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「永遠に隔離される日本」:第二次世界大戦中の1942年に作成された「戦後の新世界地図」をトランプ氏の言葉で思い出す

投稿日:

83年前のその地図にある日本

黒い太線で囲まれ、そこに「Quarantined (隔離)」という文字が添えられています。




 

今の世情を反映する83年前の世界地図

トランプ氏の最近の発言で、「グリーンランドとカナダは米国の領土」というものに関して、よく報道されています。

そんな中で、最近の米国のメディアで、「カナダもグリーンランドも米国の領土」として示されている 1942年に作成された世界地図というものがあることを知りました。

以下の地図です。

1942年の「戦後の新世界地図」の全体

Post-War New World Map

地図の左上には、米国とカナダ、グリーンランド、そして、メキシコも含めて「すべて同じ色」となっていて、これは説明によれば、世界の 4つの軍事大国のひとつとなる「戦後のアメリカ合衆国」とされています。

調べてみますと、この地図は結構以前から有名というのか、あるいは悪名高いものだったそうで、いろいろと出てきます。

英語版の Wikipedia にも「戦後の新世界地図の概要」という、わりと長い項目があり、冒頭は以下のように書かれています。

戦後の新世界地図の概要より

戦後の新世界地図の概略は、真珠湾攻撃前に完成し、1942年2月25日にペンシルベニア州フィラデルフィアのモーリス・ゴンバーグ氏によって自費出版された地図である。

この地図は、第二次世界大戦後に連合国が勝利し、アメリカ合衆国、イギリス、ソ連、中華民国が統治するという世界の政治的区分案を示している。この地図には、 「新世界道徳秩序」を述べた宣言文と、ルーズベルトの四つの自由演説からの引用が含まれている 。

ゴンバーグ氏はアメリカに移住したロシア系ユダヤ人で、個人的なプロジェクトとしてこの地図を作成したが、それ以外に彼について知られていることはほとんどない。

この地図は、米国政府のより広い視点を表していると考える新世界秩序陰謀論者たちによって注目されており、また、インターネット上で広く流布されている。

Outline of the Post-War New World Map

というようなものですが、この地図を個人的に作成したモーリス・ゴンバーグ(Maurice Gomberg)という人については、どんな人物だか、まったくわかっていませんが、第二次大戦後の世界は、以下のようになると記載されています。

この地図では、合計 14の独立した主権国家、4つの軍事大国、10の非武装国家、および 3つの「隔離」国家(そのうちの 2つは最終的に主権国家に統合される)が提案されている。

先ほどのアメリカはどうなっているかというと、アメリカは上にある「4つの軍事大国」のうちのひとつで、

> アメリカ合衆国は、太平洋と大西洋の安全保障拠点を除いて 82の州から成り、カナダ、メキシコ、中央アメリカ全土などを獲得している。

となっており、他の 3つの軍事大国は、

・イギリス連邦
・ソビエト連邦
・南アメリカ(南米合衆国)

と示されています。

 

それでデスね、先ほどの概要に、

> 3つの「隔離」国家(そのうちの 2つは最終的に主権国家に統合される)が提案されている。

とあるのですが、ここに「日本」が含まれているのですね。

さらには、 3つの隔離国家とは、日本、ドイツ、イタリアなのですが、他のメディアでさらに詳細な説明があり、以下のようにありました。

ドイツ(オーストリアを含む)、イタリア、日本の地域は、世界民族連盟の監督の下、任命された総督によって密閉され、無期限に隔離され、管理されるものとする。

これらの国は第二次大戦中に「楯突いていた」国々ですので、1942年にそのような提案が行われるのは自然のことと言えますが、それでも、この地図が完成したのは、「真珠湾攻撃の前」でもあります。

そして、「隔離されたドイツ」と「隔離されたイタリア」に関しては、ドイツは、ソビエト連邦内の一部となり、イタリアは、最終的にはヨーロッパ合衆国の国家となると記されています。

