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12月06日にメルマガ免疫と戦争とパンデミックと5Gを発行させていただきました。

2019年からの世界 これからの太陽活動 人類の覚醒と真実 健康の真実 地球という場所の真実

ロシアの科学者たちが「宇宙線は、脳内のGABAのバランスを安定させ、中枢神経系に有益」であることを証明。うつ病やパニック障害の治療へ活用する方法を模索すると共に、この太陽活動極小期に私たち人類が進化する可能性も?

投稿日:2019年9月3日 更新日:

科学誌ニューロサイエンスに掲載された論文に関してのロシアの報道


popmech.ru




 


宇宙線は脳に良いのか悪いのか、混乱しつつある科学界ですが

先日、ロシアのメディアで、冒頭の非常に興味深い記事を見つけました。神経科学系の科学誌ニューロサイエンスに、ロシアの研究者たちが、

「宇宙線が脳と中枢神経に良い作用をすることを見出した」

という論文を発表したというのです。

まずは、その記事をご紹介します。


Космическая радиация оказалась полезной для мозга
popmech.ru 2019/08/19

宇宙放射線が脳に有益であることが証明された

ロシアの科学者たちは、銀河宇宙線が精神感情状態と精神能力に及ぼす影響の研究から、これまでになかった結論を導いた。その結論とは、宇宙放射線は、中枢神経の機能にプラスの影響を与えることが判明したというのだ。

これまでの考えでは、人間の体は、宇宙からの電離放射線に対する効果的な保護を行うことができないために、宇宙放射線は、身体に有害であり、これは、長い宇宙旅行の計画の中での主要な問題の 1つとなっていた。

しかし、ロシアでおこなわれたラットの実験室での試験の結果によると、ロシアの科学者たちは、中枢神経系に対する宇宙放射線のプラス効果のメカニズムを確認することができたのだという。

ラットは、860日間の宇宙での惑星間ミッションと同等の組成と線量の宇宙放射線に相当する重荷電粒子とガンマ線の複合の照射を受け、その後、実験群と対照群のラットが比較された。各グループは、若いラットと大人のラットのサブグループに分けられた。

なお、火星への飛行には、片道で 180日かかるとされる。

ラットたちは、照射直後は不安感が増加するが、その不安感は徐々に消失することが判明した。そして、放射線にさらされたラットたちは、宇宙空間での時間や空間に関連した認知力テストで優れていることが証明された。

研究者たちは、これは、脳内のグルタミン酸とγ-アミノ酪酸(GABA / ギャバ)の濃度の違いに起因すると考えている。 GABA は、中枢神経系の神経伝達物質として機能する。基本的に、グルタミン酸は、興奮性の神経伝達物質であるのに対し、GABA は、抑制性の神経伝達物質だ。

この研究チームのひとりで、ロシア保健省・精神薬理学研究所の主任研究者でもあるビクター・コカン(Viktor Kokhan)博士は以下のように述べた。

「最も興味深いのは、中枢神経系の機能に対しての電離放射線のプラス効果のメカニズムです。なぜならこれは、神経変性疾患および精神疾患の治療に対する新しい治療アプローチに使用できるためです。薬物耐性型のうつ病、アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症などの神経変性プロセスの過程における重荷電粒子への曝露の影響に関する臨床データが、間もなく提示されるでしょう」

「脳内の GABA レベルが低下すると、いわゆる中枢神経系の脱抑制 (disinhibition / 状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態)を引き起こします。これには、運動活動の増加と、そして不安を伴います」

「 GABA のアミノ基転移酵素のレベルが上がることが、この状態を引き起こす原因であることが示唆されています。同時に、グルタミン酸と GABA のバランスの変化は、多くの神経変性疾患および精神疾患と関係しています」

また、科学者たちは、宇宙放射線を照射されたラットのグルタミン酸と GABA のバランスが回復する過程の観察において、GABA のレベルが正常化していくのではなく、グルタミン酸のレベルが下がっていくことでバランスが正常化していたことを発見した。

論文は、科学誌ニューロサイエンス (Neuroscience)に掲載された。


 

ここまでです。

記事にもありましたが、これまでは、宇宙線、あるいは宇宙放射線というものは、ひたすら人体に悪い影響があるという側面が強調されてきました。

最近も、米カリフォルニア大学の科学者たちが、上のロシアの科学者たちの発表と、まるで真逆にも見えるような論文、すなわち、「宇宙放射線は、脳に損傷を与える」という可能性を研究で見出したことが報じられていました。

2019年8月6日の米インターナショナル・ビジネス・タイムズより


IB Times

この記事も概要をご紹介しておきたいと思います。

NASA Astronauts In Danger Of Frying Brain In Space With Galactic Cosmic Rays
IB Times 2019/08/06

