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2024年からの世界 これからの太陽活動 人類の未来

太陽のような恒星は、超スーパーフレアを100年に1度は発生させていることを突き止めた大規模研究。現在は前回から165年目

投稿日:




 

キャリントン嵐から165年…

数日前、サイエンス誌に、「太陽のような恒星はおよそ 1世紀に 1回スーパーフレアを発生させる」というタイトルの論文が掲載されました。

「太陽のような」という恒星には、もちろん太陽そのものも含まれているわけですが、この研究では、このような恒星は、

「およそ 1世紀に 1度、スーパーフレアを発生させる」

と断定していました。

スーパーフレアとはどんなものかというと、この研究を紹介していたスペースウェザーの記事では以下のように説明されています。

サイエンス誌に発表された新しい研究は、天の川銀河の太陽のような恒星は、約 100年に 1回スーパーフレアを発生させると結論付けている。

スーパーフレアは、キャリントンの嵐の約 50倍以上の強さを持つ太陽フレアだ。もし地球に衝突すれば、電力網がダウンしたり、衛星ネットワークが機能しなくなったりする恐れがある。

spaceweather.com

この「キャリントンの嵐」というのは、1859年9月に発生した超巨大な太陽フレアにより、記録されている中でこれまで最大の磁気嵐が起こった事象です。

1859年の太陽嵐 - Wikipedia

1859年の太陽嵐は、第10太陽活動周期の期間中の1859年に起こった強力な太陽嵐である。キャリントン・イベントとも表記される。

…1859年9月1日から2日にかけて記録上最大の磁気嵐が発生した。ハワイやカリブ海沿岸等、世界中でオーロラが観測され、ロッキー山脈では明るさのために鉱山夫が朝と勘違いして起きて朝食の支度を始めてしまうほどであった。

ヨーロッパおよび北アメリカ全土の電報システムは停止した。電信用の鉄塔は火花を発し、電報用紙は自然発火した。

wikipedia.org

サイエンス誌によると、スーパーフレアというのは、このキャリントンの嵐より「 50倍以上のエネルギーがある」というのですね。

そんなものが地球に直撃すれば、それはもういろいろと文明の終焉(一時的にしても)といえる事態にはなり得ます。

そして、現在はキャリントンの嵐の発生から、すでに 165年経過しているのですね。サイエンスの研究では、「 100年に 1度は発生する」と述べているわけですので、予想以上に、

「いつスーパーフレアが発生しても不思議ではない」

という状態なのかもしれません。

とりあえずは、この研究を取り上げていたスペースウェザーの記事をご紹介します。なお、記事の中にエネルギーの単位として、「エルグ」というものが出てくるのですが、これはよくわかりません。

辞書などの説明では、

> 大きさ1ダインの力が、その力の方向に物体を1センチメートル動かすときの仕事をいう。1ジュールの1000万分の1にあたる。 kotobank.jp

とあり、説明を読めば読むほど、ちんぷんかんぷんのままですが、ともかく、そういう単位があるということで、ご理解くださればと。

実際の表記は、 のように右上に小さく示されるものですが、ここでは 10 34エルグというように表記させていただきます。

ここから記事です。




 


太陽のような恒星によるスーパーフレア

SUPERFLARES ON SUN-LIKE STARS
spaceweather.com 2024/12/15

サイエンス誌に発表された新しい研究は、天の川銀河の太陽のような恒星は、約 100年に 1回スーパーフレアを発生させると結論付けている。

スーパーフレアは、キャリントンの嵐の約 50倍以上の強さを持つ太陽フレアだ。もし地球に衝突すれば、電力網がダウンしたり、衛星ネットワークが機能しなくなったりする恐れがある。

ドイツのマックス・プランク研究所のヴァレリー・ヴァシリエフ氏が率いる 10人の天文学者チームは、これまでのどの研究よりもはるかに多い、太陽に似た恒星 5万6450個の明るさの測定値を調べた。

データは 2009年から 2018年にかけて NASA のケプラー宇宙望遠鏡によって収集された。

「私たちは 2527個の太陽のような恒星で 2889個のスーパーフレアを確認した」と研究者たちは論文に記した。

「この検出率は、太陽のような温度と変動性を持つ恒星で、エネルギーが10 34エルグを超えるスーパーフレアが 1世紀に 1回程度発生していることを示している」

太陽のような恒星に関するこれまでの研究では、まったく異なる結論に達していた。

「それらの研究では、頻度が私たちの測定よりも約 2桁低いことがわかった」と著者たちは述べている。

言い換えれば、これまでの研究では、スーパーフレアは 1,000年から 10,000年に 1回しか発生しない事象だと予想されてきた。この間隔は比較的安全な間隔といえる。

