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11月8日にメルマガコヴフェフェ大統領と金星人、そして「食と日本人の腸内細菌環境」のことを再び思い出すを発行させていただきました。

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世界各地に登場する「死のう団」。イラクでは「くじ引きで自死する人を選ぶ」カルト教団が当局に摘発される

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くじ引きで

中東の著名な報道メディアであるミドル・イースト・アイが、「イラク当局が、くじ引きで自殺者を決める教団を摘発した」というニュースを報じていました。

信者を死に向かわせるカルト教団というもの自体は、過去にたくさんありましたが(あるいは人民寺院のように計画的に全死に至らせるなど)、「くじ引きで」というのは、おそらく初めて聞く響きで、しかし、このイラクの教団の信者たちにとっては、

「くじ引きで選ばれて自死するにより死後に指導者に会える」

と信じているということでした。

信者の多くが十代を含む若者たちだそうです。

すでに、数十人が自死(ほとんどが縊死)で亡くなっているようですが、実態は不明な部分が多いようです。

その教団をイラク当局が摘発したという報道です。

その報道をご紹介させていただこうと思いますが、ミドル・イースト・アイは、この事件を単なる狂気のカルトだとして報じているのではなく、イラクの若者の失業率の異様な高さ(33%)を含めた政治的、経済的な問題を記事の後半で書いています。

 

 

若い人たちを死に誘う風潮

ここ数年は、「若者を自死に誘因する事象」が、わりと世界で起きていました。

ブログで取り上げたものとしては、ロシアで 2017年に起きた、「青いクジラと呼ばれる SNS に誘導されて、130人以上の少年と少女が自死に至った」事件がありました。

(記事)誰かが「ネットを使った若者の大量殺りくの実験」をしているかもしれない : ロシアのSNS「青いクジラ」で、これまでに少なくとも130人の少年少女が合理的な理由がないままに自殺
In Deep 2017年3月2日

最近では、ケニアの教団の指導者が、

「イエスに会うためには食べるのをやめなければならない」

と信者たちに命令し、結果として、「信者 300名以上が餓死し、600人以上の行方がわからないまま」となっているという事件をご紹介したことがあります。このケニアの事例は、「自ら餓死をする」という選択をするものでした。

 

なお、今回のタイトルに入れました「死のう団」というのは、1930年代の日本で起きた事件を示しています。以下のような事件でした。

死のう団事件 - Wikipedia より

死のう団事件は、1930年代に法華教系統の新宗教「日蓮会」の青年部「日蓮会殉教衆青年党」(通称「死のう団」)を巡って発生した、一連の騒擾事件。

1933年7月2日に、集団で「死のう死のう」と叫びながら行進して逮捕されたことに端を発し、当初は「死のう団事件」は、この事件のことを指していた。

しかし約 3年半のちの 1937年2月17日、彼らのうち 5名が国会議事堂など 5ヶ所で割腹を図る事件が発生するに及び、一層大きな衝撃を社会に与えた。そのため、この割腹事件をもって「死のう団事件」と称することが多い。

wikipedia.org

日本では、血盟団事件(暗殺団によって政財界の要人が多数狙われた)や五・一五事件が起きていたときで、騒然とした時代ではあったようです。

五・一五事件は、以下のようなものです。

> 青年将校が陸軍士官学校生徒らと協力し、内閣総理大臣官邸・立憲政友会本部・日本銀行・警視庁などを襲撃し、第29代内閣総理大臣の犬養毅を暗殺した。

 

時代によっては、こういうことが起きるのですけれど、今は起きないですね。

今は政府の要人や財界人をターゲットにするのではなく、「普通の若者たちを死を誘導する」という事件のほうが目立ちます。

 

なお、「カルト」というと、多くの方々が自分たちの生活とはまったく関係ないと思われていると思いますけれど、2020年からの世界は、私から見ると「カルトそのもの」でした。

