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12月06日にメルマガ免疫と戦争とパンデミックと5Gを発行させていただきました。

2024年からの世界 人類の未来 宇宙の中の地球

可視光線の4万倍のエネルギーを持つ観測史上最強の宇宙線が検出される。ただし発生源は不明。地球と人間への影響は?

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観測史上最強の宇宙線

「観測史上最強の宇宙線」が観測されたことが、科学メディアで報じられています。その強度は、単位として実感するのは難しいですが、最大 40テラ電子ボルトの宇宙線だったとのことで、これは「可視光線の 4万倍のエネルギー」だそう。

この超強力な宇宙線の「発生源」はどこかというと、今のところ「不明」となっています。

しかし、発生源なく宇宙線が検出されることはあり得ず、「宇宙空間のどこかで何か起きている」ことを示しているようです。ライブサイエンスによれば、

> 宇宙線は宇宙空間を移動する間にエネルギーを失うため、高エネルギーで検出されたということは、地球に比較的近い発生源から来ている可能性が高い

とあり、地球に比較的近い宇宙のどこかで何かが発生しているのかもしれません。

この宇宙線というのは、この In Deep でも、かなり昔からのテーマでもあったのですが、現在、太陽活動が高い中で、宇宙線の全般的な検出量は以下のグラフにありますように 21世紀で最低レベルにまで落ちていまして、今後もその傾向は続くと見られます。

1964年から2024年までの宇宙線量の観測値

BDW

そうしたこととは関係なく検出された「過去最強の宇宙線」について、まずは、報道をご紹介します。




 


科学者たちが史上最強の宇宙線を検出、その未知の発生源は地球に近い可能性も

Scientists detect the most powerful cosmic rays ever - and their unknown source could be close to Earth
livescience.com 2024/11/26

高エネルギー立体システム上空の大気圏に進入する宇宙線を描いたイラスト。

 

新たな研究により、これまでに検出された中で最も強力な宇宙線が報告された。宇宙線は宇宙空間を移動する間にエネルギーを失うため、高エネルギーで検出されたということは、地球に比較的近い発生源から来ている可能性が高いことを意味する。

科学者たちは、これまで発見された中で最もエネルギーの高い宇宙線を検出した。その宇宙線は、地球に比較的近い謎の発生源から発生している。

電子とその反物質である陽電子からなるこの放射線は、最大 40テラ電子ボルト(TeV)、つまり可視光線の 4万倍のエネルギーで観測された。

ナミビアの高エネルギー立体システム(HESS)観測所によって発見されたこの光線は、光と磁場との相互作用により、宇宙を移動する間にエネルギーを失う。

つまり、このエネルギーの光線を検出するには、その発生源が比較的近くにある必要がある。しかし、正確に何がこの光線を生成しているのかは不明だ。研究者らは、この発見を11月25日、フィジカル・レビュー・レターズ誌に発表した。

ドイツのポツダム大学で実験天体粒子物理学の責任者を務める今回の論文の責任著者であるカトリーン・エグバーツ氏は声明で以下のように述べた。

「これは重要な結果です。測定されたCRe [宇宙線電子] は、おそらく太陽系の近くの非常に少数の発生源から発生しており、最も遠くとも数千光年の距離にあると結論付けることができます」

「これは銀河系の大きさに比べれば非常に小さな距離です」

ちなみに、天の川銀河の直径は約 10万光年だ。

宇宙線は、太陽、超新星と呼ばれる恒星の爆発、パルサーと呼ばれる高速で回転する中性子星、その他の未知の発生源によって生成される高エネルギー粒子だ。

宇宙線が地球の上層大気に衝突すると、地球の表面で検出できる粒子のシャワーに分解される。しかし、これらの粒子シャワーを生成した宇宙線を再構築することは、骨の折れる不確実な作業だ。

宇宙線電子を見つけるために、研究者たちはナミビアのホマス高原にある 5台の 12メートルの望遠鏡の配列である HESS 観測所を使用した。

10年以上にわたり、この望遠鏡は高速で移動する光線の後に残るチェレンコフ放射のかすかな痕跡を求めて上層大気をスキャンした。光速度を遅くする媒体を光よりも速く移動する粒子は、その周りにかすかな青い輝きを作り出す。

科学者たちはこの輝きを探し、洗練されたアルゴリズムを使ってノイズをふるいにかけることで、地球に降り注ぐ光線のエネルギースペクトルをこれまでにないほど詳細に作成した。

これらの放射線の量は、より高いエネルギースケールでは劇的に減少した。つまり、より小型の宇宙検出器では十分な数の放射線を見つけるのは難しいということだ。

しかし、特にエネルギーの高い粒子の存在は、科学者たちに、少なくとも一部の放射線源が地球の近くにあるという明確な兆候を与えた。


 

ここまでです。

 

人体への影響は?

