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2024年からの世界 アメリカの憂鬱 人類の未来 悪魔の輪郭 軍事的カオス

ユダヤ暦の大晦日にイランがイスラエルに対して前例のないミサイル攻撃を開始し、戦争のエスカレーションがさらに激化

投稿日:

イスラエルのミサイル防衛システム「アイアンドーム」がイランのロケットを迎撃する様子

middleeasteye.net




 

報復の超エスカレーション

今日、朝起きましたら、10月1日にイランがイスラエルに対して数十発(イスラエルの報道では 181発米国防総省の発表は約 200発)のミサイル攻撃を実行したと報じられていました。

先日、以下のような記事で戦争のエスカレーションが進行中である可能性を書きましたが、それがさらに極度に深まったことになりそうです。

(記事)ヒズボラ指導者がイスラエルの空爆で死亡した可能性がある超エスカレーションの中で思い出す、詩人イェイツが告げられた「獣が登場する地球の未来」
In Deep 2024年9月28日

今回のイランの攻撃は、ガザ戦争が始まって以来のすべての陣営のイスラエルへの攻撃の中で最大のものとなります。

なお、この攻撃によるミサイル攻撃は「 90%が標的に命中した」とイランの革命防衛隊は声明を出していますが、これが本当かどうかはちょっとわかりません。冒頭の写真のように、イスラエルのアイアンドームに迎撃されている様子も映っているからです。その「 90%が標的に命中した」と報じていたイランの報道はこちらで翻訳しています。

 

ちなみに、このイランの攻撃は、「イスラエルでの大晦日の祝日の前日」に行われました。

タイトルのほうには、大晦日と書きましたけれど、厳密には 2024年のユダヤ暦での大晦日は 10月2日で、つまり今日です。

・10月2日 ユダヤの新年前夜
・10月3〜4日 ユダヤ新年

次の節目は、ユダヤの大きな祝日である 10月11日からの「贖罪の日(ヨム・キプール)」となりますでしょうか。

その後、イスラエルのやはり重要な祝日である仮庵(かりいお)祭が 10月17日から始まります。

この 10月はイスラエルの大きな祝日が多い月となりますが、それらの祝日は戦争の中で過ぎ越されていくようです

ともかく、まずは、今回の攻撃についての報道をご紹介します。アルジャジーラの報道です。

ちなみに、この報道に出てくる国名は、イランとイスラエルに加えて、イラク、ヨルダン、レバノン、そしてアメリカとなっているという混沌とした状況となっています。




 


イランは暗殺への報復としてイスラエルにミサイルを発射したと発表

Iran says missiles fired at Israel in response to assassinations
aljazeera.com 2024/10/02

イランの革命防衛隊は、ヒズボラ、ハマス、革命防衛隊関係者の殺害に対する報復として数十発のミサイルを発射したと発表した。

イランは、ヒズボラ、ハマス、イランの高官らの暗殺への報復としてイスラエルにミサイルの集中砲火を放ったと発表し、イスラエル国民は防空壕に避難し、この地域で全面戦争が起こるのではないかとの懸念が高まっている

10月1日遅くの攻撃中、イスラエル全土で警報が鳴り響き、エルサレムとテルアビブでは爆発音が聞こえた。

イスラエル軍報道官ダニエル・ハガリ氏は、死者や重傷者の報告はなく、軍は「我が国の空域にこれ以上の脅威」を感じていないと述べた。同氏はビデオメッセージで、イスラエルの人々は防空壕や避難所から安全に帰宅できると述べた。

イスラエルの緊急当局は、テルアビブ地域で少なくとも 2人が爆弾の破片により軽傷を負ったと発表した。

パレスチナ通信社ワファは民間防衛を引用し、被占領地ヨルダン川西岸東部のエリコで 38歳のパレスチナ人男性が爆弾の破片による傷で死亡したと伝えた。

イランのファルス通信によると、イランの革命防衛隊(IRGC)は、イスラエルへのミサイル攻撃は先週のヒズボラ指導者ハッサン・ナスララ師とイラン革命防衛隊司令官アッバス・ニルフォルーシャン師の殺害、また今年初めのハマス指導者イスマイル・ハニヤ氏の殺害に対する報復であると述べた。

「イスマイル・ハニヤ師、ハッサン・ナスララ師、ニルフォルーシャン師の殉教を受けて、我々は占領地の中心部を標的にした」と革命防衛隊は声明で述べた。

ミサイル攻撃はテルアビブ地域の「3つの軍事基地」を標的としたものだと述べた。

これに先立ち、革命防衛隊はイスラエルに向けて数十発のミサイルを発射したと述べ、イスラエルが報復した場合、テヘランの対応は「より壊滅的で破滅的なもの」になるだろうと述べた

イラン国営テレビは、イスラエルに向けて発射されたミサイルの 80%が目標に命中したと報じた。

一方、イスラエル軍は「多数」のミサイルが迎撃されたと発表した。

イスラエル軍報道官ハガリ氏は記者団に対し、今回の攻撃は深刻であり、「適時に」結果が出るだろうと述べた。

イランの高官はロイター通信に対し、イスラエルへのミサイル発射命令はイランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が出したものだと語った。ハメネイ師は安全な場所に留まっていると高官は付け加えた。

 

「絶対に停戦が必要だ」

米国は、イランのミサイル攻撃からイスラエルを守るのに協力した後、米国の軍隊がイスラエルに「追加防衛支援」を提供する準備ができていると述べた。

米国の国防当局者は匿名を条件に、「イランがイスラエルを標的として発射したミサイルを防衛した後、わが軍は引き続き追加的な防衛支援を提供し、地域で活動する米軍を保護する態勢を整えている」と述べた。

