In Deep

地球最期のニュースと資料

*

増加し続ける低体重の赤ちゃんたちの「成人になってからの大きな健康リスク」が次々と明らかになる中、お腹の中の赤ちゃんの成長を阻害しているものは何なのかということを「社会」は真剣に考え直していただきたいと思うのです

   

2017年2月13日のサイエンス・デイリーより

Low birth weight babies at higher risk for mental health problems later in life

出生時の体重が 2500グラム未満の乳児の割合の各国比較(2013年)

国立社会保障・人口問題研究所

Sponsored Link


 

 

世界で最も低体重の赤ちゃんの率が多い国、日本

少し前に、

「病気の存在しない社会」を作ることは可能なのかもしれない : 量子物理学的な医学見地から、病気は「意識と思考」で作られることを確信した日
 2017/02/07

という記事で、アメリカの細胞学者であるブルース・リプトン博士の『「思考」のすごい力』という本から、「何が病気を作っているか」ということに関して書きました(それは要するに「心」です)。

その中に「世界中で低体重で生まれる赤ちゃんが増えている」ということにふれていることがありまして、それは以前から気になっていたことでした。

日本は特に低体重の赤ちゃんの増加が大きく、今、「世界で最も低体重で生まれる赤ちゃんの率が高い国」となっていますのは、冒頭の比較グラフの通りです。過去記事の、

「そのうち日本から子どもが消えちゃうんじゃないか」と思わせる日本をめぐる統計グラフと、それと同じ曲線を描くいくつかの統計
 2015/01/30

に下の統計グラフを載せたことがあります。

2002年までの日本の低体重児(2500g以下)の数の推移

wakodo.co.jp

これは 2002年のもので、その後も増え続けていますが、2013年の時点で、日本では 9.6%の赤ちゃんが出生時体重が 2500グラム以下の低体重児として生まれていますので、大体 10人に 1人くらいは低体重で生まれているということになります。

 

 

赤ちゃんが低体重で産まれる原因

そして、昨日、欧米の科学系メディアで、「超低体重で生まれた赤ちゃんたちが、大人になってから精神・神経的な疾患を持つ率が高い」ことが研究によって判明したという記事が載っていたのです。これは超未熟児を対象にした研究ですが、冒頭の記事がそうです。

今回はその記事の概要をご紹介しようと思いますが、その前に、ブルース・リプトン博士の著作から「低体重で出生してくる赤ちゃんが作られるメカニズム」の部分を抜粋しておきたいと思います。

それによりますと、

「低体重の赤ちゃんもまた、母親のストレスから作られる可能性」が極めて高い

のです。

とりあえず、その抜粋を載せさせていただきます。

ブルース・リプトン著『思考のすごい力』より

発達中の胎児は母親の血液から栄養分をもらう。だがそれだけでない。

母親が糖尿病ならば、胎児は母親の血液から余分なグルコースをもらう。また、母親が慢性的にストレスを感じていれば、コルチゾルなど、闘争・逃走反応を引き起こすストレスホルモンも受け取るが、このあたりのしくみは、研究でほぼ明らかになっている。

ストレスホルモンは身体に防衛反応を呼び起こすホルモンである。母親が発したこれらのシグナルが胎児の血流に入ると、母親の胎内と同じ標的組織や標的器官に影響を及ぼす。

ストレスに満ちた環境では、胎児の血液は筋肉や脳の後方に優先的に流れる。その結果、腕や脚、それに、脳の中でも、とくに生命維持に必要な反射行動を行う部分に、栄養分が供給される。

防衛関連システムの機能を助けるために、内臓への血液量が減少する。かつ、ストレスホルモンの作用で、脳の前方部分の機能が抑制される。胎児の組織や器官の発達は、受け取る血液の量と、どのくらいの機能をもつかに比例する。

母親が慢性的にストレスを感じていると、胎盤を通過したホルモンが胎児の血液分配を変化させ、生理的な機能も変化させる。

胎児の血液中のコルチゾル濃度は、腎臓の濾過単位であるネフロンの発生に対し、きわめて重要な制御的役割を果たす。

ネフロンを構成する細胞群は、身体の塩分バランスを調節する上で重大な役割を果たし、結果として、血圧コントロールにも大きくかかわってくる。ストレスを感じる母親から過剰なコルチゾルを吸収すると、胎児のネフロン生成が影響を受ける。

