地球の最期のときに

ポルポトやナチスのようなジェノサイドの先に「ガザを楽園にする」イスラエルの計画は滅び去るだろうと述べるピューリッツァー賞受賞ジャーナリスト



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「彼は向こう側へ行ってしまった」

先月、著名な金融・地政学サイクルアナリストであるマーティン・アームストロング氏による「戦争が極めて近い」という分析(彼のコンピュータであるソクラテスの解析による)を以下の記事でご紹介したことがあります。

「核戦争の可能性は100%」と、伝説的な金融・地政学サイクルアナリストが予測する中、新たな戦争が近い15の兆候
In Deep 2025年7月22日

 

そのアームストロング氏が、最近また新たなインタビューに答えていました。保守派であり熱狂的なトランプ支持者であったアームストロング氏も、最近の大統領の行動・言動にはさすがに「意味がわからない」と述べていまして、インタビューは次のようにまとめられていました。


金は戦争を示唆する – マーティン・アームストロング氏インタビュー

Gold Signals War – Martin Armstrong
usawatchdog.com 2025/08/02

金融・地政学サイクルの伝説的アナリスト、マーティン・アームストロング氏は、自身の「ソクラテス」予測コンピュータープログラムが「核戦争の可能性は 100%」を示していると 2週間前に警告した。

それ以来、トランプ大統領とロシアの間では舌戦が激化し、アームストロング氏はロシアが「非常に危険な領域に入った」と述べている。

その後、トランプ大統領は「メドベージェフ前ロシア大統領の発言を受け、米原子力潜水艦の位置変更を命じた」(※ 報道はこちらの記事などにあります)「トランプ大統領がロシア付近に原子力潜水艦を派遣した場合、プーチン大統領は、オレシュニクミサイルを配備する」と警告した。

何らかの核戦争が間もなく始まるという確証を得るにはこれでまだ足りないとすれば、マルコ・ルビオ国務長官が先週警告した内容を付け加えよう。ルビオ氏は「米国と戦争になった場合、ロシアは軍事力の弱さから戦術核兵器に頼るだろう」と述べた。

ロシア高官も「核による殲滅警告を発し」、ロシアは「壊滅的な打撃で反撃する」と述べた。これらすべてがここ数日で起こったことを忘れてはならない。

金曜日 (8月1日)、金価格は 1オンスあたり 73ドルまで急騰した。数時間で 2%以上上昇し、「戦争の兆し」を見せた。

金市場はこの核戦争の噂を察知し、反応しているのだろうか? アームストロング氏はこう答える。

もちろんだ。金価格を見れば、何が起こっているか分かる。原油価格は 9月に向かって上昇している。…金は高値を更新しようとしている。とはいっても、これは(予想されている)大きな高値ではない。

私が見ている市場はどれも同じで、パニックサイクルが起こっているが、それは 2026年の戦争だけではない。2026年に向けてのパニックサイクルがすでに起こっている。(市場の)どこにでも見られる。

アームストロング氏は、彼の言う「パニックサイクル」が始まるのに 2026年まで待つ必要はないと述べている。

彼のコンピューターはずっと前から 2025年8月18日を指しており、それはあとわずか 2週間ほどだ。アームストロング氏はこう語る。

正直言って、今起きていることは小学生の喧嘩みたいだ。トランプ氏が何を期待しているのかはもはや分からない。彼は侮辱に次ぐ侮辱を浴びせ続けており、もはや平和の可能性はなくなっている。

ロシアに関税や制裁を課すのは別問題だが、今、トランプ氏はロシアと取引さえする者には制裁を課すと言っている。これは経済戦争だ。単純な話だ。西側諸国を代表して交渉する相手さえいない。もはや完全に終わっている。完全に終わっているのだ。

アームストロング氏は、ネオコンがトランプ大統領の周囲に壁を築き、核戦争開始の是非について異なる見解を持つ者は誰も通り抜けられないようにしていると考えている。

アームストロング氏はこう語る。

そう(トランプ大統領がネオコンに取り囲まれているの)だと思う。パム・ボンディ司法長官にも手紙を書いたが、返事はなかった。これまで大統領や国家元首に手紙を書いた際には返事をもらっていた。今回は違う。…事態はエスカレートしており、彼(トランプ氏)は良い立場にない。一体、彼が何をしているのか分からない。彼は向こう側に行ってしまったようだ。


 