NASAの宇宙飛行士たちは、宇宙線によって宇宙空間で脳に損傷を受ける危険性がある

新しい研究により、深宇宙ミッションからの放射線が宇宙飛行士たちの脳機能にどのように影響するかが明らかになった。研究者たちによると、宇宙放射線にさらされると、記憶喪失、学習の問題、社会不安などのさまざまな長期的な影響を引き起こす可能性があるという。

研究は、科学誌 eNeuro に掲載された。

新しい研究では、生物学者たちは、マウスを主な対象として、人間の宇宙空間での放射線の影響を再現した。試験動物を合計 6ヶ月間低線量放射線に曝露した後、研究者たちは、被験動物の認知機能の変化を見た。

具体的には、放射線への長期曝露は、脳の前頭前野および海馬のシグナル伝達作用を損なうことが見出された。このため、被験動物は記憶と学習能力に関連する問題を示した。

また、研究者たちは、学習と記憶以外に、放射線に被曝した被験動物の社会的行動の変化も観察した。放射線を受けなかったマウスとは異なり、照射を受けたマウスは相互作用コミュニケーションを避けるようになった。これにより、実験が脳の扁桃体にも影響を与え、被験動物に不安を引き起こしたと結論付けた。

NASAなどの宇宙機関は現在、深宇宙への有人飛行などのミッションを計画しているが、この研究は宇宙放射線の長期的な影響に関する警告となりそうだ。

研究者たちは声明で、「深宇宙へのミッションでは、銀河宇宙線が重大な障害につながる可能性があります」と述べている。

 

ここまでです。

先ほどのロシアの研究と、このアメリカの研究は、どちらも、今年の 8月の報道でして、「わりと似た時期に、まるで相反するような宇宙線の脳への作用」が発表されているわけです。

ロシアの研究論文が掲載されたニューロサイエンスも、アメリカの研究が発表された eNeuro も、どちらも神経科学の分野のきちんとした科学誌であり、なかなか混乱した様相となっている感じもします。

基本的に今の科学では、「宇宙線や宇宙放射線は悪」という主張が一般的で、たとえば、今は、太陽活動が極小期に入りまして、つまり、太陽の磁場が弱くなることで、太陽系内の宇宙線が増加しています。それに伴いまして、

「地球に到達する宇宙線もどんどん増加している」

という状況で、その悪影響を主張する科学者の方々も多いです。

たとえば、下の記事などでもふれました。

予測をはるかに上回り激増している宇宙線と放射線 : その人類への影響は何か。気象、天候、人間の健康、地震や噴火……そして生命の進化にも関係する? 

いずれにしましても、「宇宙線は体に悪い」というのが、これまでの科学での定説なのですけれど、しかし、私は以前から、

「悪いことだけではないはず」

というように思っていまして、そのことを書くこともありました。

たとえば、宇宙から戻ってきた植物や生物が「ものすごい進化を遂げている」ということが、よく報じられます。

以下の記事では、軟体動物のプラナリアが「宇宙空間から戻った際に、地球上ではあり得ない生態となった」ことをご紹介しています。

「宇宙空間」は生命に直接的に進化あるいは変化の機能を与えているのかも : 宇宙で「頭とお尻の奇妙な双頭」となって地球に戻ってきたプラナリアを見て

あるいは、宇宙から帰った後、「植物が強靱になる」とか「死んでいたはずの植物の種から発芽する」というようなことも、たまに報じられます。以下は、2011年の読売新聞の記事です。

宇宙帰りのサクラ異変…なぜか発芽・急成長

読売新聞 2011/02/21

国際宇宙ステーションで2008年11月から8か月半、保管した桜の種を、地上へ持ち帰って植えたところ、発芽しないはずの種が芽を出すなど、異変が相次いでいることがわかった。

原因は不明だが、無重力で放射線の強い宇宙環境で、遺伝子の突然変異や、細胞が活性化したなどの見方もある。

宇宙を旅した桜の種は、北海道から沖縄まで13地域の子供たちが集めた名木14種類。

このうち岐阜市の中将姫誓願桜は、樹齢1200年と言われるヤマザクラの一種で、米粒ほどの小さな種は、地元の保存会などがまいても発芽せず、接ぎ木でしか増やせなかった。保存会が種265粒を宇宙に送り、248粒をまいたところ、昨年春に2粒が発芽した。

岡山県では、通常は1年に50センチ程度しか伸びない真庭市の醍醐桜10本が、昨年春に発芽して、今は90センチ以上。うち1本は160センチを超えた。

高知県佐川町では、1年に約30センチしか伸びないはずの稚木桜が、約1年で最高135センチに成長した。

このように、宇宙帰りの植物には、

「 1年に30センチしか伸びない桜の木が、1年間で135センチに成長した」

というようなことも起きているわけです。

地球内では考えられない、こういうことが植物などで起きている。

ですので、良い悪いはともかく、

「宇宙空間には、生物の肉体や神経系に、何か大きな変化を与える作用がある」

ことは確かだと思います。

そして、宇宙空間で作用を及ぼすものとしては、やはり宇宙線とか放射線くらいしか思いつかないわけで、そういう意味では、最初のロシアの研究の「宇宙線は脳と中枢神経に良い作用を持つ」という発見はとても興味深いです。