「事実を提示されても、それを無根拠に否定する組織の場合」

は、それはカルトであり、そこに属している場合、カルトに支配されているのです。

以下のような記事は、2020年からのマスクやワクチンキャンペーンが完全にその範疇にあり、私たちが 2020年から突然「カルトの支配下に入った」ことについて書いたものです。

(記事)カルトを超えて
In Deep 2022年8月23日

(記事)医療宗教によるこの誤謬の歴史は、どこかでたださないと、人類が滅びるまでの何世代も何世紀も続いてしまう
In Deep 2024年4月27日

事実や客観が否定されて、誤った概念が主流派になり、それが強行に推し進められていき、そして信者(ここでは国民)自身がそれを周囲に広げていくという構図は、カルトそのものではあります。

そしてカルトには「死」が必ずつきまといます

しかし、このことは今回のこととはあまり関係ないことですので、ここからイラクに関する報道をご紹介させていただきます。




 


イラク、数十人の死者を出した「くじ引きによる自殺教団」を摘発

Iraq cracks down on lottery-based suicide sect that has seen dozens of deaths
middleeasteye.net 2024/08/28

イラクは人口の約 60%が 25歳未満で、世界で最も若い人口を抱える国の一つだ。

2003年にサダム・フセインが打倒されて以来、この国は不安定、戦争、汚職、経済停滞に陥っており、多くの若者が将来にほとんど希望を持てず、人生の目的を見失っている状況となっている。

この絶望感にとらわれ、国中に衝撃を与え、国家による厳しい取り締まりを促した最新の運動は、抽選による自殺のシステムを実施する宗教団体だ。

クルバン(犠牲)グループとしても知られるアッラーヒヤ運動は、2020年初頭に、イラクのバスラとディカルで結成されたと考えられており、2,500人もの信奉者がいる。

地元メディアによると、この運動の指導者は、現在イランのマシュハド市に住んでいるアブドゥル・アリ・ムニム・アル・ハサニという名の聖職者だ。

彼らの当初の活動は、少なくとも表面的には国内の他のシーア派イスラム運動に類似した儀式や慣習で構成されていたため、ほとんど注目を集めなかった。

ソーシャルメディアに投稿されたその集会の様子には、大勢の男性たちが大音量の電子音楽に合わせて踊り、預言者ムハンマドの従兄弟で義理の息子であるアリ・ビン・アビ・ターリブへの犠牲のスローガンを唱える様子が映っている。

しかし、2021年に、このグループに所属する若い男性たちが、シーア派の宗教的、精神的、社会的集会のために設計された建物であるフセイニヤで首を吊ったという最初の報告が浮上し、彼らに対する認識の状況は変わり始めた。

この運動は、影響力のあるシーア派聖職者ムハンマド・サディク・サドル師の信奉者から分裂したと伝えられている。サドル師の息子ムクタダ・サドル師はイラクで最も影響力のある人物の一人だ。

しかし、ムクタダ・サドル師は、アッラーヒヤ運動を「過激派」として公然と否定し、若者たちがそのような運動に惹かれないように警告した。

アッラーヒヤ運動の信者たちは、アリはキリスト教のイエスに似た神秘的な神のような人物であると信じている。

 

社会に不満を抱く若者たち

アラビア語の「アリ」と「神」を組み合わせた「アッラーヒヤ (Allahiyah)」という言葉は、シリアとトルコのアラウィー派やアレヴィー派と同じ語源から来ており、アリに対する同様の神秘的な崇拝によるものだ。しかし、他の 2つの宗派はどちらも儀式的な自殺は行っていない。

クルバン・グループのメンバーは 6月にハフポスト・イラクに以下のように語った

私たちは、イマーム・アリー・ビン・アビー・ターリブ(彼に平安あれ)が地上に化身した神であり、彼の満足と許しを得るためには彼に犠牲を捧げなければならないと信じている

