がんと寄生虫の関係
がんは、特に最近は若年層のがんが著しく増加していることが報告されています。
2021年からの「若年層のガンの超過死亡の急増」が示された初めての研究論文。このようなことになった「原因」についての医学的議論が、果てして今後起きるのか起きないのか
しかし、治療法は何年もそれほど変わってはいません。
まあ、最近では「CAR-T療法」という恐ろしく薬価の高いがん治療法も出てきているようですが(薬価はおおむね 3200万〜 3500万円だそうDEATH)、もう少し現実的に何とかならないかということは、誰しも思うところではあります。
最近、
「がんは寄生虫疾患と似ているのか?」
というアメリカメディアの記事を読みました。
その記事にも出てくるのですが、これに関しては、今年、「 50年以上前に米 CIA が機密書類でがんと寄生虫の駆除薬の関係に言及していた」ということが話題になったことがあります。
確か以前書いたことがあるよなあ…と探しましたが、ブログにはなく、見れば、今年 3月のメルマガに書いていました。
2026年03月13日の「70年前のCIAによる「ガン治療」の機密文書を読み思うこと」というタイトルのメルマガです。
1951年のCIAの機密文書(2011年に機密指定解除)

cia.gov
メルマガから一部抜粋します。
2026年03月13日のメルマガより
《CIAの機密文書にあるガンに対しての見解》
その機密文書は、1950年に1950年にソ連の科学誌に掲載された文章をCIA が要約・翻訳したもので、以下のようなことが書かれています。
CIAの機密文書の概要
・寄生虫と悪性腫瘍(がん細胞)の間で、生化学的類似性(嫌気性代謝、グリコーゲン蓄積など)が見られる。
・これにより、寄生虫治療薬が腫瘍にも効果を示す可能性がある。
・その例としてミラシルDが挙げられ、ビハルツ住血吸虫症(寄生虫病)だけでなく、実験的ながんの成長に対しても有効だったとソ連の研究で報告されている。
・他にも核酸合成阻害やアテブリンなどが、寄生虫・腫瘍に選択的に作用する例として言及されている。
論文そのものはこちらにあります。
あるいは書類番号の
CIA-RDP80-00809A000600380033-3
で検索してもトップに出てきます。
これの何に興味を持ったのかというと、ここに出てくる。
・ミラシルD
・アテブリン
が、共に「寄生虫病の治療薬」だったからです。
共に今は使われていませんが、ミラシルDは 1930年代に登場した薬で、アテブリンは第2次世界大戦中に使用された合成マラリア治療薬です。CIAの機密文書の冒頭は以下のように始まります。
> 寄生虫と悪性腫瘍は、生育・生存環境が類似しているため、多くの点で互いに類似している。
> このことから、腫瘍の寄生性という概念が古くから提唱されてきた。
ここまでです。
ただ、CIA はこのソ連の研究に興味を持っていたことは事実だとしても、書類の冒頭に
「これは未評価の情報である」
とあり、CIA が正式に認めた調査結果ではないようです。
それでも、このような「可能性」は、1950年代から言われていたということにはなりそうです。
また、近年の研究でも、駆虫薬(寄生虫駆除薬)のがんに対しての試験は行われていて、かなりの数の論文が効果があることを示しています。
こちらの記事で 9つの論文の要約をご紹介しています。理論的に弱い部分もあるようですが、「可能性」というだけなら、かなりの可能性があるものだとも思います。
「がんは寄生虫疾患と似ているのか?」という記事をご紹介させていただきます。
がんは寄生虫疾患と似ているのか?
Does Cancer Resemble a Parasitic Disease?
