2018年2月10日の太陽 久しぶりに大きな黒点群が出現中
現在出現している黒点と地球のサイズの比較
やや猛っている太陽
最近の太陽は「黒点ゼロの日と、ほんの少し黒点が出る日が半々」といった状態で、確実に太陽活動の最小期に近づいています。特に、昨年の夏の終わり頃からは、黒点が 20個を超えることはなくなりました。
ところが、この数日、本当に久しぶりに、めきめきと黒点とその活動領域が成長しています。
下は、過去 20日間ほどの黒点数の推移です。
数日前から今日あたりにかけて急速に黒点数が増えているわけですが、まあしかし、増えているとはいっても「今の時期としては」ということで、たとえば、NOAA (アメリカ海洋大気庁)の分類では、黒点数の目安としては、「黒点が多い少ない」の数としての目安は下のようになっています。
・黒点 120 以上 → 非常に多い
・黒点 80 - 120 → 多い
・黒点 40 - 80 → 普通
・黒点 40 未満 → 少ない
つまりは、黒点が 35でも 0 でも、どちらも同じ「少ない」という分類に入るわけですが、しかし、NOAA のデータを見てみますと、このような数の黒点が出たのは、昨年の夏以来のことで、現在が太陽が活動最小期に向かっている時だと考えれば、なかなか粋な現象だといえそうです。
昨年9月からの太陽黒点数の推移
・NOAA
しかも、現在出ています黒点群 2699 は、2月8日に、これも久しぶりに「太陽フレア」を発生させています。
下はそれを伝えたスペースウェザーの記事ですが、タイトルに「 SOLAR FLARE ! 」と、!マークがつけられているところでも、意外な太陽フレアだったことがわかります。
この太陽フレアは、規模としては「 C8 」というもので大きなものではありません。太陽フレアのエネルギーの等級は上から「 X → M → C → B」というような順番になっていて、C クラスの太陽フレアは強いものではないです。
そのため、地球に対して影響があるにしても微々たるもののはずで、そういう面での影響はほとんどないと思われます。
問題はそれよりも、太陽による「人間社会への影響」そのもののほうになるのかもしれません。
「私たち人類は太陽の影響下にある」ということを今一度振り返る
太陽と人間社会の関係については、これまで何度もふれていることでもありますので、今回はそのこと自体にはふれませんけれど、過去ずいぶんと記事にしたテーマでもありました。代表的なところでは、以下のような記事がありますので、ご参考いただければ幸いです。
太陽の「人間社会への影響」について記した過去記事
・太陽黒点のない2017年から起きること
In Deep 2017/11/07・急停止した太陽活動 : 2010年4月以来最も長い「16日間連続で黒点ゼロ」を記録した日に「太陽活動は人間社会のすべてを牛耳っている」という概念を思い出す
In Deep 2017/03/21・…私たち人類は何もかも太陽活動に牛耳られている
In Deep 2013/07/11
太陽(からの磁気)による社会への影響には、数か月、数年といった比較的長い期間のものもあり(大きな戦争がほとんど太陽黒点最大期に起きているなど)、また、それだけはなく、「数日単位」の短い期間でも太陽黒点の増減の変動は地球の「社会的現象」に影響することは、かつて多くの科学的研究で裏付けられ、また、この数年の間でも頻繁にそういう現実を見ていまして、そのたびにご紹介させていだたいてきたということがあります。
そういう中で、久しぶりに……まあ絶対数としては決して多いとは言えないですけれど、最近半年くらいの中では最大の黒点数になった、という次第です。それも急激に。
さて……何が起きるのか、あるいは何も起きないのか。
実際にはそのあたりはわからないですが、自然が起こすことより「人間が起こすこと」で何かあってもおかしくはないかもしれないです。
たとえば、先週は、株価も為替も国債市場も仮想通貨市場も大荒れでした。そういうものの「継続」とかもあり得ることでもあります。ちなみに、先週のアメリカの株式の暴落は、「値幅が史上最大」などだった歴史的な暴落のわりには、「○○ショック」というような命名がなされていません。
要するに、「ショックが存在しないで暴落している」ということになりそうです。そんなことに突然なった理由を「具体的に」指し示すことができない以上は、まだまだ続くのかもしれません。
そういえば、黒点の多い時(その影響で地球の地磁気が強い時)は、データ上、疾病や感染症なども増えますので、ご自愛を。下のグラフはそれを示したもので、かつて科学者たちによって記録がとられた「伝染病(赤痢、天然痘、猩紅熱、ポリオ)の流行と、地磁気の関係」を示した、おそらく唯一のデータです。
「病気と地磁気」が完全な相関を描いていることがおわかりかと思います。
これは、磁気学の権威だった京都大学名誉教授の前田担(ひろし)さんの名著『生物は磁気を感じるか―磁気生物学への招待』に掲載されているものです。
いずれにしましても、私たち人間の生活は、非常に多くの部分で、あるいは「根底から」太陽の影響下にあると私は考えています。
・・・・・と、ふと自分を振り返れば、今の私自身もまた「これは何かの病気だな」という感じになっていたりします。今流行しているインフルエンザなのかもしれないですし、何か他のものかもしれません。
たまには病気もいいものですが、かかった時には「自分の病気を他人事のように観察すること」も大事なことだと最近は思っています(難しいことですが)。
そんなわけで、荒れた週になるのかならないのかはわからないですけれど、皆様が安寧にお過ごしされることができますように。
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