In Deep

地球最期のニュースと資料

*

最大M6.2を筆頭に、M4.5以上の地震が「1日で13回連続して発生」した9月23日の関東沖。そして、韓国では「マグニチュード8.3」の地震の発生の可能性についての議論

      2016/09/25

japan-m6-2USGS

 

関東沖の群発地震。そして400回を超えた富山の群発地震

アメリカ地質調査所(USGS)のデータに、9月23日、日本の関東沖で、1日のうちに「マグニチュード 4.5 を超える地震だけで 13回」起きていたことが記録されていました。

アメリカ地質調査所のリアルタイム地震情報サイトより

hapan-earthquake-0924USGS

Sponsored Link


 

震源には、英語名でさまざまな場所の名前がつけられていますが、大ざっぱに、すべて「関東沖」としますと、下のような分布でした。

2016年9月23日 M6.2 – 関東沖 – 震源の深さ10km
2016年9月23日 M4.5 – 関東沖 – 震源の深さ10km
2016年9月23日 M4.9 – 関東沖 – 震源の深さ10km
2016年9月23日 M4.5 – 関東沖 – 震源の深さ10km
2016年9月23日 M4.6 – 関東沖 – 震源の深さ13km
2016年9月23日 M5.1 – 関東沖 – 震源の深さ38km
2016年9月23日 M5.2 – 関東沖 – 震源の深さ10km
2016年9月23日 M4.7 – 関東沖 – 震源の深さ26km
2016年9月23日 M4.6 – 関東沖 – 震源の深さ12km
2016年9月23日 M5.2 – 関東沖 – 震源の深さ35km
2016年9月23日 M4.6 – 関東沖 – 震源の深さ35km
2016年9月23日 M4.9 – 関東沖 – 震源の深さ35km
2016年9月23日 M4.5 – 関東沖 – 震源の深さ35km

アメリカ地質調査所では「マグニチュード 4.5 」というのを、地震の規模の大きさのひとつの区切りとしており、地震の分け方を、

・マグニチュード 4.5 以下
・マグニチュード 4.5 以上

としていますが、いずれにしても、このクラスの地震が一日に同じような場所で 10回以上発生するというのは、なかなか見ないことではあります。

これに関して、日本の気象庁の発表を見てみますと、USGS で、マグニチュード 6.2 (気象庁では 6.5)の地震の記録が残されているだけで、他の地震は発表にはありませんでした。

気象庁が記録した2016年9月23日の日本の地震(7回)

jma-0923地震情報

これは、日本の気象庁が発表する地震情報が「震度1以上のもの」となっていて、規模がどれだけ大きくても、揺れがない場合は情報として発表はされませんので、今回の群発地震では、マグニチュード 6.5 の地震以外は国土で揺れが観測されなかったようです。

それにしても、震度がなかったにしても、このような地震の連続はなかなかのものだと思います。

これに関しては、海外のサイトなどでは、いくつかが話題としているところもありました。

関東沖の群発地震を報じた海外サイト

swarm-11-japanstrangesounds.org

この関東沖の海域は日頃から地震の多いところでもあり、群発地震そのものは珍しいことだとは言えないですが、この規模のマグニチュードの地震ず一日のうちにこれだけ連続するということはそれほど頻繁にあることでもないような気はします。

日本での群発地震といえば、今年8月の終わりから、富山県東部の黒部ダムの近辺で小規模な地震が頻発しています。8月以降の観測回数は、すでに 400回を超えているとのことです。

富山東部の小規模地震やまず 400回超に 8月以降で 立山の火山活動は関連なし?

産経ニュース 2016/09/21

富山地方気象台は20日、富山県立山町など県東部を震源とする小規模地震が頻発する状況が続き、8月以降の観測が400回を超えたと発表した。最大規模は9月19日午後11時47分に観測されたマグニチュード(M)2・0。

震源域から南西約10キロにある北アルプス・立山連峰の弥陀ケ原のマグマ活動に変化はみられず、火山との関係はないとしている。

富山のほうは、大変に小さな規模の群発地震ですが、これまでなかったことだそうですので、何らかの変化の兆しではある可能背はあります。

 

そんな感じで、日本の各所で群発地震が比較的増加しているということで、それらが何をあらわしているのかは誰にもわからないことですが、そういうことが起きているという事実はあります。

地震といえば、7月のはじめに、韓国の観測史上で最大となるマグニチュード5の地震が起きたことがありました。

韓国で観測史上36年ぶりの規模となるマグニチュード5の地震が発生
 2016/07/06

その韓国で、「韓国内で最大マグニチュード 8.3の地震が発生する可能性」をまとめた報告書が政府与党により4年前にまとめられていたことが最近になってわかり、議論となっています。

 

韓国でマグニチュード8超の地震が起きる可能性について

韓国内で、「韓国政府がまとめたマグニチュード 8.3の地震が発生する可能性についての報告書」の存在が明らかとなり、話題となっています。

2016年9月22日の韓国のニュースより

s-korea-m83chosun.com

これは、政府与党が4年前に作成したとされる報告書で、その中でも特に何が問題になっているかというと、韓国の原子力発電所の安全基準は、マグニチュード 6.5までは耐えられる設計となっていることでした。

