八百万のワクチン神
ここのところ、コロナワクチンについては、世界的に逆風が吹いているような雰囲気もありますが、そんなことで医療スカムワールドがひるむわけもありません。
なぜなら、「他にワクチンはいくらでもある」からです。
最近、アメリカのテキサス州で「麻疹(はしか)によって、学齢期の子どもが死亡した」という報道が日本でもなされています。以下は日本経済新聞からの抜粋です。
米で10年ぶり、はしかで死者 テキサス州で感染120人超
米南部テキサス州の保健省は26日、麻疹(はしか)による死者が確認されたと発表した。
死亡したのはワクチンを接種していなかった学齢期の子供だったという。同州では1月下旬からはしか感染が広がっており、25日時点で感染者が124人に上った。
24年の米国全体のはしか感染者数は285人だった。テキサス州の感染だけで、昨年の米国全体の感染者数の半分近くに上っている。感染者の大半はワクチン未接種か、接種しているかどうか不明だという。
はしかは非常に感染力が強い病気だが、ワクチンを接種していれば基本的に防げる病気で、米国は00年に撲滅を宣言をしていた。
ワクチンが認可される前は、米国で年間300万〜400万人が感染し、400〜500人が死亡していたと推計されている。
日本経済新聞 2025/02/27
さて、この報道の中に「曖昧性」がどこに見当たると思われるでしょうか。
> 死亡したのはワクチンを接種していなかった学齢期の子供だったという。
ここには「…という」という伝聞口調が使われていますが、なぜかというと、州保健当局もCDC も、この子どもについての詳細を一切発表していないからです。
テキサス州保健局のそのニュースリリースは、こちらにありますが、ここでは、
「その子どもの性別、年齢、一般的な健康状態、病歴、どの系統の麻疹にかかっていたか」
を一切明らかにしていません。
また、先ほどの報道には、以下の部分があります。
> ワクチンが認可される前は、米国で年間300万〜400万人が感染し、400〜500人が死亡していたと推計されている。
この「ワクチンが認可される前」という表現からは、まるで、ワクチンが認可される「直前まで」というニュアンスを感じますが、実際には、アメリカで麻疹でそのような多くの患者と死者数を出していたのは、麻疹ワクチン接種開始(1963年)の「数十年前」のことです。
以下は、アメリカの麻疹の死亡数の推移です。
米国の麻疹の人口10万人あたりの死亡率の推移(1900 - 1984年)
England/Wales Measles Mortality Rates
1900年代初頭から 1960年代にかけて、「自然に」麻疹患者数と死亡数は減り続けていました。もう一度書きますが、「自然に」です。
そして、アメリカで麻疹が、ほぼ「自然に根絶された」頃に予防接種が始まりました。
このあたりについては、以下の記事で詳しく書いています。
・麻疹の歴史に見る「ワクチンの威力」。そして、感染症の流行を制御できるのは自然の成り行きだけ、と改めて思う
In Deep 2024年2月13日
これは英国でも同じです。以下は、1838年から 1978年までの麻疹の死亡数の推移です。
人口10万人あたりのイングランドの麻疹の死亡数の推移(1838 - 1978年)
England/Wales Measles Mortality Rates
英国では、1950年代頃には、ほぼ完全に麻疹の歴史的な流行は終わっていました。その後から、つまり「流行が完全におさまってから」予防接種が始まっています。
これは、たとえば、小さな怪我をしたとして、その血が止まり、傷も治り、その数年後に何の怪我の痕跡も残っていない状態で絆創膏を貼られて、「ほら、傷跡もなく治った」と言われるのと同様です。
それ以上に、麻疹ワクチンには、さまざまな問題が過去数十年報告されているということもあります。
以下の記事には、ユホン・ドン博士による「麻疹ワクチンが私たちの免疫をどう変えてしまうか」ということについての寄稿文をご紹介しています。数多くの医学論文を引用した長文です。
・麻疹ワクチンの歴史に見る「人為的介入の有害性」
In Deep 2024年3月10日
ユホン・ドン博士の文章は、最近は「意識」シリーズの寄稿文(こちらのリンクの上3本)をご紹介することが多いですが、ドン博士は、もともとスイスのノバルティス社の元上級医学科学専門家だった方であり、免疫学や予防医療の専門家の方で、そのジャンルで大変な知識と経験をお持ちの方です。
最近、アメリカの自然健康に関する作家であるセイヤー・ジ氏(Sayer Ji)が、米国メディア「ディフェンダー」に、「最近の麻疹の流行はワクチンの失敗によるものであり、予防接種の失敗によるものではない」というタイトルの記事を投稿していました。
かなり長い記事ですが、その中に「麻疹ワクチンの失敗の長い歴史」というセクションがありまして、論文を引用して、
「麻疹ワクチン接種率と麻疹の流行の関係」
についてを書いています。
その部分を抜粋します。
麻疹ワクチンの失敗の長い歴史
childrenshealthdefense.org 2025/02/19
過去 25年以上にわたり、ワクチン接種率が 95%を超える集団で流行が報告されており、ワクチンが麻疹制御の唯一の解決策であるという主流の仮説を覆している。
