「ワクチンの黄金時代」
ここ 2、3日、家のことにしても、インターネット的なことにしても、いろいろとメンテナンス的なことが続き、記事の更新が開いてしまいました。
数十日ぶりに 34℃だ 35℃だのの暑さから解放されたこともあり、淡々と作業をする二日間でした。
さて、最近、「これからのワクチン戦略」ということについての引用記事を読みました。もともとは、ダウ・ジョーンズから発行されている米国で最も著名な投資週刊誌であるバロンズというメディアの記事で、そこから引用したメディア記事です。
もちろん、投資メディアであるバロンズは、これらの積極的なワクチン戦略を手放しで褒めているわけですが、そこに出てくる「今後出てくる予定のワクチン」を見ていて何だかクラクラときた感じで、たとえば以下のようなワクチンが今後順次、研究、開発、あるいは市場に投入される予定となっているようです。
ちなみに、2020年時点で開発中のワクチンは 258種類だそうです。
開発中、あるいは開発予定のワクチンの一部
・がんワクチン(それぞれのガンへの個別化ワクチン)
・マラリアワクチン
・結核ワクチン
・新しいインフルエンザワクチン
・肺炎ワクチン
・髄膜炎ワクチン
・多発性硬化症のワクチン
・淋病のワクチン
・ライム病のワクチン
・ニキビのワクチン(苦笑)
・皮膚障害のワクチン
・ピーナッツアレルギーのワクチン
・心臓病予防のワクチン
・アルツハイマー病のワクチン
・新型コロナウイルス、インフルエンザ、RSウイルスの混合ワクチン
・B群連鎖球菌ワクチン
・幼児向けのRSウイルスワクチン
・小児肺炎ワクチン
・改良黄熱病ワクチン
ニキビのワクチンには驚きましたが、問題は、
「この中のかなりの種類のワクチンが mRNA 技術を用いるもの」
となる可能性が高いことです。
かなり多いと思われます。
なお、記事の中に、モデルナ社のバンセル CEO の以下の発言があります。
モデルナ社 CEO の言葉より
「 mRNA はコード化するソフトウェアに過ぎないので、複雑なタンパク質を扱えるのです」
自然の mRNA はそうも言えるのかもしれないですが、ワクチンに用いられるのは、多くが、mod RNA と呼ばれる人工装飾された RNA ですので、場合によっては、「妙なこと」になるわけです。
以前こちらの記事で、コロナワクチンには、「切断された mRNA 」というものが見出されているのですが(欧州医薬品庁の 2021年8月のレポートの14ページ)、
「それらの切断された mRNA のほとんどに終止コドンがなかった」
ことを以前こちらの記事で書いています。
終止コドンの説明は割愛させていただきますが、それがない場合、
・永遠にタンパク質を合成する
・タンパク質の合成反応が飛躍的に高くなる (ある研究では200倍)
ということが起き得るわけですが、そういうことになる可能性があったり(自然の mRNA ではあり得ない)、あるいは、mRNA ワクチンの最大の問題もあります。
それは、
「 DNA の混入が避けられない」
ことです。
以下は、ミラノの分子腫瘍学研究所の荒川央さんの 2023年5月の note記事からの抜粋です。
荒川央さんの note 記事「自己増殖型mRNAワクチン」より
mRNAワクチンの製造法には根本的な問題があり、どうしても鋳型となったDNAが混入してしまいます。そうしたDNAはゲノムにどのように作用するか分かりませんし、癌の誘発やゲノム改変に繋がるリスクともなります。
そしてこれはコロナワクチンだけではなく、次世代mRNAワクチンでも同様です。
これについては、こちらの記事で説明させていただいています。
要するに、この mRNA テクノロジーそのものが、根本的な問題が解決されていないまま、次々と生産化されて量産され続けているのが現実なんですね。
そのようなテクノロジーに基づいたワクチンが、今後多数出てくる可能性があると。
そして、さきほどの今後出てくるワクチン一覧を見ていて思うのは、
「重複して接種するようなものがたくさんある」
と思われることです。
がんワクチンも季節性インフルエンザワクチンにしても、アレルギーのワクチンにしても、すべて基本的に関係のない疾患ですので、「それぞれで接種できる」ものです。
つまり、今後、「何度も何度も mRNA ワクチンを接種する機会が訪れる人たちがたくさん出てくる」とも思うのですね。
以前よりは、ワクチンに対して懐疑的な人が増えているとはいえ、それでも、やはり少数派です。