ここまでです。

この「向こう側」というのが、何を示しているのかは、よくわかりませんけれど、今年の春頃、ジャーナリストのクリス・ヘッジス氏という方が、

「仮にディープステートが解体されたとしても、トランプ氏による新たな独裁体制が始まるだろう」

と述べていたことを以下の記事で取り上げたことがあります。

 

ディープステートは解体され、さらに悪い「シン・ディープステート」の時代が解き放たれる
In Deep 2025年3月8日

 

この「シン・ディープステート」というのは、私の勝手な造語ですが、確かに今、そのようなものへとアメリカの体制は移行しつつあることがわかります。

そして、それは予想以上に「とんでもない方向」に進んでいることもわかります。

トランプ氏の背後にあるのが、イスラエルなのか、いわゆるディープステートなのかはわからないですが(イスラエルの可能性が高そう)、まったく他国に対して懐柔や談話での調整という方法を放棄している今のアメリカ政権が、とてつもない混乱に世界を引き込む可能性が高くなっていると感じます。

ちなみに、マーティン・アームストロング氏は、

「2025年8月18日」

という具体的日付けを出していますが、その日に何かあるかはともかく、やはり「この夏」です

あるいは、「この夏から」動きが急速になる可能性が高そうです。

せっかく、ジャーナリストのクリス・ヘッジス氏の名前が出てきましたので、氏の最近の記事をご紹介して締めさせていただきます。ピューリッツァー賞の受賞歴のある作家でありジャーナリストです。


クリス・ヘッジス氏

ガザの現在の飢餓の状況と、自らジャーナリストとして、かつて取材したスーダンでの飢餓(25万人以上が死亡したとされる 1980年代の飢餓)とを照らし合わせて、あるいは過去のジェノサイドと照らし合わせて書いた迫力のある記事です。

記事には数多くの報道へのリンクが貼られていますが、かなり多いですので、重要なもの以外は割愛しています。太字はこちらで施しています。

タイトルの「ガザ・リヴィエラ (楽園)」というのは、トランプ氏が、かつて、ガザを再開発して、中東一のリゾートにするという構想を投稿したことから始まるものだと思います。




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ガザ・リヴィエラ

The Gaza Riviera
Chris Hedges 2025/08/02

イスラエル人は、彼らが餓死させたパレスチナの子どもたちの白骨死体の画像を呪いとは見ていない。

食料供給拠点(援助を届けるためではなく、強制送還の準備として飢えたパレスチナ人をガザ南部の巨大な強制収容所に誘い込むために設計された)で銃で撃ち殺された家族を戦争犯罪とは見ていない。平均して 1日に 28人の子どもが亡くなっているパレスチナ民間人数十人を殺傷した野蛮な爆撃と砲撃をイスラエル人は特別なこととは見ていない。

爆弾によって粉砕され、ブルドーザーと掘削機によって計画的に破壊され、事実上ガザの住民全員が家を失ったガザの荒廃地をイスラエルは野蛮とは見ていない。

医師や医療スタッフが栄養失調で衰弱しているために働けないことがよくある浄水場の破壊や病院や診療所の壊滅をイスラエルは野蛮とは見ていない。彼らは医師やジャーナリストの暗殺にも何も思っていない。ジャーナリストのうち 232人は、この惨劇を記録しようとしたために殺害されている。

イスラエル人は道徳的にも知的にも自らの目を閉ざしている。

彼らは、聞きたいことだけを伝え、見たいことだけを見せる破綻したメディアと政治階級のレンズを通してジェノサイドを見ている。彼らは、何の罰も受けずに殺戮する権利に陶酔している。自画自賛と、自分たちイスラエル人が文明の先駆者であるという幻想に酔いしれている。(ガザの)子どもたちを含む、人類の汚染物質として非難される人々を絶滅させることが、世界、特に自分たちの世界を、より幸せで安全な場所にすると信じている

彼らはポル・ポトの後継者であり、東ティモール、ルワンダ、ボスニア、そしてもちろんナチスで大量虐殺を実行した殺人者たちの後継者だ。イスラエルは、他のすべての大量虐殺国家と同様に — 第二次世界大戦以降、これほど急速かつ無慈悲に国民が財産を奪われ、飢えさせられた国は他にない — アドルフ・アイヒマン (アウシュヴィッツ強制収容所へのユダヤ人大量移送の指揮的役割を果たした人物)も認めるであろう最終解決策を持っている。