Huseyin Vodinali 2026/09/15
COVID-19 症流行後、そして mRNA ワクチン時代において、「ターボ型」(攻撃性の高い)がんの症例が急増したことが、議論を巻き起こしている。
米国や欧州で行われているがん治療は、高額でしばしば効果のない化学療法に依存しているが、イベルメクチンやフェンベンダゾールといった安価で効果的な薬剤が進行がん患者を治癒できるという主張がますます多く見られるようになっている。
イベルメクチンは一般的に馬の駆虫薬として知られており、フェンベンダゾールは犬の駆虫薬として認識されている。
しかし、現実は少々異なる。
イベルメクチンは、ヒトと動物の両方における寄生虫感染症の治療に使用される強力な抗寄生虫薬(駆虫薬)だ。
イベルメクチンの物語は、製薬会社の研究所から始まったのではなく、日本の静岡県にあるゴルフコース近くの土壌から始まった。1970年代、土壌微生物をスクリーニングしていた日本の微生物学者、大村聡は、それまで知られていなかった細菌種、ストレプトマイセス・アベルミティリスを発見した。
この細菌が産生する化合物は、寄生虫に対して顕著な麻痺効果を示した。大村氏はサンプルをアメリカの寄生虫学者ウィリアム・C・キャンベルに送り、キャンベル氏とそのチームは化合物を改良し、まず「アベルメクチン」を開発、その後、より安全で効果的なイベルメクチンを開発した。イベルメクチンは 1970年代にメルク社から抗寄生虫薬として発売された。
その結果、医学史上最大の公衆衛生上の勝利の一つがもたらされた。
アフリカとラテンアメリカで何百万人もの失明を引き起こしていた河川盲目症(オンコセルカ症)と、重度の障害を引き起こしていた象皮病(リンパ系フィラリア症)は、ほぼ完全に抑制された。
大村とキャンベルは 2015年のノーベル生理学・医学賞を共同受賞した。イベルメクチンががんを治すという主張は、メル・ギブソンとのインタビューをきっかけに初めて世間の注目を集めた。
その後、COVID-19 のパンデミック中に、回復時間を短縮する効果があることが判明し、大きな注目を集めた。しかし、特に米国では、主流の医学界やメディアから一貫して軽視され、否定されてきた。
イベルメクチンを全身性がん治療薬として使用することを開拓したのは、カナダの核医学専門医であるウィリアム・マキス医師だった。
アルバータ州で自宅療養中の末期がん患者を治療していたマキス医師は、イベルメクチン、フェンベンダゾール、メベンダゾール(高用量のビタミンCやその他のサプリメントも併用)を用いた独自の治療法を開発したが、大手製薬会社が支配する医療システムの中でインチキ医者の烙印を押され、カナダでの開業を禁じられてしまった。
その後、マキス医師はアメリカ合衆国フロリダ州で活動を続けた。
ウィリアム・マキス博士は、自身のがん研究中に観察した現象、すなわち、様々な種類のがんがイベルメクチンに反応する可能性があるという事実を、最終的に証明できると述べている。
マキス氏の主張の根幹にあるのは、彼が特に重要だと考えるある要素、すなわち「がん幹細胞」だ。
彼によると、従来の化学療法は急速に分裂する多数のがん細胞を破壊できる一方で、増殖速度が遅いためより抵抗力を持つ可能性のあるがん幹細胞を残してしまうことがあるという。
マキス氏は、これらの生き残った細胞が病気の再発や転移につながる可能性があると主張している。
まさにこの局面において、イベルメクチンが特別な役割を果たす可能性があると彼は考えている。
マキス氏は、イベルメクチンの様々な潜在的な抗がん作用機序、特にがん幹細胞への作用を明らかにした研究結果を強調している。同氏は、イベルメクチンを従来の治療(化学療法)と併用することで、化学療法では効果的に排除できないがん細胞集団を標的にできる可能性があると考えている。
