陰謀論の前に思い出したい組み換えコロナの長い歴史
ここのところ、「世界経済フォーラムが、新型コロナウイルスは社会的責任のテストだったとついに認める」というような話が、海外のサイトなどからの引用で語られることがあります。
一見わかりいい見解なのですが、これについては、最近の「このジェノサイドの責任はどこに、そして誰にあるか」という記事でも少しふれていますけれど、世界経済フォーラムの該当ページの日付けは、2022年9月14日であり、2年前ですので「ついに」という表現は当てはまりません。
また、ページでは以下のようにふれているだけであり、単なる「後追いの事実」の話でもあります。
1. COVID-19は社会的責任の試練だった – 世界中の何十億もの人々が、想像を絶するほどの膨大な数の公衆衛生上の制限を課された。社会的距離の確保、マスクの着用、集団ワクチン接種、公衆衛生のための接触追跡アプリケーションの受け入れなど、個人の社会的責任の核心を示す例が世界的に数多くあった。
実際に起こったことを書いてあるだけですが、最近流布している話の雰囲気ですと、まるで「世界経済フォーラムが新型コロナをそのために世に放った」という感じを受けないでもないものとなっています。
まず、強調したいことは、世界経済フォーラムにはそんな権力も能力もないということです(特に知能がない)。
新型コロナウイルスがこの世に出てくるまでの歴史は大変に長く、たとえば、ファイザー社が、組み換えコロナウイルスの「生産方法の特許」を取得したのは、 22年前の 2002年です。
組換えコロナウイルスの生産方法(特許番号 US7279327B2)
Methods for Producing Recombinant Coronavirus
さらにいえば、今から 30年以上前には、「コロナウイルスのスパイクタンパク質遺伝子治療に関する特許」を取得しています(2010年4月に失効)。
犬コロナウイルスS遺伝子とその用途
Canine coronavirus S gene and uses therefor
アメリカでは、自然の病原体やウイルスの「特許」をとることはできませんので、最初から「人工」だとしての特許取得となっています。
とにかく歴史が長いのです。
ちなみに、スパイクタンパク質の「強度」を現行のコロナワクチン同様の「非常に強い構造」にする特許(破壊されたコラーゲンを修復するプロリンというアミノ酸の数を二倍にして強度を高める)は、2016年に取得されています。
融合前コロナウイルススパイクタンパク質とその使用 (特許番号 WO2018081318A1)
Prefusion coronavirus spike proteins and their use
これらについては、3年前の以下の記事の後半でふれています。
(記事)…そして、1990年のファイザー社の特許「コロナウイルス遺伝子組み換えスパイクタンパク質の発明」から30年間の努力の歴史
In Deep 2021年7月15日
その後、2020年のパンデミック発生にいたるまでのタイムラインについては以下の 2020年5月の記事…パンデミックが始まってすぐの頃ですが、この記事の後半にまとめています。
(記事)21世紀という時代は「ウイルスの機能獲得学」を巡ってウイルス学者たちとゲイツ財団が共に進んだ人類統制のためのパンデミックへの道だった(かもしれない)
In Deep 2020年5月24日
この西暦 2000年からのタイムラインは、アメリカを中心としたものとなっているのですが、「世界経済フォーラムの姿は途中まったく登場しない」のです。
初めて出てくるのが、2019年です。
2019年10月18日: ビル&メリンダ・ゲイツ財団、世界経済フォーラム、ジョンスホプキンス・センターが、イベント201 と呼ばれる招待制の「卓上演習」を召集し、架空の世界的なコロナウイルスのパンデミックへの対応を計画した。
仮に、新型コロナの流行に計画性があったとしても、なかったとしても、この時期は、「中国で新型コロナが発見される直前の話」です(計画的な演習なら、もう少し前に行う)。世界経済フォーラムは「なんとなく、この場に招待された」感じが強いです。
