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11月14日にメルマガ「自由という幻想。そして、村上名誉教授によるワクチン後データの発表や3I/アトラスの今」を発行させていただきました。

人類の覚醒と真実 日本の未来 資本主義の終焉

GDPの幻想

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私たちは経済指標で幸せになるわけではない

アメリカの政府閉鎖が発効しまして、アメリカ国内ではいろいろ影響がある可能性もありますが、日本に住む私たちとしては、以前の 2018年と 2013年の政府閉鎖のときを思い出しますと、NASA や NOAA (アメリカ海洋大気庁)、あるいはアメリカ地質調査所(USGS)などのウェブサイトも当時シャットダウンしたのですよね。

当時の記事にあります。

今回どうなるのかは、アメリカの午前(日本時間の今日の夜)にならないとわからないですが、今ちょうど、結構な規模の磁気嵐が発生しているんですけれど、こういうデータも NOAA が提供していますし、あと、わりと規模の大きな太陽フレアもこの数日内に発生しそうで、そういう時に、データを見られないのは、少し困りますね。

リアルタイムデータは継続されると思うのですが…何とも。

あと、

「アメリカの経済指標の発表が停止される」

というのも、場合によっては、やや混乱の種となるかもしれません。これは、閉鎖の期間の長さによります。

JPモルガンは、「政府閉鎖が15日間続く可能性を70%と予測」したと報じられていますが、15日も続くと、やや影響もありそうです。

しかし、今のところは何ともいえません。

 

それはともかく、今日、「 GDP の幻想」というタイトルのアメリカの記事を読みまして、何となくおもしろかったので、ご紹介させていただこうと思います。

今の日本は GDP が世界 4位だったか 5位だったか、つまり、以前から見ると、ずいぶんと下がっているわけですが、その記事は、

「そもそも GDP に意味はあるのか?」

というようなものです。

今、日本は、少なくとも株式市場は、最近、過去最高値を更新していまして、バブル的(いや、もう完全なバブル)な様相を見せています。

2025年9月15日までの日経平均の推移

日本経済新聞

しかし、報道を見ていれば、「フードバンクの需要急増」という記事や「生活が苦しいと答えた人が 6割」という記事とか、バブルとは乖離した実態が見られます。

フードバンクの記事の始まりは、

> 「食」を支援するフードバンクに対する需要は、かつてないほどに高まっている。ひとり親世帯や独居高齢者に加えて、最近では1人暮らしの学生までも日々の食べ物を得るのに苦労している。

こういう状況下で市場はバブルというのは、ものすごいことですが、市場はともかく、今は日本の GDP は、世界で 4位だか 5位だかだとして、

「今の日本の GDP が世界 1位だったとして、このような状態だったら、どうなのだろう」

というような話かもしれません。

私たちの実生活と GDP はほとんど関係ない。

ご紹介する記事で興味深かったのは、アメリカの場合、GDP を構成する中で最も大きいのは「消費者支出」なのですけれど(約 7割)、

「どれだけ借金して物を購入しても、消費が上がると GDP も押し上げられる」

ということでした。

借金だらけであっても、それは GDP を下げる要因にはならない。

お金がなくても物を購入できるというのは現代社会の特徴で、たとえば、家などはほとんど場合、ローンという名の借金で建てます。車なんかもそうなんでしょうか。これが全部借金で構成されていても、人々が物を買えば買うほど GDP は押し上げられる。

「だから、狂気の世の中になってしまっているのかもなあ…」とか思います。

むかし、どなただったか忘れましたけれど、「消費のために生産しているのか、生産のために消費しているのかすでにわからない」と述べていましたけれど、そういう世の中ですよね。

大量消費に大量投棄。

それが GDP を構成している。その GDP を挙げるためにそれぞれの国家は躍起になる。地球に良いわけないですよ。

ここから記事ですが、最後のほうに金(ゴールド)の話が出てきますけど、記事を書いているのが、バーチ・ゴールド・グループ社という貴金属を扱う企業の金融市場ストラテジストの方だからです。

