現行の進化論が現実的な崩壊に直面している大ニュースなのに、日本ではまったく報道されないという事実も
科学メディア Phys.org の5月28日の記事より
・Sweeping gene survey reveals new facets of evolution
ダーウィンの時代の終焉への扉
この In Deep というブログは、気象や軍事や宇宙や料理や園芸などいろいろ取りあげますけれど、その軸にはいくつかの「主題」というようなものも多少はある部分があります。
その中で現行の科学と関係するものとして、以下に関しては、ずいぶんと以前から主張させていただくことがありました。
下のふたつです。
わりと昔からのIn Deepの主張
・ビッグバン宇宙論の全否定
・ダーウィンの進化論の全否定
の2本です。
ここで、かつてのサザエさんなら「んがっふふ」と言って、お菓子を喉に詰まらせたりしながらも、その説明に入るわけですが、今回はこのうちの「ダーウィンの進化論」について、それが、ついに「全否定」される可能性が強くなったことについての報道です。
これは、アメリカの科学メディアに掲載されていた記事をご紹介したいと思いますが、この研究の方法もすさまじいものです。かつてなかったもので、誰も想像さえしなかったものです。
それは、10万種以上の生物種の DNA と、アメリカ政府の遺伝子データバンクにある 500万以上の DNA の断片を「徹底的に調査した」というものなのです。
そこからいろいろとわかったのですが、最も衝撃的だったのは、
現在地球にいる大半の生物(人間を含む)が地球上に登場したのは、10万年〜20万年前の間だとわかった。そして、「中間種は存在しない」。
ことでした。
その部分を記事の翻訳から抜粋しますと、次のようになります。
おそらく、この研究の最も驚くべき結果は、人間を含む現在地球上に存在する生命種のうちの 10種のうち 9種が 10万〜 20万年前に出現したことが明らかになったことだろう。
これはつまり、この地球の生物の 90%以上は「それ以前への遺伝子的なつながりがない」ということでもあり、もっといえば、
・地球のほとんどの生物は 20万年前以降に「この世に現れた」
のです。
これがどういう意味かといいますと・・・。たとえば・・・「現行の科学で言われている人類誕生までの地球の歴史」というものは下のようにされています。
46億年前から始まり、35億年前くらいの最初の生物が誕生し、そこから「徐々に」進化してきた……というものです。
しかし、今回の大調査の結果からわかることは、
「徐々に」進化していない
ということなのです。
つまり、20万年より前の部分は、「現在の地球の生物とほとんど関係ない」としか言いようがないのです。
とにかく、ほぼすべての生物種が 10万年から 20万年前に地球に登場しているという可能性が極めて強くなったのです。
今回の調査の方法論と、この結論については、科学的に真っ向から反論することしは難しいように思えるほど、ほぼ完ぺきなものに見えます。
これから科学界はどうするのか……とも思いましたが、このニュースが出て以来の日本の報道を見て少しわかりましたが、どうやら、今は、
「できる限り無視する」
という姿勢なのかもしれません。
何しろこれだけの内容が提示されているニュースなのに、日本語の報道がほぼないのです。
もともとがアメリカの AFP 通信社の特報記事として報じられたものですので、日本の AFP にはその後掲載されましたが、今のところ、どうもそれだけしか見当りません。科学メディアも含めてです。
第一報から 10日ほど経過していますので、今さら出てくることもなさそうです。
まったく報道されていないのです。
こんな大きな出来事がどうして? とも思いますが、いずれにしても、現実として、日本語ではほとんど報道されていないので、ご存じない方も多いかもしれないと思い、ご紹介しようと思いました。
ダーウィンの進化論というのは、地球の生命の仕組みを見る限りは、存在し得ないものですが、それがやっと科学的な検証によってその事実が証明されたことになるわけです。今は亡きフレッド・ホイル博士もこのような調査が行われることを心から望んでいたと思われます。
何だかんだと余談が長くなりましたので、その内容をご紹介します。
科学用語等がなかなか難しくて、ここ数日調べながら少しずつ翻訳していたのですけれど、間違い等があるかもしれませんので、 遺伝子解析などにお詳しい方はオリジナルの記事をご参照いだたけると幸いです。
なお、関係する過去記事などについては、翻訳記事の後に短くご紹介させたいただこうと思います。
ここからです。
Sweeping gene survey reveals new facets of evolution
phys.org 2018/05/28
生物種の全面的な大規模遺伝子調査により、生物進化の新しい側面が明らかに
かつてない生物種の遺伝子大調査が開始された時に、そこから、このような結果が出てくることを誰が想像しただろうか? いや、そもそも、このような大規模な遺伝子の解析が実際に行われるということさえ想像されたことがあるだろうか?
