無期限停戦という名の絶望感
イランとアメリカの停戦協議は決裂というか、イラン側代表団が会場となっていたパキクスタンに誰も赴かなかっために、協議は中止となりました。
その後、アメリカはイランを攻撃するものと考えていたのですが、トランプ氏は「無期限停戦」を主張したりしています。まあ、普通に考えれば(事実上敗北した)アメリカ側に無期限停戦を述べる権利はないのですが、そういうことにはなっています。
いずれにしても、ホルムズ海峡は閉鎖されたままです。
戦争そのものの状況ではなく、日本を含む世界の日常生活の状況は日々悪化していくばかりであることがある程度確定しました。
それはそれとして、今日、おもしろい X の投稿を見ました。
ヒュブリス症候群
事実の投稿ではなく、フェイクというよりは、むしろジョーク的な投稿だと思われますが、以下のような投稿です。
Gerhardt vd Merwe 氏の投稿より
・イランの内部情報が漏洩:
革命防衛隊の情報筋が衝撃の暴露 - イランの科学者と医師がトランプの過去6ヶ月を研究した。
・診断:
重度のヒュブリス症候群。
「彼はもう手遅れで、怒りが頂点に達したら核兵器を使うだろう。この制御不能な指導者からアメリカと世界は今、死の危険にさらされている」
「ヒュブリス症候群?」と思い調べてみますと、ヒュブリス症候群は、日本語では「傲慢症候群」とも呼ばれるものだそうで、
> 権力を持った人が過度の自信や傲慢さ、自己愛に陥り、現実感覚を失う「獲得性のパーソナリティ障害」
だそう。基本的には、「現実感覚の低下と他者への軽蔑」が中心にあるもので、科学誌サイコロジー・トゥディ誌は、「ヒュブリス症候群の7つの兆候」として、以下のように書いていました。
ヒュブリス症候群の7つの特徴
1. 対象者は、少なくとも 3ヶ月間持続する変化を示す必要がある。
2. この症候群は成人になってから発症したものでなければならない。
3. こうした変化は、個人が圧倒的な成功や大きな権力を経験した後になって初めて起こる。
4. 反社会性(他者への配慮の欠如)と抑制の欠如(衝動性)は、時間の経過とともに増大していくという強い傾向がある。
5. その人物は、権利意識、自己中心性、他者への見下しといった形で極端な誇大性を示す。
6. 抑制が効かなくなった状態は、極度の無責任さや合理的な計画を立てる能力の欠如として強く現れる。
7. 脳損傷や身体疾患など、これらの特徴の出現を説明できるような他の健康状態は存在しないことが前提。
他にも、
・他者の意見の無視
・過剰な自信
・現実からの乖離
・自己を神格化するような発言
・第三者視点での自称
などの特徴があるようです。
「まさに現アメリカ大統領はこれだなあ」と思わざるを得ない部分がありますが、最近このような傾向が以前より強くなっている出来事が、ウォールストリート・ジャーナル紙によって報じられています。
以下は、そのウォールストリート・ジャーナルの内容を紹介していた記事からの抜粋です。
「完全に理性を失った」:トランプ大統領は感情的な崩壊の後、ホワイトハウスでの自身の会議から退席させられた
ウォール・ストリート・ジャーナル紙の衝撃的な新しい報道は、ドナルド・トランプ大統領の 2期目における国家安全保障上の最も重要な局面の一つで、彼が非常に憂慮すべき行動をとったことを明らかにした。
政権高官によると、イラン戦争に関連した軍事救出作戦の最中、トランプ大統領は完全に理性を失ったという。彼の側近たちは、異例の決断を下し、彼を物理的に部屋から連れ出し、ドアを閉めた。
危機は聖金曜日 (4月3日)に始まった。
イラン上空で米軍のF-15Eストライクイーグル戦闘機が撃墜され、米兵 2人が敵陣後方で行方不明になったのだ。トランプ大統領はこの知らせを受けると、何時間も側近たちに怒鳴り散らした。関係者によると、ホワイトハウス西棟内部は冷静なリーダーシップとは程遠く、完全に統制を失った大統領の姿だったという。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「側近たちは大統領を部屋から退室させ、刻々と変化する状況について報告した。大統領の焦りは事態を悪化させると考えたからだ」と報じた。
