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12月06日にメルマガ免疫と戦争とパンデミックと5Gを発行させていただきました。

2016年からの世界 人類の未来 未来の地球

荒れ狂う極端な気温と気候の中で、迫り来る気配を感じる世界的な水不足への対処として思い出したペルーの「大気から飲料水を生成する装置」

投稿日:

米国スミソニアン・ウェブサイトより

global-water-shortageSmithsonian.com

春以降、

世界は想像を絶するすさまじい干ばつと水不足の世紀に入ったかもしれない
 2016/04/28

あと25年で「30億人分の水が足りない」状況になることを報告したウィキリークスがリリースした機密文書 : 原因は世界中で進行し続ける過度な肉食
 2016/05/09

など、世界の多くの場所で激しい干ばつが発生していて、そして、この後、「世界的な極端な水不足」が地球に訪れるのはそんなに遠いことではなく、場合によっては 10年後くらいには来るのかもしれないということなどを記させていただきました。

身近なところでは、今、関東のダムの貯水率が過去最低になっていて、いわゆる水不足の一歩手前となっています。特に、利根川水系最大の矢木沢ダムの貯水率が 10%程度まで下がっています。

これに関しては、昨日( 6月21日)、印象的な雲の動きを見ました。

この2日間、九州などで被害を出している大雨が日本を見舞っていますが、昨日、関東にも大雨警報のようなものが午前中に出たのですね。

西日本でのあのような激しい雨が関東に降れば、矢木沢ダムの貯水率も少しは回復するだろうと思っていましたが、関東で広い場所で多くの雨が降った午前 11時からの雨雲の動きは下のようなことになっていました。

2016年6月21日午前11時の雨雲の動き
yagisawa-0621関東・信越の雨雲の動き

雨雲はきっちりと、矢木沢ダムなどのある利根川系を避けるように通り過ぎていったのでした。

これは、この大気の流れのパターンが繰り返されると、「いつまで経ってもダムの周辺に雨が降らない」というようなことになってしまいそうで、少し強い雨が来るといいのですけどね。

今、世界中で、「大気の大きな流れ」が変化してきていて、日本でもそれは言えると思われます。そして、それが定着してしまうと、それまでとは違った妙な天候や気温になりやすいのかもしれません。

いずれにしても、降らなければふらないで困るわけですが、降ったら降ったで、九州のようにとんでもない量が降ったりしますし、伊豆諸島の青ヶ島という島では「 50年に1度の大雨」と気象庁が表現するような雨が降ったりしていたようです(報道)。

中国も、そろそろ雨の多い季節がやってきていまして、南部を中心にムチャクチャな雨が降り続けているようです。

2016年6月21日の中国の報道より

south-china-rainyjcf360.com

ちなみに、中国全体では、6月21日の時点で 700万人が被災、35人が死亡、24人が行方不明、避難している人の数は 38万8000人とのことです。

この中国の雨は長く続いている上に、今のところ収まっていないですので、今後さらに被害が拡大する可能性がありそうです。

少し前まで、猛暑と干ばつに苦しんでいたインドでも、北部の州を中心に、今は豪雨による洪水が相次いでいるようで、ウッタル・プラデーシュ州では、少なくとも 13人が大雨で死亡したとのことです。

ウッタル・プラデーシュ州のラックナウの様子 6月21日

uttar-pardesh-rainsIndian Express

 

これらと真逆の、雨と無縁の「灼熱地獄」に見舞われているのがアメリカです。

先日、

狂乱の6月を迎えたアメリカ : 南西部を襲っている歴史的な熱波により7000万人が影響を受ける可能性。アリゾナ州では気温が50℃まで上昇
 2016/06/20

という記事で、アメリカの西部などで、気温が異常に高い状態が続いていて、アリゾナ州のフェニックスでは 48.9℃という観測史上最高の気温を記録したことなどをご紹介しました。

その後、さらに気温は上昇を続け、6月21日、カリフォルニア州デスバレーでは、ついに気温が 53.9℃ (華氏 129度)にまで上昇したのでした。

53.9度を示すデスバレーの温度計 2016年6月21日

death-valley-129Death Valley right now

これは当然、同地のこの時期としては観測史上最高の気温ですが、しかし、何しろ「アメリカの夏はこれから」ですからねえ。

今の時期で 53.9℃などという気温を記録しているのなら、さらに 55℃、あるいは 60℃などという、基本的に誰も見たことがないような気温を示す光景も見られるのかもしれません。

そして、アメリカの天気予報を見ますと、西部だけではなく、何だかほぼ全体が熱に包まれているのです。

下は、6月21日のアメリカの各地の最高気温です。

これは華氏表示ですが、

・80 が 27℃

・90 が 32℃

・100 が 38℃

などを基準に見ていただければと思います。「 86 」を越えた地点はすべて 30℃以上、「 104 」を越えた地点はすべて 40℃以上の地点です。

2016年6月21日の全米の最高気温の予測

us-temperature-0621Lawrenceville Weather

これは天気予報の「予想数値」なのですが、実際に記録された気温は「これよりもう少し高かった」のでした。

あくまでパッと見た感じですが、アメリカ本土の 80%以上の地域が 30℃を越えていて、40℃を越えている地点もかなり多く見受けられます。

そして、すごいのは、「この先1週間、この気温予測はほとんど同じ」ということです。

いくら何でも、このまま夏まで突き進むということはないでしょうが……。

その一方で、南極では、「マイナス 80℃」という観測史上最強クラスの低い気温が記録されていたりしまして、どっちに振れても激しいこと激しいこと。

[参考記事] 南極のボストーク基地で観測史上最低気温クラスの「 – 80℃」を記録 (地球の記録 2016/06/17)