名前を明かさなかったこのグループのメンバーは、主流派のイスラム学者らがアリの真の教えを「歪曲」して教えていると語った。

「私たちは、グループのメンバー間でくじ引きを行い、名前が出た人はイマーム・アリーに自らを犠牲として捧げる栄誉を得る。それが存在の最高の目的だ」と彼らは語り、学校や大学の若者、さらには国外にもメッセージを広める計画があると付け加えた。

彼らは殺人を犯したという噂も否定した。

しかし、6月16日、イラクの治安部隊は、カルバラー県へ向かう途中、東部ハムザ地区にいた同運動の幹部を、ジーカール県で逮捕した。

尋問後、彼は家族 2人を「犠牲」として殺害したことを自白した。

専門家たちは、このアッラーヒヤ運動のようなグループは、不満を抱く大勢の若者たちがその大義のために結集すると見込んでおり、政府がその成長を可能にする状況を変えるよう動くことが極めて重要だと警告している。

専門家には、犠牲を払えばすぐに救済されるという約束で信者を引き付けた過激派組織「イスラム国」に例える人もいる。

「彼らは自殺後にイマーム・アリに会えると信じているのです。イマーム・アリに会うことは彼らにとって非常に重要だからです」

 

政府の取り締まり

この現象の拡大は当局とイラク社会全体に警戒感を与えている。

5月には、ディカール全域で 4人のアッラーヒヤ教徒が自殺事件を起こしたが、その中には電線で首を吊って死亡したとされる 15歳の少年も含まれていた

アル・スマリア通信によると、イラク当局はここ数カ月で、アル・クルバン派の少なくとも 25人の自殺を記録している。

グループの活動を鎮圧するための作戦が開始され、多くのメンバーが逮捕された。

ディカールでの殺人事件の後、州警察は同グループのメンバー 6人をさらに逮捕した。彼らは信者 3人を自殺するよう説得したという。

イラク治安メディア部門の責任者タフシーン・アル・カファジ氏はミドル・イースト・アイに対し、逮捕された者全員が「司法当局に送致された」と語った。

「今のところ、彼らの数についての正確な情報はない」と彼は付け加えた。

このグループのメンバーはムサンナ県、ディカル、ディワニヤを含む全国各地で逮捕されている。

7月20日の捜索で少なくとも 39人が逮捕され、8月22日には警察はメイサン州で同グループのメンバー 10人を逮捕したと発表した。

イラク国家安全保障局は、7月に逮捕された人々は自分たちが「逸脱した」運動に属しており、「くじ引きで首を吊って死ぬ人を選ぶ」計画を立てていたことを公然と認めたと述べた。

取り締まりにもかかわらず、ハフポストの取材に応じたアッラーヒヤのメンバーは、「治安部隊や警察の職員の中には我々に同情し、我々に加わりたいと考えている者もいる」と語った。

 

「社会的課題」

政治家や宗教関係者は、アッラーヒヤの思想はイラク憲法に違反していると主張し、アッラーヒヤは「逸脱した」集団であると強調してきた。

しかし、この団体の活動は、多くの若者に将来を提供できない社会の、より広い姿の一部ともいえる。

イラクの若者の失業率は 2023年に 32.23%に達し、2003年以来続いている恩顧主義制度により、政府、政党、宗教機関とのつながりのない人々は排除される。

イラク人権高等弁務官事務所のバスラ支所長マフディ・アル・タミミ氏は、イラクの自殺率の原因を「知的に逸脱した」運動のせいにするのはあまりに単純すぎると述べた。

「貧困、失業など多くの若者が直面している社会的課題、政府による若者のニーズの無視、歴代政権による若者の統合、社会復帰、若者の問題への取り組みに関する明確な戦略計画の欠如など、さまざまな要因から生じている」と同氏は我々に語った。

タミミ氏は、この問題には「断固たる政府の介入」が必要だと述べ、自分と同僚らは州議会に対し、この問題に対処し調査するための計画を策定するよう要請したと述べた。

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