In Deep

地球最期のニュースと資料

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「宇宙空間」は生命に直接的に進化あるいは変化の機能を与えているのかも : 宇宙で「頭とお尻の奇妙な双頭」となって地球に戻ってきたプラナリアを見て

   

ふたつの頭をつけて再生・増殖した「宇宙帰り」のプラナリア

Planarian regeneration in space

地球上ではこのように必ず「それぞれが完全に同じ形状」として増殖します

全身に幹細胞を持つプラナリア

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宇宙空間は生物に何をする?

宇宙空間に行った地球上の生命が地球に戻ってきた後に、何か奇妙な状態になることは、国際宇宙ステーションでの実験が進む中で、よく見られることになっています。

「うん、国際宇宙ステーション」とあえて呟かずとも、そこには、わりといろいろな地球の生命が持ち込まれています。

そういうような中で、たとえば、下のような「進化」というように呼べるのかもしれないことも起きます。それぞれがかつての日本の報道です。

宇宙アサガオ、異常早咲き

京都新聞 2012/06/13

宇宙空間を旅した種子から育った京都産業大付属高の「宇宙アサガオ」が、通常は夏至以降とされる開花時期より大幅に早く、10日に咲き始めたことが、12日に分かった。

帰還2世代目は異常に多くの花をつけたことが確認されており、開花したのは3世代目にあたるアサガオ。同高は、宇宙放射線の影響を裏付ける事象だとみて、さらに研究を進める。

昨年、2世代目は1株当たり300個以上の花をつける突然変異が確認された。生物部顧問の教諭は、DNAの塩基配列が変わった可能性があると分析した。

教諭は夏至前に開花した直接的な要因として、花芽をつくる植物ホルモンの異常が疑われるとみている。

その上で、「宇宙放射線の影響があったと、より明確にできた」と話している。

宇宙帰りのサクラ異変…なぜか発芽・急成長

読売新聞 2011年02月21日

国際宇宙ステーションで2008年11月から8か月半、保管した桜の種を、地上へ持ち帰って植えたところ、発芽しないはずの種が芽を出すなど、異変が相次いでいることがわかった。
原因は不明だが、無重力で放射線の強い宇宙環境で、遺伝子の突然変異や、細胞が活性化したなどの見方もある。

宇宙を旅した桜の種は、北海道から沖縄まで13地域の子供たちが集めた名木14種類。

このうち岐阜市の中将姫誓願桜は、樹齢1200年と言われるヤマザクラの一種で、米粒ほどの小さな種は、地元の保存会などがまいても発芽せず、接ぎ木でしか増やせなかった。

保存会が種265粒を宇宙に送り、248粒をまいたところ、昨年春に2粒が発芽した。

岡山県では、通常は1年に50センチ程度しか伸びない真庭市の醍醐桜10本が、昨年春に発芽して、今は90センチ以上。うち1本は160センチを超えた。

高知県佐川町では、1年に約30センチしか伸びないはずの稚木桜が、約1年で最高135センチに成長した。

などの報道です。つまりは、アサガオやサクラなどで、

> 1株当たり300個以上の花をつける突然変異が確認

> 発芽しないはずの種が芽を出す

> 通常は1年に50センチ程度しか伸びない桜が、160センチ以上に

などが起きていたのですね。

この理由は結局わかっていないのですが、先ほどの報道の中では、「 DNA の塩基配列が変わった可能性がある」ということを言っていた方もいます。

これらの「花が通常より多く咲く」とか「成長が通常より異常に強い」というような現象に関しては、進化か退化かというと、「進化」というような気もして、こういうニュースをみるたびに、「宇宙空間は生物たちにどんな作用を与えるのかな」とは思っていました。多くの生物が影響を受けるのなら、人間も同じだと思われるからです。

そのあたりは、過去記事、

私たちに残されたかすかな「破局の回避」の可能性のために(3):急激に増加する宇宙線の中で「突然」進化する人類
 2013/04/09

などで書いたことがありました、あくまで、その時の私個人の考えとしては、

「宇宙線が関係しているのかな」

というような気はしていたのです。

 

 