ところが、

「日本だけはそれに言及されていない」

のですね。

つまり、この 1942年の提案では、

「日本(大日本帝国)は永久に隔離された独立民主主義国家」

という扱いとなっているのです。

何となく、「ふーん」とか思いながらも、興味深く地図を見ていたのですが、この地図によると、日本は永久に隔離された状態ですが、隣国はどうなっているかというと、

「韓国も北朝鮮もインドシナ半島もタイもチベット全部、中国」

に含まれているのでした。

 

中国は 4つの軍事大国には含まれてはなく、「10の非武装国家」のうちのひとつとなっています(非武装国家という概念自体があり得ないですが)。

あと、地図には「ヘブライランド」という非武装国家の領域が示されていまして、それは、

「現在のイスラエル、ヨルダン、パレスチナの全域、現在のシリアの一部、サウジアラビアの一部」

が含まれています。このエリアは、以前書きました「人間の顔をした怪物が跋扈する」という記事に出てきた「イスラエルの将来的な理想(大イスラエル)」とほぼ一致します。

大イスラエルの想定地図

このあたりも、2023年からの中東での戦争を振り返りますと、何とも趣深いものもあります。

しかし、何の意図でこんなものをわざわざ作成したかということに関しては、以下のような 13年前の記事があり、そんな感じなのかなあ、とも思いました。

記事「ゴンバーグ氏の悪名高い「新世界秩序」地図(1942年)」より

これはフィラデルフィアのモーリス・ゴンバーグ氏が作成した有名なゴンバーグ地図だ。

ゴンバーグ氏はこの地図を第二次世界大戦での連合国の勝利が確実になる前に作成したが、戦後の「新世界」では日本、ドイツ、イタリアが「隔離」され、戦争の争点となった地域のほとんどがイギリス、ソ連、米国の支配圏に合意に基づいて分割されると予測している。

この地図は、幼稚な楽観主義としか言いようのない調子で、これら 3つの新興超大国 (米国、ソ連、イギリス連邦) が「ラテンアメリカの民主主義国」と協力して「新しい世界道徳秩序」を創造し「永続的な平和、自由、正義、安全、そして世界再建」を確立する様子を描いている。

現代の感覚からすると、この地図は素朴な「アウトサイダー」の魅力を持っている。ゴンバーグ氏の冗長な 41項目の計画を詳しく読むと、著者の世界観に関する洞察の宝庫が明らかになる。

…現実には、これは単に熱心なアマチュアの産物であり、80年代と 90年代のさまざまな右翼ポピュリスト運動によって重要な意味と推定上の重要性が付与されることになる用語(「新秩序」、「新世界秩序」)が偶然含まれていたに過ぎない。

bigmapblog.com 2012/11/28

ここにある「幼稚な楽観主義」という言葉が気に入りましたけれど、1942年といえば、まだ完全な世界大戦中で、どちらが勝利するかという見当もついていない時期でした。

世界では大変な状況の中で生きていた人たちも多かったと思います。

そういう意味では、こういう地図は、そういう世界の多くの人々の「楽観主義」が反映されたものなのかもしれないな、とかも思います。

それでも、今の世界情勢と合わせると十分に興味深いことも確かであり、いいものを知ったなあと思います。

なお、地図の作成者であるゴンバーグ氏がこの地図に添えた 41の項目には、以下のようなものも含まれていました。

(a)すべての天然資源の国有化と、世界中のすべての国々への公平な分配。

(b)世界中の国際銀行、外国投資、鉄道、発電所の国有化。

(c)すべての軍事力を有する国によるすべての軍備生産施設の国有化

(d)外国貿易および船舶輸送に対する連邦政府の統制

(e)世界共通通貨制度の確立

(f)世界規模で金利を最大2%に制限すること。

また、

> 隔離地域において人口抑制政策を策定し、適用する。

というのもありました。

隔離地域とは日本とドイツとイタリアのことですが、粛々とそのあたりも楽観主義的だったゴンバーグ氏の当時の理想通りになっているのかもしれません。

意外と、いつかはこの地図通りになったりして、などとも思わない面もないではないです。

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