アントニー・ブリンケン米国務長官は、この攻撃は「全く受け入れられない」ものであり、全世界が非難すべきだと述べた。

「初期の報告では、イスラエルは米国と他のパートナーの積極的な支援を得て、この攻撃を効果的に撃退したと示唆されている」とブリンケン氏は記者団に語った。

一方、イランの支援を受けるイラク武装勢力は、米国がイスラエルに対するイランの攻撃に何らかの対応をとったり、イスラエルがイランに対してイラクの領空を使用したりすれば、イラクとその地域の米軍基地が標的になるだろうと述べた。

今回のミサイル発射は、昨年 10月にガザで戦闘が勃発して以来、地域紛争の最大規模の激化となった。

レバノンの首都ベイルートからリポートするアルジャジーラのドルサ・ジャバリ記者は、ベイルートではイランのミサイル攻撃を祝っている人々もいると伝えた

「イランがイスラエルに対して前例のない攻撃を開始してから数分後から、首都全域で祝砲と花火が絶え間なく打ち上げられ、20分以上にわたってその知らせを聞いている」とジャバリ氏は述べた。

近隣のヨルダンでは、民間航空当局が攻撃を受けて航空交通が一時的に停止されたと発表した。

同国の公安局は、防空部隊がミサイルとドローンを迎撃したと発表した。

「ヨルダン空軍と防空システムは、ヨルダン領空に侵入した多数のミサイルとドローンに対応した」と声明は述べた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は「中東における紛争の拡大」を非難した。

グテーレス事務総長は声明で、同地域での「次から次へと続く緊張の高まり」を非難し、「このような事態は止めなければならない。絶対に停戦が必要だ」と述べた。


 

ここまでです。

しかしまあ…イスラエルのネタニヤフ首相は、以下のような発言をしていまして、むしろ勢いづいている感じです。

イランの攻撃後のタイムズ・オブ・イスラエルの報道より抜粋

攻撃の直後、エルサレム近郊の厳重な地下壕で開かれた安全保障閣僚会議で、ネタニヤフ首相は、イランは「今夜大きな過ちを犯した」と警告し、「その代償を払うことになる」と誓った

同氏はイスラエルへの攻撃は「失敗」し、「世界で最も先進的なイスラエルの防空システムのおかげで阻止された」と述べた。

また、首相は米国の支援にも感謝した

…首相は「世界の光の勢力たち」に、イランに対抗して団結するよう呼びかけ、「イスラエルを支持する」よう促した。

「圧制と自由、祝福と呪いの間の選択がこれほど明確になったことはかつてなかった」と彼は語った。

「イスラエルは前進しており、悪の枢軸は後退している」とネタニヤフ首相は主張した。「我々はこの傾向を継続し、戦争の目的をすべて達成し、何よりも人質全員の帰還を実現し、我々の存在と未来を確保するために必要なことはすべて行うつもりだ」

timesofisrael.com

それとは別に、イスラエルでは、この日いろいろ他の出来事も起きていたようで、イランの攻撃のあった 10月1日に、テルアビブで「テロ」があり、7人が殺害されたと報じられていました。

 

 

イランの攻撃と同じ日に近年のイスラエルで最悪のテロも発生

事件を起こしたのは、1人がライフルで武装し、もう 1人がナイフで武装した二人組のテロリストで、7名のイスラエル市民が死亡したというのは、イスラエル国内での近年最悪のテロと報じられています。

以下は報道です。

テルアビブのヤッファで銃乱射と刺傷によるテロ攻撃が発生。7人が死亡

イスラエル警察によると、10月1日の夕方、テルアビブ中心部ヤッファで銃乱射と刺傷によるテロ攻撃が発生し、7人が死亡、少なくとも 8人が負傷した。これは近年で最も死者数の多いテロ攻撃の一つとなった。

一人はライフル銃で、もう一人はナイフで武装した 2人のテロリストが、テルアビブのライトレール上で民間人を襲撃した後、降りて徒歩で移動し、市内のエルサレム通りで人々を銃撃したり刺したりした。


防犯カメラに写る二人のテロリスト。

警察は、市治安部隊員と武装した民間人がテロリスト 2人を射殺し「無力化した」と付け加えた。

この 2人のテロリストは、ヨルダン川西岸のヘブロン在住のパレスチナ人、メフメド・ハラフ・サヘル・ラジャブとハッサン・モハメド・ハッサン・タミミであると特定された。

犠牲者の身元はすぐには公表されなかった。

このテロ攻撃は、近年イスラエルで起きた単独攻撃の中で最も死者数が多かった攻撃の一つであり、イランがイスラエルに対して大規模なミサイル攻撃を開始するわずか数分前に、イスラエル国内の緊張が高まる中で発生した。

timesofisrael.com

 

> イランがイスラエルに対して大規模なミサイル攻撃を開始するわずか数分前に…

というタイミングで起きたテロ事件だったようです。

ともかく、日を追うごとに中東の情勢は混沌としていますが、これまでの状況を見ていますと、何かが一気に進むということではなく、少しずつ少しずつエスカレートしていまして、この傾向が逆に進むということは、しばらくはなさそうです。

あまり関係ないですけれど、10月1日には、太陽で、現在のサイクル25で 2番目に大きな X7 フレアが発生しています。

太陽活動は、ここのところ非常におとなしかったのですが、太陽活動そのものが衰えてきているわけではないことを示しているとも思われます。

2025年に向けて荒れた年末となっていくかもしれません。

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