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健康の真実 日記

NAC(N-アセチルシステイン)が、強迫性障害や、さまざまなメンタル疾患の治療薬として有望視されているという論文と記事を見て

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コロナの頃を思い出す「NAC」

NAC というものが以前よく取り上げられていたことがありました。正式には、N-アセチルシステインというものですが、新型コロナウイルスが各国に登場した 2020年頃から注目されていたものです。

これについては、特に「スパイクタンパク質の中和剤」というような言い方がなされていました。

以下は、世界健康評議会 (World Council for Health)という組織が 2021年にリリースした「スパイクタンパク質のデトックスについてのガイド」という文書にある部分です。

スパイクタンパク質阻害剤:
・プルネラ(ウツボグサ)
・松葉
・エモジン
・ニーム
・タンポポの葉の抽出物
・イベルメクチン

スパイクタンパク質中和剤:
N-アセチルシステイン(NAC)
・グルタチオン
・フェンネル茶
・スターアニス茶
・松葉茶
・セントジョンズワート
・コンフリーリーフ
・ビタミンC

(この記事を書いた 2021年は、まだ DNA 混入などがわかっていない時で、それだけに「解毒」という言葉が有効に響いていた時でした。しかし、今となっては、根本的なところに作用する話ではないことがわかります。少なくともワクチンには解毒という概念はないのです。ただまあ、スパイクタンパク質そのものの中和剤としては機能するのだとは思いますが)

 

これについては次の記事にあります。

(記事)世界健康評議会が正式にリリースした「スパイクタンパクのデトックス法」の全文ご紹介(自然感染、ワクチン接種後共通)
In Deep 2021年12月26日

 

最近、アメリカのエポックタイムズが、

「 NAC が強迫性障害の治療に期待されている」

というタイトルの記事を掲載していました。

もともとはネイチャー誌に掲載されていた論文などから発展させた記事で、ネイチャーの記事は以下にあります。

皮質グルタミン酸とGABAは強迫性障害患者と健常者の強迫行動に関連している
Cortical glutamate and GABA are related to compulsive behaviour in individuals with obsessive compulsive disorder and healthy controls

そのエポックタイムズの記事をご紹介しようと思うのですが、興味を持った理由というのは、「私自身がある程度、強迫性障害」だからです。

私は若い時から長く、パニック障害とか、ワニワニパニック中毒とか(そんなのはいいから)、そういうことになっていたんですが、すべての人がそうではないにしても、パニック障害とか、あるいは、昔は一括りで「神経症」といわれたようなものを持つ人たちには、ある程度その「気質」があるのです。

医学書に典型的に書かれているような強迫性障害ではなくとも、根の部分にそれがあるから、頭(か、あるいはどこか)にこびりついた記憶や感覚から逃れられずに、結局その気質は、ある人ではパニック障害に導かれたり、PTSD (心的外傷後ストレス障害 )となったり( PTSD の人もパニック障害を併発することが多いです)していきます。

そういう部分はある場合が多いと思うんですね。

 

で、病院に行きますと、以前なら「ベンゾシアゼピン」という薬剤がメインで処方されました。ベンゾジアゼピンの長期連用がどのような悪影響に発展していくかというのは、以下など何度か書かせていただいています。

(記事)ベンゾジアゼピンの使用と「断薬」が、脳損傷、自殺念慮と関連していることが過去最大の調査研究で判明
In Deep 2023年7月2日

私は 30年以上服用していましたけれど(完全に服用をやめるのに 5年くらいかかりました)、「脳萎縮」を起こしていることがだいぶん前にわかったりしています。

脳萎縮には、他の理由もあるかもしれないですが、私の脳萎縮については、2016年のこちらの記事で書いています。脳はその後もどんどん小さくなっているようで、今では梅干しくらいの大きさしかないかもしれません。