実際に行われたのは「 DNA バーコード(DNA barcodes)」の全調査プロジェクト、というものだ。
これは、アメリカ政府が運営する遺伝子データバンク(GenBank)にある、世界中から数百人の科学者たちによって集められた 10万種の生物種の DNA と、500万の遺伝子断片である DNA バーコードと呼ばれるマーカーが徹底的に調べ尽くされたのだ。
それを行い、その「結果」を報告したのは、米ニューヨーク・ロックフェラー大学のマーク・ストークル(Mark Stoeckle)氏と、スイス・バーゼル大学のデビッド・タラー(David Thaler)氏であり、共同でその内容が発表された。
そして、その内容は「生物の進化がどのように展開されたか」についてのこれまでの定説を揺らがせるものだったのだ。
覆されるかどうかはわからなくても、定説が揺らぐことは間違いがなさそうだ。
定説とは何か? 現在の生物学の教科書では、たとえば、アリでもネズミでもヒトでもいいのだが、大規模な個体群を持つ生物種は時間が経過するほど遺伝的多様性が増すとされている。このように時間の経過と共に、生物が進化してきたというのが定説だ。
しかし、それは本当なのだろうか?
その問いに対して、今回の研究の主任著者であるマーク・ストークル氏は次のように述べた。
「いいえ、それは違います」
ストークル氏は、地球上に住む 76億人のヒトも、5億羽生息しているスズメも、あるいは、10万羽生息しているシギたちも、その遺伝的多様性は「ほぼ同じくらいなのです」と AFP に語った。
おそらく、この研究の最も驚くべき結果は、人間を含む現在地球上に存在する生命種のうちの 10種のうち 9種が 10万〜 20万年前に出現したことが明らかになったことだろう。
「この結論は非常に驚くべきことであり、この問題に対し、私は可能な限り、非常に厳しく自分自身で反論を試みました」とデビッド・タラー氏は AFP に語った。
このタラー氏の自分自身の研究結果に対して反論する態度という反応は理解できる。
何しろ、この調査によれば、この地球上にいる生物種の 90%は「ほぼ同じ頃に地球に現れた」ことになるのだ。
これをどう説明すればいいのだろうか?
その 20万年前に何かそれまでの生物種をすべて消し去るようなカタストロフ的な事象が何かあったとでもいうのだろうか。
より簡単で安価なDNAバーコード解析
この答えを理解するには、 DNA バーコーディングを理解しなければならない。
動物には 2種類の DNA がある。核 DNA とミトコンドリア DNA だ。
私たちが最もよく知っている核 DNA は、ほとんどの動物で雌雄の両親によって受け継がれ、各個体の遺伝的青写真を含んでいる。
しかし、すべての動物はミトコンドリア内に DNA を持っている。ミトコンドリアは、細胞からのエネルギーを食物から細胞が使用できる形に変換する各細胞内の小さな構造体だ。
細胞の小器官ミトコンドリアは 37種の遺伝子を含み、そのうちの 1つが COI (シトクロームオキシダーゼサブユニット)遺伝子として知られており、これが DNA バーコーディングを行うために使用される。
生物の種と種の間で大きく異なる可能性のある核 DNA 遺伝子とは異なり、ミトコンドリア DNAにはすべての動物が持つ共通の DNA 配列が存在する。この共通の DNA 配列が比較のための基盤を提供するのだ。
このミトコンドリア DNA の解析は、核 DNAに比べると、その単離がより簡単で、より安価に行うことができる。
カナダの分子生物学者であるポール・エイバート(Paul Hebert)氏は、2002年頃に「 DNA バーコード」という用語を作り出し、COI 遺伝子を解析することで種を同定する方法を描いた。
今回、研究者たちは、10万種の生物において、このような DNA バーコードを解析したのだ。
その結果として、ほとんどの動物がヒトとほぼ同時期に出現したことを示す明確な証拠を発見したのだった。
そして、研究者が目にしたものは、いわゆる「中立」な遺伝子変異にばらつきがないことだ。
この「中立変異」は、世代を超えて生じる DNA の微小な変化で、生物個体の生存可能性に対しては有利にも不利にもならない。言い換えれば、進化を後押しする自然淘汰は中立変異が無関係であることを意味する。
この中立突然変異が、互いにどれほど類似してるかは樹木の年輪を見るようなもので、これにより一つの種のおおよその年齢が明らかになる。
その結果、こんにち地球上に生存しているうちの圧倒的多数の種が、ほぼ同じような時期にこの地球に出現したとなると、その理由は一体何なのだろう。
ダーウィンは困惑している
環境的な大きな外傷がこの一つの可能性であるかもしれないとロックフェラー大学人間環境プログラムの代表であるジェッセ・オースベル(Jesse Ausubel)氏は説明する。
「ウイルスの蔓延、氷河期、新しい競争相手などを含め、これらはすべて動物の人口数が急激に減少する時期をもたらす可能性があります」と氏は AFP に語った。「これらの時期に、遺伝的イノベーションが生物種を消し去り、新しい種の出現に寄与することは十分にあり得ます」
このような種の人口減をもたらす環境要因等を「ボトルネック効果」というが、これは部分的な説明にしかならないだろう。