この時期には、すでにいくつかの国でのウイルスの流行は起きていたときだと考えられる時期です。。
なお、新型コロナの流行が、
・過失によるウイルスの漏洩だったのか
・意図的に放たれたのか
は今でもわからないままです。
しかし、新型コロナが人工であることは、この 2020年の時点でグリグリのガチであり、それ以外の判断はできない状況でした。
仮に、「過失による漏洩」だとした場合、当時の追跡では、以下のほぼふたつの病原体の研究所に絞られていました。
・武漢ウイルス研究所 (中国)
・フォートデトリック研究施設(米国)
最近、英国議会系の医学者だと思われるマット・リドリーという方が「新型コロナウイルスが研究所から漏れたことに疑いの余地はほとんどない」というタイトルの非常に長い論文を提示していました。
この方は、中国の武漢からウイルスが流出したとする、これまでのすべての証拠を挙げて述べていました。武漢で行われた機能獲得実験を含むものですが、まあ、今となっては、それが重要とも思えないですが、
「結局、出所はいろいろと不明なまま現在にいたっている」
という事実だけが残っています。
その後のオミクロンなどに見られる、どう考えても自然変異とは思えない変異種が次々と出てくることについても「いろいろと不明なまま現在にいたっている」状態です。
そして、この問題を複雑にしているのは、「少なくとも国家として新型コロナで得をした大国がない」ということです。
得をした国がひとつもない
以前は、新型コロナが生物兵器だというように言われていたこともありましたが、仮に中国がそれを仕掛けたとします。
しかし現実には、コロナ後の中国は、「世界で最も損害を負った国」となっています。中国は独自の国産コロナワクチン(非 mRNA)を国民の大多数に打ちましたが、その後の、中国での繰り返されるコロナの流行や、国民全般の健康問題の悪化は、実態はわかりにくいとはいえ、他のどの国よりもひどく、そして、
「とんでもない出生率の低下」
に直面し、そして、中国の経済は(やはり実態はわかりにくいとしても)かつてないほどボロボロになっています。
これが中国が仕掛けた生物戦の結果だとすると、訳がわからない。
アメリカが主体だとしても、やはり訳がわからない。パンデミックは途方もない国家債務を積み上げただけです。アメリカの国家債務は 5000兆円をはるかに上回っています。
・米国の7ヵ月間の国家債務の利払い額が80兆円を超え、国防費とメディケアを合わせた金額を超える
BDW 2024年5月28日
誰得? という言葉があったような気がしますが、世界で誰も得をしていない以上、これはもはや国家同士の戦争とは無縁の話です。こうなると、生物兵器の話も無縁となります。誰も得をしない兵器はあり得ない。
「国家を上回る何らかの陰謀」という概念があるならば、それが当てはまるのかもしれないですが、しかし具体的にはそれは? というと、わかりようもありません。
元凶は
なお、パンデミックが世界中(アフリカなど一部を除いて)であのような画一的な展開となったのは、
「医療当局者たちの存在」
にあります。
現在の医療は、そのひとつひとつが教義としてほぼ宗教化されており(感染症対策もです)、それだけに、2020年からの日本や世界のように容易に「医療戒厳令」に持ち込むことができる。医学教の教義が全面に出されると、人々も反抗しづらくなる。
(記事)医師から一般の人々まですべてを貫く「医療の宗教化」は、医療教育でのマインドコントロールから始まる。そしてその歴史
In Deep 2022年11月15日
そして、誰よりも医師や医学者が最もこの医学教という宗教を真剣に信奉しています。それはワクチン接種率を見てもわかります。
大阪府の65歳以下の医療従事者のワクチン接種率の推移
donkey1399
カルトのグリグリの信徒が 90%以上いるのが医師の集団です。
この「医学という宗教に洗脳されやすい集団」については、「アカデミズムに駆逐される人類社会」という記事に書いたことがあります。