つまり、金と自社の宣伝なんで、割愛しようかなとも思ったのですが、全文翻訳いたしました。





GDPの幻想:経済成長が意味を失っている理由

The GDP Illusion: Why Economic Growth Is Losing Its Meaning
Peter Reagan 2025/09/26

政治家たちは GDP の伸びを好景気の証として称賛する。しかし、「成長」が食料品、ガソリン、光熱費の増加を意味するだけなら、私たちは本当に豊かになるのだろうか? GDP が幻想である理由、そして「経済」の現実があなたに当てはまらない理由をここで解説する。

子どもの頃、幻想は素晴らしいものだった。テレビでデビッド・カッパーフィールドが観客を騙すのを見るのは、素晴らしく、魔法のようだった。

しかし、年を重ねるにつれて、幻想には実際には 2種類あることに気づくようになる。1つは魔法のように素晴らしい幻想。もう 1つは、本当に大切なものから私たちの注意を逸らすための、一種の詐欺だ。

今日は政治的な話は書かない。ただ、私が記憶している限り、 歴代大統領の政権は皆、 米国の国内総生産(GDP)こそが経済全体の健全性を評価する上で最も重要な指標だと主張してきた。

つまり、GDP が高ければ高いほど、ホワイトハウスは経済状況が良いと評価する。もちろん、これは彼ら自身の政策と決定のおかげだ。

でも、それは本当だろうか? 今日は GDP の概念について探り、この数字があなたにとってどれほど重要か、ご自身で判断していただければと思う。

 

GDPの数字には何が含まれているのだろうか?

GDP は経済活動の指標だ。米国内で消費されたすべてのドルを合計することで算出される(より専門的な GDP の定義はこちらにあるが、正直なところ、定義のすべてを知る必要はない)。

GDP を計算する式は次のとおりだ。

(消費者支出)+(政府支出)+(投資支出)+(輸出-輸入)= GDP

内訳は次のとおりとなっている(2024年の政府の数字)。

68%:消費者支出 先ほども述べたように、消費者支出が最大の構成要素だ。ヘアカットから住宅、ハワイ旅行まで、お金を使うものすべてが GDP を押し上げる。

18%:国内投資 国内投資とは、建設、機械購入などの資本投資、企業在庫(例えば、ディーラーの駐車場にある売れ残りの車など)などを含む事業分野だ。 これは、経済全体の生産性を高めるという観点から、全体として最も重要な分野だ。

・17%:政府支出 政府支出も重要な要素だ。インフラ、防衛、そして連邦政府職員と請負業者の給与への政府支出だ。

・-3%:輸出-輸入 米国の輸入が輸出を上回っ ているため、商品とサービスの純輸出はマイナスとなっている。

これを見ると、まず、「消費」が圧倒的に多いカテゴリーであることがわかる 。

これは厄介な問題だ。なぜなら、 ほとんどの消費は経済的に生産的ではないからだ。 必要ではあるが(例えば食料や燃料)、生産的ではない。

国内投資には、新工場の建設、既存の組立ラインの設置または近代化などが含まれる。 これは、将来の経済成長にとって最も重要な分野だ。

しかし、GDP の計算で最も心配なのは、 債務の相殺がまったく行われていないことだ! まったくだ!

新築住宅や連邦政府による新たな建設計画など、借金による購入は GDP を押し上げる。発生した借金を返済しても、 GDP は減らない。 いつ返済しても変わらない。

言い換えれば、 GDP は買い物にいくら使ったかだけを示し 、その後のクレジットカードの請求書は無視するのだ

GDP が実際に何を意味するのかがわかったので 、最新の GDP レポートをもう一度見てみよう。

 

現在の GDP 統計が本当に示していること

最新の統計によると、GDP は成長している。ロイター通信によると、

「米国経済は第2四半期に予想を上回る成長を遂げた」とのことだ。GDPは年率換算で 3.8%成長した。

何が変わったのだろうか? まあ、輸入は約 9%減少したが、輸出は約 1%と、それよりかなり少ない減少だった。

言い換えれば、全体として私たちは海外で買い物をし、 販売を控えたため、 結果的に GDP にとってはプラスとなるのだ。

これは私にとって驚くほど逆効果に思える…どうすれば、ビジネスを減らすことが勝利につながるのだろうか?