 

雨が降る降らないにしても、気温が高いにしても低いにしても極端なわけですが、日本が今後どちらに振れるかはわからないのですが、どうも、世界全体を見てみますと、「水不足」の方向にふれていく可能性が高いことは否めないと思われます。

そして、その進み方も以前の予測よりも激しい感じがします。

 

大気から水を作り出すテクノロジーを思い出してみる

冒頭のスミソニアンの記事は、その「世界的な水不足」について、冷静に、合理的に検討している記事ですが、しかし、今の気候や気温の状況を見ていると、「合理的な解釈は追いつかない」ほど変化が早くて極端です。

今は、過去には水不足というような状況があまりなかった国や地域でも、頻繁に干ばつや水不足に陥ります。

南米のベネズエラでは、ダムの建設で水の底に沈んでいた教会が、激しい干ばつの中で、「30年ぶりに姿を現した」という出来事も起きています。

ダムに沈んでいた教会(右)と、干ばつで姿を現した教会

benezuela-water-sortageGlobal News

端的にいえば、これは「ダムが干上がってしまった」ことを意味すると思います。

このベネズエラは、今、食糧暴動が起きていたり、大規模な食糧の略奪が発生している他、おそらく国家としてのデフォルトもそれほど遠くないと考えられているなど、いろいろと非常に混乱しているのですが、それらについては、ふれる機会があればふれてみたいと思います。

Customers enter a bakery in Caracus, Venezuela, on June 10, a day after it was looted.Bakeries and grocery stores are being ransacked in growing food-related violence in recent weeks.

KVCR

現在のベネズエラの姿が少し先の日本の姿ではないとは、今の日本の状況を見ていると、とても言えません。ベネズエラと似た状況にいつ陥っても、不思議ではないと考えます。

それはともかく、水に話を戻しますと、水不足とは無縁だったチリでも、ダムの貯水率が危うくなっていることが報じられていました。

 

極端な水不足になった時に、何より必要なものは「飲料水」ですが、先日、お知り合いが、「どこかの国で、大気中の水分から飲料水を抽出する装置のことを、以前記事にしていませんでしたか?」とメールを下さり、私自身も忘れていたのですが、「そういうば、あったあった」と探してみましたら、2013年3月の記事で、ペルーでの出来事でした。

ペルーの首都で「大気から飲料水を作る装置」が市民に提供される (地球の記録 2013/03/02)

これは、清潔な水へのアクセスができない人たちのためと、そして最終的には営利目的も兼ねて、リマ国立工科大学の研究者たちが、

「大気中の水分から飲料水を作る装置」

をリマ市内に設置したというものでした。

水装置から得た水を飲む子ども

utec-blog-da-engenharia
Energia Inteligente

その後、この計画が進行し続けているのかどうかはわからないのですが、もし、私たちなどがとてつもない水不足にさらされるような可能性がある時、梅雨などには比較的、大気中に水分がある日本でなら同じような装置も役に立つことがあるのではないかと思いまして、その時の記事を再掲したいと思います。

「大気中の水分から飲料水を抽出する」という発想は、その時はじめて知りました。

通常ではそのようなことを行う必要はないわけですが、これからの時代、何がどうなるかよくわからないですので、どなたかこういうものの開発とかしてくれたらなあと。

では、ここからペルーのその記事です。

どの記事にも、この装置の仕組みなどにはふれていないですので、どういうメカニズムの装置なのかはわかりません。


Outdoor gera água potável no Peru usando ar

ペルーで大気中の水分を使って飲料水を生成する試み

ペルーの首都リマでは現在も、特に貧困層の人々にとって、清潔な水を得ることには難しさが伴う。

多くの住民たちが、衛生的ではない井戸水を飲用としていることによって危険にさらされている。

リマは砂漠に接しているためにほとんど雨が降らないが、大気中の湿度が 98パーセントに達するという特徴を持っている。

この環境を利用して、リマ国立工科大学( UTEC )では、営利目的と共に、リマでの住民と学生たちとのコミュニティを親密化するという、ふたつの目的を達成するために、大気中から飲料水を作り出すというキャンペーンをおこなっている。

湿度から飲料水を作り出す装置は屋外に設置され、5つの浄化された水の貯蔵タンクを備えている。

キャンペーンの看板には、毎日、9450リットルの水を生成できるとあり、これにより、何百もの世帯が衛生的な飲料水を使えるという。この水は、装置の蛇口から出た水をそのまま飲むことができる。

UTEC3▲ 給水装置に並ぶ人たち。

 

リマ国立工科大学のウェブサイトによれば、利益と学生たちの技術の進歩のために、研究者たちは、ペルーの自然の環境を利用しての「持続可能な自然エネルギーの活用」を目指している。





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