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2026年からの世界 健康の真実

ロシアの高度なバイオセキュリティー研究所から漏洩した可能性が高い現在のペスト騒動。噂と憶測の嵐の中で先行きはどうなるか

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vfokuse.mail.ru

記事の更新の際は X (Twitter)で告知させていただくことになりました。

 

100年の歴史を持つBSL-3の研究所

少し前に、「ロシアのシベリアでペストにより女性が死亡した」と報じられていました。以下の記事で翻訳しています。

・ロシアのイルクーツク州で、ペスト感染の疑いで約200人が入院あるいは隔離

その時は、あまり深刻に考えることもなかったんですが、その後以下のことを知りまして、また、ネット上でさまざまな「憶測」が飛び交っていることから、気になってきています。

  • ・死亡した女性は、BSL-3の病原体研究所の職員だった
  • ・女性は、検査用のサンプルを採取中に、生きた細菌が入った試験管を誤って割ってしまった
  • ・死亡した女性は「肺ペスト」で亡くなった

BSLというのは、細菌やウイルスを扱うラボのバイオセキュリティーレベルのことで、最も高いのは、BSL-4 (天然痘やエボラウイルスなどで含まれる)となり、ロシアの女性が所属していたのは、BSL-3の施設ですが、しかし、分類を見ますと、ウイルスではなく「細菌」を扱う施設はBSL-3が最高レベルとなっています(ペストや炭疽菌など)。

そのBSL-3は、イルクーツク州のイルクーツク市にあります。

イルクーツク州の場所

Google Map

モンゴルとの国境あたりのロシア地域では、「動物からの自然感染事例」が、もちろん多くはないとはいえ、たまに発生する場所ではあり、私は最初は、「自然感染なのかなあ」などと考えていました。

ところが、ペストで死亡した女性は、

「生きた細菌が入った試験管を誤って割ってしまった」

という話が伝えられているのです。亡くなった本人が医療スタッフに語っていたとされるもので、それ以上の確証はないですが、説としては主流となっているようです。

仮にそれが原因で彼女が曝露したのならば、「ラボからの漏洩」ということになります。

もうひとつは、「死亡した女性は、肺ペストで亡くなった」ということです。

ペストは、大きくわけて、

・腺ペスト

・肺ペスト

にわけられるのですが、どんなペストも比較的重いとはいえ、肺ペストの場合、

> 発症から24時間以内に重篤となり、適切な抗菌薬が使用されない場合の致死率は90~100%と言われている。(日本感染症学会)

という、致死率の非常に高い、なかなか厄介なものです(ただし、初期から抗生物質による治療を始めれば、死亡率は大きく下がります)。

この肺ペストになるには、

・腺ペストを発症している人が二次的に肺に菌が回って発病する

というのと、あとは、

・肺ペスト患者および感染したげっ歯類からの飛沫感染

となっています。

なので、理屈的には「人から人にうつる」ものです。

その後のロシアの報道から部分的に抜粋します。メディアは、ロシアの反体制寄りとされているモスクワ・タイムズ紙です。




10月2日のモスクワ・タイムズ紙より

報道機関の報道と、10月2日に同地域の指導者が発表した声明によると、シベリアのイルクーツク州で研究所職員がペストで死亡したことを受け、保健当局は約200人を医学的観察下に置いた。

隣接するブリヤート共和国のアレクセイ・ツィデノフ首長は、この女性が特定されていない種類のペストで死亡したことを確認した 。イルクーツク当局はこれまで、この病気を「特に危険な感染症」とだけ説明していた。

…ロシアから亡命中のニュースメディア「リュディ・バイカラ 」 と親クレムリン系の放送局REN TVは、この女性をイルクーツクの反ペスト研究所に勤務する27歳か28歳のダリア・シピロワ氏と特定した。

彼女は医療スタッフに対し、検査用のサンプルを採取中に、生きた細菌が入った試験管を誤って割ってしまったと説明したと報じられている。

彼女は火曜日に、イルクーツク近郊の町シェレホフで重度の肺炎の症状で入院した。報道によると、彼女は人工呼吸器を装着されたが、木曜日に死亡した。

彼女と接触した可能性のある少なくとも197人が医療隔離措置を受け、そのうち100人以上が病院の病棟に入院していると報じられている。

当局はイルクーツクで予定されていた公共イベントを中止し、また、警察は死亡事故につながった可能性のある健康安全違反について刑事捜査を開始したと報じられている。

イルクーツク州のイゴール・コブゼフ知事は、 緊急封じ込め措置の調整のため、ロシア連邦消費者権利保護・福祉監督庁長官のアンナ・ポポワ氏と会談した後、市民に対し冷静を保つよう呼びかけた。

