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2020年からの世界 人類の未来 拡大する自然災害

アメリカや世界の自然災害の発生件数と経済的損失が黙示録的な増加を続けていることから予測される「2020年はさらなる覚悟の時代となる」こと

投稿日:2020年1月14日 更新日:

2019年10月 カリフォルニア史上最悪の森林火災の消火に向かう消防士たち

Esquire




 

地球の自然災害が新たな段階に入ってきている可能性

前回は、フィリピンのタール山という火山が壊滅的な大噴火を起こしたことを以下の記事で取りあげさせていただきました。

フィリピン・タール火山の噴煙17キロメートルに及ぶ、この世の終わりのような壊滅的な噴火を見て思う2020年という年

また、その前後も、日本を含めて世界各地で連続して大きな噴火が発生していまして、また、やや規模の大きな地震も非常に増えています。

それらは以下の記事などでふれていますので、ご参照下されば幸いです。

2020年に入って以来、世界中で絶え間なくM5以上の地震が発生し続けている
 アース・カタストロフ・レビュー 2020年1月10日

独自の生態系を持つガラパゴス諸島のフェルナンディナ島の火山が噴火
 アース・カタストロフ・レビュー 2020年1月14日

そのような自然の状態となっている中、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が、

「 1980年から 2019年までのアメリカで、10億ドル(約1000億円)以上の経済的損失を出した自然災害の発生状況と損失額の推移」

を発表していました。

下はそれをグラフにしたものです。

米国で1000億円以上の経済的損失を出した自然災害の推移

U.S. Billion-Dollar Weather & Climate Disasters 1980-2019

10億ドル以上の経済的損失が発生する災害というと、どれもかなりの規模の災害だと思いますが、そのような大規模自然災害の増え方がこのようになっているのでした。

21世紀以降のこの 20年間ほどは特に飛躍的に増えていることがわかります。

もう少し、詳しく見てみますと、

1980年頃から 2000年頃までの大規模自然災害の発生件数と種類

2000年頃から 2019年頃までの大規模自然災害の発生件数と種類

がまったく様変わりしていることがわかります。

以下は、先ほどのグラフを拡大して、ふたつの時期にわけたものです。


NOAA


NOAA

このグラフで、21世紀に入るまでの 20年間と、21世紀に入ってからの 20年間で最も変わったのは、グラフの「緑」と「オレンジ」の部分です。

「緑」は、ハリケーンなどを含む暴風雨で、「オレンジ」は、山火事です。


NOAA

アメリカでのハリケーンの発生回数がものすごく増えたというわけではないですので、「 10億ドル以上の経済的損が出やすい強力なハリケーンが増えた」ということだと理解できそうです。ひとつの暴風雨での被害がどんどん大きくなっている。

ちなみに、このアメリカの自然災害のデータが、たとえば、日本などのデータと大きく違うのは、

「地震による大きな経済的被害がない」

ことです。

アメリカでも地震そのものは起きますが、数十年に一度起きるような大地震を別にすれば、基本的に大きな人的被害や経済的被害が出る地震はあまり起きません。

そこが地震が多く発生する日本やインドネシア、フィリピンなどの国と違う部分です。

ただですね。

アメリカに関しても、確かに大きな経済的被害を出すような地震は起きていないかもしれないですが、単純に「地震の発生数」だけをグラフにしますと、

「異常なほど増えている」

のです。

下は、アメリカ中部から東部で発生したマグニチュード 3以上の地震の推移です。これは累積数ですが、 2011年頃から大きく変化していることがわかります。

米中部から東部でのM3以上の地震の発生数の推移(1973年-2015年 / 累積数)

grist.org

2011年は、日本で東北大震災があった時ですが、そのころから曲線の質が変化しています。

こういう「極端な曲線」を示す自然災害発生の推移のグラフは結構ありまして、アメリカとは関係ないですが、下は「西暦 0年から 2000年までの世界の火山の活動数の推移」です。

これは新たな火山活動としての噴火の発生数で、太い線は「50年間の平均数」を示す曲線です。

西暦0年 - 2000年の火山の活動数の推移

politicalcalculations.blogspot.com

1800年頃から、唐突に火山活動が頻繁になっていたことがわかりまして、そして特徴的なのは、

「下がっていく部分がない」

のですね。

というより「全世界のすべての種類の自然災害の発生件数自体の推移が同じような曲線となっている」とも言えるのです。

以下は、ベルギーのルーヴァン・カトリック大学の研究による「西暦 1900年から 2018年までの世界の自然災害の発生数の推移」です。

西暦 1900年から 2018年までの世界の自然災害の発生数の推移

ourworldindata.org

2016年に、以下の記事で、西暦 1900年からの 120年間ほどの間の地球の自然災害による経済的損失が壮絶な増加を示していることをご紹介したことがあります。

自然災害は予想以上の驚異的な勢いで地球の文明を崩壊させ続けている : ドイツの大学が発表した西暦1900年以降の災害損失データベースが示すこと

あるいは、昨年の以下の記事では、「 2019年の前半6ヵ月だけ」で、自然災害による経済式損失は「 8兆円」にのぽったことを取り上げました。

まさにカタストロフの時代へ : 英国のリスク調査企業が、全世界の2019年前半における自然災害での経済的被害額が「8兆円」にのぼると発表

そして、今年は、最初の数日間で、近年なかったような巨大な火山噴火が発生し、世界各地で地震も増加し続けています。

今年 2020年が、このままどんどん自然災害が増加していく年になるのかどうかはわからないですが、先ほどの「火山噴火の記録の推移」や「アメリカでの地震発生件数の推移」などに示されていますように、

「減っていくことが示されない」

という、現在に至るまでのさまざまなデータがあるということから、今後も自然災害は、規模も件数も増加していくと考えざるを得ません。

前回の記事の最後のほうにも書かせていただきましたけれど、「何も起きない」というように考えるよりは、「いろいろ起きていく」と考えて生きていくほうが、何かあった場合に、精神的に楽である部分もあるかと思います。

これまでもそうでしたけれど、2020年からはさらに、覚悟の時代というようなことになっていきそうです。

 
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