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12月06日にメルマガ免疫と戦争とパンデミックと5Gを発行させていただきました。

2020年からの世界 中国という国 人類の未来

英米の科学者たちが緊急論文で発表した新型コロナウイルスの「壊滅的な感染力」と「極度に悲観的な先行き予測」。そして日本は

投稿日:2020年1月25日 更新日:

英米三大学の科学者たちが発表した論文にある2月4日までの新型ウイルスの予想感染者数

medrxiv.org




 

数時間で数百人ずつ増加する感染者

ちょっと新型ウイルス関係の記事が多くなっていまして、今回は別のことを記事にしようかと思ったのですけれど、いろいろ目につく数値や予測が、なかなか深刻な雰囲気にもなっていますので、今一度、記事にさせていただきます。

何しろ、ここに来て感染者の増え方がすごいのです。

今朝、以下の記事で「感染者数が 1000人を超えた」として、ご紹介したのですけれど、この時は 1月25日午前7時頃で、感染者数は 1136人でした。

新型ウイルスの感染者数が1000人を超える。中国本土では4600万人が隔離。英国の科学者たちは2月までの感染者数が「25万人に達する」と分析
投稿日:2020年1月25日

それから 5時間ほど経って見てみましたら、「感染者が 1300人を超えている」のです。数時間で 200人以上増えている。

2020年1月25日午後1時の感染者数と死亡者数

Wuhan Virus

まあ、報告態勢とか検査態勢とかの変化など、いろいろと多様な理由があるのかもしれないですが、いろいろな理由があるにしても、急激に増えています。

本日は、中国で治療にあたっていた医師が新型ウイルスで死亡という報道もありまして、治療をされる側の方々も大変な状況のようです。

とはいえ、これから書こうとしている話は、「中国がどうこう」という話ではなく、時間の経過と共に「日本も危うくなる可能性」があることと関係するものです。

冒頭に示しました、「 2月4日までに武漢での感染者は 25万人になる」という予測が記されています表は、 2月24日にイギリスとアメリカの 5人の医学者グループにより、緊急に発表された論文です。

これは、英ランカスター医科大学、米フロリダ大学の新興病原体研究所、英グラスゴー大学の医学研究評議会の科学者たちによる合同論文で、現状までの推移から判断した、この新型コロナウイルスの状況と「予測」が記されています。

予測は相当悲観的な内容となっています。

Novel coronavirus 2019-nCoV: early estimation of epidemiological parameters and epidemic predictions
 (新型コロナウイルス 2019-nCoV : 疫学的パラメーターおよび流行予測の早期推定)

ここから、いくつか重要な部分をご紹介したいと思います。

 

 

驚異的な基本再生産数(R 0 / 感染力)

論文には「基本再生産数(R 0 / アールノート)」という言葉が出てきまして、私はこれが何か知らなかったのですが、「再生産」とありますように、これは感染症に当てはめますと、

「一人の感染者が周囲の何人に感染させる感染力を持つか」

ということを示すようなものです。

たとえば、1人が周囲の 1人に感染させる感染力を持っているなら、「基本再生産数は 1.0 」ということになります。感染症の場合、この「 1 .0 」というのが、境目となる値であり、 当然の表現となりますが、基本再生産数が「 1 」以上だと流行する可能性があるということになるのだと理解しています。1人が 1人以上に感染をもたらす。

基本再生産数は、医学的には「R 0」という単語で記すようなのですけど、慣れない表記ですので、「基本再生産数」でいきますが、この数値は、それを発表する機関や、あるいは流行の時期などによって、いろいろと異なりますけれど、米ゼロヘッジによれば、スペインかぜ(1918年のインフルエンザのパンデミック)の初期が「 1.4 前後」(スペインかぜは後期に毒性が増しました)で、通常の季節性インフルエンザが「 0.9から 2.1 の間」というように表現されています。

つまり、季節性インフルエンザでは、感染力の強い時には「 1人が周囲の 2.1人に感染させる力を持つ」ということになりますが、このような感染力ですと、普通に計算しましても、どんどんと「倍になっていく」ということで、結局は大流行ということになっていくのだと思われます。