知られているところでは、最後の地球での大量絶滅事象は、6550万年前に小惑星だと思われる巨大天体の衝突によって発生した。この時の大量絶滅では、地球上の恐竜と、すべての生物種の大半が消滅した。
今回の研究者のひとりであるタラー氏は以下のように述べた。
「最も簡単な解釈は、生命は常に進化しているということです。進化の過程の中では、いつでも、その時点で生きている動物が比較的最近出現したものであるという可能性が高いのです」
この見解では、ある種が持続するのは一定の期間でしかなく、その後、新しいものに進化しなければ絶滅するということになる。
今回の種の研究からは、予期せぬ別の発見も得られている。
それは、「生物種には非常に明確な遺伝的境界があり、2つの間に位置する中間種は何もなかった」ということだ。
タラー氏は「中間にあるべきはずの種がない」ことについては、「ダーウィンも困惑しているのではないか」と述べた。
この論文は、人類進化学の専門誌「ヒューマン・エボリューション(Journal of Human Evolution)」に掲載された。
ここまでです。
なお、この後半の部分にあります、
> 「生物種には非常に明確な遺伝的境界があり、2つの間に位置する中間種は何もなかった」
というのも印象深い発見です。
これはつまり、「少しずつ進化していると言われるような《間の生物種が存在しなかった》ことが遺伝子解析ではっきりした」からです。
もっと簡単にいえば、
「この世の生物は、遺伝子的にまったく新しい形で 10万年から20万年前の間に突然登場した」
ということになりそうです。
現行の科学では、これは解釈がしようがないことにもなり、真剣に受け止めると混乱が広がる可能性がありますので、出来得る対策としては、「無理やり全否定する」か「なかったことにする」かどちらかしかない気もしますが、「無理やり全否定する」には DNA バーコーディングを否定しなければなりません。これをするには、DNA の構造も否定しなければならなくなり、もっと進めば、「 DNA なんて存在しなかった」くらいにまで科学は突き進まなければならないのかもしれません。ダーウィンを守るために。
とはいえ、実際には、多くの人はそれほど進化論になどは興味がないような気もします。実際、私自身、今まで人に進化論の話をして、興味をもたれたことがないです。ですので、今は他の人に進化論の話をすることはありませんし、最近は記事にすることもなくなりました。
今回の記事も、書こうかどうか迷いましたが、進化論の全否定は In Deep のテーマのひとつでもあり、「誰も興味なくてもいいや」と、少しヤケクソで翻訳していました。それでも、読み直すと爽快感のある内容で、やはりご紹介できてよかったと思います。
過去記事については、いろいろとあるのですけれど、比較的最近の下の記事に書いてある心境が私の中でずっと継続している考えだという気がします。
何度も記事にしようとして挫折し続ける「暗黒物質 DNA やジャンク DNA の存在」と進化論や「生命の存在の奇跡」についての様々……。そして今回もまた
ちなみに、私が「生物の進化においての《自然選択》という乱暴な理論」を完全に否定するようになったのは、それほど昔のことではなく、数年前に、フレッド・ホイル博士の著作『生命はどこからきたか』の下のくだりを読んだ「瞬間」でした。
これは、私たちヒトを含む動物の体のタンパク質を作る「酵素」のうちの「ひとつ」がどのように作られるかについて書かれた部分です。
これだけでもう十分でした。
生き物という存在が「奇跡以外のなにものでもない」ということを初めて体感した感じで、そしてそれは数字によって知らしめられたのでした。
生物というものが、これだけ複雑で精緻だということを知っただけで、ダーウィンの理論を全否定する理由としては十分すぎるものでした。
フレッド・ホイル『生命はどこからきたか』 第14章 より
30個の不変なアミノ酸を持ち、100個の結合部分からなる短いポリペプチド鎖でさえも、20の 30乗、約 10の 39乗回にもなる試みが行われて初めて機能を持つ酵素となる。
300個の不変部分を持ち、1000個の結合部分からなる酵素の場合は、要求される試みの回数は 20の 3000乗で与えられ、それは 1の後に 0が 390個も並ぶ数である。
さらに、われわれはただ一種類の酵素だけを取り扱うのではなく、最もシンプルな有機体でさえ 2000種類、われわれのような複雑な生物では約 10万もの酵素と関係しているという点でも超天文学的な数である。
しかし、現在の科学の世界は「定説を動かさない」という力がとても強いため、今回の非常に大きな発見が、ただちに生命の進化の見直しにつながるとは考えられませんが、定説がどのようであろうと、これがまさに事実なのです。
どうして地球の動物が 20万〜10万年前に突然のようにあらわれたのか、その理由はわかりません。
しかし、わかる、わからないはどうでもよく、それよりも、科学が少しずつ事実に近づいていく様子にしみじみとした喜びを感じる部分があります。
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