コルチゾルには、このほか、母胎と胎児の両方に同時に働きかけて、成長・増殖状態から防衛状態へとスイッチを切り替えるという作用もある。この結果、過剰なコルチゾルが子宮内の胎児の成長を抑制し、小さめの子どもが生まれることになる。

 

引用はここまでにしておきますが、赤ちゃんの正常な育成を妨げるのが、母親のストレスである仕組みがおわかりかと思います。

コルチゾルなどの個々のホルモンの説明をする時間がないのですが、これは大人というか、ふだんの私たちの免疫機能にも影響を与えるもので、コルチゾルが多量に分泌されると、「脳の海馬を萎縮させる」ことがわかっています(コルチゾール – Wikipedia)。

「本人の脳の萎縮させる仕組み」が、お母さんと一体であるお腹の中の子どもに伝えられても、それは不思議ではないことです。

また、この本には、さまざまな研究で、低体重で生まれた赤ちゃんが「大人になってから」様々なリスクがあることについてふれられています。

例としては下のようなものがあります。

低体重児の成人後の影響についてのいくつかの研究

・出生時の体重が 2500グラム未満だった男性は、それ以上で生まれた男性に比べて、心臓病で死亡する危険性が 50%高い(英国サザンプトン大学の研究)

・出生時の体重が 2500グラム未満の女性は、それ以上の体重で生まれた女性に比べて、心血管障害にかかる危険性が 23%高い(米国ハーバード大学の研究)

・60歳の男性で、出生時に小さくやせていた人は、そうでない人に比べて、糖尿病発生率が3倍(英国ロンドン大学の研究)

 

そして、今回ご紹介するカナダの研究は、この場合は超未熟児の場合ですが、大人になってからのメンタルヘルスのリスクと関係することが示されました。

それをご紹介しようと思いますが、その前に、何となく「低体重の赤ちゃんを出産したお母さんについての社会的な勘違い(まるで、お母さん本人の生活に問題があったかのような)」が蔓延している気がしますので(基本的には環境と旦那さんの影響が大きいはずです)、「健康な赤ちゃんがどのように生まれるか」ということも含めて、補足しておきます。

 

健康な赤ちゃんを胎内で育てるには

その勘違いというのは、たとえば 2014年1月6日の報道「低体重児の出生率9.6% 出産前教育の充実を」に、下の記述があります。

報告書で最も気になったのは、低体重児で生まれる子供の割合が日本は突出して高いこと。米国疾病管理予防センターによると2500グラム未満で生まれる子供の割合は日本は9.6%。ギリシャと並んで27カ国中で最も高い。

過去30年間で低体重児の割合が日本はほぼ倍増した。これは先進国の中で特異な現象という。

その理由に妊娠中の厳格な食事管理や女性の喫煙・飲酒の増加などを挙げている。さらに不妊治療による多胎や子宮機能の低下した高齢出産の増加が背景にある。

というようにありますが、これでは何だか、低体重の赤ちゃんが生まれる原因が、

・食事管理
・喫煙
・飲酒
・高齢

というように聞こえてしまいますが、おそらく、すべてあまり関係ないと思います

『思考のすごい力』にある、ストレスとコルチゾールなどのホルモンの「胎児への作用」を考えますと、

・低体重の赤ちゃんが生まれる原因のほとんどはストレス

だと言えるのではないでしょうか。

もちろん、他の要因も数多くあるでしょうけれど、最近は何かというと、どのような病気でも、あるいは健康関連でも、たとえばですが、

・喫煙
・食事制限のし過ぎ

などが挙げられることが多いですが、一般の病気や健康のことはさておいて、「赤ちゃんを生む」というもことに特化して考えれば、飲酒を別にすれば、私は下のようにずっと思っています。

喫煙 → 「かつての日本は、男性の80%以上が喫煙者で、みんな家の中で吸いまくりだったのに、その時代の方がはるかに低体重児が少なかった理由は?」

日本人の喫煙率

あるいは、

食事制限のし過ぎ → 「食べるものがほとんどなかった戦中や戦後(戦後2年目の1947年からの3年間が過去最大のベビーブーム)のほうが、はるかに低体重児が少なかった理由は?」

