性がある」と指摘している。

ここにあるアルジェリアの高温については、「ヨーロッパから北アフリカに異様な熱波。アルジェリアではかつて1度も記録したことのない最高気温「51℃」を記録」という記事でご紹介していますが、上の記事の別の見所のひとつとしては、記事後半の、

> カナダ東部ケベック州では熱波により高齢者らに死者

> カナダ東部でも季節外れの雪が降り、氷点下1度を観測

があります。カナダ東部が「熱波と寒波が同居している」というカオスになっていることがわかるのです。

この「カナダの気温のカオス」については、何日か前からご紹介しよう思っていたのですが、いまだに継続しており、あるいは拡大していっていまして、熱波での死者数は毎日数十人単位で増えていき、「夏の寒波」も激しくなっていまして、ある程度落ち着きましたら取りあげたいとも思っています。

このような「極端な暑さ」と「極端な寒さ」は、先日の以下の記事でもふれましたけれど、世界のいたるところで同居しているようです。

現状の「気温の真実」。そして、それを見てふと思うのは「メディアから世界へとニュースが発信される場所ばかりが猛暑」なのはご愛敬なのか、あるいはプチ陰謀論的なのかということだったり

日本は、西日本や本州などではとても気温が高いですが、先日、北海道にある実家に連絡した時には「夜はストーブ焚いてる」とか言っていました。少し前には、「札幌 50年に1度の寒さに (tenki.jp 2018/06/17)」というような報道もありまして、全部が同じというわけには行かないようです。

それにしても、「なぜ気象はこんなことになっているのか」ということについては、先ほどの報道の世界気象機関は、「長期的な温暖化傾向が異常気象をもたらしている可能性がある」というような、のんびりとしたコメントを述べていますが、私のような素人から見ても、

「そういうのんびりとしたことが原因ではなさそう」

とは思う部分もあります。

 

ところで、天候に対して「外部からダイレクトに影響する」ものは何かと考えると、

「宇宙線」

が、まず思い浮かびます。

宇宙線の量が多くなれば全体としての雲は増え、雨も増えます。

しかし、この作用だけでは、豪雨などの荒れた気象や「気温が下がる」ことは説明することができても、「気温が上がる」ほうは説明できないです。

そのあたりのことを考えている時だったのですけれど、昨日読みました冒頭のロシアの報道の内容が興味深いものでして、今回はそれをご紹介しようと思います。

報道の内容は何となく雑然としているのですが、先に箇条書きにしておきますと、以下のような感じです。

ロシア国立核研究大学のプレスリリースの概要

・最近、宇宙線に「異常」が認められている

・ひとつは「含まれている反物質の量が異常である」こと

・また、宇宙線の特性自体にも異常が認められる

・この原因について、ロシア、フランス、スイスなどの国際チームが、太陽系近くの超新星爆発が原因だと発表した

・超新星爆発による地球の放射線量の急激な増加は生命に突然変異や絶滅をもたらすが、今はそのようなレベルになっているわけではない

という感じで、冒頭の報道にある図から考えますと、太陽系の隣のあたりで超新星爆発があったということだと思われます。

今回ご紹介している記事の超新星爆発の場所


ria.ru

よく超新星爆発について言われるベテルギウスやアンタレスなどより近い場所です。

ところで、上に「反物質」という言葉が出てきますが、実は、わたくし、反物質という概念がまったくわからないので、ただ訳して書いているだけではあります。

なお、そのような難しい話ではなくとも、単純に「現在、地球に到達する宇宙線は増加しつづけている」ことは事実です。それは、以下の記事などを含めて何度か記させていただいたことがあります。

宇宙線レベルが著しく増加している今の地球と、そしてこれから

そして、結局、詳細はよくわからないとはいえ、最も気になったことは、

「やはり宇宙線はおかしくなっている」

ということです。

宇宙線の増加にはさまざまな作用があることは知られています。

気象や天候に対してだけではなく、たとえば、以下の記事でふれました「宇宙線が増えると、心臓の病気が増加する」ということなどがあったりすることを見ましても、「宇宙線は人体そのものに影響する」ことは確実なようです。

「太陽活動が低い時期には急性心停止が著しく増加する」:まったく世に出てこないこの過去数十年間の医学的研究の結論を今書かせていただきます

やはり今、地球では「何か」が変わりはじめていて、もちろんそれは宇宙線の影響だけでないのは言うまでもないですが、現在、宇宙線は、その量だけではなく「宇宙線そのものに異常な変化」が起きている可能性が高くなってきました。もし、そうだとしたら、その影響は、とても多くの分野で広がっていくのかもしれません。

それは時間の経過の中ではじめて明らかになるのかもしれないですし、今は何ともいえません。

ロシアの通信社リア・ノボスチの記事をご紹介します。


Scientists have found traces of a supernova explosion near the solar system
ria.ru 2018/07/12

太陽系近くで超新星爆発の痕跡が発見される。これは地球の放射能と突然変異を増加させると科学者たちは言う

モスクワにあるロシア国立核研究大学 MEPhI(ニヤウ MIFI)が参加している天体物理学者の国際研究チームは、地球に到達する宇宙線に「異常な量の反物質が含まれている」とプレスリリースで発表した。

これは、太陽系の隣での超新星爆発が原因であると述べられている。

最近、多くの実験により、宇宙線の変動の異常が明らかにされているが、今回の調査では、特に陽子の高い流れが検出された。陽子とヘリウムの流れの比率は、そのエネルギーに依存し、単一の発生源には存在しない。

さらに、科学者たちは、宇宙線の異方性(※ 異方性とは、物理的性質が方向によって異なること。ここでは、宇宙線の持つ物理的性質が均一ではないということだと思われます)にも異常があることを特定している。

科学者たちは、これらの異常のいくつかを別々に説明する多数のモデルを提案しているが、その中で、ロシア、フランス、スイスからとなる天体物理学者たちの国際チームは、現在のこの宇宙線のすべての異常を説明する理論を提出した。

この新しい理論によると、観測されている異常の主な理由の一つは、太陽系の近くにおいて超新星爆発が発生したことにある。

論文の著者のひとりである国立核研究大学のドミトリー・セミコズ(Dmitry Semikoz)博士は、「超新星爆発は、太陽系から 220 - 450光年の距離において約 200 - 300万年前に発生したと考えられます」と述べる。

科学者たちによると、これについては、地球の海洋と月表面の土の底にある地殻の最近の研究によって確認されたという。超新星爆発が起きた時間の指標は、鉄同位体 Fe60 (※ 半減期が260万年の消滅放射性核種)の含有量であり、これはこのタイプの星でのみで形成される。

セミコズ博士は次のように言う。

「この論文に記されような事象が繰り返されるならば、地球には大幅な気候変動と放射線量の大幅な増加という事態が訪れるでしょう。もし、この場所の超新星爆発が 10回近く発生すれば、地球の生命への影響は壊滅的なものとなります。地球上の生命は、部分的に、あるいはすべて死滅するでしょう」

幸いにも、このような事象は非常に稀にしか起こらない。この超新星は、数百万年ごとに爆発しているが、地球の生命が死滅の危険にさらされるような爆発は数十億年に1度だと考えられている。

セミコズ博士は、アメリカ大陸とヨーロッパの一部は、320万年前と 870万年前に、300- 600光年の距離の超新星爆発の結果として「宇宙線の砲撃」を受けたとしており、それはその地域の生物的進化を加速させたはずだと言う。超新星爆発により急激に増加する放射線レベルは「突然変異の嵐を引き起こすのです」と博士は語った。





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