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月に最近作られた太陽系最大のクレーターから、地球周辺への小惑星の接近の著しい増加を振り返る

投稿日:2026年9月24日 更新日:


ロシアのツングースカで 1908年に起きた大爆発の際の想像図。




2年前に作られた太陽系最大級のクレーターを見て

月に新たな巨大なクレーターが発見されたことが報じられていました。

なんと、たった 2年前に形成されたもので、これまでに発見されていなかったものです。

AP 通信の報道はの冒頭は以下のようなものです。

「NASAの宇宙船が月面に巨大な新たなクレーターを発見」より

科学者たちは、ローマのコロッセオよりも大きなクレーターを月に発見した。これは2年前に発生した強力な衝突によるもので、当初は発見されていなかった。

幅約 222メートル、深さ最大 43メートルのこの急峻なクレーターは、近年形成された太陽系最大の衝突クレーターとして知られている。

研究者らによると、このような大規模な現象は 132年に一度しか起こらないと推定されており、NASA が月面に宇宙飛行士のための基地を建設する準備を進める上で、これは貴重な情報源となる。

AP 2026/09/17

ここにありますように「近年形成された太陽系最大の衝突クレーター」であるわけで、その発生頻度は 132年に 1度と記されています。

天体メディアによると、以下のようなものです。

観測概要:マクゲチン・クレーターの地形プロファイル

縁の直径: 222メートル
真の深さ: 43メートル
形成期間: 2024年4月11日~5月22日
発見日: 2025年10月24日(2026年9月16日にサイエンス誌において発表)
推定される火球の大きさ:直径10~20メートル(3~6階建ての建物)

luminalunar.com

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3~6階建てのビル程度の大きさの小惑星あるいは何らかの天体が衝突したということになりますが、まあ、月には大気がないので、直接突っ込んできた天体は、そのままの速度と大きさで地表に衝突するので、このようなことになります。

地球は大気に守られているために、仮にこの程度の 10~ 20メートルほどの天体が大気圏を直撃したとしても、ほとんどの場合、大気中で爆発しますので、地表を直撃することはほぼありません。

ただ…。ふと、ずいぶん以前の話ですが、2013年2月に、ロシアのチェリャビンスク州での隕石のことを思い出します。

2013年2月15日 チェリャビンスク上空を飛ぶ隕石

これは地球の大気圏に突入したあとの小惑星が、ロシアのチェリャビンスク上空を通過し、地上には衝突しなかったものの、破片をまき散らしながら飛行し、約 1500人が負傷したという出来事でした。約 4500棟の建物も損壊しています。

当時の報道では、

「放出エネルギーはおよそ 400〜 500キロトンTNT相当(広島型原爆の 20〜 30倍程度)」

だったと推定されていて、小型の小惑星とはいえ、その破壊力の大きさはわかります。

この時の小惑星の大きさが直径およそ 10〜 20メートルで、今回、月で発見されたクレーターを作った小惑星とほぼ同じような大きさだったのですね。

なので、月にクレーターを作った 10~20メートルの小惑星が、大気圏に突入して、都市部上空などを通過した場合、同じようなことにはなり得ると思います。

ただ、これが、1908年のツングースカ大爆発級の天体(直径50〜 60メートルと推定)の場合は、影響はさらに大きくなりそうです。

この時には、

> 爆心地から半径約30 - 50キロメートルの森林が炎上、約2,150平方キロメートル(東京都とほぼ同じ面積)の範囲の樹木がなぎ倒された。

と説明にはあります。

つまり、50メートル級の小惑星が東京都の中心に衝突しただけでも、「東京全体が被害を受ける」ということにもなりそうです。

そんな中で思い出すのは、

「現在、地球での火球の観測件数が過去最大数に達している」

ということです。




飛躍的に増えている火球と、地球近くを通過する小惑星

今年の春に「2026年のアメリカでの流星や火球の目撃報告数が観測史上最多に」という記事を書いたことがありました。

これはアメリカの事例ですが、2026年の火球の目撃数は以下のように観測開始以来最大となっています。

2026年第1四半期の火球やソニックブームの大規模事象の報告
2018年〜2026年 (2026年は3月までの報告数)

AMS

こういう同じようなことは、過去にも起きていて、以下は 2000年から 2015年までの火球の観測数のデータですが、すさまじい伸びを見せていたことがありました。

2000年-2015年の流星の観測数

sott.net

では、全体を通してみると、どうなのかというと、今回探しまたら、以下のグラフを見つけました。1990年からの地球近傍小惑星(地球の近くを通過する小惑星)の発見された件数です。

1990年から2025年までに発見された地球近傍小惑星の数

ourworldindata.org

記事には、「1990年以降、4万個以上の地球近傍小惑星が発見されている」とタイトルが示されていて、以下のようにあります。

図に示すように、1990年以降、4万個以上の地球近傍小惑星が発見され、追跡調査されている。NASA は、直径 1キロメートルを超える地球近傍天体の 90%以上を既に発見していると推定しています。これらの天体は、衝突すれば地球規模の被害をもたらす可能性があるため、最も危険な天体といえる。

悪い時代に?

このように、「直径 1キロメートルを超える地球近傍天体の 90%以上を既に発見している」とありますが、10%はまだ発見されていないということでもあります。

上のグラフは累積ということなんでしょうけれど、一直線に上昇し続けているというのは、毎年毎年かなりの数の小惑星が発見されているということでもありそうです。

ここには「観測技術が向上した」ということもあるとは思いますが、それだけの理由ともいえない増え方ではあります。

特に「直径 140メートルから 1キロメートルの小惑星」の発見が地味に増え続けていますね。

ずいぶん以前の記事ですけれど、「良い時代と悪い時代(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも」という 2012年10月の記事に、中国の宋の時代に記録された 11世紀から 12世紀までの 10年ごとの隕石の数を示したグラフを載せたことがあります。

フレッド・ホイル博士の著作『生命はどこから来たか』の中にあるグラフです。

中国の11世紀から12世紀までの10年ごとの隕石の数

生命はどこから来たか

このグラフ期間は、たかたが 200年なのですが、

「まったく隕石の衝突がない時と、きわめて多い時」

が、10年くらいの単位で変動しています。

先ほどの1990年から 2025年までに発見された小惑星数のグラフを見ていますと、

「やや悪い時代に入ったのかな?」

という気もしないでもないです。

冒頭で示した月への衝突も、あのレベルの天体の衝突は約 130年に 1度です。

ちなみに、同じ『生命はどこから来たか』の中にある「衝突する天体の大きさと影響」は次のようになります。これは彗星の例です。


生命はどこから来たか

700メートル規模で大きな破壊が起こり、まあ……何億年に 1度などしかないとは思いますが、7キロメートルを超えた天体の衝突の場合は、単純にほとんどの生物の絶滅ということになります。

実際は、過去約 500年は天体の衝突が歴史的にも少ない時期でしたが、大きな歴史を見ますと、転換点がいつかはやってきていました。

ホイル博士は『生命はどこからきたか』にこう書いています。

悪い時代には、空からやってくる天災に対して、どんなに強力な指導者であっても対抗することはできなかった。

いろいろなことが複合している今の時代には、こういう天体の衝突の時代の幕開けということも含まれる可能性もあるのかもしれません。

そのようなことはないにしても、地球近くの小惑星の発見は増加し続けています。

月のクレーターの報道を見て、そう思いました。




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