その後数時間、トランプ氏はホワイトハウス西棟で「錯乱状態」だったと伝えられている。彼は、紛争への支援が不十分な欧州の同盟国を激しく非難した。また、ガソリン価格の高騰についても激しく不満を述べた。
トランプ氏のテレビでの強気な発言と、今回報道されたような彼の精神的な崩壊との間の乖離は、単に憂慮すべきというだけではない。
それは、国を率い、戦争を指揮している人物が、深刻な個人的不安定さを抱えていることを示す、これまでで最も明確な兆候だ。
何時間も側近たちに怒鳴り散らした挙げ句、側近たちに部屋から連れ出され、その後ずっと錯乱状態だった、というのは、もうキッチン・ガイガーカウンターそのものですが、これもまた、先ほどのサイコロジー・トゥデイの「7つの兆候」の中にあるヒュブリス症候群の、
「他者への配慮の欠如と抑制の欠如は、時間の経過とともに増大していくという強い傾向がある」
というものに該当していそうで、権力の座についてからの時間の経過と共に、以前よりも手に負えなくなっている可能性が高いです。
ちなみに、ジョージ・オーウェルの 1949年のディストピアSF小説『1984年』には、すでに、このヒュブリス症候群を正確に描写している部分があるそうで、
> 常に権力者の陶酔があり、それは絶えず少しずつ増大し、成長していく
という記述があるのだそうです。
このヒュブリス(傲慢)症候群は、多くの場合で、「権力にいる時間が長引けば長引くほど、症状は増大していく」もののようです。
しかし、一方で、「ヒュブリス症候群が治るケース」にもふれられていて、こう書かれています。
「権力を持つことで現れるため、失脚すると治るケースが多い」
これがこの障害を手早く治す唯一の方法なのかもしれません。
今後もトランプ氏が「思っている通りにはいろいろといかない」ことが続く可能性が高く、そのたびに錯乱されては、周囲も困りますし、何より米軍の最高司令官で、核のボタンを押す権利も持っている。
事態はさらに暴力的になるのか、どうなのか
もちろん、イランのほうも、特に経済的に厳しい局面にあり、そして、アメリカの海峡封鎖により石油を輸出できなくなっています。
JPモルガンのアナリストは以下のように述べています。
(封鎖による石油輸出停止の)経済への打撃は些細なものではなく、まさに外科手術のようなものだ。日量約 200万バレルの輸出が途絶えれば、単に収入が減るだけでなく、イラン経済の中核を直撃することになる。
市場データと政策データに基づく推計では、こうした混乱は現在の価格状況下で 1日あたり約 1億5000万ドル (約 240億円)の損失に相当し、取引が進むにつれて着実に損失が拡大していくことになる。
イランにとって石油と天然ガスは単なる輸出品ではなく、 輸出そのものを担う存在だ 。マクロデータによると、炭化水素は輸出総収入の約 80%以上を占めており、そのためイランは物理的な流通の途絶に対して極めて脆弱な立場にある。
fxstreet.com 2026/04/22
イランにも余裕はまったくなくなってきていて、イラン、アメリカのどちらも漫然と時間の経過に任せるわけにはいかなくなっています。
今日(4月22日)、イラン革命防衛隊が、ホルムズ海峡付近で「コンテナ船を砲撃して、甚大な被害を負わせた」ことが報じられています。
・ホルムズ海峡付近でイラン革命防衛隊の武装艇がコンテナ船を砲撃
NOFIA 2026年4月22日
こういう暴力的なことも、双方で増えるのかもしれません。
それが成功するかどうかはともかく、「アメリカが暴力的にイランの海峡封鎖を停止させる」可能性だってあり得ます。
そして、時間の経過と共に、トランプ氏のヒュブリス症候群の症状は、さらに増大していく。
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