これから長く続くかもしれない「宇宙線増大の時代」は朗報になるのかも

この「宇宙線と人類の関係」ことを先に書くと、非常にややこしいこととなりますので、後で余談として書ければ書きますが、とにかく、

「人類は、宇宙線の多い時代に《進化》してきたのではないか」

とも、その時、ふと思ったのでした。

宇宙線の多い時代というのは、今後いつ頃から始まるかというと、

「まさに今、その時代に入ろうとしている」

ことは事実です。

しかし、この宇宙線の話はともかくとして、今回の本題は冒頭に載せましたもので、NASA の国債宇宙ステーション・ミッションの中でおこなわれた実験のひとつにおいて、「プラナリア」という水の中の生物があるのですが、

「それが考えられない突然変異を起こした」

ということが、論文で発表されています。

プラナリアとは、川などに生息する体長 1~ 3cmほどの生き物で、有性生殖も行いますが、単為生殖(オスとメスのどちらかだけで生殖する)も行います。それは、「自分の体を切断して増えていく」という形式で増えていく生物でもあります。

冒頭で引用させていただいたページから説明を抜粋いたしますと、以下のようなものです。

全身に幹細胞を持つプラナリア

プラナリアは、環境によって無性生殖と有性生殖とを切り替えて増殖します。無性生殖では、プラナリアは自身の体を2つに切って殖えます(自切)。

自切したプラナリアは片方には頭が、もう片方にはしっぽがない状態です。ところが数日経つと、しっぽはもちろん脳や目などの組織を再生し、完全な2匹のプラナリアになります。

プラナリアの再生は自切だけでなく、人工的に切断した時にも行われます。プラナリアを2つに切断すると完全な2匹のプラナリアに、3つに切断すると完全な3匹のプラナリアになります。

こういう生き物です。

上では「3つ」などの説明もありますが、Wikipediaには、

> ある学者がメスを使い100を超える断片になるまで滅多切りにしたが、その全片が再生して100を超えるプラナリアが再生したという逸話がある

という記述もある生物なのですが、しかし、その基本は、

「それぞれが完全に、元の形状の状態のまま、複数に再現される」

のです。

いわゆる生殖ではないですので、遺伝的な変異での奇形や体の損傷というものが基本的に起こりえないのです。

いつも「完ぺきに再現されて、増殖する」のです。

ところが、「宇宙から帰ってきたプラナリア」は下のようになりました。

まずはその論文について記した記事をご紹介します。


Worm Returns from Space with Two Heads
mysteriousuniverse.org 2017/06/15

プラナリアは「ふたつの頭」を持って宇宙から帰ってきた

NASA の国際宇宙ステーション(ISS)の最近のミッションで、宇宙飛行士たちは、研究用に宇宙空間に共に行ったプラナリア(扁形動物)が、2つの頭部を持つ体となさって帰ってきた。

「プラナリアの再生のプロセスは、通常 100%正確であり、自然の環境では前後にふたつの頭を持つ状態は決して作られない」

この言葉は、今週発表された実験の論文の共同執筆者であり、マサチューセッツ州のタフツ大学の再生医療と進化形態生物学の専門家であるマイケル・レビン(Michael Levin)教授によるものだ。

教授たちがおこなったこの実験は 2015年1月から始められた。

スペースX社による物資供給ミッションにより、他の物資と共にプラナリアが国際宇宙ステーションへ搬入され、その一部には、研究者たちが「咽頭断片( pharynx fragment )」と呼ぶものがあった。

これは、ちょうどプラナリアの腹部の消化管に通じる口への部分を切断したものを意味する。この切断が地球上で行われると、咽頭断片は、最終的に頭部および尾部を再び作り出し、それぞれが正常なプラナリアになり、再増殖するのだ。

しかし、地球ではなく、宇宙空間ではそうではなかった。

それぞれがひとつの正常なプラナリアとなるのではなく、代わりに、この断片は、ひとつの体の前後に2つの頭部を成長させたのだ。第2の頭部にある口は、自身のもうひとつの口と同じ機能を有した。

しかも、驚くべきことに、この前後に双頭のプラナリアを再び水の中で切断すると、それもまた再び2つの頭部を持つ形状となったのである。

さらには、そのプラナリアが地球に戻ってから 20ヶ月後に試験を行った時にも、宇宙空間に晒されたこのプラナリアたちは、行動や生体的に著しい量的な差異を示した。

具体的には、 2つの頭のプラナリアが地球に戻った後に切断された時には、1年間以上の間ずっと「毎回、2つの頭のプラナリアへと成長した」のだ。

この宇宙で引き起こされた奇妙な体の再生の差異は、今後、宇宙空間での傷害や体の切断などの際に宇宙飛行士たちを治療する可能性の中で研究されることになる。


 