というようなことは思ってしまうのです。

日本の喫煙率は、1960年代から一貫して下がっています。これからも下がるでしょう。

この喫煙数の推移と先ほどの低体重で生まれる赤ちゃんの増加のグラフを見る限り、なぜ、そこに「タバコが悪い」という関係を見いだせるのかがわかりません。

 

タバコに関しては、他にもいろいろと不思議がありまして、「肺ガンの発生数との相関」も、どうしても理解できない部分がありますが、それは今回はいいです。

私もタバコを吸わないですので、タバコを吸わない人がタバコの煙を嫌いなことはわかりますが、何でもかんでも悪くすればいいというものではないような気はします(本当の原因がわからなくなるからです)。

私は個人的には、資料を見る限り、多くの部位のガンはタバコとあまり関係がないと思っています。

 

タバコはともかくとして、もちろん、お腹の中の赤ちゃんに、「外部的な要因が全然影響しない」などということは言えないことは確かなのかもしれなく、たとえば、過去記事の、

胎内で200種類以上の汚染物質に包まれながら成長して生まれてくる赤ちゃんたちのサバイバル…
 2015/02/01

では、カナダのエンバイロンメンタル・ワーキング・グループ( Environmental Working Group )という研究団体が、2005年におこなった調査についてふれていますが、そこには、以下のようにあります。

エンバイロンメンタル・ワーキング(EWG)が実施した調査で、二つの主要な研究所の研究者らは、アメリカの病院で2004年8月と9月に生まれた10人の赤ちゃんの臍帯中に平均200種類の産業化学物質と汚染物質を検出した。テストの結果、この赤ちゃんのグループから合計287種類の化学物質が見出された。

臍帯を切った後に赤十字が収集したこれら10人の赤ちゃんの臍帯血には農薬、消費者製品成分、及び燃焼石炭やガソリン、ゴミからの排出物が含まれていた。

臍帯血から検出した287種類の化学物質のうち、180種類がヒト又は動物に発がん性があり、217種類が脳や神経系に有毒で、208種が動物テストで先天異常又は発達異常を引き起こすことが知られている。

このように、赤ちゃんの臍帯から、合計287種類の化学物質が見出された上に、

> 217種類が脳や神経系に有毒

とありまして、アメリカの環境というのは、いわば、主要国に多く通じる環境ともいえまして、多くの国で似たような環境にいるということは、赤ちゃんがお腹の中にいるお母さんも、いろいろな物質に日々曝露しているのは事実だと思います。

 

しかし、それでも、多くの赤ちゃんは健康で生まれてくるわけですから、人間が新しい生命を誕生させる力にはすさまじいものが内在していると本当に思います。

多少の外部的な化学物質には耐えられる。実際多くの場合は耐えています。

それよりもはるかに強力な影響を与えるのが、先ほどの、たとえばコルチゾールのような「人間が体内で作り出す物質(ストレスホルモンのような)」だということだと思うのです。

『思考のすごい力』のブルース・リプトン博士は、著作の中で、「赤ちゃんが生まれる前の環境がどれだけ大事か」ということを繰り返し述べていて、そのために最も大事なことが、「お父さんの役割」だと書いています。

旦那さんが、赤ちゃんがお腹にいる自分の奧さんにどれだけ精神的な安定を与えられるかが、生まれている赤ちゃんの(知的水準も含めた)多くを決定するメカニズムを、医学的・科学的な見地で書いています。

遺伝的要素はすべてではなく、一部分でしかないことは現在の医学的研究でわかっています(子どもの知能指数決定に「遺伝子は 34%しか関与しない」ことがわかっています)。

おそらく、今の社会はいろいろと慌ただしすぎて、奧さんが妊娠しても、旦那さんが一緒にいられる時間が極端に少なかったり、ゆったりできる時間がなかったりするのが普通ですから、そのあたりは、低体重の赤ちゃんが増加していることと関係しているかもしれません。

