地球の最期のときに

イスラエルが世界で初めて「二度目の全土のロックダウン」を実施。他国の同様の動きの中に見える「世界で進行する警察国家」への道



投稿日:2020年9月14日 更新日:

エルサレム。フェイスガードとマスクを着けて歩くユダヤ教ラビ

Israel becomes first country in the world to impose second national lockdown




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重要なユダヤの祝日がロックダウンで停止へと

今年の春に、全国封鎖(完全ロックダウン)を実施し、5月にロックダウンを解除したイスラエルですが、9月13日、イスラエルのネタニヤフ首相は、

「 9月18日から 10月9日までの 3週間の国土封鎖を行う」

と発表しました。

全国規模で二度目のロックダウンを行うのはイスラエルが初めての国となります。

内容的にも以下のように厳しいもので、

・自宅から 500メートル以内にとどまらなければならない
・学校はすべて閉鎖
・生活に必要な店舗以外はすべて閉鎖

などとなっています。

これに対して、現在のイスラエルでは、政府の汚職などに対しても含めてですが、連日のようにデモが起きているようです。

まずは、英ガーディアンの記事から抜粋してご紹介します。


イスラエル政府、新型コロナウイルスに対しての2度目の国家封鎖を実施

Israeli government to impose second Covid-19 national lockdown
Guardian 2020/09/13

ロックダウンは 3週間の予定で、このような厳しい制限を国家規模で再度課したのはイスラエルが最初の国となる


・抗議するイスラエルのデモ隊。

イスラエル政府は、3週間続く国家封鎖を課すことを決定した。これにより、イスラエルは、コロナウイルスの感染状況から復活した後、このような厳しい制限を国家規模で再度課した最初の国となった。

ユダヤ教では、9月18日が新年だが、その翌日からロックダウンを決定したのは、その日からの一連のイスラエルの休日の間に、市民の大量集会を恐れ、内閣は、ユダヤの新年から 10月9日まで国を閉鎖することを決定した。

記者会見でネタニヤフ首相は、感染率が上昇し続けると医療制度に負担がかかると警告した。

ネタニヤフ氏は、その期間中、イスラエルの人々は自宅から 500メートル以内に留まることを強いられると述べた。そして、学校や必須の店以外は閉鎖される。規則の緩やかな緩和は、感染率が低下した場合にのみ実施される。

イスラエルでは、パンデミックによる深刻な景気後退がすでに深刻な問題となっており、今回のロックダウンの再度の実施の決定は、政府と国を分裂させた。

元厚生大臣のヤアコフ・リッツマン住宅相は 9月13日に辞任した。ユダヤ教の超正統派政党を率いるリッツマン氏は、宗教的な休暇期間中にロックダウンをおこなうことを非難した。

また、レストラン経営者を含む一部の事業主たちは、このロックダウンのルールを無視しない限り、財政的な破滅に直面すると述べている。


 

ここまでです。

これは、イスラエルの人たちが憤るのも無理もない時期の実施となっていまして、ちょうどロックダウンが始まる日から終わる日までは、「イスラエルで最も祝日が続く時」なのです。

日程的には、以下のようになっています。

9月18日から10月9日のイスラエルのロックダウンの間の祝日

(9月18日 全国ロックダウン開始)

9月19日 祝日 / ローシュ・ハッシャーナー(ユダヤ暦の新年)

9月20日 祝日 / ローシュ・ハッシャーナー 2日目(ユダヤ暦の新年2日目)

9月28日 祝日 / ヨム・キプル (ユダヤ教の最も神聖な贖罪の日)

10月03日 祝日 / 仮庵の祭(ユダヤ教三大祭事の一つ)

10月09日 祝日 / シェミニ・アツェレット (仮庵祭のひとつ)

(10月10日 ロックダウン解除予定。ただし感染拡大が収まっていない場合は、延長の可能性)

10月10日 祝日 / 律法の祭り (仮庵祭の最後)

(日程は、イスラエルの2020年の祝祭日より)

ユダヤの祝日というのは、別の家に住んでいる家族や親族、あるいは知人たちが集まり祝うというようなことになるものが多いと思われるのですが、「今年は別の家の家族同士が集まることもできない」のです。

