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2018年からの世界 これからの太陽活動 人類の未来

「半分、黒い。」 : 磁気を噴出するコロナホールが太陽の大部分を占める異常な状態が「定着」し、人類が太陽からどんな影響を受けるのかがもはや分からない

投稿日:2018年12月6日 更新日:

太陽観測衛星から撮影された12月6日の太陽。ほとんど半分黒いのです


NASA / SDO




太陽の様子がおかしい

太陽が「本格的におかしい」と多くの人が感じ始めていたことを記事にしたのは、今年 5月の以下の記事でした。

「太陽と宇宙線の関係」が観測史上初めて「崩壊」したかもしれない。そして今、太陽に勃発し続けているきわめて異常な事態とは
投稿日:2018年5月11日

この記事で問題としたのは、

かつては太陽で、その極地以外には、ほとんど出現することのなかった「コロナホール」と呼ばれる磁気を放出する領域が、異様なほど頻繁になり、その面積も拡大し続けている。

ということでした。

少なくとも、2015年頃までは、小さなコロナホールでも出現すること自体が比較的珍しいことだったのです。

たとえば、上の記事で翻訳してご紹介した海外のサイトの記事では、著者は以下のように書いていました。

私は、現在の太陽周期活動に起きているコロナホールの異常性については、過小評価されていると思えてならない。

たとえば、下の写真は、2016年10月25日の太陽のコロナホールで、非常に顕著な様相を見せたもののひとつだ。

このような巨大なコロナホールを私は見たことがないと感じ、このコロナホールを見た後、スペースウェザーの過去記事のすべての太陽画像を検索し調査した。

その結果、以前の太陽活動極小期が続いていた 2007年と 2008年、そして 2009年の 3年間のすべての太陽画像において、この 2016年10月25日のような「巨大な」コロナホールは見当たらなかったのだ。The Watchers 2018/05/09)

この方は、前回の太陽活動極小期の「3年間分の毎日の太陽の写真」、それは数としては、1095枚となりますが、それを全部見て、

「こんなコロナホールはひとつもなかった」

と確認したことを書いています。

このように、上のような巨大なコロナホールは、太陽観測衛星による記録が残っている分には「基本的に存在しない」ものでした。

 

・・・ところが。

 

今では、そんなものは「出放題」なのです。

「放題」といえば、食べ放題とか、野菜を袋に詰め放題とか、いろいろとありますが、本当に頻繁に出現し続けています。

今年の 10月にも以下の記事で、このコロナホールの異常について書いています。

太陽に出現した2018年最大級となる巨大なコロナホールを見ながら、「太陽の異常の定着」が進行していることをつくづく感じる今
投稿日:2018年10月6日

そして、どうにも、さらにこの「コロナホールの異様」は、さらに進行しているように見えて仕方ないのですよ。

冒頭には、今日 12月6日の太陽の写真を載せていますが、今現在のコロナホールの様相が顕著になってきて、もう2週間以上になります。

今年だけでも、そういう期間は何度もありました。

現在のコロナホールの状況としては、11月20日頃までは、太陽には特に顕著なコロナホールは見当たりませんでしたが、その後「 長さ 100万キロメートルクラス」のコロナホールが出現し始め、どんどん面積を拡大していきました。

下の写真は、11月20日から 3日位ずつの太陽の変化の様子を示したものです。

2018年11月20日から 12月3日までの太陽表面の様相の推移

11月20日過ぎから太陽を分割するような派手なコロナホールが出現し始める

NASA / SDO

どんどん面積が大きくなります

NASA / SDO

12月はずっと太陽の半分くらいが黒いままです

NASA / SDO

12月3日あたりの雰囲気は、壊れたハロウィンのカボチャのような様相にも似ています。

そして、今日 12月6日にかけて、この巨大コロナホールの位置は「まっすぐ地球に向いている」状態となっています。

注意すべきは、このコロナホールというものは、単に見た目が黒いということなのではなく、

「磁気を放出している」

ということです。

それに加えて、数日前には、「黒点がないのに、つまり太陽フレアが起こりようがないのに CME (コロナ質量放出)が発生した」という事象も太陽で起きています。

この CME は地球方向に向いていたため、地球が磁気嵐の直撃を受ける可能性がありましたが、先ほど、NOAA (アメリカ海洋大気庁)が、「直撃は避けられた」と述べていまして、今回のコロナ質量放出による地磁気の影響はないようです。

