▲ Space.com より
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巨大黒点群 2192 から連想したものは
昨日の記事で取り上げさせて頂きました黒点群 2192 ですが、その翌日の本日は下のように、目視ではさらに大きくなっている気がします。
太陽の黒点数も増えていて、この増加分には、 2192 の黒点の増加も含まれているかもしれないですが、注目していただきたいのは、今日になって、写真では太陽の中央あたりに突然現れている 2193 と数字がふられている太陽黒点群です。
黒点群の数字は発生順に番号づけされますので、この 2193 は、巨大黒点群 2192 より後にできたことになりますが、このように黒点というのは突然発生し、そして場合によっては、例えばですが「1日で 100 個増える」とか、そういうようなことも活動の活発な時にはあります。
巨大黒点群 2192 をさらに拡大した写真は下のものです。
米国メンフィスのアマチュア天文家の方が地上から撮影したものです。
・Spaceweather Realtime Image Gallery
龍のようにも見える迫力のある黒点群ですが、しかし、これを見て私は、「あれと似てる」というものを思い出したのでした。
それはこちらです。
これは、最近、アメリカで発売された「エボラ・ウイルス人形」なのですね。
ウイルスやバクテリアの人形を専門に作っているアメリカの玩具会社(どんな会社だ)が最近発売したものなのですが、ものすごい売れ行きで、現在は在庫が尽きた状態だと報道にはあり、 iPhone 6 並みのフィーバーが起きているようです。
インターネットでも下のリンクのページから購入できます。
小さなほうが約 1,000円、大きなほうが約 2,500円くらいのようです。
サイトの「よくある質問」を見ますと、世界中どこでも発送してくれるそうですので、送料は不明ですが、日本でも購入できるようです(購入してどうする)。
この人形には、エボラウイルスの歴史、症状や予防法などが書かれた紙もついてくるということで、そのあたりも、エボラな敏感になっているアメリカ人のハートを掴んだようです。
ウイルス人形のジャンルでは(どんなジャンルだ)異例のヒットになっているそう。
この会社は、他にも下のように、ペスト、コレラ、デング熱、炭疽菌、狂犬病などから、豚インフルエンザや、眠り病ウイルスなど比較的新しく見つかった病原体まで何十種類という「病原体人形」を発売しています。
まあ……世界にはいろいろな会社があるものですが、くしくも太陽黒点群 2192 と、エボラ人形の「形」が同じような感じでしたので、ついこんな余談を書いてしまいました。
でもまあ、クリスマスのプレゼントに「はい、エボラ」とか「はい、狂牛病」とか子どもにあげるのも、粋なプレゼントになるかもしれないですね(そうか?)。
病原体での死因の実際
ところで、話がどんどん横道にそれていきますけれど、このエボラ。
かわいい人形はともかく、西アフリカを中心とした死者は、10月 14日の時点で 4,555 人と発表されていますが、しかし、この「アフリカ」という場所の特異性というのが下のグラフでわかります。
・Vox
いくらエボラが数ヶ月間で 4,000人の死者を出しているといっても、他がすごい。
上のグラフは、 2012年のデータ(エボラだけは 2014年のデータ)ですが、「アフリカでの1年間の死亡原因」のグラフです。
1位 エイズ 108 万 8000人
2位 呼吸器疾患 104万 9000人
3位 下痢症 60万 3000人
となっていて、その後にもいろいろな項目が続きますが、こうなってくると、アフリカという単位で考えると、現時点でのエボラは、死者数だけで見れば「大したものではない」ということさえ言えそうです。
これをさらに世界全体で見てみますと、かなり古いデータしか見当たらなくて恐縮ですが、 WHO が 2003年に発表しました The world health report 2003 (世界健康報告 2003年)の中から、ウイルスやバクテリアによる感染症での死者だけを挙げますと、トップ5は下のようになります。
1位 肺炎 385万人
2位 エイズ 282万人
3位 下痢症 177万人
4位 結核 160万人
5位 マラリア122万人
これから 11年経っていまして、順位の変動はあるはずですので、まあ一応の目安として見ていただればと思います。
ちなみに、エイズに関しては、エイズ予防ネットによれば、 2012年の死者は 160 万人ということですので、2003年より、エイズの死亡者はかなり減っていることになります。
ただ、エイズの患者( HIV 陽性)は 2012年で、世界に 3,530 万人もいて、そして年々増えていますので、死者数が減っているのは、治療薬の進歩によるものかと思います。
エイズは、日本で特にひどいことになっているという事実もありますしね。
他の先進国では減り続けているエイズ患者ですが、日本は下の状況。
2014年 5月 24日の THP 「エイズ感染・発症患者数、5年ぶりに過去最多更新 50代以上も検査を」という記事によると、
> 新たなエイズ発症患者報告数は30代以上が多く、ここ3年で伸び率が高いのは50代以上だという。
ということなのだそう。
うーん……50代……つまりオジサンたち……何をやっとる……。
でもまあ、中年男性がまあ、いろいろといろいろなことをするということ自体は昔からあったと思いますので、年齢層を問わず、全体としていろいろと乱れてきているのですかね。
ちなみに、HIV は「感染から発症までは8年ほどかかる」そうで、すでに忘れた頃におこなった様々が8年後に襲ってくるということになるのでしょうか。
赤枝恒雄さんというお医者さんが書かれた「エイズ」爆発寸前の予感—増えている日本の患者数というサイトには、
若者にエイズに対するアンケートを求めたところ、恐いことに3分の1の人は現在つき合っているパートナーにも感染の事実を告白しないと言います。
このような若者のエイズに対する消極的な意識では、エイズは拡大し、感染爆発が起きるのは時間の問題のような気がします。