今後、大々的にキャンペーンが行われれば、コロナワクチン同様に興味を示す人たちが多数出てくるはずです。
何しろ「がんワクチン」なんていう、人によっては魅力を感じる人もいるかもしれないワクチンも今後出てくるわけですから。
ガンは増えているけれど、それはなぜなのかを考えると
ガンが現在増えていることは事実で、そういう材料を使えば、キャンペーンはいくらでも成立すると見られます。
2021年から日本でどのようなガンが増えたのかは以下にあります。
(記事)2021年から、どのようなガン死がどのように増えたのか、そして「なぜ増えたのか」についての日本人医学者による渾身の論文。そして、これからはどうなるのか
In Deep 2024年4月9日
見るだけでわかりやすいグラフとしては、以下はアメリカの事例ですが、 2022年までのガンによる超過死亡数の推移です。こちらの論文にあります。
米国の15歳から44歳までのガンによる超過死亡率の推移
researchgate.net
「なぜ、こんなにガンが増えたのか」
ということに関しては、いろいろな側面はあるかと思いますが、mRNA テクノロジーの問題が関係している部分もあるはずです。
たとえば、日本のひとつの論文の結論には以下のようにあります。
結論
すべてのガンと一部の特定の種類のガン、すなわち卵巣ガン、白血病、前立腺ガン、口唇ガン、口腔ガン、咽頭ガン、すい臓ガン、および乳ガンの年齢調整死亡率の統計的に有意な増加が 2022年に観察された。
日本人は SARS-CoV-2 mRNA 脂質ナノ粒子ワクチンの 3回目以降の接種を受けていた。
これらのエストロゲン受容体α 感受性ガンの死亡率の特に顕著な増加は、新型コロナウイルス感染症そのものやロックダウンによるガン治療の減少ではなく、mRNA 脂質ナノ粒子ワクチン接種のいくつかのメカニズムに起因している可能性がある。この可能性の重要性については、さらなる研究が必要だ。
この論文については、こちらの記事で、さらに引用させていただいています。
ともかく、今回ご紹介させていただく記事にあります予定や計画のままに世界中でさまざまな「新しいワクチン」が展開されていくと、一体この世はどうなってしまうのだろうという懸念はあります。
それでも、大多数の人々は、mRNA テクノロジーへの懸念を持っていないのが現状ですので、効果的なキャンペーンがなされれば、また「列を成す」のですかね。「これでガンにはなりませんよ」みたいなキャンペーンによって。
「これで帯状疱疹にはなりませんよ」というのはすでにキャンペーンされています。これも、そもそも「なぜ帯状疱疹が増えたのか」ということに関して、ずいぶん以前のこちらの記事に書いています。
ここから、バロンズの記事を引用した海外メディアの内容をご紹介させていただきます。
製薬大手は「ワクチンの黄金時代」が到来したと宣言し、従来の医薬品をワクチンに置き換えることを目指している
Pharmaceutical Giants Proclaim The ‘Golden Age Of Vaccines’ Are Here, Seeks To Replace Conventional Medicines With Vaccines
winepressnews.com 2024/09/16
技術の進歩と生産のスピードアップにより、製薬会社やバイオテクノロジー企業は、従来の医薬品や治療法に代わる何十種類もの新しいワクチンを開発することで利益を増やそうとしている。
メディア「バロンズ」は先週、「ワクチンの黄金時代が到来。それがあなたにとって何を意味するか」と題した詳細なレポートを発表した。
このレポートでは、大手製薬会社の一部が、過去数年間に新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造で記録的な利益を上げた後、他のさまざまな病気の治療のために、mRNA技術などを使った新しいワクチンで新たな収入源を増やそうとしていることを解説している。
以下はその報告書からの抜粋だ。
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準備はできていらっしゃるだろうか。肺炎から帯状疱疹、RSウイルス、そしてもちろん新型コロナウイルスまで、あらゆる病気に対する有効な新しいワクチンが市場に出回っている。しかし、これはほんの始まりに過ぎない。
