▲ 2015年10月18日の News Hour より。
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CERN による「ミニ・ブラックホール形成」の結果はどのようなものに?
少し前に冒頭のニュースを目にしました。
気になり、訳していたのですが、その直後に、ふと、
「これって、もうだいぶん前に始まってなかったっけ?」
と思い、いろいろ調べてみますと、デイリーメールなどによりますと、6月くらいから、「過去最大のエネルギーによる稼働」が始まっていて、継続中のようなんです。
ただ、上の記事は、「今、CERN が何を行っているか」ということについて、あるいは、
「 LHC の科学者たちが何を希望しているか」
ということについて、わかりやすい部分もあるのではないかと思いまして、先にご紹介しておきたいと思います。
ちなみに、大型ハドロン衝突型加速器( LHC )は、年間の運用予算だけで約 1100億円という、屋内での科学実験としては、類例を見ない莫大な予算がつぎ込まれているものです。
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SCIENTISTS AT LARGE HADRON COLLIDER HOPE TO MAKE CONTACT WITH PARALLEL UNIVERSE IN DAYS
News Hour 2015.10.18
大型ハドロン衝突型加速器で実験を行う科学者たちは、数日内に、パラレル・ユニヴァースとコンタクトすることに期待を寄せている
スイス・ジュネーブの CERN センターにある驚くほど複雑な「アトム粉砕機」 LHC が、これまでで最も高いエネルギーレベルまで発射される。
その目的は、ミニチュア・ブラックホールを造り出して検出することにある。
もし、これが成功した場合は、完全に新しい宇宙が明らかにされ、物理学の本だけではなく、哲学書まで書き換えられることになるかもしれない。
LHC の科学者たちは、私たちの宇宙の重力が、パラレル・ユニヴァースへと「漏れていく」こともあり得ると話す。
そしてまた、今回のこの実験は、LHC に批判的な人々を煽ることになることは間違いないだろう。彼らは、高エネルギー粒子の衝突型加速器は、ブラックホールを造り出すことで、この世を終わらせてしまうというタイプの警告を繰り返してきた。
しかし、これまでのところは、LHC のあるジュネーブは消滅してはおらず、地平線の中に快適な光景を残している。
実際、LHCは見事に成功を収めているように見える。LHC の科学者たちは、とらえどころのない「神の粒子」と呼ばれるヒッグス粒子の存在を証明した。
それは、宇宙の主要なビルディング・ブロックだ。
そして、以前には理論的に検出不可能だった、現在の宇宙の物質の大部分を占めると考えられている「ダーク・マター」(暗黒物質)と呼ばれる存在の探査も、現在進められている。
しかし、来週(10月26日からの週)行われる実験は、今までのものとはまったく違うもの、すなわち「ゲームチェンジャー」であると考えられている。
実験にあたるうちの3名の強力な物理学チームの1人、ミール・ファイザル( Mir Faizal )は、以下のように述べる。
「並列している紙のシートのような2次元オブジェクト[幅と長さ]は、3次元[高さ]の中に存在することができますが、パラレル・ユニヴァースもまた、さらに高い次元に存在し得るのです」
「私たちは、この宇宙の重力が特別な次元に流出していくことを予測しており、そして、LHC で、小型のブラックホールを創ることができると見ています」
「通常、人々が多元的宇宙を考えるときは、量子力学の多世界解釈を考えます。量子力学の解釈は、可能性がどこにでも顕在します。しかし、これはテストすることができませんので、それは科学ではなく、哲学なのです」
「私たちは、パラレル・ユニヴァースの意味を示しているのではありません。私たちが意味しているのは、余剰な次元の中にあるリアルな宇宙のことです」
「私たちの宇宙から余剰次元に重力が流出する可能性が想定できるのですが、このようなモデルは、LHC でのミニ・ブラックホールの検出により、テストすることができるのです」
「私たちは『重力の虹 ( gravity’s rainbow )』と呼ばれる、新しい科学理論の下で、これらのミニ・ブラックホールを検出することが期待できるエネルギーを計算しました」
「もし、このエネルギーでミニブラックホールを検出した場合、私たちは、『重力の虹』理論と、余剰次元が正しいことを知ることになるでしょう」
LHCが発射された場合のエネルギーは、テラ電子ボルト( TeV )という単位で測定される。TeV は1,000,000,000,000、または 1京(けい)電子ボルトに相当する。
これまで、LHC は 5.3 TeV 以下のエネルギーレベルにおいて、ミニ・ブラックホールを探していた。