また、個人的に、このロシアの研究で面白いと思ったのは、

「宇宙線が、脳内の GABA システムに作用する」

ということです。

GABA (ギャバ)というのは、「抑制性の神経伝達物質」として知られていまして、平たくいうと、GABA は、興奮を鎮めたり、リラックスをもたらすという神経伝達物質です。

たとえば、パニック障害や不安障害などのメンタル疾患などにほぼ必ず処方される「ベンゾジアゼピン系の精神薬」は、多種あるとはいえ、基本的には、

「GABA の作用を強めることによって、神経を抑制する作用がある」

というタイプの薬です。

ほとんどの睡眠薬もそうです。

ですので、このベンゾジアゼピン系の薬というのは、相性がいいものと当たれば、パニック障害のような緊張性のメンタル疾患にはものすごく効きます

そして、あまりにもよく効くために、「やめられなくなる」という依存が大きな問題となっています。

私も、パニック障害で、23歳のときからベンゾジアゼピン系の薬を飲んでいましたが、やめたのは、約 30年後のつい最近です。

自分のブログで薬のことを書いているうちに、良くないことかもしれないと、「やめてみよう」と思い、ベンゾジアゼピン系の薬を完全にやめたのでした。完全にやめるまでには 3年くらいかかりましたかね。

まあ、このことは今回の本題とは関係ないですので、ここまでにしますが、以下の記事などでもふれたことがあります。

意図して書き始めたわけではないけれど、話はナルコレプシーと脳萎縮と「30年間におよぶベンゾジアゼピン系薬物依存」のことへと転がる石のように

 

先ほどのロシアの記事にある以下の部分は、パニック障害の症状そのものを示しています。

> GABAレベルが低下すると、いわゆる中枢神経系の脱抑制 (disinhibition / 状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態)を引き起こします。

この状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態」は、パニック障害のパニック発作そのものを現していますが、基本的には、GABA の作用が弱い状態で起きます。

つまり、この GABA というものの作用が強ければ、リラックスがもたらされ、GABA の作用が弱いと「メンタル系疾患の症状が悪くなる」といえるのです。

GABA の反対の作用を持つのが、グルタミン酸という神経伝達物質で、これは「興奮性」のものです。このグルタミン酸の作用が強くなると、リラックス感が消失していくということになり、かといって、「興奮性がまったくないと、それは人間の感情ではない」わけで、つまり、「 GABA とグルタミン酸のバランスが大事」ということになりますが、先ほどのロシアの研究を見ますと、

「宇宙線は、このグルタミン酸のレベルを下げる」

ことにより、結果的に、GABA の作用が優性のバランス状態をもたらし、それが、神経・精神系の疾患に有効に働くと。

 

・・・と、ふと思うのは、このロシアの研究での発見が正しいのだとすれば、

「地球上の宇宙線の作用が強くなってくると、相対的に、人々の脳内の GABA の作用が高まるということなのでは」

というように思ったのですね。

GABA の作用が全体的に強くなれば、精神神経のリラックス状態がもたらされやすくなるということで、たとえば、パニック障害でも、不安障害のようなものでも、あるいは、他のメンタル疾患でも、そういう問題がある方々は、

「これから、しばらくは、症状が少し楽になる時代となるのかもしれない」

ということです。

以下の記事で書きましたけれど、これから始まる太陽活動は、「過去 200年で最も弱くなる」と推測されていまして、それだけ「地球に到達する宇宙線も増える」のです。

米NASAが次の太陽活動周期サイクル25は「過去200年間で最も弱くなる」という予測を公式に発表。2032年頃まで続くその環境の中の地球はどうなる?

場合によっては、しばらくの間、「近現代史では経験がないほどの大量の宇宙線が地上に降り注ぐ」可能性もあります。

ですので、次の太陽活動が始まると考えられる 11年後から 12年後くらいまでは、比較的、人々の脳内の GABA の作用が良い状態で迎えられる時代なのかもしれません。

もっとも、ふだん、メンタルにまったく問題のない方は、もともとが GABA の作用が正常であるわけですから、そういう変化は感じられないかもしれないですが、ベンゾジアゼピン系の薬や睡眠薬などを常用されている方などは、わりと「時代の差」を感じることができるかもしれません。

だとすれば、歴史的に弱い太陽活動の時代とも、悪いことばかりではない気もします。

ただ、歴史的には、極端に弱い太陽活動の時代は、寒冷化や農作の不振などがもたらされてきたことも事実で、いろいろ大変な時代にはなるでしょうけれど、意外と落ち着いて過ごすことができる時代になるのかもしれません。

あるいは、宇宙から帰ってきた植物や軟体動物たちのように、かつてないレベルの強力な宇宙線によって《突然進化する人たち》も現れてくるかもしれないですね。





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