Moscow Times

ここまでです。

火曜日に病院に入って、木曜日に死亡した、というのは 2日間で亡くなったということになります(もちろん、それ以前から症状はあったかもしれないですが)。

この「イルクーツク反ペスト研究所」というのは、ロシアの Wikipedia を見ますと、1923年に設立されたという、100年以上の歴史を持つ研究所のようです。

この研究所の研究については、

> 現在、同研究所は、ペスト、コレラ、野兎病、ブルセラ症、炭疽病など、シベリアおよび極東地域における特に危険な感染症への対策に重点を置いた総合的な微生物学研究機関である。

とあり、ウイルスではなく、比較的細菌に特化した研究所のようです。

公開されている情報からでは、特に「軍事」と関係するようなことは出てきませんが、ただ、公開情報が多いわけではないですので、そのあたりは何ともいえません。

ただ、ロシア当局が即座に情報の隠蔽へ動いているという主張は数多くあります。たとえば、以下のXへの投稿のようなものです。バイカリスク市というのは、今回の研究所のあった場所ではなく、そこから 100キロメートル離れた場所にある町です。

Annie Jacobsen氏の投稿

ロシア政府が情報統制の完全モードに入っている。

バイカリスク市行政は、研究所の事故が発生した地域への渡航を住民に警告した後、約2時間後にその情報を削除した。地元のREN TVは事故に関する5つの投稿を削除した。昨日事故を報じた地元ジャーナリストたちは、それ以降更新を書いていないようだ。

米国国務省はロシアを違法な生物兵器プログラムを持つ国としてリストアップしており、2カ国(もう一国は北朝鮮)のうちの一つだ。

このうち、「地元のREN TVは事故に関する5つの投稿を削除した」ということについては確認できましたが、それが「情報統制の完全モード」に該当するのかどうかはわかりません。




あとは噂の嵐

公式な報道では、内容はおおむねこのあたりまでですが、SNS上には、ロシアからのものを含めて、「いろいろな噂」が蔓延しています。

ペストの報道からまだ2日なのに爆発的に投稿が増加しています。

たとえば、研究所があるイルクーツク市の市民だと名乗る人は、

> モスクワの人々がやって来たのには理由があり、すでにマスクの着用が推奨された。さらに2人の感染者が出たという話も聞こえてくる。irk.ru

と述べていたり、あるいは、イルクーツクからは「世界数十カ国に旅客機が出ている」ということを述べる人もいます。

2026年9月26日からのイルクーツク発の旅客機の行き先

Irkutsk Live

> モスクワ、北京、バンコク、プーケット、その他の都市へ向かい、世界中に約40便が飛び立っていた。

とのことです。

もちろん、死亡した女性が航空機を使ったか、あるいは空港にいたかどうかは定かではないでしょうし、仮に、女性が空港にいたことがあるとしても(女性はこの頃、旅行に行ったらしい)、ペストが飛沫感染するのは「発症してから」とされていますので、あまり関係ないことだとは思いますが。

とにかく、ロシアの人たちの書き込みを含めて、「いろいろな噂や憶測(あるいは、事実だけれど、あまり関係なさそうなこと)」が次々とアップされています。

なお、げんなりする話題としては、研究所のあるイルクーツクの一部の地域で、「マスク着用が義務化された」ということもあります。

ロシアの報道より

イルクーツク・アルミニウム製錬所のアルテム・フォミニフ所長は、予防措置としてマスク着用義務を導入したとソーシャルメディアで発表した。この措置は、地域住民が感染力の強い病気に感染したとの報告を受けて講じられたものだ。

工場長は従業員に対し、予防措置を講じるよう促した。体調不良の症状が現れた場合は、直ちに医師の診察を受けるよう勧告した。

irk.ru

いずれにしても、今後これが特に大ごとになることはないとは思います。そして、それと共に噂や憶測も消えていくのだとは思われます。

ペストには抗生物質が有効ですし、そうそう人から人への大規模な感染が起きるようなものでもないです。あるいは、現代人の栄養状態と免疫力(免疫の状態はやや弱い可能性もありますが)があるなら、ペストが次のパンデミックになる可能性はほとんどないはずです。

それでも、今回の話の急激な拡散と爆発には、今の時代を思います。みんな、どこかで次の疫病の流行を気にしている。




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