とありますが、この「若者」というフレーズに「オジサン」というフレーズを加えなければならないようです。
そういえば、先日書きました記事に、アメリカの感染症研究のトップ・サイエンティストである米国立感染症研究所のピーター・ジャーリング( Peter Jahrling )という科学者のインタビューを載せましたが、ジャーリング博士は、
「エボラよりエイズのほうが人類にとっての脅威だ」
というニュアンスのことを述べていました。
これは結局、上にも書きましたように、エイズは、
「感染から発症までは8年ほどかかる」
ために、保菌したまま多数に感染させてしまうタイプの病気だという意味で、それと比べると、致死率の高い感染症、例えばエボラなどにしても、死亡した後はもう他者に感染はおこさない上に、発症してからの行動範囲が広くなることも考えられず、感染者の想定範囲はかなり狭い範囲に留まります。
その差のことを言っているようです。
ただ、エイズは性交渉さえなければ、ほぼ感染しないわけで、「性交渉の消滅した社会では絶滅する」ものでもあります。
そんな社会は来ないと思うのが一般的なのでしょうけれど、いつかそういう社会が来るかもしれないというのが、私の考えのひとつでもありますけれど、それはまたややこしい話となりますので、ここではふれません。
何だか、ひどく話がそれてしまって、ここから「スーパーフレア」の話を書くのも変なんですが、ただ、今回のスーパーフレアの話は、私たちの太陽の話ではありません。
宇宙で実際に起きている「 X 10 万」クラスのフレア
▲ NASA のガンマ線バースト観測衛星スウィフトが「 X 100,000 クラス」の巨大フレアを観測した DG CVn のフレア発生時の想像図。 NASA より。
私たちの太陽で起きる太陽フレアは、エネルギーの低い順から B、C、M、X、というようにフレアの強度を区分していて、このうち、BからMまでは、それぞれの中で 10段階にわけられています。
・nict
上のように、C 3.5 とか M 1.3 などと、そのエネルギーの強さを現します。
しかし、「Xフレア」には上限がありません。
なぜかというと、「どのくらい強い太陽フレアが発生するのかはわからない」からです。
これまでの太陽の観測史上で最も強力な太陽フレアは「 X 28 」という途方もない巨大なフレアでした。
・太陽中性子観測による太陽フレア現象における粒子加速機構の研究
このことは、以前の記事の中で、上の表が載せられている、名古屋大学の太陽地球環境研究所 宇宙線研究室の渡邉恭子さんという方が書かれた資料を抜粋させていただいています。
その論文には、この X 28 という太陽フレアのエネルギーがどの程度のものかということについて、
広島の原爆 10 兆発にも相当する
と書かれています。
兆、つまり、1,000,000,000,000発です。
この X 28 は、地球方向に向いていなかったために、地球は「インフラの終末」を避けることができたのですが、もし、このような、あるいはこれ以上の太陽フレアが地球にダイレクトの方向で発生した場合、2008年の全米研究評議会という機関によれば、
現代社会における電力やGPSに依存する機能、水道などのライフラインが破壊され、全世界で2兆ドル規模の被害が発生するとの試算がある。
というような可能性もあるとのこと。
日本円で約 200兆円の被害が出るという試算です。
やや大げさな試算だとしても、このレベルだと短時間での復旧は不可能だと思われ、直撃した地域はかなり長い期間、電気や通信とは無縁の社会とならざるを得ないと思われますが、このように「どのくらい強力な太陽フレアが発生するか」というのはわからないことです。
なお、観測史上での太陽フレアの上位5は以下の通りです。
1位 X 28.0 2003年11月04日
2位 X 20.0 1989年08月16日
3位 X 20.0 2001年04月02日
4位 X 17.2 2003年10月28日
5位 X 17.0 2005年09月07日
このうち、1989年 8月 16日の太陽フレアでは、カナダのケベック州において、「ケベック大停電」という 600万世帯が停電に陥るという前代未聞の大停電が発生しました。
X 20 とかのフレアでも、そのようなことが起きるわけですけれど、しかし、宇宙は広いわけで、冒頭の記事にありますように、NASA の観測衛星が「 X 100,000 クラス」の巨大フレアを地球から 60光年離れた場所にある DG CVn という恒星で発生したことを観測したのですね。
そして、何より驚くことは、この DG CVn という星の大きさは「私たちの太陽の3分の1しかない」のです。
私たちの太陽よりもはるかに小さな星が、その太陽で観測された中で最大のフレアの1万倍ほどもある超強力なフレアを爆発させたことの発見に NASA の科学者などもかなり驚いていたようです。
さらには、その数時間後に、同じ程度の規模のフレアが観測されています。
このフレアついて書かれた 9月 3日の NASA の記事では、なぜ太陽の3分の1の星が太陽の1万倍ものフレアを発生させたのかということについて「自転速度が太陽より 30倍早いため」としています。
それにしましても、このような、つまり「 X 100,000 フレア」というような現象が実際に起きているということは、私たちの太陽も遠い昔には、同じようなフレアを作り出していた可能性もあります。
あるいは……これからだってあるかもしれません。
そして、推測さえできないですが、仮に私たちの太陽が X 100,000 のフレアなどを地球に向かって放出した場合、それは明らかに、
「地球のリセット」
になり得ると思われます。
人類を含めた非常に多くの生物のリセットです。
あるいは過去の大量絶滅の中には、このような太陽フレアが地球にダイレクトに、しかも、何度も放出したことによって起きた場合もあったのかもしれません。
この X 100,000 のフレアのことを知って、あるいは、エボラウイルス人形の大ヒットのことを知って、「この世には想像以上にいろいろなことがある」と改めて知ったように思います。
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