しかし、最近の研究では、このエネルギーでは、ミニ・ブラックホールを造り出すには低すぎるということがわかった。
予測モデルは、ブラックホールは、6次元において、少なくとも 9.5 TeV のエネルギーレベルでつくられ、10次元では 11.9 TeV のエネルギーレベルでつくられるとした。
ここまでです。
良い方に転べば「別次元とのコンタクト」。悪い方に転べば想像もつかず
ちなみに、「最近の CERN はどんなことを行っているのか」ということについては、まあ、いろいろとやっているのですが、そのいろいろなことをやっているうちの、大型ハドロン衝突型加速器に関しては、大型ハドロン衝突型加速器 – コトバンクに、以下のようにあります。
主な狙いはヒッグス粒子や超対称粒子の発見。最近のブレーン宇宙の理論から、4次元時空を超える隠れた次元探しや微小ブラックホールの探究にも期待がかかるようになった。
というように、今では、
> 4次元時空を超える隠れた次元探し
とか
> 微小ブラックホールの探究
というようなことをしているのですね。
少し前までなら、マッド・サイエンス扱いされかねないものですが、それが実際に行われている。
このうちの、「ブラックホールの形成と検出」というものが、反対論者の人々から攻撃されていて、その実際の危険性の理屈は私にはわからないのですが、ただ、上の記事にありますような、
「別次元宇宙とのコンタクト」
というものが実際に実現できるのなら、先日の記事、
・中国政府が「世界最大の電波望遠鏡で地球外知的生命体の探査を開始する」ことの真意は
2015/10/19
の終わりのほうに、私は、
結局・・・ SETI も含めて、今の異星人とのコンタクトの方法は、「途方もない規模の宇宙」というものを相手にしている行動としては、考え方自体が合理的ではないと思わざるを得ないのです。
このあたりを本当に本気で考えるのなら、「パラレル・ユニヴァース(平行宇宙、多次元宇宙)」という概念、あるいは「この世は実際には存在していない」を徹底的に構築していくより他にはないような気はするのですが・・・。
時間と空間に縛られ続けている限りは、異次元存在との出会いは永遠に来ないような気がします。
というようなことを書いていましたけれど、本当に LHC (の科学者たち)が、別次元の宇宙と接触できたのなら、「異次元の存在とコンタクトできる芽」というものが生まれるということもあり得るのかもしれません。
パラレル・ユニヴァースと接触できる現実性
ちなみに、アメリカの理論物理学者のミチオ・カクさんが、LHC が稼働する以前の 2006年に発行した『パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ』という本には、「今の次元の宇宙から、他の次元の宇宙へ脱出する方法」について述べられている部分があります。
> 他の次元の宇宙へ脱出する方法
ということは、すなわち、他の宇宙とのコンタクトに他ならないわけですが、カクさんの書いていることは難しくて、ほとんど意味がわからないながらも、参考までにその方法を挙げておきますと、
他の次元への宇宙への脱出方法
ステップ1 万物理論を打ち立て検証する
ステップ2 自然に存在するワームホールやホワイトホールを見つける
ステップ3 ブラックホールに探査機を送り込む
ステップ4 ゆっくりとブラックホールを作る
ステップ5 ベビーユニバースを作る
ステップ6 巨大な粒子加速器を建造する
ステップ7 爆縮(全周囲からの圧力で押しつぶされる破壊現象)機構を生み出す
ステップ8 ワープドライブ・マシンを作る
ステップ9 スクイズド状態(真空のゆらぎが人工的に制御された状態)による負のエネルギーを利用する
ステップ10 量子論的な遷移を待つ
となっています。
この中で、「ブラックホールを作る」とか「巨大な粒子加速器を建造する」というあたりは、今 LHC がおこなっている実験の内容と重なるのです。
確かに、科学は、うまく行けば、これまで考えられなかった新しい次元を開くのかもしれないですし、あるいは、すべてが勘違いだったという結果に終わるのかもしれないですし、それはわからないです。
あるいは、「ブラックホール生成」に批判的な人々が言うように、ブラックホール絡みの事故が起きて、いわゆる「わやなことになる」というような可能性もないではないのかも知れないというようなことを言う人たちもいないわけではないということもあるともないとも言えるような気もしないでもありません(どんな言い回しだよ)。
現在の「特大エネルギー」での稼働がいつまで続くのかわからないですが、どうせなら、「別次元宇宙とのコンタクトに成功」というようなポジティブな成果を見せていただきたいとは思いますが・・・。
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