飢餓は常に計画通りであり、ジェノサイドの最終章として予め定められたものだ。

イスラエルはジェノサイドの当初から計画的に食糧源の破壊に着手し、パン屋を爆撃し、ガザ地区への食糧輸送を阻止した。3月にほぼすべての食糧供給を断絶して以来、イスラエルはこうした動きを加速させている。

イスラエルは、パレスチナ人の大半が食糧を頼りにしていた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を破壊の標的とし、証拠を示すことなく、職員が(2023年) 10月7日の攻撃に関与したと非難した。

この非難は、2023年に UNRWA に 4億2200万ドル (約 620億円)を拠出した米国などの資金提供者に、資金援助を停止する口実を与えるために利用された。その後、イスラエルは UNRWA を禁止した。

国連人権高等弁務官事務所によると、イスラエルが支援するガザ人道財団が設置した4 か所の支援拠点で、通常 1時間という短い時間に配給される数少ない食糧パッケージをめぐる混乱した争奪戦で、イスラエル軍と米軍傭兵により 1,000人以上のパレスチナ人が殺害されたという。

21か月に及ぶ集中爆撃でガザが月面のような風景に変わり、パレスチナ人がテントや粗末な防水シートの下、あるいは屋外での生活を強いられ、きれいな水や食料、医療援助がほとんど得られなくなり、市民社会が壊滅させられた後、イスラエルはパレスチナ人を飢えさせてガザから追い出すための陰惨な作戦を開始した。国連によれば、ガザの 3人に1人が数日間何も食べずに過ごしている。

飢餓は見ていて非常に苦しい光景だ。私は 1988年、推定 25万人が命を落としたスーダンの飢饉を取材した。私の肺には筋状の傷跡がある。結核で死にゆく何百人ものスーダン人の中に立ち尽くした傷跡だ。

何百もの骸骨、まるで人間の亡霊が、不毛なスーダンの大地を氷河のような速度でゆっくりと歩くのを私は見ていた。

人肉を食べることに慣れたハイエナは、小さな子どもたちを日常的に襲っていた。村の外れでは、白骨化した人骨の山の上に立ち尽くしていた。そこには、歩くこともままならないほど衰弱した何十人もの人々が、集団で横たわり、二度と起き上がらなかった。その多くは、家族全員の遺骨だった。

飢餓に苦しむ人々は、自らの生命を維持するのに十分なカロリーを欠く。彼らは生きるために、動物の飼料、草、葉、昆虫、げっ歯類、さらには土まで、何でも食べた。

彼らは慢性的な下痢に苦しみ、呼吸器感染症のために呼吸困難に陥っていた。彼らは、しばしば腐った食べ物を細かく切り刻み、それを節約して、激しい空腹感を何とか抑えようとした。

飢餓により、肺から身体へ酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質であるヘモグロビンと、筋肉に酸素を供給するタンパク質であるミオグロビンを生成するために必要な鉄分が減少する。さらにビタミン B1 も不足し、心臓と脳の機能に影響を及ぼす。貧血が発生する。

つまり、身体は本質的に自らを養うことになる。組織と筋肉は衰弱する。体温を調節することは不可能となる。腎臓は機能不全に陥る。免疫系も機能不全に陥る。重要な臓器は萎縮する。血液循環は遅くなり、血液量は減少する。腸チフス、結核、コレラなどの感染症が流行し、それにより何千人もの人が亡くなる。

集中力を維持することは不可能となる。衰弱した犠牲者は、精神的、感情的な平坦と無関心に陥る。触れられることも、動かされることも望まない。

心筋は衰弱し、安静時でさえ、事実上の心不全状態にある。できた傷は治らない。白内障により視力は低下し、若者もその影響を受ける。最終的に、けいれんと幻覚に襲われ、心臓は停止する。この過程は、成人の場合、最大 40日間続くことがある。

子ども、高齢者、病人は、より速いペースで命を落とす。これが、イスラエルがガザの 200万人に定めた未来なのだ。

しかし、それはイスラエル人が見ている未来ではない。彼らが見ているのは楽園(リヴィエラ)だ。彼らが見ているのは、彼らが奪い占領した土地、そして支配下に置き、アパルトヘイト生活を強いてきたパレスチナ人が存在しない民族国家主義的なユダヤ人国家だ