例えば、あなたが自動車販売店を経営していると想像してみてほしい。工場から 5,000台の車を仕入れたが、実際に売れたのは 4,500台だけだったとする。

・これは、あなたにとって、売れ残った車は頭痛の種であり、需要の危険信号だ

・しかし、GDP 統計学者にとって、それらは「生産」の兆候なので、成長としてカウントされる。

これは一体どういう意味を持つのだろうか?

混乱するかもしれないが、GDP レポートと経済に関する個人的な経験の違いを理解するのに役立つ。

 

この GDP サプライズはアメリカの家庭にとってどのように映るのだろうか?

しかし、GDP だけでは分からないのは、GDP の上昇が平均的な家庭にどのような影響を与えているかということだ。 労働統計局(BLS)によると、牛ひき肉の価格は 過去 5年間で約 65%上昇した。

電気などのその他の必需品は、 2020年以降わずか 36%しか上昇していない。

驚くべきことに、生活費が上昇すると GDP も上昇するのだ! そう。生活費の上昇は「経済活動の活発化」を意味し、多くの場合、 景気の好調と解釈される。

食料品店での買い物に 2020年よりも 25%も費用がかかると、より裕福になった気分になるだろうか?

現実はこうだ。GDP の上昇と繁栄にはほとんど相関関係がない。生活費の実世界の変動を見れば、私たちは 5年前と比べて決して 豊かになっていないことがわかる

(その期間に GDP がどれだけ増加したかに関係なく)

 

GDP幻想

GDP が実際の経済活動の尺度であると同時に、 生活費の上昇の尺度でもあることがお分かりいただけただろうか。

選出された公務員が「経済は好調だ」と言うたびに、それがすべてではないことが分かる。

繰り返すが、ここでは政治的な話をしようとしているわけではない。政治家は皆、 たとえそれが優秀な政治家であれ、最低の政治家であれ、 経済が好調であるという楽観的なイメージを描き出さなければならないことは理解している。

しかし、率直に言って、「経済」というのは抽象的な概念だ。「経済」なんて実際には存在しないのだ! それは、毎日全国で行われる 10億件もの取引を表すために私たちが使っている言葉に過ぎない。

当然のことながら、10億もの個別の取引について有意義なことを言うことはまったく不可能だ。なので、それらをすべてまとめて「経済」と呼ぶのは便利な比喩ではある。

しかし、 比喩は現実ではない。 公式の GDP 報告が 現実世界での私たちの実際の経験と矛盾している場合はどうだろうか?

私の祖父は以下のようによく言っていた。

「お前は誰を信じる? 私を信じるか、それともお前の嘘つきの目を信じるかい?」

「経済」や「GDP」のような抽象的な概念は、詳しく見れば見るほど、 あまり役に立たなくなる。だからこそ、これらの数字を額面通りに受け取るのは間違いだ。

経済学者たちはこれについて、こんなオタクっぽいジョークを言う。

「景気後退とは、隣人が仕事を失うこと。不況とは、自分が仕事を失うこと」

では、これはあなたにとって何を意味するのだろうか? 簡単に言えば、「経済」が どれだけ好調(あるいは不調)であろうと 、重要なのはあなたの経験だ。あなたの個人的な経済的成功が、 第2四半期の GDP レポートよりもはるかに重要なのだ。

バーチ・ゴールド・グループ(この筆者の所属する企業)に相談を持ちかけるのは、このことに気づき、 GDP レポートや CPI (消費者物価指数)の最新情報が自分たちの経験を正確に反映していないことを理解している一般のアメリカ人たちで、たいていそういう人たちだ。

公式統計が必ずしも家族の安定や経済的安心につながるわけではないと理解すると、 人は本当の安定を求め始める。

そこで、実物の貴金属が登場する。 なぜ貴金属なのか? それは抽象的な概念でも、比喩でも統計でもない。手に持つことのできる実在する具体的な資産なのだ。そして、全国の何千もの家族にとって、実物の金や銀は不確実な時代における拠り所となっている。

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