今現在、長野県で「やや異常な感じもする群発地震」が発生していることをご存じでしょうか。今回は、そのことを少し書かせていただきます。
長野県で、11月23日頃から地震が発生し続けていることについては、当初はそれほど気にしていなかったのです。
というのも、長野県と岐阜県の県境にある北アルプス焼岳という山で「火山性地震が増加している」と気象庁によって発表されていたからです。
しかし、その後、地震の記録を見ていますと、
「これは火山性地震というより、いわゆる普通の群発地震では?」
と思う部分も出てきたのです。
火山性地震にしては、マグニチュードが比較的大きめなものが続きすぎていますし、震度を伴う地震も多すぎます。
下は 11月24日から 25日の長野県を震源とする震度が観測された地震の一部です。
そかなり短い間隔で震度を伴う地震が続いたのですけれど、「何回くらい発生したのだろう」と数えてみますと、11月23日から 11月26日までの 4日間で、「 43回の震度を伴う地震」が記録されていました。
以下がその期間の長野県のすべての地震です。
発生時刻は省略しています。
なお、震源はほとんどの地震が以下の位置です。
2018年11月23日から26日までの長野県での地震(震源はほぼすべて同じ)
2018年11月26日 長野県中部 M 2.3 震度 1
2018年11月26日 長野県中部 M 2.6 震度 1
2018年11月26日 長野県中部 M 2.8 震度 2
2018年11月26日 長野県中部 M 2.1 震度 12018年11月25日 長野県中部 M 2.0 震度 1
2018年11月25日 長野県中部 M 2.5 震度 1
2018年11月25日 長野県中部 M 2.4 震度 1
2018年11月25日 長野県中部 M 2.6 震度 2
2018年11月25日 長野県中部 M 3.1 震度 2
2018年11月25日 長野県中部 M 2.1 震度 1
2018年11月25日 長野県中部 M 2.6 震度 1
2018年11月25日 長野県中部 M 3.2 震度 2
2018年11月25日 長野県中部 M 1.9 震度 1
2018年11月25日 長野県中部 M 2.1 震度 1
2018年11月25日 長野県中部 M 3.0 震度 22018年11月24日 長野県中部 M 2.4 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 1.8 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.1 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.3 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 1.9 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.1 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 1.9 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.6 震度 2
2018年11月24日 長野県中部 M 1.9 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.5 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.1 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.3 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.5 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.5 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.2 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.2 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.3 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.5 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.8 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 1.9 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.3 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.1 震度 1
2018年11月24日 長野県中部 M 2.9 震度 12018年11月23日 長野県中部 M 2.0 震度 1
2018年11月23日 長野県中部 M 2.1 震度 1
2018年11月23日 長野県中部 M 2.2 震度 1
2018年11月23日 長野県中部 M 2.5 震度 1
2018年11月23日 長野県中部 M 1.9 震度 1
「日本の火山活動による火山性地震で、こんなに揺れを伴う地震って起きたことってあったっけ」と思いましたが、まあ、歴史を辿ればあるのでしょうけれど、私はどうも思い出せないです。
同時に、今年は日本のさまざまなところで「群発地震」が起きているなあということも思い出します。
4月9日には、島根県西部で以下のような群発地震が発生しました。
2018年4月9日 島根県の群発地震
4月16日には、九州沖のトカラ列島でも群発地震が起きました。
2018年4月16日 トカラ列島の群発地震
こういうようなことがあった今年ですけれど・・・。
しかし。
今回の長野県の群発地震の震源を見ていて、最も感じたことは、
「この長野県の群発地震の震源は中央構造線の上であり、フォッサマグナの境界上に位置する」
ということなのです。
ちょうど1ヶ月ほど前に「中央構造線で三連続した地震」について、以下の記事で取りあげさせていただいたことがありました。
宇宙線レベルが「観測史上最高」を記録している中で起き続ける地質的異変……。日本の中央構造線で三連続した地震、あるいは米西海岸のカスケード沈み込み帯で三連続した地震
この 10月27日、 1日のうちに、中央構造線の間上を「北上する」かのように地震が連続したのです。
冒頭に、「中央構造線とフォッサマグナ」の図を載せました。
その図に、今回の長野県の群発地震の震源と、10月27日の 3つの地震の震源を加えてみますと、以下のようになるのです。
熊本地震も中央構造線上の地震でしたが、そこから「フォッサマグナに向けて、中央構造線の上を地震が北上してきた」というような感じさえする図となるのでした。
もちろん、だから何がどうなるという話ではありません。地質事象の予測など誰にもできないです。
ただ、今年の 8月に「太陽からの磁気嵐は地球の大地に強い電気を流す」ということを初めて知ったことを以下の記事に書いたことがあります。
それで、もうすぐ、またも太陽からの嵐が来るには来るんです。
太陽活動はもうほとんどなされていませんが、以前から取りあげることがありますように、磁気を噴き出す「巨大なコロナホール」がまたも発生しているのです。
そして、これから地球に向いてきます。
11月27日の太陽
以下の記事など、最近よく書かせていただくことがありますが、かつての太陽は、こんなにコロナホールが発生することはなかったのです。
太陽に出現した2018年最大級となる巨大なコロナホールを見ながら、「太陽の異常の定着」が進行していることをつくづく感じる今
少なくとも、極地(地球でいう北極など)以外にはコロナホールというのは、発生しないものだったのに、今では「常にコロナホールがある状態」といっていいくらいで、そのたびに磁気嵐が発生し、先ほど書きましたけれど、「その度に地球の大地に電気が流れる」。
NOAA (アメリカ海洋大気庁)の予測では、11月30日頃にかけて地球は弱い地磁気に見舞われるようです。
それが地震の発生と関係あると思っているわけではないですけれど…。
ただ、私自身は、日本も含めた環太平洋火山帯を中心とした地震活動の増大はまだ続くと考えていまして、それがどういう地域でどういうようにあらわれてくるのかは予想できないにしても、「地震の時代」はまだ終わらないと思います。
そんな中で、中央構造線とかフォッサマグナというような言葉が地震と絡んでくるようになったことには何らかの感慨をおぼえます。