瓦礫の下に何千、いや何万もの遺体が埋もれている場所に、カフェやホテルが建ち並ぶのを彼らは見ている。ガザの海岸で観光客が戯れる光景を彼らは見ている。

その光景は、イスラエルのギラ・ガムリエル革新科学技術大臣がソーシャルメディアに投稿した人工知能(AI)生成動画によってさらに強調されている。

それは、ドナルド・トランプが投稿した不条理な AI 動画を彷彿とさせるパレスチナ人がいないガザの姿なのだ。

新しい動画では、気ままなイスラエル人が海辺のレストランで食事をしている様子が映し出されている。きらめく地中海には豪華ヨットが停泊している。トランプタワーを含む、きらびやかなホテルや高層オフィスビルがビーチフロントに点在している。

現在はコンクリートの崩れかけた山が立ち並ぶ場所には、魅力的な住宅街が広がっている。動画には、ベンヤミン・ネタニヤフ首相とサラ夫人、そしてトランプ大統領とメラニア夫人が海辺を散策する様子が映っている。

ガムリエル革新科学技術大臣は、他のイスラエル指導者やトランプ大統領と同様に、ガザにおける民族浄化を皮肉を込めて「自発的移住」という言葉で表現している。しかし、これはイスラエルがパレスチナ人に実際に提示している厳しい選択肢、つまり「去るか死ぬか」という選択肢を無視している。

イスラエルのスモトリチ財務大臣は、イスラエルは「ガザの住民を他国に移住させる」と述べ、トランプ大統領はこの計画を支持した

かつてガザへの核爆弾投下を提案したイスラエルのアミハイ・エリヤフ文化遺産相は、「ガザ全体がユダヤ人の居住地になる」と宣言した

イスラエル政府は「ガザを壊滅させるために突き進んでいる」とエリヤフ文化遺産相は述べた。彼はパレスチナ人をナチスと呼び、そして以下のように述べた。

神に感謝する。我々(イスラエル)はこの悪を根絶している。『我が闘争』で教育されてきたこの人々(ガザの人々)を、我々は追い出しているのだ

大量虐殺を行う殺人者たちは、先住民を根絶し、民族国家を拡大するという幻想を抱く。ナチスは、スラブ人、東欧のユダヤ人、その他の先住民に対し、大量飢餓を含む大量虐殺を実行した。彼らは「劣等人種」、つまり「人間以下」と蔑まれていた。その後、植民地人は占領地をドイツ化するため、中央ヨーロッパと東ヨーロッパへと送られた。

これらの殺人者たちは、自らが解き放つ闇を顧みない。しかし、イスラエルが夢見る高級ビーチフロント物件は決して実現しないだろう。

黄金のドームを持つ大聖堂、堂々とした大統領官邸、15階建ての時計台、最先端の医療センター、高さ 72フィートの回転舞台を備えた国立劇場を備えたセルビア人だけの近代的な首都が、ボスニアの廃墟の上に建てられることは決してなかったように。

むしろ、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地に住む、いつもの悪党、原始的ファシスト、人種差別主義者、凡庸な連中が住む、醜悪なアパート群が建つことになるだろう

パレスチナ人の土地を奪取するために無法民兵を組織し、(2023年)10月7日以降イスラエル軍に加わってヨルダン川西岸で 1,000人以上のパレスチナ人を殺害してきたこれらの超国家主義者こそが、イスラエルを象徴する存在となるだろう。

彼らは、1965年に 50万人から 100万人の死者を出した大量虐殺の実行に加担した、インドネシア版の茶シャツやヒトラーユーゲントに相当する 300万人規模のパンチャシラ青年団 (インドネシアの極右準軍事組織)のイスラエル版と言えるだろう。

イスラエル政府から提供された自動小銃を装備したこれらの反乱民兵は、2週間前、家族の土地を守ろうとしていた 20歳のパレスチナ系アメリカ人、サイフラー・ムサレット氏をリンチした。彼は(2023年)10月7日以降、ヨルダン川西岸で殺害された 5人目の米国人だ。

イスラエルの悪党や悪漢どもがパレスチナ人を始末したら、彼らは互いに攻撃し合うだろう。

ガザにおけるジェノサイドは、イスラエル人にとってもパレスチナ人にとっても、法の支配の廃止を象徴する。倫理規範の仮構さえも抹殺する。イスラエル人こそが彼らが非難する野蛮人だ。

もしこのジェノサイドに歪んだ正義があるとすれば、それはイスラエル人がパレスチナ人を始末した後、道徳的に劣悪な環境で共存せざるを得なくなるということだ。

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