それでまあ……今は、病院では、そういうメンタル系の人たちに対してベンゾシアゼピンはあまり処方されなくなっている方向にあるようです。

それに替わって今は、「 SSRI 」というものが主流となっていると思われます。

うつ病でもパニック障害でも強迫性障害でも、全部 SSRI 処方という流れになっていると見られます。

この SSRI については、もうずいぶんと書いていますが、ひとことでいうと「よくない」のです。

(記事)「医学という名の悪の輪廻」:接種後の精神症状からSSRIの生み出す悪夢まで
In Deep 2024年2月5日

それでも、現在の SSRI の処方がメインのムーブメントはおさまらないようにも感じています(作用機序は今でもとても曖昧なのに)

そういう現在の状況があるだけに、エポックタイムズの NAC の響きにやや反応したのでした。

 

なお、今回の記事は、NAC が強迫性障害にいいというお勧めの内容では決してありません。そういう内容の記事があったということでご紹介するに過ぎません。

そもそも、記事にある試験の内容には、

> 1日 2,000ミリグラムから 3,000ミリグラムの投与量で、強迫性障害尺度スコアで測定された症状の大幅な改善が報告された…

とあるのですが、この「 2,000ミリグラムから 3,000ミリグラム」というのは膨大な量です。

たとえば、3年くらい前に買って放置してある家にある NAC の瓶を見ますと、1回の用量が「 500ミリグラム」と書かれていて、その 4倍とか 6倍の量が試験では試されているわけで、これは個人で試みるにはあまりにもリスキーだと思います。

なお、私自身は、3年くらい前からサプリや栄養補助食品のようなものは、ほぼ一切飲んでいません。自然でだめなら仕方ないかなと。NAC も含めて、素晴らしいサプリがたくさんあることは間違いないですが、素晴らしいサプリや素晴らしい栄養に慣れ過ぎる肉体というのも、またどうなのかなと。

ただ、NAC にそういうメンタル面への作用もあるのだなと知り、とても興味を持った次第です。私も状況次第ではチャレンジする日が来るかもしれません。

ここから記事です。




 


抗酸化サプリメントが強迫性障害の治療に期待される

Antioxidant Supplement Shows Promise for OCD Treatment
Epoch Times 2024/07/16

N-アセチルシステイン(NAC)が、強迫性障害を患う一部の成人に対する有望な治療法として注目されている。

抗酸化物質である N-アセチルシステイン(NAC)は、強迫性障害の有望な治療薬として注目されており、従来の治療に反応しない強迫性障害(OCD)の成人患者の約 50%に新たな希望を与えている

研究者たちはここ数年、市販のサプリメントとして入手できるアミノ酸システイン誘導体の NAC が強迫性障害患者に効果があるかもしれないという証拠を蓄積してきた。また、抜毛症患者の治療にも有望視されており、ギャンブル依存症や飲酒依存症の治療薬としても研究されている。

しかし、イタリアのヴェローナ大学診断・公衆衛生学部の薬理学者兼臨床毒物学者であるマッシモ・キャロル博士によると、NAC の研究は遅れている。その理由の1 つは、現在では処方箋なしでも入手できるこの薬の商業的可能性が限られているためだという。

現在、強迫性障害の第一選択治療は通常、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と認知行動療法(CBT)だ。しかし、「強迫性障害患者の約 40%から 60%は、第一選択治療では十分な症状緩和が得られないか、治療の継続を妨げる有害事象や反応を経験します」とカロロ博士は述べる。

「治療抵抗率の高さは、強迫性障害の複雑さと代替治療アプローチの必要性を強調しています」とカロロ博士は述べた。

この複雑さは、神経化学の不均衡、遺伝的素因、環境的誘因、心理的影響を含む多面的な要因の相互作用から生じる可能性が高いと彼は医学誌に書いた書簡で述べている。

カロロ博士と同僚​​は、強迫性障害の治療に NAC を使用することの認識を高めるためにこの書簡を発表した。

その中で、研究者たちは、NAC の潜在的な有効性にもかかわらず、彼らの知る限りでは、「強迫性障害の補助治療としての NAC の潜在的な有効性をテストしたランダム化比較試験はわずか 5件」であると記している。これらの研究のうち 4件では、1 日 2,000mg から 3,000 mg の投与量で、イェール・ブラウン強迫性障害尺度 ( Y-BOCS ) スコアで測定された症状の大幅な改善が報告されたと研究者たちは記している。

