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3月22日にメルマガ悪魔に乾杯を発行させていただきました。

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ジカウイルス vs 超寒冷下の世界:「望ましい地球」と「望ましくない地球」を天秤にかけることは難しくて

投稿日:2016年2月1日 更新日:

エルサルバドル政府が自国民の女性に対して2年間の妊娠の回避を勧告

zika-virus-el-salvador-ban
2016年1月31日の stuff.co.nz より。




 

今回の本題とは関係ないですが、ハワイで撮影された、下のように星や月たちが一列に並んでいるような光景の写真がスペースウェザーに載せられていました。

2月1日に夜空に並んだ6つの月と星

stars-hawaiiSpaceweather

 

1年ほど前に話題となっていた「惑星直列」などという言葉も思い出しますが、これは地球側から見てこうなっているというだけで、惑星直列とかそういうものとは違います。

とはいえ、それはそれとして、何となく感慨深い光景ではあります。

感慨深く感じると同時に、最近は、世の中や将来的な部分に関して、どうもあまり積極的にポジティブな思考がとれませんで、上のような惑星の配列を見た途端に、

「このフォーメーションはあれと似ている・・・」

と、下のようなグラフを思い出して、暗澹とした気分になったりする次第です。

日本の高齢化の推移と推計

japan-old-2050内閣府

空や星を見るだけで「ああ、日本は・・・」と暗澹としている場合でもないですが、世界的にもいろいろと混沌としていまして、最近、いくつか記事にしたことがあるジカウイルスも、最近は日本のテレビニュースなどでも大きく扱われていて、事態は拡大化しているようです。

ジカウイルスについての過去記事は、

ウイルス、そして「蚊」の意味とは何か?:人類文明に影響を与える可能性のあるジカウイルスの爆発的な感染拡大を前に考えておきたいこと
 2016/01/05

2016年の十の災い(1):米国、そして欧州と全世界に拡大しつつあるジカウイルスが蚊だけではなく「性行為で感染する可能性」に感じる憂鬱
 2016/01/27

などです。

 

世界最大のカーニバルがおこなわれるリオ。世界からの訪問者数は100万人規模

このジカウイルスは、現在 23カ国にまで感染拡大しているのですが、冒頭に貼りましたニュースのように、中米エルサルバドルでは、政府が「少なくとも 2018年まで妊娠をしないことを勧告する」という、

「国家が国民の妊娠を否定する」

という事態にまでなっています。

エルサルバドルの位置
el-salvador-mapZenTech

下のようなニュースです。

南米、ジカウィルス蔓延で2018年までは避妊の勧告

sputnik news 2016/01/25

ジカウィルスの感染ゾーンがラテンアメリカ全体で拡大の一途をたどっている。

これをうけ、ラテンアメリカ諸国ではこれより2年間は妊娠、出産の計画は避けるよう勧告する政府が次第に増えている。

中でも最も被害が大きいのはブラジル。すでに100万人を超える市民がジカウィルスに感染し、それによって引き起こされたと見られる小頭症の症状を抱えて誕生した乳児の数も4千人以上に達している。

コロンビア、ホンジュラス、エルサルバドル、ジャマイカではすでに女性たちに対し、妊娠の時期をしばらく遅らせるよう勧告がなされた。中でも最も厳格な禁止令をしいているのはエルサルバドルで、少なくとも2018年までの期間は妊娠、出産を回避するよう勧告がなされている。

だが教会が避妊、産児制限を奨励しないカトリック諸国ではこうした禁止令をしくことは非常に困難。

ということで、流れとして、「中南米の多くが、自国民の女性へ妊娠を回避させる動き」になっているようです。

なんだかんだいっても、国、あるいは民族などの集団というものは、新しい生命が生まれることによって、新しい活気と新しい時代が切り開かれるわけで、そういう意味でも「赤ちゃんを作らないように」と国家が呼びかけるというのは、相当深刻な事態のような気がします。

子どもが減っていく国家がどれだけ衰退していくかということは、日本も含めた東アジアのいくつかの国の「これから5年間の壮絶な崩壊」ぶり(予測に過ぎないにしても、ほぼ確実)を見ていれば十分にわかることだと思っていますが、しかし、今の南米の状態は、そういう自然の人口減ではなく、「病気による、一種の強制的な妊娠回避状態」ということで、とても希有なことだと思います。

子どもを身ごもったお母さん、あるいはお父さんにしても、結局最大の願いは、他はともかく「元気で生まれてくれれば、それで」ということのように思います。ジカウイルス騒動の問題の中心は、「そのことが阻害されてしまうかもしれない」という悲劇で、それだけに、他の病気とは違う焦燥のようなものを感じてしまうのです。