しかし、コロナホール自体が地球に磁気の影響を与えているということもあるのか、黒点などほとんど出ていない日々の中でも、磁気による現象であるオーロラは、非常に活発に出現し続けています。

少し前ですが、11月19日には、

「虹色のオーロラ」

などという、私自身、聞いたことがない色彩のオーロラがノルウェーのトロムソで観測されていました。

2018年11月19日 ノルウェーで撮影された虹色のオーロラ


spaceweather.com

なぜ、このような色のオーロラが出現し得るのかということについては、スペースウェザーは以下のように説明しています。ちなみに、一般的には、オーロラという現象は「圧倒的に緑色が多い」です。

オーロラの色についての説明

オーロラの色は、地球の大気中の特定の原子や分子と関連する。

オーロラで多い「緑」は、上空 100 kmから 200 kmの間の高度で酸素原子にぶつかる活発な粒子によるものだ。「赤」は、酸素原子によっても引き起こされるが、緑色と違い、それが上空 200 km以上で起きる。

ピンク色に輝くオーロラには、窒素分子が関係している。これは上空 100 km以下ではピンク色に輝き、窒素イオンは上空 100km 以上で青色に輝く。

spaceweather.com

要するに、「オーロラが発生する高さと、ぶつかる原子の種類によって、オーロラの色が決まる」ということらしいのですが、そこから考えると、先ほどのような、「さまざまな色にあやどられているオーロラ」というものは、「いろいろな高さで、いろいろな原子とぶつかって発光する現象が一度に起きている」ということになり、そういう意味では、「やや異常な現象」と言えなくもないのかもしれません。

オーロラのほうのことはともかくとして、

「太陽に巨大なコロナホールが頻繁に出現するようになっている」

ということと、

「それは磁気の影響を地球に与えている」

ということもまた今後の人類社会への影響と関係するのだろうなあと思います。

何しろ、現在の太陽のコロナホール現象については、「以前なかったことが、今は日常的に起きている」わけで、しかも、それは一辺の長さが数十万キロから 100万キロメートル以上という、直径 1万2000メートルの地球から見れ、超巨大な現象なわけです。

 

このブログでは、ずいぶん昔から、

「太陽活動と人類社会の動きは連動している」

ということを書いてきました。

関係する過去記事として、比較的最近では、

太陽活動と人類の革命と戦争の歴史
 In Deep 2018年3月16日

などがありますが、ブログを書きはじめたころから興味を持ち続けていたことでした。

下の図は、ポーランドのポジャギエロニア大学の教授の 1990年の論文に、日本語を加えたものです。

250年間の太陽の黒点数と社会変動。重大な事象のほぼすべてが黒点の最大期に発生

Adam MichalecIn Deep

このように、太陽の活動サイクルは、人類史の「大きな部分」に常に関与してきました。

通常の太陽活動は、約 11年程度のサイクルを持っていまして、それに従って人類社会も変動していくということについては、データ的にも十分な説得力を持つものだと思います。

しかし、今のコロナホールのように、「サイクルも規則性も何もないように見える」ものが、2年ほど前から急速に「太陽の磁気活動」を支配し始めています。

 

この地球への影響については、データも少なく、「どうなるかわからない」としか言いようのない面があります

さらに、以下の記事にありますように、「太陽と地球と人類は常に同期している」という事実があります。

太陽と人間と地球の間に存在する永遠のシンクロ : 最近の研究でわかった「すべての人類の心臓のリズムが地球規模で同期している」ことと共に、「太陽と地球と全人類は常に磁場を介して同期している」こと

太陽が、かつてない、そしてそれは不規則に見えるような大規模な活動を始めた今、そしてこれから、人類は太陽からどのような影響を受けるのかは気になります。

気にはなりますけれど、それは想像も難しい世界のようにも思います。

太陽活動は、これまで私が個人的に少しずつ学んできた「太陽と人類の関係」についての知識が役に立たない局面に入った可能性があります。

 

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Oka In Deep

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