しかし、今回の新しい研究は、ケプラーのデータを分析する技術が向上したため、研究チームは以前の研究で除外されていた何万もの星からのフレアを探すことができた。

実際、研究チームはケプラーのデータセットでこれまで注目されていなかった 1941個のスーパーフレアを発見した。

サイエンス誌の論文では、著者たちはフレアをエネルギー(エルグ)で比較している。スーパーフレアとは、10 34エルグを超えるフレアのことだ。キャリントン太陽フレア(1859年9月1日)はおよそ 5 × 10 32エルグだったが、宇宙時代の最強フレア(2003年10月28日)は 7 × 10 32エルグを記録した。

これらの日付とエネルギーから、地球は過去 1世紀ほどスーパーフレアに見舞われていないことがわかる。

しかし、だからといって研究が間違っているわけではない。単に時期が遅れているだけかもしれない。あるいは、太陽は他の恒星ほど活動していないのかもしれない可能性もある。

「我々の太陽のような星のサンプルが太陽の将来の行動を代表しているのなら、これまで考えられていたよりもスーパーフレアが発生する可能性がかなり高い」と研究者たちは言う。

これはあくまで「可能性」の話だが、同時に不気味なほどあり得る話でもある。


 

ここまでです。

この記事の中にありますように、これまでの研究では、スーパーフレアというのは、「 1000年から 1万年に 1度程度しか起きない」とされていたところが、今回の調査によって、実際には頻繁に起きているということが判明したということです。

 

 

電気文明の終焉

仮に、太陽が過去からずっと、そのようなペースで、つまり 100年に 1度ほどの割合でスーパーフレアを発生させていたとした場合、「この現在の 165年の期間(キャリントンの太陽フレアからの期間)」と、それ以前の期間とは何が違うかというと、

「今は電気文明の時代」

だというところが、過去とは違います。

百数十年以前の地球には、電気はなかった。

そのために、超巨大な太陽フレアが起きたとしても、生活には特には影響はなかった。体調とかメンタルには影響があったかもしれないですが、文明そのものを破壊させるものではありませんでした。

しかし、今は違います

スーパーフレアが地球を直撃すると、こちらの記事でも書きましたけれど、文明のあらゆる部分が破壊される可能性があります。

2016年に、米ホワイトハウスの国家科学技術委員会が発表した文書には以下のようにあります

専門家たちは、そのような「怪物レベルの太陽放射」が起きた場合のアメリカの被害額は、2兆ドル(約 300兆円)を超えると想定した。

スーパーフレアは、他のどんな自然災害もかすむほどの被害が想定されるものです。

以下のような影響が考えられます。

スーパーフレアが地球を直撃した場合に想定されること

・電力送電網のクラッシュによる完全な停電
・携帯通信を含む、すべての通信システムの崩壊
・インターネットシステムのシャットダウン
・放送網(テレビ、ラジオ)の崩壊
・ほぼすべての移動手段(車、電車、船舶等)の停止
・それによる食糧、エネルギー輸送の停止
・それに伴うあらゆる物流の停止
・コンピュータシステムの停止
・コンピュータに依存する政治システムの停止
・コンピュータに依存する医療システムの停止
・銀行、証券システム等の完全なシャットダウン
・デジタルに依存するあらゆるデータの破壊

要するに、電気に依存しているものすべてです。しかも、復旧が短期間ではできないということもあります。

 

まあしかし、今回の 100年に 1度というフレーズを忘れたとしても、確実にいえることは、

「スーパーフレアは、いつかは必ず来る」

ということです。

それが 5年後か 30年後か 100年後かわからないだけで、いつかは必ず来るものです。あるいは、来年来るかもしれないですし。

今年は、特に X フレアの発生が多い年となっていまして、以下は、今年 8月までのものですが、2024年は 21世紀で最も X フレアの多い年となっています。

1997年〜2024年のXフレアの発生回数(8月まで)

BDW

直近に関しては、太陽の活動はこのところ低く、太陽黒点数もそれほど多くはないですし、大きなフレアも起きていません。

しかし、太陽活動周期のサイクル25は、これから極大期(黒点の最大期)に入っていくわけで、その中では、スーパーフレアとは言わずとも、ある程度の規模の太陽フレアが何度も発生するはずです。

そして、いつか地球がスーパーフレアの直撃を受けたとき、この地球からは電気と通信の文明が長期間消滅することになります。

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