ここまでです。

実験の過程を論文からそのまま掲載させていただきますと、下のようになります。

Planarian regeneration in space

先ほども書きましたが、「こういうことは、地球上ではほぼ絶対に起こらない」という事実がまずあります。

しかも、たとえば他の生物で、「双頭」というと、「頭部にふたつの頭がついている」のが普通です。ところがこれは「前後に」ついている。

地球では異常や奇形ということになってしまうのかもしれないですが、この「宇宙帰りのプラナリア」は、

「頭も尾も、どちらもそれぞれ頭になっている」

という「前と後ろに頭がついている」ということになっていまして、これは、他の生物でもそういう例があったのかどうかわからないほど珍しいと思います。

そして、最も注目したのは、先ほどの記事にありました、

> 地球上に戻ってきてから切断しても、長期間、2つの頭で増殖する

という部分のところです。

これは、仮に遺伝子に何か変化があったとするならば、「その変化が定着した」ということを示唆していると思われます。

うーん・・・。宇宙空間は生体に直接的に何か影響しているということが、わりと明らかな感じがしますが、どのような作用が?

 

 

宇宙線の強い時代には、人類もおそらく少し進化する

さきほどリンクしました過去記事に、「宇宙線の強い時代に生まれて死んでいった人」で、「地球の観念を変えた」代表的な人として、アイザック・ニュートンのことにふれています。

ニュートンは、1642年から 1727年の期間を生きた人でしたが、この期間は、過去の地球のとても象徴的な時代とほぼリンクしました。

それは、「マウンダー極小期」といって、1645年から 1715年までの約 70年間ほど「太陽に黒点がほぼ出なかった」時代です。

太陽黒点が全然出なくなりますと、太陽からの磁場が弱くなり、宇宙からの銀河宇宙線は、より多く地球に到達するのです。

ですので、おそらくマウンダー極小期の時期は、寒冷化もあったと思いますが、それと共に「地球に到達する宇宙線量が多かった時代」だとも思います。

マウンダー極小期 1645年から1715年
アイザック・ニュートン 1642年から1727年

ニュートンがこの世に登場したことで、地球に新しい古典力学や近代物理学が出現することになり、そして、現在は、たとえば過去記事、

太陽活動が「過去200年で最も弱い」ことが確定しつつある中で… (2013/10/21)

などにありますように、過去数百年の時間軸で見ても、大変に弱い太陽活動が続いていて、そして、今後はさらに弱くなることが確実視されています。

すなわち、「地球はマウンダー極小期と同じような状態を迎える」という可能性が高いです。データなどから、このことは間違いないものと思われ、次の太陽サイクルはさらに弱くなり、もしかすると、あと 10年以内には「数十年、黒点がでないような時代」も訪れる可能性もあると個人的には思っています。

そうなりますと、地球は恒常的に「宇宙線の影響を強く受ける」ということになりそうで、そうなりますと、またいろいろな「進化」もあるのかもしれません。

ちなみに、産業革命も、マウンダー極小期の時代に萌芽がありました。

前回の、宇宙線が極めて多い時代(マウンダー極小期)に、地球に古典物理学と、物質的産業の礎が芽生えたのだとすれば、

「次の段階の知恵を持つ者」

が、この数十年の時代に生まれてくるのかもしれません。

そして、「今の物理学の次」が出現し、産業革命以来の今の産業の「次」が登場するための「智恵」を持った人がきっと現れると思っています。

 

・・・というようなことさえ、今回のプラナリアのことで考えてしまいました。

ところで、全然関係ない話ではありますが、今回のプラナリアは「前後」ではありますが、「双頭」なのですけれど、今、

「双頭のサメが世界の海で異常に増えている」

ことをご存じでしょうか。

昨年 11月のナショナルジオグラフィックなどで特集が組まれていたほど、顕著な現象のようです。

2016年11月8日のナショナルジオグラフィック・ニュースより

 

象徴深い出来事ではあるのですが、今のところは、どんなことと関係しているかもわかっていなくて、ただただ不思議なことになっているのですけれど、「双頭のプラナリアの誕生」を聴いて、どこから何かの関係はあるのかな、と思った次第でありました