2020年春のパンデミックの始まりを思い出してもおわかりではないでしょうか。
まず医師や医学者たちがザワザワと騒ぎ出す。それをメディアが一日中放映し続ける。
物事のスタートはこれだけで十分でした。
少なくとも最初の元凶は、政府でも世界経済フォーラムでもなく、「医学教の信徒たち」だったことがわかります。
仮に新型コロナが意図的に流布されたとしても、あるいは、あくまで過失による漏洩だったとしても、どちらでもパンデミックの過程の結果は同じだったと予想されます。
確かにこの世には陰謀もあれば、果てしない裏もあるのかもしれないですが、さまざまな事象を短絡的にある方向に結びつけていては、むしろ、そういう陰謀的な存在が喜ぶだけのような気もします。
それはともかくとしても、「新型コロナの出所はどこだったんだろう」ということについては、純粋な興味としては今もあります。
ちょっと探してみますと、2020年4月、つまりパンデミック宣言が行われた、わりと直後のメルマガ(2020年4月3日号)で、その当時のスリランカのメディアの記事を取り上げていました。
パンデミック宣言直後としては、かなり鋭い内容でしたので、ご紹介したのですが、そこから抜粋して締めさせていただきたいと思います。このメディアはアメリカを疑っていました。
ここからです。
新型コロナウイルスの発生責任は誰にあるのか
CORONAVIRUS outbreak – Who is responsible?
lankaweb.com 2020/03/30
現在、新型コロナウイルスの流行が世界的な問題となっているが、感染拡大と同様に重要なことは、このウイルスが自然に発生したのか、人為的なのかという点だ。
私たちが知るべき三つの質問は以下のようなものだろう。
1. このウイルスは自然に発生したのか
2. このウイルスの感染拡大は偶然に広がったのか?
3. このウイルスは世界的に広がるために作成されたのだろうか? もしそうなら、誰によって? そしてなぜ?
自然に発生したのか
奇妙な肺炎が 2019年11月に中国で表面化し始めたとき、中国当局は、湖北省武漢の市民に影響を及ぼしている奇妙なインフルエンザを WHO に警告していた。このウイルスは、WHO により COVID-19 と名づけられ、その後、パンデミックが宣言された。
当初、西側の国際メディアは、このウイルスは武漢の海鮮市場に由来すると主張し、市場で取り引きされていた動物や鳥が原因であるとされた。
しかし、3月18日、中国側の衛生部はこの考えを真っ向から否定した。
このウイルスは武漢から流行が始まったが、武漢はウイルスの発生源ではないとし、中国側は、アメリカで生物兵器の研究を行う米フォートデトリック研究施設からのウイルス漏出が Covid-19 の発生源であった可能性があると主張した。
3月21日の中国国営「人民日報」には、以下のような記事が掲載された。
・COVID-19の発生の起源の疑問が高まるにつれ、中国はアメリカ政府に米軍フォートデトリック実験室の閉鎖の理由を明確にするように要請する
フォートデトリック研究施設は、 900人の職員を擁する米軍生物兵器研究所があった場所だ。
この米軍研究所は、2019年8月に突然閉鎖された。この際、米 CDC さえも、「国家安全上の理由」により、閉鎖の詳細について調査することを拒否されている。
なお、研究所の閉鎖の後から、例年より異常に早い時期に、アメリカで過去にないほどの大規模なインフルエンザの発生が始まった。
このアメリカの季節性インフルエンザは、最終的に、少なくとも 3200万人が発症し、1万8000人が死亡した。このことと、フォートデトリック研究施設の閉鎖に対して、時期的な疑問を向ける動きもあった。
また、2019年10月に武漢で行われた、「世界軍人運動会」(4年に1度行われる世界の軍人によるオリンピック)との関わりを指摘する向きもある。
アメリカの軍事系メディアは、武漢での世界軍人運動会に 300名のアメリカ兵が参加したことにふれている。