上の記事に、

> ユダヤ教の超正統派政党を率いるリッツマン氏は、宗教的な休暇期間中にロックダウンをおこなうことを非難した。

とありますけれど、聖書には、このユダヤの新年には以下のようにしなさいと主がモーセに述べていたことが書かれているのです。

旧約聖書レビ記 23章 23 – 27節

主はモーセに仰せになった。

イスラエルの人々に告げなさい。第七の月の一日は安息の日として守り、角笛を吹き鳴らして記念し、聖なる集会の日としなさい。

あなたたちはいかなる仕事もしてはならない。燃やして主にささげる献げ物を携えなさい。

主はモーセに仰せになった。

第七の月の十日は贖罪日である。聖なる集会を開きなさい。あなたたちは苦行をし、燃やして主にささげる献げ物を携えなさい。

このように、

> 聖なる集会の日としなさい。

と言われているのですね。それなのに、「すべての国民は、自宅から 500メートルを超えて移動してはいけない」と。

神聖な祭事もおこなってはいけない、と。

なんというか、以下の記事にある「全世界での祭事の停止」というフレーズも思い出します。

神を黙らせる時代が始まった : 日本そして全世界での祭事の停止の意味
投稿日:2020年9月2日

しかし、それはともかく、春からの各国の記録から、「ロックダウンは感染抑制に機能しない」ことは明白であるのに、そして経済と人々の健康状態に深刻な悪影響を与えることがはっきりしているのに行うというのは、目的は「他にある」ようにも思います。

他の多くの国でも、たとえば全国封鎖ではなくても、インドネアのジャカルタも二度目の都市封鎖をおこなっていますし、オーストラリアのビクトリア州でも、ロックダウンがさらに延長されています。

ジャカルタで2度目の都市封鎖 無症状感染者隔離、店内飲食禁止、在宅勤務

在インドネシア日本大使館によると、アニス・ジャカルタ首都特別州知事は新型コロナウイルス感染症対策として14日から同州で実施する都市封鎖(ロックダウン)について決定した実施内容を発表した。

実施期間は9月14日から27日までの2週間で、州内で新型コロナウイルスの感染拡大が続けば、さらに2週間(10月11日まで)延長する。 newsclip.be 2020/09/14)

 

豪メルボルン、厳しいロックダウン措置を延長 今月28日まで

オーストラリア南東部ビクトリア州の州都メルボルンは6日、新型コロナウイルス対策の厳しいロックダウン(都市封鎖)措置を、少なくとも今月28日まで続行する方針を明らかにした。

現在導入されている「ステージ4」のロックダウンは14日までの予定だった。 CNN 2020/09/06)

フランスなどでも「過去最大の感染者数」が記録されており、「再度ロックダウン」という言葉が報道に出てくるようになっています。

フランス、コロナ新規感染9843人で過去最多に ロックダウン再導入懸念

フランス保健省が10日発表した24時間の新型コロナウイルス新規感染者数は9843人と、過去最多を記録した。11日に予定されている閣僚会議で感染拡大防止に向けたロックダウン措置の再導入について協議されそうだ。 Newsweek 2020/09/11)

フランスでは、この報道の 2日後には 1日の新たな感染者数が 1万人を超えました。

ヨーロッパの感染状況は、8月頃から顕著に差が出てきていまして、ファイナンシャル・タイムスは、9月に入った時点の、

・スペイン
・フランス
・イギリス
・スウェーデン
・EU全体

の「 100万人あたりの新たな感染者数」を比較したグラフを掲載していました。

以下のようになっています。


FT, ZeroHedge

7月の終わり頃に、「何も対策をしなかった」スウェーデンについて、以下のようなタイトルの記事を書かせていただきましたが、その後も順調に感染者数は減り続けているようです。

おめでとう、スウェーデン。そして、ありがとう。その中で我々のほうはただ退化していく
投稿日:2020年7月28日

この記事を書かせていただいた少し前の 7月24日から現在にいたるまで、スウェーデンでは 1日に 5人を超える死者は出ていません。最近1ヵ月は 0から 2人の間がほとんどです。


Daily New Deaths in Sweden

 

しかしですね。

 

データを見ていると、フランスなどをはじめとした混乱は何かおかしいことに気づくのですよ。

そのことを、ロックダウンが審議される段階に入ったフランスの事例から見てみたいと思います。

 

 