宇宙線が地球に与える影響や、あるいは「人体」に与える影響は、明確なところは今でもわかっていません。しかし、以下はもう 12年前の記事のタイトルですが、私自身は、地球や人間に非常に大きな役割を与えていると考えています。

私たち人類も他のあらゆる生命たちも「宇宙線にコントロールされている可能性」を感じて
 In Deep 2012年06月13日

この記事の中に、2012年6月の京都新聞の報道「宇宙アサガオ、異常早咲き」という記事をご紹介しています。

これは、宇宙空間を旅した種子から育ったアサガオが、一般のアサガオと比べて異常に早く多くの花をつけたという報道でしたが、報道には、「宇宙放射線の影響を裏付ける事象だとみて…」とあり、次のように続きます。

京都新聞の記事より

生物部顧問の米澤信道教諭は、DNAの塩基配列が変わった可能性があると分析した。

夏至前に開花した直接的な要因として、米澤教諭は、花芽をつくる植物ホルモン「フロリゲン」の異常が疑われるとみている。その上で、「宇宙放射線の影響があったと、より明確にできた」と話している。

ここに、

> DNAの塩基配列が変わった可能性がある

とありますが、宇宙線は人体あるいは他の動物も含めて、そういう影響を与える可能性…まあ、あくまで可能性ですが、遺伝子や細胞に介入している可能性があります。

また、病気との関係でいえば、

「宇宙線が多いと、心臓突然死が増える」

ことが明確に示されています。

こちらの 2018年の記事で、論文をご紹介していますが、結論は以下のようになっていました。

論文より

頻脈性突然心臓死(心室頻脈および心室細動に関連)は、より高い宇宙線活動および、より弱い地磁気活動を伴う状態において、著しく、より頻繁に起こる。

あと、これは一般的な話として、宇宙飛行士や旅客機の客室乗務員は常に高いレベルの宇宙線に暴露し続けているため「ガン」の発生が多いという事実があります。以下に、客室乗務員は複数の種類のガンのリスクについてのハーバード大学のニュースリリースを翻訳しています。

「旅客機の客室乗務員は宇宙線の影響によりガン罹患のリスクが高い」というハーバード大学の研究
 BDW 2024年11月20日

これも先ほどの宇宙アサガオに見られた「遺伝子の突然変異」なども関係しているのかもしれません。

今回検出されたことが発表されたような、「とてつもない高レベルの宇宙線」というのは、私たちに何らかの人体的な影響を与えているかもしれません(ただ、今もその高レベルの宇宙線の検出が続いているのかどうかは不明ですが)。

 

 

地質への影響

宇宙線の影響は、さまざまに考えられますが、2018年3月のスペースウェザーの記事では以下のように記されています。この頃は、太陽活動が弱く、宇宙線レベルがとても高かった頃です。

スペースウェザーの記事「悪化し続ける宇宙線の状況」より

これらの宇宙放射線は私たちにどのような影響を与えるのだろうか。宇宙線は民間航空会社では、空中の乗客、乗務員に多量に放射される。飛行機のパイロットは国際放射線防護委員会によって業務上での放射線作業者として分類されている。

いくつかの研究では、宇宙線が雲を作り出し、また落雷を引き起こすことが示されており、宇宙線が天候や気候を変える可能性があることがわかり始めている。

さらに、地上の一般的な人々における「宇宙線と心臓の不整脈」を結びつける研究が存在する。

Spaceweather 2018/03/06

これについては、こちらの記事に全文翻訳しています。

ここに、

> 宇宙線が天候や気候を変える可能性があることがわかり始めている。

と書かれていますが、宇宙線が増加すると、「雲が増える」のです。

また、現在、地球の大気中には、2022年のトンガ沖の海底火山の噴火により大変な量の「水蒸気」が含まれたままです

今の地球と今の太陽と今の海流が導く近い未来」という記事で、これは水蒸気と気温についての記事ですが、ふれています。

 

・宇宙線レベルが極めて強いという状態は、多くの雲を作り出す

・現在、大気中には水蒸気が非常に多い状態

 

というふたつの条件により、集中豪雨などを含む悪天候が起きやすい状況なのかもしれません。最近の各地の異様な豪雨については、以下の記事でも少しまとめています。

英国で極端な集中豪雨による壊滅的な洪水が発生中
 地球の記録 2024年11月25日

 

それと、「宇宙線と地震」あるいは「宇宙線と火山噴火」の関係も言われていたことがあります。ずいぶん古い話ですが、東京工業大学 地球生命研究所の特命教授である丸山茂徳氏が 2008年に、以下のような持論を展開していたことがあります。こちらの記事に動画などがあります。

2008年に丸山茂徳教授が述べていた理論

・地震を起こすトリガーとなるのは宇宙線。地震の起きるシステムは今まで語られていた「力学的」なものではなく、化学的な反応現象。

・地球内部まで到達できる上に極めて高いエネルギーを持つ物質は宇宙線しかない。

この主張からは、

「宇宙線が高いレベルだと、噴火や地震が多くなる」

とも言えます。

実際に、強力な宇宙線の増加と共に噴火や地震が増えているのかどうかはデータ的には定かではないですが、宇宙線が気象や地質にも大きな影響を与えている可能性は確かなようで、今後の地球環境の変化が気になります。

あるいは、人体への影響もです。今は時代的に人々の免疫が全般的に弱く、また、これからの季節は感染症も増加する時期でもあり、いろいろなことが見られていくのかもしれません。

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