・中国武漢からの避難者300人以上がトラヴィス空軍基地、ミラマー海兵隊航空基地に到着予定
武漢で開催された世界軍人運動会に参加した 300人のアメリカ軍人は、2020年2月5日にアメリカに戻った後、カリフォルニア州ミラマーで 2週間隔離された。
3月12日、米国海兵隊が新型コロナウイルスに陽性と判定された。報告された 280件には、軍人、その家族、軍の請負業者が含まれている。
世界軍人運動会に参加して、2月5日に武漢から避難した 5人の軍人選手は、最終的に Covid-19 で入院した。当時の報道によれば、当初彼らの入院の理由は、Covid-19ではなくマラリアとされていた。
興味深いのは、2019年11月に武漢の地元住民が Covid-19 の症状を示し始めた時期が、世界軍人運動会後のポスト・インキュベーションの期間と一致していることだ。
その後、米経済誌フォーブスに掲載された中国グローバルタイムズの記事は、武漢の軍人運動会に参加した米軍の自転車選手が、 Covid-19 を武漢に導いた責任があると主張している。
このグローバルタイムズの主張は、新型コロナウイルスが米軍の研究所で製造され、 52歳の自転車選手によって武漢に持ち込まれたと述べているアメリカの調査ジャーナリスト、ジョージ・ウェッブ氏の説に基づいている。
グローバルタイムズはその後、アメリカ政府に対し、「10月の世界軍人運動会のために武漢に来た米軍代表団の、その後の健康と感染に関する情報を公開するように」求めた。
Covid-19 には 5つの株があることが知られるが、ウイルスの影響が最も大きい国である中国、イタリア、韓国、イラン、スペイン、英国、フランス、スイス、アメリカ等の中で、中国と英国は、5つの株のうち 2つが見出されるが、アメリカだけが 5つの株すべての存在を示している。これはなぜだろうか。
ここで、アメリカのフォートデトリック研究施設に戻る。
フォートデトリック研究施設は、病原体の保管が法に反するとして 2009年にも閉鎖されたことがある。この研究施設は、エボラ出血熱、天然痘、炭疽菌を扱っていた。
2001年のアメリカ炭疽菌事件では、事件の容疑者として、フォートデトリック研究施設の上級研究員であった科学者ブルース・イビンズが起訴されているが、2008年にイビンズはアセトアミノフェンの大量服用により自殺した。
世界で最も裕福な人物であるジェフ・ベゾスは、今年2月、アマゾンが保有していたアマゾンの株式の 12%である 34億ドル(3600億円)を売却した。
また、アメリカの多くの富裕層たちが、この時期に数十億ドル相当の株式を売却し、また、2019年には 1480人のアメリカ企業の CEO が辞任している。
この期間、アメリカで 92億ドル(約1兆円)の株式が、CEOたちによって売却された。過去にこんなことは一度もなかった。何が起きたのだろうか。
次に、ビル・ゲイツ氏のような慈善家がいる。
ゲイツ氏はコロナのテストを主張している。それを引き受けるのは WHO だが、資金を提供しているのはゲイツ財団だ。
2019年10月にジョンス・ホプキンスセンターで、模擬パンデミックを実施したのと同じ団体だが、ゲイツ財団はワクチンが必要だとしているが、中国の医療団はビタミンCの単純な使用によってウイルスを克服している。ワクチンは必要がない可能性がある。
しかし、SARS が2003年に発生し、8000人以上が発症し、774人が死亡した後、SARS ワクチンの特許は米国が保有した。
Covid-19 が自然ウイルスか人工ウイルスか、そして、仮に人工だとすれば、どのような目的でそれが広まったのか、あるいは、このような結果は計画されたものだったのかどうか。
その議論は続いている。
私たちが知っているのは、現在、事実上すべてが崩壊したということであり、世界中で大混乱が引き起こされたということだ。誰がやったかについては、読まれた方々が、それぞれでお考えいただきたい。
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