業界団体であるアメリカ研究製薬工業協会(PhRMA)の報告書によると、2020年時点で開発中のワクチンは「 258種類」ある。この報告書によると、1994年から 2018年までに生まれた米国の子どもたちの定期的な小児ワクチン接種により、直接的な医療費が 4060億ドル(約 58兆円)節約されたという。
製薬会社は現在、患者 1人あたり数万ドルかかる可能性のあるそれぞれの部位をターゲットにした、がんワクチンから、マラリアや結核などの発展途上国の病気を予防するワクチンまで、あらゆるワクチンを開発している。改良されたインフルエンザ、肺炎、髄膜炎のワクチンも、近所の薬局で入手できるようになる。
科学者たちは、一部の人々に多発性硬化症を引き起こすと考えられているウイルスを予防するためのワクチンを試験している。
将来的には、ワクチンがニキビを日常的に治療し、ピーナッツアレルギーを予防し、さらには心臓病を予防したり、アルツハイマー病の治療に役立てられるようになるかもしれない。
昨年、モデルナ社とメルク社は、遺伝子配列解析を用いて各患者のがんの特定の変異を標的とする個別化ワクチンが転移性黒色腫の再発率を大幅に低下させるという臨床試験を実施した。両製薬会社は、肺がんやその他のがん腫に対しても同じアプローチを試す予定だ。
自身も医師であるモデルナ社のスティーブン・ホーグ社長は以下のように言う。
「人間の健康において最も強力なものの一つは免疫システムです。現在、がんは主に人生の後半に発症する病気であると理解されていますが、それは突然変異によるものではなく、免疫システムの制御能力の低下によるものです」
…対照的に、ワクチンは体自身の免疫反応を利用して病気と闘う。
最近のアメリカでは、国民の間でワクチン接種をためらう声が急増しているが、ワクチンは薬よりも長期的な副作用が少ない傾向がある。
ジョンズ・ホプキンス大学の感染症医でワクチン科学者のカウサール・タラート氏はこのように言う。
「なぜワクチンは薬より優れているのでしょうか? それは、ワクチンは病気が起こるのを予防するので、治療する必要がまったくなくなるからです」
製薬会社がワクチンを優先しなかったのは、何年も毎日服用しなければならない薬よりも利益率が低い傾向があるからだとタラート氏は言う。
「ここ数年で状況はかなり変わりました」。タラート氏はウィスコンシン医科大学での研修を 2001年に終えて以来、ワクチンのおかげで特定の種類の肺炎、ロタウイルス、帯状疱疹の患者数が減ったのを目にしてきたという。
製薬会社はワクチン開発に多額の資金を投じている。新技術により、以前よりも迅速かつ安価に効果的なワクチンを開発することが可能になった。
新型コロナのパンデミックが発生したとき、製薬会社は効果的なワクチンを約 1年で国民に提供することができた。これはワクチン開発に通常かかる時間のほんの一部だ。ファイザー社とパートナーのビオンテック社およびモデルナ社は、新型コロナワクチンの販売で数百億ドル(数兆円)の収益を得た。
しかし、パンデミックの終息は、ワクチンが製薬会社にもたらすビジネス上の課題を浮き彫りにした。
今年、新型コロナウイルスの追加接種の売り上げは急落しており、モデルナ社(同社の承認済み製品は新型コロナウイルスワクチンのみ)は、新製品の市場投入に躍起になっている。
同社は、2024年春までに RSウイルスワクチン、続いてインフルエンザワクチン、そして 2025年には新型コロナウイルス・インフルエンザ・RSウイルスの混合ワクチンの承認を目指している。
「インフルエンザのような症状を引き起こすウイルスを 1回の接種に組み合わせて、新型コロナウイルス、RSウイルス、インフルエンザなど、どのウイルスの追加接種を受けるか心配しなくて済むようにするのが私たちのビジョンです」とモデルナ社の CEO 、ステファン・バンセル氏は語る。
同氏は、呼吸器疾患はほとんどの国で第 3位または第 4位の死亡原因であり、混合ワクチンを接種すればそのほとんどを予防できると語る。
一方、ファイザーは独自の呼吸器ウイルス混合ワクチンの開発に取り組んでおり、あらゆる種類の感染症に目を向けている。
ファイザーのワクチン研究開発責任者であるアンダーソン氏は、妊婦用の B群連鎖球菌ワクチンの開発を指摘する。この細菌は通常、女性には危険ではないが、出産時に感染し、乳児に敗血症、肺炎、髄膜炎、または発作を引き起こす可能性がある。
アンダーソン氏によると、この連鎖球菌は、妊婦が出生前スクリーニングを受ける機会が少ない発展途上国や米国のコミュニティで特に問題となっている。