さて、この基本再生産数に関して、23日に、新型コロナウイルスに対しての「緊急事態の宣言」を見送った WHO ですが、その際に WHO は、

「基本再生産数は 1.4 - 2.5 」

という暫定的な推定値を発表していました。これも高い数値ですが、この際には、まだ「人から人へと感染する」という明確な証拠がないとしておりまして、緊急宣言を見送ったのは、そのためもあるようです。

しかし、その同じ日に発表された先ほどの英米の科学者たちによる論文では、主筆のジョナサン・M・リード博士は以下のように記しています。

計算される基本再生産数は 3.6 から 4.0 の間であり、つまり、感染のうちのおよそ 72%から 75%が感染の制御手段によって防止される必要がある。

このように、リード博士の研究チームは、基本再生産数を「 3.6 から 4.0 」と計算しているのです。

これは相当な感染力を意味しますが、それと共に、リード博士は、1月23日までの時点ですが、

「中国武漢で感染が特定された人の数は全体の 5.1%」

だという計算も示しています。

その日の時点で特定された患者数は、400人くらいでしたので、その時点で、その 20倍くらいの「潜在的な感染者がいる」と。つまり、その時点で 8000人くらいの感染者がいた計算になると述べているのだと思われます。

今日 1月25日に至っては、特定された患者数が 1300人なのですから、潜在的な感染者もまた大幅に増えている可能性もあります。

それでまあ、冒頭の「今後の感染者数の推移の予測」ということになるのですけれど、リード博士のチームは、もちろん武漢が最大の流行地であることは変わらないものの、その後、中国の他の地域で最大の流行となる可能性のある都市は、上海、北京、広州、重慶、成都などだと予測しています。

リード博士たちの予測では、それらの各都市の今後二週間( 2月4日まで)の感染者数は以下のようになっています。

2020年2月4日までの感染者数の推移の予測

・武漢 25万370人(予想最低値 16万4602人 / 予想最高値 35万1396人)

・上海 915人(予想最低値 590人 / 予想最高値 1308人)

・北京 786人(予想最低値 507人 / 予想最高値 1124人)

もちろん、このような数値が公に示されるということではなく、これは「潜在的な感染者数」のことです。

公式に数字として示される数は、これより大幅に少なくなると思われます。どんな感染症でもそうです。感染していても発症していない人や、症状の軽い人は医療機関等に行かないため、感染者全体の数は掴みようがないです。

そして、「 2月4日以降はどうなるのか」については、論文では予測されていませんので、書かれていません。

しかし、先ほど書きましたように、リード博士たちの計算の「基本再生数 3.6 -4.0 」という感染力は、感染者の 70%以上を制御し続けなければ、感染拡大を止められないということでもあり、武漢(人口 1100万人)よりさらに人口の多い上海( 2400万人)や北京( 2150万人)に拡大すると、どうなるのかなとは思います。

また、そのような街に拡大した場合、「そのような大都市の都市機能や経済活動が麻痺する」というのも、ただでさえ経済的に良い状態ではない中国には致命的になる可能性もあるのかもしれません。本来なら今の春節は、小売業や旅行業者の大稼ぎ時ですしね(中国は経済活動全体の 50%ほどが小売業なのだとか)。それが今、止まりつつあります。

以下の記事でもふれましたけれど、中国はいろいろと大変なときでもあります。

中国の出生率が建国以来最低の数値に。一人っ子政策廃止後、中国人女性たちは「さらに子どもを生まなくなっていった」

 

なお、中国以外の国や地域については、リード博士は以下のように書いています。

2020年2月4日までに、空の旅を通じて感染が運び込まれるリスクが最も高い国または区域は、タイ、日本、台湾、香港、および韓国になると予測している。

とのことで、少なくとも、今後 2週間の中で、日本でも感染が始まる可能性がそれなりに高いかもしれないのです。

また、厄介なのが、どんな感染症にもあることですが、「感染しても症状の出ない場合があることが判明した」ことです。

新型肺炎で無症状感染者も、中国

共同通信 2020/1/25

新型コロナウイルスによる肺炎を巡り、発症した家族からとみられる無症状感染者が見つかったと中国のチームが英医学誌ランセットに24日発表した。自覚のないまま多くの人に接触し、感染を広げる恐れがある。