以下は、そのようなワクチンの失敗に関する文書化された記録だ。
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・1985年、米国テキサス州: 1987年に医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載された研究では、テキサス州コーパスクリスティで発生した麻疹の流行を分析した。
コーパスクリスティでは、生徒の 99%が予防接種を受けており、95%以上が免疫を持っていた。研究者は、「中学校では、生徒の 99%以上が予防接種を受けており、95% 以上が免疫を持っていても、麻疹の流行が発生する可能性がある」と結論付けた。
・1985年、米国モンタナ州:医学誌アメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー(疫学)の記事では、ワクチン接種率が 98.7%であったにもかかわらず、モンタナ州で 137件の麻疹が発生した事例が調査された。
研究者たちは、「この発生は、現在の麻疹撲滅戦略が適切に実施されているにもかかわらず、一部の環境では麻疹の伝染が続く可能性があることを示唆している」と述べた。
論文:適切な予防と管理措置にもかかわらず麻疹の発生が続いている
・1988年、米国コロラド州:コロラド州の大学で麻疹が流行し、厳格な予防接種方針により 98%以上の学生が免疫を獲得していたにもかかわらず、84人の学生が感染した。研究者は「ワクチン接種率の高い大学でも麻疹の流行は起こり得る」と結論付けた。
論文:入学前に予防接種が義務付けられている大学で麻疹が流行した
・1989年、カナダ、ケベック州:当初、流行はワクチン接種率の低さが原因とされていたが、カナダ公衆衛生ジャーナル誌に掲載された研究では、「ワクチン接種率の低さはケベック市での麻疹流行の正当な説明にはならない」と結論付けられた。
論文:ワクチン接種率が99%にもかかわらず、ケベック州で麻疹が大流行
・1991~ 1992年、ブラジル、リオデジャネイロ:ブラジル熱帯医学協会誌に掲載された研究によると、この年の流行における麻疹症例の 76.4%は 1歳の誕生日を迎える前に予防接種を受けていたことが判明した。
論文:ワクチン接種率の高い集団で発生した麻疹の流行時の臨床的および疫学的所見
・1992年、南アフリカ、ケープタウン:南アフリカ医学雑誌に掲載された研究で、91%の子どもがワクチン接種を受けたにもかかわらず、ワクチンの有効性が 79%に過ぎなかったというアウトブレイクが記録された。研究者たちは、一次および二次ワクチンの失敗がアウトブレイクの一因となったと結論付けた。
論文:1992年のケープタウンにおける麻疹の流行 - 疫学的パターンの変化
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これらは、ワクチン接種率の高い集団で麻疹の発生が報告されている膨大な文献からのほんの一握りの例に過ぎず、ワクチンで誘発される免疫は生涯続くものではなく、一貫して効果的でもないことを明らかに証明している。
ここまでです。
先ほどの「麻疹の死亡者数の推移」のグラフをもう一度見ますと、はっきりしているのは、
「時間はかかっても、人は感染により、その感染症の自然免疫を得る」
ということです。
「そして、その病気は時間と共に自然にこの地上から消えていく」
のです。
1900年からの米国の麻疹による死亡数の推移(人口10万人あたり)
どんな感染症でも歴史はそうでした。
海外の「証拠に語らせよう: ワクチンは私たちを救ったのだろうか?」という記事に、非常に数多くの感染症の死亡者数の推移のグラフが示されています。
これだけの歴史と証拠がありながら、冒頭の報道にありましたように、今もなお、「ワクチンが感染症を予防して根絶した」という神話が繰り返されていて、そこには、データも客観性も何もなく、単に「医療サイドからの発信を横に流しているだけ」の状態です。
結局、コロナワクチンのときと同じなんです。
今後も、他の数多くの「予防政策」がなされていくと見られますが、ほとんどのもの(あるいは、ほぼ全部)に、大きなリスクが伴っているばあいが多く、今は mRNA などの新しい技術により、そのリスクが複雑化している上に、より大きくなり、そして期間が長いものとなっています。
遺伝子に介入するものについては、「世代を超えた影響」になる可能性がそれなりにあります。
この予防医学神話にいつまでも服従していると、長い期間では、結局それは人類の滅亡、というような大げさな表現も使えなくもないという事態に至るはずです。
実際には、コロナワクチンのおかげで、ほんの少しの人たちかもしれなくとも、この予防カルト神話から抜け出すことのできた方々もいらっしゃると思います。
そういう意味では、コロナワクチンは洗脳から解放してくれた一種の救世主だったのかもしれません。
その救世主が、超過死亡や病気の拡大という「厳しい現実」を提示して警告してくれていたのに、それでも、何も気づかない何も見えてこないというのなら、それはそれまでです。
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