あと、今の日本は、そもそも、「妊娠することや、妊婦さんがあまり社会で歓迎されない」という側面はあります。

妊娠しても、何となく心から祝福されていなかったり、社会が意外と冷たかったりする現実を感じるお母さんもいるのかもしれません。この社会構造そのものが「低体重の赤ちゃんを数多く作り出している」と私は思います。

 

しかし、もはや、この日本の社会構造を変えるのは難しいことですので、それぞれのご家庭に関していえば、旦那さんのサポートがあれば、かなり状況は変えられるはずです。

お一人で妊娠・出産される方も今は多いですが、結婚しているとか、していないは関係なく、「自分を安心させてくれるパートナーの存在」が大事ということで、ここでいう旦那とは、戸籍や、あるいは性別も関係ないです。

出来うる限り、妊婦さんの精神的な安寧と「妊娠して良かった」と思える日々を送ってもらうことが、健康な赤ちゃんを数多くする唯一の方法ではないでしょうか。

外部的な要因に関しては、その上で多少考えればいいのだと思います。

健康な赤ちゃんが生まれるかどうかは、旦那さんの責任が大きいということが、今の医学研究は明確に語っています。

ちなみに、妊娠中に浮気する旦那などの話も聞きますが、不倫とか浮気は奧さんの妊娠中はダメです。そんなのは子どもが生まれてから好きなだけやって下さい

というわけで、カナダの研究に関しての英国エクスプレスの記事をご紹介します。


Premature babies at greater risk of mental health problems such as depression and anxiety
Express 2017/02/13

低体重で生まれた赤ちゃんは、うつ病や不安症などの精神的健康問題のリスクがより高いことが判明

研究では、非常に低い体重で生まれた未熟児たちは、30代以降に、うつ病や不安症などのメンタルヘルスの問題が発生する危険性が高いと警告している

30年間に及ぶ新しい研究では、未熟児として生まれた子どもたちは、肉体的な問題に関しても大きなリスクにさらされているが、メンタル的にもリスクにさらされる可能性が高いことが明らかとなった。

その子供たちは、 10代に成長するにつれて、注意欠陥多動性障害(ADHD)、および社会的問題を有する可能性が有意に高かった。

また、成人後も、不安、抑うつ、内気などのレベルが有意に高く、社会機能性も低かった。

英国では、専門病院のケアを必要とする未熟児たちが年間 80万人生まれている。これは、9人のうちの 1人が低体重で生まれているという計算になる。

新生児に対しての集中治療医療の進歩により、2ポンド(約 900グラム)未満の、非常に低い出生時体重で生まれた赤ちゃんでも、現在は生き残る可能性が高くなってきている。

カナダ・マックマスター大学の主任研究者であるカレン・マチューソン博士(Dr. Karen Mathewson)は、次のように述べている。

「私たちの調査結果は、極めて低い体重で生まれた人たちは、通常の体重で出生した人々よりもメンタル的な障害のリスクが高いという証拠を示しました。これらの障害には、注意欠陥や不安省関連、そして社会問題を起こしやすいということも含まれます」

この研究では、超低出生体重児 2,712人と、26歳以上の正常体重での出生児 11,127人を追跡した 41の研究と分析が含まれている。

この研究は、北米、ヨーロッパ、オーストラリアの 12ヶ国で 1990年から 2016年にかけて行われた。

これらのリスクは、超低体重で出生した人たちの生まれた場所や時期によって変化することはなく、また、脳性麻痺や失明などの重大な神経感覚障害を有するかどうかに関しても変化はなかった。

マチューソン博士は、出生前の難しい状態、および出生後のストレスに対する乳児の生物学的応答からこれらの結果が生じている可能性があることを示唆した。

博士は次のように述べている。

「多数の研究への参加者からの証拠によれば、超低体重で出生した人たちは、小児期から 40歳代までの特定のメンタルヘルスの問題のリスクが高いことが示唆されました、どの地域でも、この結果には一貫性があることから、これらの結果は、発達時にプログラムされた生物学的要因によってもたらされている可能性があることを示しています」

しかし、博士は、超低体重で出生した人たちのメンタル問題のリスクは、正常な出生体重の人よりも確かに増加していることは確かだが、しかし、多くの人たちは精神障害を全く発症していないと述べ、決して早期に生まれた幼児たちが最終的に精神保健問題を発症するということではないことを強調した。