見つかったのは中国・深セン市。7人一家のうち6人が昨年末に武漢市へ旅行し、2人は肺炎で入院中の親戚を見舞った。帰宅後、武漢に行かなかった1人を含む5人が相次いで肺炎を発症した。

無症状だった残る2人のうち1人は、検査で肺の異常が見つかり、ウイルス感染も確認された。

この報道は、別の側面から、注意深く読んでいただきたいのですが、

> 肺炎で入院中の親戚を見舞った

のは「 2人」だけなんですね。

つまり、武漢に行った 6人のうち、直接、肺炎の患者と接触したのは 2人で、それなのに、深センに帰宅後、「武漢に行かなかった人も含めて、一家 7人中 6人が感染した」というように読めるのです(5人が発症、1人が無発症)。

基本再生数 3.6 - 4.0 おそるべし。

この感じですと、武漢にも、あるいは、他の多くの地域にも「感染したまま発症していない人たち」はずいぶんといることが確定的で、発症していないのなら、発見や隔離ができるわけもないです。

もちろん、まだ感染拡大は初期段階であり、リード博士も、

現在は、まだアウトブレイクの初期段階にあり、その規模と伝播に関する重要な疫学的情報の多くに不確実性があるため、確実なことは言えない。

と記しています ので、今後急速に感染力に変化が出ることもあり得るのかもしれません。

ただ、今日の時点ですでに、「一日数百人単位で確定患者が増え続けている」という状況になっているわけで、このような感染力を考えますと、日本に住む日本人に感染するのも時間の問題・・・というか、「それがすでに起きている可能性」を考えるほうが妥当な気がいたします。

武漢で初めて、未知の肺炎が報告されたのが、昨年 12月の終わりの頃でした。

それから約1ヶ月で現在の状況になっていますので、武漢以外の地域も、今後1ヶ月後などにどのようなことになっているかが焦点ということになるのでしょうか。

何らかの要因によって、すみやかに今の伝染が終息するというようなことがあればいいですけれど、そう思える要素があるのかどうなのか。

なお、致死率に関しては、1月24日の時点では、感染者が 1000人を超えた時点で、死亡者数は 41人でしたので、暫定的には 4%程度となっています。これを先ほどの 2月4日などの、近い将来の感染者数予測と照らし合わせますと、かなり厳しい事態も予想されます。

ただ、やはり先ほど書きましたように、「潜在的な感染者がどれだけいるかよくわからない」現状ですので、致死率などが正確に計算されるのは、全体の感染流行が終息した後になるのでしょうね。

いずれにしましても、中国以外の国や地域に関しては、今後1ヵ月ほど推移を見守るしかないのでしょう。

 

関係ないですけれど、 8年ほど前、16世紀の英国の予言者であるマザー・シプトンと呼ばれていた女性の四行詩をブログ記事でご紹介したことがありました。

マザー・シプトンの四行詩に書かれてある内容は、どれも具体的であることが印象的なのですが、その中に以下のような部分があります。

マザー・シプトンの16世紀の四行詩より

黄色い人々が強大な力を得るでしょう。
それは横になった熊の形の場所から現れるでしょう。

この強力な専制君主たちは、
世界を割くことはできません。

しかし、彼らが産み落とした危険な行為から、
大きな病が発生し、多くの人々が死んでしまいます。

医学はその治療法を見つけられません。
これまでで最もタチの悪い病です

これを読んだときに「黄色い人々って、やっぱりアジア人なんだろうな」とは思いましたが、それがどのアジア人なのかは想像つかなかったですが、何だか今の状況と似ているなと、何となく、この詩を思い出した次第です。

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