モデルナはワクチンに集中投資しているが、米国の大手ワクチンメーカーであるファイザー、グラクソ・スミスクライン(GSK)、サノフィは、さまざまな製品を販売する巨大多角化企業だ。各社とも、ワクチン開発を今後数年間の重要な事業分野とみている。
インフルエンザワクチン販売大手のサノフィは、ワクチン販売を倍増させ、2030年までに年間ワクチン販売額を100億ユーロ(約 1兆6000億円)に伸ばし、免疫学の業界リーダーになるという目標を掲げている。
サノフィは、2025年までに RSウイルス幼児ワクチン、小児肺炎ワクチン、改良黄熱病ワクチンなど、3~ 5種類の主要ワクチンを最終試験段階にする予定だとしている。
GSK は米国で入手可能な唯一の帯状疱疹ワクチンを販売している。
同社は肺炎ワクチンとヘルペスワクチンを改良し、より多くの菌株を治療できるようにしている。GSK のワクチン研究開発のグローバル責任者であるフィル・ドーミツァー氏は、同社が淋病のワクチンの初期段階の研究を行っていると指摘する。
淋病は性病の抗生物質耐性菌株のために健康問題が拡大している。「以前は治療が比較的容易でした。しかし今では、治療すべき薬剤耐性菌株が増えています」と同氏は言う。
研究者たちは、従来とは異なるワクチンも開発している。ファイザーはワクチン専門企業のヴァルネバと提携し、モデルナはライム病ワクチンを試験している。サノフィはニキビや皮膚障害を引き起こす細菌と戦うワクチンを開発している。
アメリカ食品医薬品局は最近、アルツハイマー病の影響を治療するワクチンを優先承認した。科学者たちによると、ワクチンは病原体を防ぐのではなく、ピーナッツなどのアレルギー物質に対する体の耐性を高めるために使用できるという。一方、心臓病ワクチンは体内のコレステロール生成を低下させる。これらのワクチンはすべて研究中だ。
そして今年初め、アメリカ政府は新型コロナワクチンの改良開発に 50億ドル(約 7200億円)を投じるプロジェクト「ネクスト・ジェン・プロジェクト (Project NextGen)」を発表した。このプロジェクトでは、感染予防効果の高い経鼻ワクチンの開発を試み、さまざまなコロナウイルス感染症に効果のあるワクチンの開発を目指している。
ワクチンが直面している現在の最大の課題は、もはや科学的、技術的な問題ではなく、ワクチン接種を拒否するアメリカ人の数が増えていることだ。
アメリカでのワクチン接種への抵抗は何年も前から深刻化している問題だ。パンデミックの最中、何千人ものアメリカ人がコロナワクチン接種を受ける代わりに仕事を辞めたことで、この問題は爆発的に増加した。
アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカ人の成人の 92%が少なくとも 1回のコロナワクチン接種を受けているが、今年初めに行われた追加接種を受けたのは約 21%に過ぎず、現在の追加接種を受けたのは約 14%だけだ。
「ワクチンの開発と製造に関する科学が急速に進歩する一方で、ワクチンに対する懐疑心や拒否感も高まっています」とメイヨー・クリニックのワクチンチームを率いるグレゴリー・ポーランド博士は言う。
…製薬会社は、ワクチンをアメリカ国民にとってより受け入れやすいものにしようとしている。注射針を怖がる人が多いため、製薬会社は皮膚パッチや鼻スプレーで接種できるワクチンの開発を進めている。
ワクチン接種を拒否するアメリカ人が増えれば、最終的にはワクチン開発が妨げられる可能性があるとポーランド氏は言う。
GSK のドーミツァー氏は、ワクチン接種をためらうアメリカ人の数は増えている問題だと認めるが、ワクチンを接種しない人の現在の数は「製薬会社が新しいワクチンを開発するのを思いとどまらせるほどではありません」と語る。
同氏は、新型コロナワクチンに対する抵抗にもかかわらず、アメリカ人の大多数が少なくとも 1回はワクチン接種を受けていると指摘する。
ワクチンへの抵抗感の高まりは、新技術によって加速しているワクチン開発の妨げにはなっていないようだ。
そして、製薬会社はますます mRNA 技術を活用している。mRNA とは、体内の細胞に特定のタンパク質を大量に生成するよう指示する小さな遺伝物質の塊で、例えばコロナウィルスのスパイクは免疫反応を引き起こす。
「 mRNA はコード化するソフトウェアに過ぎないので、非常に複雑なタンパク質を扱えるのです」とモデルナ社のバンセル CEO は説明する。
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