 

そんな中ですが、ブラジルでは、世界最大規模の祭典のひとつ「リオのカーニバル」が始まります。

2015年のリオのカーニバルを訪れた世界の観光客の数は、メガ・ブラジルによりますと「約 100万人」だったそうですので、今年も、かなりの数の人々が「ジカウイルスの最前線」へと向かうということになりそうです。

そして、そのまま次は「リオ・オリンピック」と、立て続けに人が集まるイベントが続くブラジルではありまして、一体どうなっちゃうのか、よくわからない面はあります。つまり、「他の国に拡散したジカウイルスが、その国で新たに感染拡大していく」ということが起き得るのか、そういう心配はないのかがよくわからないのです。

ちなみに、エコノミストに、2014年から2015年までの間に「ブラジルへ訪問した人の数」が図解されていました。

ブラジルには1年(2014年9月-2015年8月)でこれだけの人が訪問している

20160130-brazil-travellersThe spread of Zika virus

 

ブラジルも観光大国なんですね。上の表に出てくる国だけで 600万人近くが観光で訪問しています。もちろん、この他の国から来た人たちもたくさんいるでしょうから、全体としては、ものすごい数の人たちがブラジルへ旅行に行っているということのようです。

上の図で目立つのは、中国から1年間で8万人以上がブラジルへ渡航していることで、中国では昨年など、ジカウイルスと同じ蚊が媒介するデング熱が流行していたりしましたので、冬が終わった後の、「ジカウイルスの中国の状況の先行き」も気になるところでもあります。

日本人観光客に関しては、ブラジルへ渡航する日本人の数は、日本旅行業協会によれば、2011年で、6万3000人程度とそれほど多くはないです。ただ、今年はオリンピックとかいろいろありますので、増えるのでしょうかね。

しかし、「観光大国」といえば、日本。

なぜこんなことにまでなってしまったのかよくわからないですが、今の日本は何だかすごいです。 2015年の訪日観光客数が 1973万人という、ちょっとした小国家の人口レベルの外国人の方々が日本にやってきているようですけれど、これは別の観点からだと、

「いいものも悪いものも日本に入り放題」

ということにはなっているようには思えますし、私は、ニュースなどで外国人観光客を扱った映像を見るたびに、なぜか「侵略」とか、「ギブミー・チョコレート」などという文字が頭をかすめますが、しかしまあ、今は仕方ないのかもしれません。

そして、この状態は長く続くものでもないとも思ってはいますが。

観光のことはともかく、ジカウイルスの話に戻りますと、「妊娠がためらわれる」という事態に、現実として直面している中南米のいくつかの国々ですが、中長期的な展望はともかくとして、単に「今現在」については、やや希望があります。

それは、先日の、

北半球はプレ「ミニ氷河期」
2016/01/30

という記事でも取り上げました「寒さ」です。

北半球の多くが寒いのです。

気温が異常に低い状態が続いてくれれば、ジカウイルスを媒介する「蚊」は、活動を本格化させることができないでしょうし、感染拡大が「南米から北米などへの本格的な北上を始める」ことについては、しばらくは避けられるのではないでしょうか。

この「寒波の最前線」は、メキシコにまでやってきています。

先日の記事から続いて、「寒い記事」ばかりとなりますが、あの記事以降も、世界各地で驚くべき「寒いニュース」が報じられています。

 

ラオス、クウェート、メキシコの異常

mexico-frost-20162016年01月29日の EL PAIS より。

上のメキシコの報道は下のようなものです。

メキシコは厳しい寒さにより23州に非常事態を宣言

メキシコで、この冬最大の危機が起きようとしている。

多くの寒冷前線と 8度に及んだ冬の嵐により、メキシコ政府は 446地方自治体に警報を呼びかけたのだ。

政府は、2016年の寒冷前線が全国的に大きな影響を与える可能性があるとして、全国 32州のうちの 23州に非常事態に関する緊急声明を出した。これにより 400以上の自治体が、食糧、避難所や保健サービスを提供するための資金を受け取ることになる。

最近では、メキシコ北部を通過した寒冷前線の影響での雪と、また、気温も氷点下 17℃まで下がったところがある。

1月13日には、首都メキシコシティの高所に小雪が舞い、住民たちを驚かせた。メキシコシティで雪が観測されたのは 1967年以来のことだ。

メキシコから南下していきますと、中南米は、グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、そして、南米コロンビアに至るわけで、現在これらの国の多くでジカウイルスの拡大が続いていますが、寒冷化がもう少し南下すれば、少しは(一時的にですが)収まる可能性もあるかもしれません。