フランスの事例に見る本当の「傾向」

スウェーデンが先ほどのように感染も死亡数も次第に減少していくことは、「ロックダウンをしないと決断した時点」で確定していたようなものですから、それはいいのです。

問題は、たとえば、先ほど再度のロックダウンというような言葉が出てきていますフランスも、「死者数に関しては、むしろ良い結果が続いている」のです。

確かに、フランスの感染者数の最近の増加は著しいもので、春よりも飛躍的に多くなっています。

フランスの新型コロナウイルスの新たな感染者数(9月12日に過去最大を更新)

Daily New Cases in France

では、フランスの「死者数」はどうなっているか。

それは以下のグラフをご覧下さい。

フランスの新型コロナウイルスの新たな死者数の推移

Daily New Cases in France

このグラフを見ると、感染者数が飛躍的に増えているフランスにおいてでさえ、「死者数は減り続けている」ことがわかるのです。

フランスはスウェーデンとちがい、実数が大きいですけれど、それでも、

・4月15日に最大の 1,437人の死者を記録

して以来は、1日 100人以上の死者が記録されたのは。

・7月16日 111人

が最後であり、あとはこの2ヵ月ずっと、死者は最も少ないレベルのままなのです。

感染者数がものすごく増えているのに死者数は激減している、という事実は、つまり、

「ものすごいペースで致死率が下がっている」

と考える他はないと思われます。

たとえぱ、フランスで、春の時点で最も 1日での新たな死者数が多かったのは、4月15日の 1,437人でしたが、この日の感染確認数は、2,633人でした。

当時は検査数なども今とは違うのですけれど、この日の「数」の比較だけに関していえば、感染確認数の 半数以上(54%)の死亡者が記録されていたという、一種の異常事態の日でしたが、9月11日には、1日あたりの感染者数が過去最大となる 9,406人を記録しましたが、この日の「死者数」は 80人でした。

これは「致死率 0.8%」ほどになるのですかね。

最近よく計算を間違えますので、間違えているにしても、とても小さな数となるはずです。

フランスにおいても、すでに新型コロナウイルスは、以前とは比較にならないくらい危険性の少ない疾患となっていることが明確となっています。

そうなっていない国もありますけれど、以下の記事で書きましたように、いくつかの国では「もう国民の生命に脅威を与えるパンデミックは終わっている」と考えざるを得ないのです。

パンデミックは実質的に終わっているのに、いったい私たちはどこへ連れていかれようとしている?
投稿日:2020年9月10日

それでも、世界の多くの市民たちは「ちがう価値観の世界へ」と連れていかれようとしている。

以下の記事で取りあげていますように、いくつかの国では、マスク拒否や検査拒否に対して、監視、罰金、投獄などを実際に実施しています。

狂った新しい日常へようこそ。そして各国で拡大するマスク不着用への罰金と罰則。英国では「コロナのジョーク」を言っただけで永遠に学生を追放する学校も
投稿日:2020年9月3日

巻き込まれた子どもたちは、訳のわからない日常で生活する事態となっている。

スペインでは、ヘリコプターを飛ばして、「立ち入り禁止地区」に入っている人々に上空から警告するということを繰り返しているようですが、下の写真は、投稿された動画からのもので、スペイン・マヨルカ島のパルマビーチです。

ビーチで遊んでいる小さな子どもに、上空から、

「ここは立ち入り禁止です。ただちにこの地域から立ち退きなさい」

と子どもにスピーカーで叫ぶ光景が撮影されています。これは3歳か4歳くらいの子どもでしょうか。そのような子どもに対してそれをおこなっている。


zerohedge.com

男の子は呆然とヘリコプターを見て立ちすくんでいます。

オーストラリアのビクトリア州では、無人機が上空から偵察をおこなっており、マスク不着用の市民や、ロックダウンルールに従っていない人を発見しています。

前回の記事にも書きましたけれど、PCR検査は、その性質上、検査数が増えれば増えるほど「幻の感染事例」も増えていくわけで、このようなことをやめない限り、「形式上のパンデミックは終わらない」と思われます。

 

しかし、おそらく「終わらせたくない人たち」がいる。

 

それがどんなような存在なのかはわかりません。

しかし、そういう「意志」がどこかにあるならば、最初のイスラエルのように、二度目のロックダウンの突入を行う国や地域、あるいは厳しい罰則規定を実行していくような国や地域は今後もさらに増える可能性もあるのかもしれません。

 

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