遺伝子組み換えか、非遺伝子組み換えであるかは関係なし
植物の種子から作られる食用油が「わりと体に良くない」というようなことはよく言われてきたことですが、最近知ったイランのテヘラン大学による研究で、
「植物油には、強い生殖毒性がある」
ことが見出されていたことを知りました。
論文は以下にあります。
植物由来の食用油の卵巣毒性
Ovarian toxicity of plant-derived edible oils
概要に以下のような部分があります。
(イランの論文より)
> 組織病理学的評価では、ヒマワリ油グループでは、卵巣のすべての部位で重度のうっ血と複数の濾胞嚢胞を示した。トウモロコシ油群の二次的な嚢胞 (※ 分泌物が袋状に貯まる病態)は、別のタイプの卵巣毒性を示した。
>
> 卵巣萎縮、うっ血、および嚢胞の徴候を伴う GM(遺伝子組み換え) および非 GM 植物由来の食用油の顕著なエストロゲン特性は、フタル酸エステルまたは他の異種エストロゲン汚染の一因となる可能性がある。
>
> したがって、サンプルの分析研究と、さらなるヒト集団研究が強く推奨される。
これが確実ならば、なるほど、主要国ではどの国でも(ワクチン以前から)出生数、出生率、あるいは「自然妊娠率そのもの」が下がり続けていましたが、主要国で使われる食用油の大半は、種子油で (しかも大半がプラスチックボトルに入っています)、油の使用量も増え続けていましたので、妊娠率の低下のひとつの理由ではあるかもしれません。
なお、世界の植物油の生産量の上位3つは以下です。
1位 パーム油 (ヤシの実の油)
2位 大豆油 (アメリカでは消費の1位)
3位 菜種油 (キャノーラ油を含む)
農林水産省によれば、日本では、キャノーラ油を含めた菜種油が消費の 6割を占めているそうです。
他に、世界で生産されている食用油には、ヒマワリ油、オリーブオイル、トウモロコシ油、ごま油、などがありますが、おおむね種子ではあります。
なお、ほぼ日本でだけ生産され、日本でのみ消費されている「コメ油」に関しては、この原料は、「米ぬか」です。
この論文を紹介していたアメリカの記事をご紹介させていただこうと思いますが、それによると、種子油は、生殖毒性だけではなく、脳の視床下部から分泌されるオキシトシン (愛情ホルモン等と呼ばれるもの)の産生に関連する遺伝子も「調節不全」を起こすことが見出されたそうです。
また、大豆にしても他の作物にしても、今は遺伝組み換えが多くなっていますので、相乗効果としての悪影響はあるかもしれません。
これらの植物油の生殖毒性との関連は不明ですが、食用油の場合、ペットボトル飲料より多くのプラスチック製品成分(フタル酸エステル)が「溶け出す」ことがわかってきています。
そのことに少しふれさせていただきます。
強い生殖毒性を持つプラスチック原料も溶けだして
そのアメリカの記事には、他の研究も多くリンクされているのですが、食用油は、「プラスチックのボトル」に入れられているものが多いですけれど、2015年のトルコの研究が載せられていまして、市販されているエキストラバージン・オリーブオイル、 オリーブオイル、キャノーラ油、ヘーゼルナッツオイル、ヒマワリ油、コーン油の、
「すべてからフタル酸エステルが検出された」
とありました。
フタル酸エステルというのは、製造時に、プラスチック製品を柔らかくするために使用される可塑剤と呼ばれるもので、食品パッケージ、おもちゃ、洗剤、潤滑油、ヘアスプレー、医療用品などあらゆるものに使われていますが、これもまた「生殖毒」と関係していることがわかっています。
(フタル酸エステル - Wikipedia より)
> 一般的に使用される為、多くの人間がフタル酸エステルに暴露されている。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、大部分の米国人の尿から幾種類ものフタル酸エステルの代謝物が検出された。
>
> げっ歯類での研究では何種類かのフタル酸エステルに対し大量に暴露されたときホルモンレベルの変化と出生異常が認められた。
>
> 内分泌攪乱物質である疑いが強く、ヨーロッパ、カナダ、米国ではDEHP, BBP, DBP,などの使用規制の動きが強まっている。
フタル酸エステルが「妊娠率を著しく下げる」ことについては、以下の記事でふれたことがあります。
・プラスチックが「100%の人々の体内に存在する」可能性が高い中、プラスチック製品に含まれるフタル酸エステルが「メスの妊娠率を著しく下げる」ことが判明。地球は全生物の不妊化へ?