マグニチュード 8.3という規模は、それをはるかに超えていて、仮にそういう想定が政府にあったのだとすれば、「どうなっているのだ」と野党側が追求しているという話のようです。

もっとも、この話はすぐに否定される報道が出て、今は一件落着した・・・のかどうかはわからないですが、下の朝鮮日報の報道のようになっています。

地震:「韓国でM8.3級発生の可能性」主張は誤り

朝鮮日報 2016/09/24

韓国地質資源研究院は、朝鮮半島で今後、最大でマグニチュード(M)8.3規模の地震が発生する可能性があるとの一部の主張について「政府の報告書を誤って解釈したもの」と指摘した。

地質資源研究院が2012年に作成した韓国の活断層地図に関する報告書の中の数値シミュレーションの値を、一部議員とメディアが実際の発生可能性だと誤解したというわけだ。(略)

地質資源研究院のキ・ウォンソ副院長は「M8.0以上の地震は海洋プレートの境界周辺で起きるが、韓国はプレートの境界から遠く離れているため、この規模の地震が発生する可能性はほとんどない」とした上で「韓半島の地質構造の特性を考えると、M6.5規模が最大ではないかとみている」と述べた。

というものなのですが、うーん・・・。

上の報道を読む限りは、

> 報告書の中の数値シミュレーションの値

というものがあるということは、「シミュレーション上ではマグニチュード 8.3が示された」ということに他ならないのではないでしょうか。

> 一部議員とメディアが実際の発生可能性だと誤解した

といっても、シミュレーションというのは「実際の発生の可能性」の値をシミュレートするためのものですので、それを元にすれば、「起きる可能性がある」となるほうが自然の解釈のようにも思えまして、何だか今ひとつわからない報道内容となってはいます。

それと共に、韓国の地質資源研究院のキ・ウォンソ副院長という人が、

「韓国はプレートの境界から遠く離れているため、M 8.0以上の地震が発生する可能性はほとんどない」

とおっしゃっていますが、このキ副院長は(もしかすると意図的に)2008年5月12日に発生したマグニチュード8の四川大地震のことにふれていません。これは、2011年の東北の地震と共に、近年の東アジアで最大級の被害を出した地震のひとつです。

四川大地震こそ、「プレートの境界から遠く離れた場所」で起きたものでした。

四川大地震(2008年05月12日)の震源
ch-2008-0512・Wikipedia

この四川大地震の震源のような場所でマグニチュード8に準じる地震が起きたというのは不思議な気もするのですが、しかし、地質学的な大陸の色分けを見てみますと、「ものすごく不思議というわけでもないかもしれない」ことも、またわかります。

下は、東アジア周辺の地質学的な「境界線」をあらわしたもので、ちょっとわかりにくいかもしれないですが、青い線がプレートの境界を現し、赤などの線は大陸での地質的境界(continental rift boundary)を示しているなど、さまざまな地質的な境界を示しているものです。

geo-01wikimedia

色が少しだけ濃くなっている部分は、英語での説明では orogeny (造山運動)と記されていて、やや難しい解釈ですが、地質的な「運動」を示している場所といっていいのかもしれません。

四川大地震の震源は、プレートからは遠いものの、地質学的に大陸の境界線と近く、また、そのエリアは、造山運動エリアとなっていて、何らかの地質活動があってもおかしくはない場所といえるのかもしれません。

ここから「韓国」という国を、先ほどの地図で再度見てみますと、下のようになります。

日本と韓国周辺の地質的構造

geo-japan-koreawikimedia

韓国、あるいは朝鮮半島の西側沿岸は、明らかな大陸の地質的な境界線上にあり、そこは活発な地質活動があってもおかしくはない場所ともいえるようです。

さらに、先ほどの四川大地震を記した Wikipedia には、気象庁の地磁気観測所所長である石川有三さんのコメントの抜粋として以下の記述があります。

2001年11月14日のチベット北部の地震(M8.1)、2002年のアフガニスタン北部の地震(M7.4)、2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)、2005年のスマトラ島沖地震(M8.6)やパキスタン地震(M7.6)、2006年のジャワ島南西沖地震(M7.2)、2007年のスマトラ島沖地震(M8.5)、2008年の新疆ウイグル自治区の地震(M7.2)など、インドプレートとユーラシアプレートの境界地域で地震が頻発していることからこの地域が地震の活動期に入っており、向こう20年程度は大規模な地震が続発する恐れがあるとの指摘もある。

つまり、時期区分は曖昧ながら、2030〜40年頃までなどの期間は、この地域を含めた東アジアでの地震が活発化するかもしれないと、四川大地震の時に気象庁の方がおっしゃっていたわけですが、その後、日本に限っても、2011年の東北の震災(北アメリカプレート)、2016年の熊本の大地震(ユーラシアプレート)と大きな地震は繰り返し起きていて、そして、いまだに増えている徴候があります。

そんなわけで、地震の多い日本で今後さらに地震が増えていくことは、ある程度は仕方のないことととしても、地震の少ない韓国でも、今後は、4年前に韓国政府がシミュレートしたような大きな地震が起きないとも言えないのかもしれません。

今後の予測はわからないですが、「地震の時代」を感じさせる小さなエレメントは、そこかしこに出現してきているようです。