NAC はこのような高用量でも安全であることが証明されていると彼らは主張している。しかし、現在市販されている NAC 製品に含まれている量は、通常 200mg から 600mgであり、治療用量を達成する実用性は限られている。

 

強迫性障害とセロトニン

カロロ博士によると、NAC が強迫性障害の治療に潜在的に効果があるということは、この障害の原因が体内のグルタミン酸系に由来する可能性があることを示唆しているという。

強迫性障害は、抑制性神経伝達物質セロトニンではなく、興奮性神経伝達物質グルタミン酸の問題が原因である可能性があり、そのため SSRI よりも NAC で治療したほうがよい可能性があると一部の研究者は考えている。

しかし、強迫性障害におけるグルタミン酸の役割に関する調査は限られていると、カロロ博士は述べている。

「強迫性障害治療の大半は、SSRI(強迫性障害治療薬)が広く使用されていることからもわかるように、伝統的にセロトニン濃度の調整に重点を置いてきました」とカロロ博士は語った。

「 SSRI への重点は強迫性障害に限ったことではなく、うつ病や不安症など、セロトニン機能不全が重要なターゲットである他の精神疾患にも及んでいます」

カロロ博士によると、強迫性障害患者の脳の特定の領域、例えば注意力の配分と感情の調節に重要な前帯状皮質でグルタミン酸の異常なレベルが観察されているという。

これらの発見は、記録されているグルタミン酸受容体とトランスポーターの機能変化と合わせて、グルタミン酸機能不全が強迫性障害において重要な役割を果たしていることを示唆しているが、それがこの障害の全体を説明するものではない可能性が高いと彼は説明した。「グルタミン酸を標的とした治療法を探求するには、さらなる研究が必要です」と彼は述べた。

 

さらなるエビデンスと資金が必要

カロロ博士は、強迫性障害に対する NAC の使用に関する大規模な試験が実施されていない理由として、次の 3 つを挙げる。

1. 高額な費用がかかる大規模試験を実施することに対する経済的インセンティブが限られている。「製薬会社は通常、商業的可能性の高い新薬の大規模試験に資金を提供するが、NAC にはこのシナリオはあまり当てはまらないのです」と博士は述べた。

2. NAC の最適な投与量、長期的な有効性、OCD 治療における安全性に関するより決定的な証拠の必要性。「これにはフェーズ II とフェーズ III の研究が必要であり、これにはかなりの時間とリソースが必要です」と彼は言った。

3. これまでは、強迫性障害の背後にあるセロトニン作動性メカニズムに重点が置かれてきたが、このため、代替経路の探索に対する注目とリソースがそらされてきた可能性がある。

 

NAC は強迫性障害の子供には効果があるのか

医学誌ペディアトリック・ドラッグス(小児薬学)の 6月号に掲載されたレビュー記事によると、NAC は強迫性障害の子供にはあまり効果がない可能性がある。

共著者で、テキサス州ヒューストンのベイラー医科大学メニンガー精神医学・行動科学科の教授、副学部長、心理学部長のエリック・ストーチ氏によると、小児の場合、軽度から中等度の強迫性障害の若者には認知行動療法の単独療法を、より重度の症状の若者には併用療法を推奨している。

「強迫性障害の若者(および強迫性障害の成人)に関する裏付けデータが非常に限られていることを考慮すると、NAC は第一選択の治療法ではありません」と臨床心理学の博士号を持つストーチ氏はエポックタイムズに語った。

「さらなる研究が行われることを望みますが、同時に、報告されている内容は小児強迫性障害治療における NAC を支持するものではありません」と彼は述べた。

同氏によると、約 10%の子どもは治療に反応せず、最近の研究では、第一段階で認知行動療法、第二段階で併用療法を行った、強迫性障害を患う若者の 90%が3年後に症状が寛解するか大幅に改善したことが示されている。

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