In Deep 2019年2月19日
(ご紹介した記事より)
> 研究者は以下のように述べる。
>
> 「フタル酸エステル類の投与後 3ヶ月の間に、最低用量のフタル酸ビスとフタル酸ジイソノニルを処方されたメスの 3分の 1は交配後妊娠できませんでした。処方されていないメスは 95%が妊娠しました」
「最低用量」とあるのがポイントです。わずかな量でも影響するもののようです。
なお、先ほどの論文ですと、エキストラバージン・オリーブオイルが、フタル酸エステルの検出量が最も「少なく」、多かった上位は、
・ヒマワリ油
・コーン油
・キャノーラ油
・オリーブオイル (エキストラバージンではない)
でした。
ボトルのプラスチックの種類や組成はそれほど変わらないでしょうから、油の種類によって、油に溶け出す(でいいのですかね)量が違うものなのですね。
なお、中国・華南理工大学の 2020年の研究では、プラスチックから植物油に浸出するフタル酸エステルの量は、水やジュース飲料などよりはるかに多いようで、
「食用油中のフタル酸エステルは、ボトル入り飲料水の 45倍 ~ 396 倍」」
だったそうです。
初めて知りましたけれど、結構な数値ですね、これは。
私はふだんは、コメ油を使っているのですけれど、やはりそれはプラスチックボトルに入っているわけで……。
このことだけではないですけれど、今の食料流通の状況を見ていますと、特に主要国の出生率はまだまだ下がりそうです。なんでもかんでも、フタル酸エステルに食品に包まれていますから。
スーパーで全景を見ていただきますと、肉だろうと魚だろうと野菜だろうとカマボコだろうとタラコだろうと飲料水であろうと味噌であろうと、フタル酸エステルと接触していない食べ物は、ほぼ通常の流通にはありません。
なお、ご紹介させていただく記事の中に、植物油は「顕著なエストロゲン特性を示した」という表現があり、これは、エストロゲンというものの数値が異常に上昇したということを表していると思いますが、エストロゲン (卵胞ホルモン)そのものは、女性にとって重要なホルモンで、しかし過剰ですと、いろいろと問題があるようです。
(婦人科クリニックのウェブサイトより)
> エストロゲンの分泌量が多すぎる場合、子宮内膜が厚くなりすぎることで生理が重くなったり、脂肪を蓄えやすくなり肥満に繋がることもあります。その他にも、偏頭痛、無排卵、不安感、疲労感などを訴えるケースも少なくありません。
>
> また、エストロゲンの過剰分泌が長く続くと乳腺症、乳がん、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮体がん、子宮頸がんなどのリスクも高まると言われています。
>
> 一方、プロゲステロンが多すぎる場合、情緒不安定、眠気、だるさ、肩こり、腰痛、肌荒れなどが起こりやすくなるでしょう。 ena-nihonbashi.com
植物種子油の多くが、こういう問題を引き起こしやすいということと関係しているようです。
なお、フタル酸エステル類の影響は女性に特化したものではなく、男性の生殖機能も下げ、脳損傷とも関係しています。
ここから記事です。
植物油:卵巣毒性 & 驚くべきエストロゲン特性 - 懸念される新しい2023年の研究
Vegetable Oils: Ovarian Toxicity & “Remarkable Estrogenic Properties” -Scary New 2023 Study
infowars.com 2023/04/25
2020年の研究によると、大豆油(アメリカで最も一般的に消費されている油)は、マウスの遺伝子調節不全を引き起こし、神経学的問題、特に結合能力と体重増加につながった
少し前から、植物油は「消費できる中の最悪の食品の1つ」と呼ばれるようになっていた。現在、 別の新しい研究は 、大豆油によって研究室のげっ歯類に引き起こされる深刻な遺伝的調節不全を示しており、植物油に関して深刻な悪いニュースであることを示している。
この新しい研究では、研究者たちはさまざまな植物油の GM (遺伝子組み換え) および非 GM 品種を調べ、それらが「すべて」卵巣毒性と「顕著な生殖毒性」を示すことを発見した。これはどれも良いニュースではない。
植物油脂の新しい研究
イランのテヘラン医科大学から出たこの新しい研究は、ジャーナル・オブ・エンバイロメンタル・サイエンス・アンド・ポリューション・リサーチ・インターナショナルに掲載され、研究者たちはメスのウィスターラットにおける GM および非 GM 植物油の生殖毒性を評価した。
彼らは、これらの植物油の内分泌かく乱効果に関する既存の研究から、この研究を行うことに動機づけられた。
彼らは地元の市場から購入したヒマワリ油 (非 GM)、トウモロコシ油 (GM)、キャノーラ油 (GM)をラットに与えた。