彼はまた、メベンダゾールが将来的にこの戦略において重要な役割を果たす可能性があると考えている。
これは、彼の最も重要な主張への道を開くものだ。すなわち、将来の研究で臨床的に意義のある効果が確認されれば、既存薬を転用して既存のがん治療と組み合わせることで、特定の進行がんに対するアプローチを、単なる緩和療法(症状緩和)から根治へと転換できる可能性があるという主張である。
しかし、これはまだ臨床的に確認された結果ではなく、単なる仮説に過ぎない。
これは、主流の医療機関が 30年以上にわたりイベルメクチンの人体臨床試験を許可してこなかったためである。そして、人体試験の不足が、この薬剤の使用を阻む理由として挙げられている。
営利目的の資本主義的な医療制度がこの分野の研究を阻害するなら、当然ながら人体での試験は行われないだろう。
それは完全な悪循環だ。
しかし、マキス氏は自身のブログやソーシャルメディアアカウントで、回復した患者の事例を共有している。例えば、59歳のアメリカ人男性患者がステージ4の膵臓がんを克服した事例や、73歳のトルコ人女性患者がステージ4の乳がんから回復した事例などだ。
マキス氏は、規制制度、富裕層の資金援助を受けている学術界、そして巨大製薬会社が、年間 2330億ドル(約36兆円)の規模を誇るがん産業を守るために国民に嘘をついていると主張している。
このシステムはすでに崩壊したと主張し、マキス氏は次のように述べている。
現在、イベルメクチンのがん治療への使用を調査する臨床試験(ヒトを対象としたもの)が 7件実施されている。そのうち 1件はカリフォルニア州で実施されており、6件はフロリダ州で実施されている。
これにより、イベルメクチンは今日のがん治療分野において最も注目され、活発に研究されているアプローチの一つとなり、主流の腫瘍学分野で現在進行中のどの研究よりもはるかに説得力のあるものとなっている。
また、メベンダゾール(フェンベンダゾールとほぼ同一)のがん治療への使用を調査する臨床試験も 5件実施されている。これには、ジョンズ・ホプキンス大学が実施した 2件の研究に加え、スウェーデン、エジプト、インドの国際研究機関による研究も含まれている。
がんと寄生虫の類似性の発見は、ソ連時代にまで遡る。
1946年、科学者のニーナ・クリュエワとグリゴリー・ロスキン夫妻は、トリパノソーマ・クルージ由来の血清がマウスの腫瘍を溶解することを発見した。
二人のイニシャルにちなんで、この薬剤は「KR製剤」と名付けられた。(出典:『治療法:冷戦の年代記から見る癌と政治の物語』ニコライ・クレメンツォフ著)
前臨床試験では、開発者の頭文字をとって KR と名付けられたこの物質が、ヒトにも有効である可能性が示唆された。KR をめぐるメディアの強い関心を受け、駐ソ連米国大使は、この有望な治療法の開発における米ソ協力を模索した。しかし、冷戦の激化により、米国側のこの関心は諸刃の剣へと変わってしまった。
この関心によって、クリュエワとロスキンはソ連指導部(スターリンを含む)から多大な研究支援を得ることができたが、同時に、二人は超大国間のイデオロギー対立の渦中に巻き込まれることになった。
アメリカに「国家機密」を漏洩したとして告発された二人は、見せしめ裁判にかけられ、彼らの「反愛国的な罪」はソ連の演劇や映画作品でも非難された。
新たに得た名声を利用してさらなる資金を確保したクリュエワとロスキンは研究を続けたが、嫉妬深い同僚たちが彼らの研究を貶め、所属機関を乗っ取った。KR の研究は何年も停滞し、クリュエワとロスキンの死によって完全に停止した。
CIA文書:がんは寄生虫病なのか?