寒さと雪といえば、

中東クウェートに「史上初めて」雪が降る
地球の記録 2016/01/31

という記事に書いたのですが、中東のクウェートで、少なくとも同国の記録の中では「初めて」となる雪が降ったことが報じられていました。

クウェートでの雪 1月29日

kuwait-snow-2016almrsal.com

 

そして、アジアでは、「ラオスで雪が降った」ということが起きていたのです。

ラオスは、ベトナムとタイにはさまれた場所にある国で、少なくとも雪とは無縁の国ですが、1月下旬、ラオス全体が「かつてない寒気」に包まれ、特に北部では「霜が降り、雪が降った」のでした。

1月28日のマレーシアの報道より

laos-rare-snowMalaysia Insider

 

下は、ラオス北部のサムヌアという場所で、地元の方か、観光客の方かわからないですが、温度計の状態をアップしたものです。

1月下旬のラオス北部の気温。氷点下1℃とか氷点下4℃などの熱帯らしからぬ表示

laos-temperaturenamet.org

 

このラオス北部と同じような緯度となりますと、フィリピンのルソン島の付近ですとか、ミャンマーとかバングラデシュとか、ふだんはあまり「氷点下」とかなどの概念とは無縁な場所が多い気がするのですが、程度の差はあれ、ことごとく寒波に見舞われていたと考えられます。

このような、あまり通常では起きないような寒波に見舞われますと、農業被害や、放牧をしているような動物たちの大量死が起きやすくなるもので、ラオスでも現在被害状況を確認しているようですが、まだ、上の報道の時点では全貌はわかっていないようです。

 

望ましい地球の状態とは?

まあ・・・地球にはいろいろな国や地域や、あるいは、まだ人間が行ったことのないような場所もあって、おそらく、いろいろなことが起きていて(あるいは、実は何も起こっていないかもしれないですが)、どちらにしても、こんなような文字ベースの情報で何か知ったからといって、それでどうなるということでもないと思います。

それはわかってはいるのですが、変化の現実を知りたいという部分はあります。

何がどう地球で、あるいは人間社会で変わろうとしているのか。

 

そして、私たちは一体「どんな地球を望んでいるのだろうか」とも考えます。

とはいっても、たとえば「気候」ひとつとっても、今回考えるような、

・「温暖化」は農作状況には望ましくても、この2年間のように、蚊による病気(デング熱、ジカウイルス、マラリアなど)が拡大しやすくなる

・「寒冷化」は農業被害を拡大してしまうが、蚊による病気の被害は拡大しにくい(ただし、寒さと関連する疾病や感染症での死亡は増加する)

というような、どちらに転んでも、現時点では「何が望ましいのだかよくわからない」というようなことになっていまして、しかし、それでも、今のエルサルバドルのように、

「国民の皆さんは妊娠しないように心がけて下さい」

なんて地域が拡大していくのことが望ましいこととはとても思えず、現在の「ジカウイルス」の問題の根は深そうです。

英国のガーディアンなどは、「ジカウイルスは、エボラウイルスの流行よりも深刻だ」というような記事も掲載していました。

zika-than-ebolaguardian

 

エボラは「自然と」終息していきましたが、マラリアの例の通り、蚊が媒介する病気は違いそうです。蚊が媒介している限りは、たとえばマラリアのように何十年経っても終息することなく、結局、その土地に根付いてしまう恐れもないではないからです。

 

日本は今のところはまだ冬ですし、あるいは夏になっても、ジカウイルスを媒介する蚊の生息地域ではないと思われますけれど、デング熱が台湾で爆発的な流行を見せたことでもわかるように、「わりとすぐそこまで来ている」という感じもあります。

いくらミニ氷河期が近いかもしれないとはいっても、一直線に気温が下がり続けていくことなどあり得ず、春が来て夏が来れば、北半球の多くで蚊は活動します。

特に今年 2016年は、リオのカーニバルとリオのオリンピックで、おそらくは数百万人の人々がジカウイルスの最前線であるブラジルへ渡航すると思います。

その後の夏から秋までに何がどうなっていくのか。

なーんか全体的に明るくないですね。芸能ニュースも明るくないし、経済はひたすらカオスだし、これで大きな戦争でも起きたらいよいよな感じです。でもまあ・・・もはや御意のままに。
 

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  • この記事を書いた人

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