これらの油は 28日間ラットに与えられ、最初と最後に血清脂質レベルと性ホルモンの測定、剖検の実施を含む一連のテストが動物に対して行われた。
その結果、ラットに与えられた油の種類と関係なく、すべてのラットが卵巣の萎縮(縮小)、うっ血、複数の卵胞嚢胞など、生殖器官に懸念すべき異常を示した。
この研究が 1か月間しか行われなかったことに注意してほしい。
さらに、研究者たちは、これらの油はすべて「顕著なエストロゲン特性」を示し、油を与えられたすべての動物で血清エストラジオール(エストロゲン)レベルが上昇したことを指摘した。
2020年の研究によると、大豆油(アメリカで最も一般的に消費されている油)は、マウスの遺伝子調節不全を引き起こし、神経学的問題と体重増加につながった。
マウスの 4つのグループに、内容の異なる同じカロリー数の食事が与えられた。
1つのグループには、リノール酸を多く含む従来の大豆油を含む食事を与えた。
2つ目のグループには、リノール酸が少ない遺伝子組み換え大豆油を含む食事を与えた。3つ目のグループには、飽和脂肪が多いココナッツオイルを含む食事を与えた。4つ目のグループには低脂肪の対照食を与えた。
研究者たちは、2つの大豆油食が視床下部の遺伝子の発現に類似しているが同一ではない調節不全の効果をもたらしたのに対し、ココナッツオイルは対照食と比較して、影響が無視できるほど軽微だったことを見出した。
大豆油食によって調節不全になった遺伝子の中には、炎症、神経内分泌、神経化学、インスリンシグナル伝達、および重要なホルモンであるオキシトシンの産生に関連する遺伝子が含まれていた。オキシトシンは、共感と社会的結合、および体重増加を含む他の重要な生物学的プロセスに関与している。
大豆油によって調節不全になった遺伝子の多くは、アルハイマー病、パーキンソン病、自閉症などの神経疾患にも関連していた。
インスリン抵抗性 (※ 膵臓からインスリンが血中に分泌されているにもかかわらず、その作用が鈍くなっている状態)については、最近 2つの記事 (こちらとこちら)で、これは、大豆油食によって増加し、従来の大豆油を摂取したマウスは、他のマウスと同じ量のカロリーを消費したにもかかわらず、最大の体重増加を経験した。
研究者たちは、これらのエストロゲン様作用はフタル酸エステルと異種エストロゲンによる油の汚染によって引き起こされた可能性があると指摘し、油自体とその人間への影響に関するさらなる研究を求めて研究を終了した。
植物油をプラスチックで保管すると、ゼノエストロゲンで汚染される可能性があることが研究ですでに示されていることは注目に値する。トルコのこの研究は、ガスクロマトグラフィー (※ 分析法の一種)を使用して分析されたさまざまな油の中で、ヒマワリ油で最高のフタル酸レベルが観察された。
ポリエチレンテレフタレート (※ 一般的なペットボトルのこと)に保存されたオイルは、全体的にフタル酸エステルが最高レベルを示した。
たとえば、プラスチックから植物油に浸出する異種エストロゲン物質の量は、水に浸出するよりもはるかに多いことが示されている。ある調査研究では、食用油中のフタル酸エステルは「ボトル入り飲料水の 45 ~ 396 倍」であると研究者たちは述べている。
2045 年までに男性の精子数の中央値がゼロになるという予測
2021年3月に、メディアポリティコは「精子の数が 2045 年にはゼロになる」とする米ニューヨーク州マウントサイナイ病院の出産ヘルスの世界的専門家であるシャナ・スワン博士の主張を掲載した。
スワン氏は、2045年までに、さまざまな原因による有害な化学物質の影響により、大多数の男性の生殖機能の大半が消失する可能性があると主張している。
入手可能なデータに基づくスワン氏の予測によると、2045年には中央値の男性の精子数がゼロに達するとしている。
つまり、男性の半分には精子がまったくなく、残りの半分にはゼロをわずかに超える量しかないということだ。精子がなければ、当然、この世には赤ちゃんがいなくなる。
1973年から 2011年の間に平均的な西洋人男性の精子数が大幅に (59%) 減少した根本原因は、プラスチック由来の、フタル酸エステルやビスフェノールA などの内分泌 (ホルモン)かく乱化学物質への曝露の増加にあるようだ。
現代の先進国ではフタル酸エステルやビスフェノールAはどこにでもある。プラスチック、電子製品、包装、殺虫剤、化粧品、個人用衛生用品、そして植物油を含む飲料水や食料供給はすべて、男性の生殖能力を妨げるような化学物質を含んでいる。
しかし、私たちは、この世に避けられないものはないと信じている。
産業用であれ天然であれ、内分泌かく乱物質への曝露を可能な限り減らし、自然なテストステロン産生を最大化する健康的で活動的なライフスタイルと食事が特に重要になっている。