1951年のCIA文書(2011年に機密解除)には、ソ連の科学者(おそらくクリュエワとロスキン)が寄生虫とガン性腫瘍の類似点を検証した科学論文の要約を保管していたことも示されている。
報告書によると、研究者らは、両方の構造は同様の代謝条件下で発達し、エネルギー貯蔵の一形態であるグリコーゲンを大量に蓄積すると推測している。
冷戦時代、CIA による外国の科学研究の定期的な監視は、標準的な諜報活動とみなされていた。
文書の冒頭には「これは未評価の情報です」という文言が明確に記載されている。この文言は、CIA が文書に含まれる調査結果を確認または承認していないことを示している。
この記事の著者は VV アルパトフ教授で、1950年にレニングラードを拠点とする雑誌『プリロダ』に論文を発表した。
アルパトフ教授は、宿主生物内に生息する内部寄生虫と悪性腫瘍は類似した代謝プロファイルを共有しており、生物学的な関連性がある可能性を示唆していると主張した。
CIAの報告書で言及された物質の一つは、1938年にドイツの化学者H・マウスによって開発されたミラシルDという薬だった。この化合物は住血吸虫症(寄生虫疾患)の治療に効果があり、ソ連の研究によると、腫瘍に対しても一定の効果を示したという。
ボストンカレッジのがん生物学者であるトーマス・セイフリード博士は、寄生虫とがん細胞は特定のエネルギー産生経路を共有しているため、抗寄生虫薬が腫瘍にも影響を与えることがあると主張している。
ロイヤル・レイモンド・ライフが1920年代に「スーパーウイルス顕微鏡」を用いた共鳴技術でがんを破壊する方法を提唱したのと同様に、利益追求型のロックフェラー系医療機関は、イベルメクチンやフェンベンダゾールといった薬剤(年間 200ドルから 2000ドルの費用がかかる)を脅威とみなし、その後、その普及を抑制したようだ。
禁輸措置に苦しみ、停電にさえ直面しているキューバが、過去 30年間でがんワクチンや治療薬を開発できたのだから、ソ連が崩壊していなければ、がんの真の治療法が発見されていたに違いないと私は確信している。
そしてもちろん、12歳にも満たないうちにこの世を去った私の愛しい息子タンは、今も生きていたはずだ。
ここまでです。
少し気になったのは、
> 停電にさえ直面しているキューバが、過去 30年間でがんワクチンや治療薬を開発できたのだから…
という部分で、「え? キューバには、がんワクチンがあるの?」と思い調べてみましたら、がんの予防ワクチンではなく「治療用のワクチン」でしたが、あることにはあるようです。
以下は、2016年3月の WIRED からの抜粋です。
「世界が欲しがる、キューバの「肺がんワクチン」
キューバは数年前に、肺がん治療に大きな効果が期待できる治療ワクチンを完成させていた。
55年間におよぶ米国主導の禁輸措置により、こうした研究がキューバ国外に出ることはほとんどなかった。しかし、それも間もなく終わりを迎えそうだ。
…キューバが、この最先端のがん免疫療法薬を手にした経緯とは、一体どのようなものだったのだろうか。
キューバといえば葉巻とラム酒、野球で有名だが、実は同国では、世界で最も進んだ独創的なバイオテクノロジーや医療の研究も行われている。キューバの平均的な労働者の月収が20ドルであることを考えると、この事実は注目に値する。
キューバ国民1人当たりの医療費は米国と比べるとごくわずかだが、キューバ人の平均寿命はアメリカ人のそれと肩を並べる。
ちなみに、キューバとアメリカの平均寿命は、
・キューバ 78.4歳(男性 75.9歳 / 女性 81.0歳)
・アメリカ 79.0歳(男性 75.8歳 / 女性 81.4歳)
と、ほとんど同じですね。
キューバは経済的にかなり厳しく、今ではエネルギー問題も抱えているのですが、医療に関しては進んでいて(人口 1000人あたりの医師の数は日本の 3倍)、医療費も格安です。
また、コロナのパンデミックの際には、キューバは「国産のコロナワクチンを開発して使用」していました(どのようなワクチンなのか詳細は不明)。少なくとも、キューバ製ワクチンは、接種直後に関しては、著しく感染を抑えることに成功しています。以下の記事にグラフ等があります。
自国製コロナワクチンを展開させたキューバとの比較で今にして思う「現在の日本や欧米で起きていることは抗体依存性増強」である可能性。だとすると、今後年数の経過と共に状況悪化は拡大する
ともあれ、がんの原因はひとつだけではないことは確かで、いろいろな原因によるものだとは思います。アメリカでは、「がん患者の20人に1人は CT スキャンによるもの」だとする論文もありました(記事)。
いろいろな原因はあるとしても、その選択肢のひとつとして寄生虫というものが入ってもいい時代のような気はします。
そうすれば、治療法の選択肢も少し広がるのではないかなと。
>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
▶ ご登録へ進む



