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12月06日にメルマガ免疫と戦争とパンデミックと5Gを発行させていただきました。

2024年からの世界 人類の未来 軍事的カオス

ウクライナが「ロシア領土そのもの」への奇襲による攻勢を開始し、戦争は新たな局面へ。使用された兵器が米国製だと判明した今後、起きることは「妥協か極度の緊張」か

投稿日:

ウクライナ軍による砲撃で破壊されたロシアのクルクス地域の民家

RT




 

ウクライナ軍の奇襲

ロシアとウクライナの戦争が新たな局面に入ったことが世界的に報じられています。

戦線から撤退あるいは後退していると考えられていたウクライナ軍が、突如、ロシア領土のクルクスなどのロシア本土の領土へ「侵攻」したのです。

この戦争が始まってから、ロシア領土そのものにウクライナ軍が侵攻したのは、これが始めてのことであり、すでにロシアの言う、「特別軍事作戦」という域を超えた段階に入ったかもしれません。

スジャでウクライナ軍に降伏するロシア軍

zerohedge.com

そして、この侵攻で使用された兵器が「アメリカのもの」であったことが明白となっている中、事態は非常に緊迫してきたと言えます。

まず、欧米の各報道の内容をまとめていた米ゼロヘッジの記事をご紹介します。




 


アメリカ国防総省、ウクライナのクルスク侵攻に関する衝撃的な応酬でモスクワへの攻撃を否定せず

Pentagon Refuses To Rule Out Strikes On Moscow In Shocking Exchange On Ukraine's Incursion Into Kursk
zerohedge.com 2024/08/10

米国防総省は 8月8日の定例会見で記者から、ウクライナ軍が進行中のクルスク侵攻で米軍兵器を使用していることは、ウクライナが米軍兵器で何ができるか、何ができないかという米国の方針と「一致」しているかどうかと質問された。

ウクライナ軍が現在、ロシアの領土、軍隊、民間人、インフラを攻撃するために米軍兵器を使用していることは明らかになっている

国防総省の報道官サブリナ・シン氏はためらうことなく「はい、それは我々の政策と一致しています」と答え、たとえそれがロシア領内であっても、ウクライナから国境を越えてロシアの攻撃陣地へ「集中砲火」を当てる必要性を米国は支持していると説明した。シン氏は、ロシアのクルスク州で起きている攻撃を、その性質上「防衛」的なものと位置付けた。攻撃は4日目に入っている。


ペンタゴンのサブリナ・シン報道官。

シン氏は、依然として、ウクライナが米国の武器を使ってロシア領土の奥深くを攻撃するのを避けるのが米国の政策であることを強調しようとしたが、モスクワへの直接攻撃のシナリオについて問われると、「具体的なところは示さない」と述べたが、その可能性を否定しなかった

しかし、「我々は依然としてロシアへの長距離攻撃を支持しない」と但し書きした。

シン氏はさらに、「攻撃できる場所とできない場所を円形の地図で示すつもりはない」と説明した。たとえ理論上であっても、ロシアの首都攻撃が議論されている国防総省のレトリックが明らかにエスカレートしているのを聞いても、ロシア政府は納得しないだろう。

言うまでもなく、国防総省の毎日の記者会見で、モスクワへの攻撃について公然と語られているこの大規模な代理戦争において、私たちは信じられないほど危険な時期に突入している

最大 1,000人の兵士が参加したとみられるウクライナの国境を越えた攻勢は 8月6日早朝に始まり、高速装甲車が先頭に立ち、ウクライナに最大 10km侵入することができた。

ロシア政府は、ロシア領土への攻撃に米国が供給した装備が使用されているのを確認したと述べている。

ロシア国防省は先に、「ビデオ監視データによると、ランセット徘徊型兵器が、アメリカ製のブラッドレー歩兵戦闘車、カザフスタンの装甲車、ウクライナの装甲兵員輸送車、歩兵戦闘車を射撃位置で破壊したことがわかった」と発表していたニューズウィーク誌もビデオ証拠に基づいてこれを確認した。

国防省はさらに、空軍力を含む侵略者追放の​​ための大規模な対応策が講じられる中、数十台の装甲車両が国境を突破し、ロシアの領土内で活動していると述べた。

8月9日の時点で、クルスクでの戦闘は 4日目に入っているが、これはウクライナ軍がロシア国内に侵攻した前例のないことだ。

ウクライナは同時に国境を越えたドローン攻撃を強化しており、報道によれば、レペツク地域の重要な軍用飛行場が攻撃され、 滑空爆弾が保管されている施設が被害を受けた。

最新の情報によると、以下の状況となっている。

・ウクライナの無人機がロシアのリペツク州にある重要な軍用飛行場を攻撃し、ウクライナは戦争開始以来ロシア領土で最大規模の攻撃を続けている。

・ウクライナ軍は 8月8日の夜、ウクライナ国境から約 300キロ離れたリペツクの飛行場を標的とし、空港付近の倉庫や複数の不特定の物体を攻撃したと、ウクライナ軍参謀本部がグーグル翻訳されたテレグラムの投稿で述べた。

・今週初め、ウクライナ軍の攻撃により数千人が避難し、クルスクでは非常事態宣言が発令された

 

このハイリスクな攻撃のタイミングは興味深い。

これは、ウクライナ軍がドンバスでゆっくりと着実に後退している時期に起きた。ウクライナは、ロシア軍司令部を最前線の作戦からそらすため、またモスクワの士気を低下させるために、何か「大きな」ものを必要としていた。

そして今、ウクライナはバイデン政権に対し、ロシアのさらに奥深くを攻撃するために ATACMS 長距離ミサイルの使用を許可するよう圧力をかけている。

これにより、ロシアとの交渉に必要な影響力が彼らに与えられる。これがすべてだ」とゼレンスキー大統領の上級顧問ミハイル・ポドリャク氏はワシントン・ポスト紙に語った。

ゼレンスキー大統領自身も 8日、ロシアは侵略と戦争の結果を「感じる」必要があると発言していた。「ロシアは我が国に戦争を持ち込んだのだから、何をしたのか感じるべきだ」と同大統領は語っていた。

ウクライナ軍は実際にロシア・クルスク州の一部を支配し続けようとしているようで、当局はおよそ 100平方キロメートルの領土を占領したと疑わしい主張をしている。ウクライナ軍はまた、数百人のロシア兵を捕虜にしたとも述べている。

ワシントンポスト紙やウクライナメディアの情報源は以下のように伝えている。

ウクライナ軍がロシアのクルスク州に侵攻したことを受けて、ウクライナ指導部は米国に対し、ロシア領土を標的に ATACMS を使用する許可を求めている

ワシントン・ポスト紙がウォロディミル・ゼレンスキー大統領の匿名の顧問の言葉を引用して報じたところによると、これによりウクライナは侵攻した領土を保持できるようになる可能性があるという 。

長距離ミサイルは、ロシア軍の飛行場を攻撃するために使われる予定で、そこからロシアの航空機がウクライナの陣地を爆撃する。情報筋によると、このような政治的決定は、ウクライナ軍がクルスク州の一部を支配し続けるのに役立つだろうという。

前述のペンタゴン報道官の発言では、モスクワ攻撃の制限については明らかに言及されていなかったが、ロシア領土での ATACMS の使用に対するワシントンからの潜在的なゴーサインは日増しに可能性が高まっている。

プーチン大統領は、これは米国がより直接的にこの戦争に参戦することを意味するとみており、これまで、こうしたシナリオについては明確な一線を引いてきた。


 

ここまでです。

プーチン大統領は、この戦争が始まったときから、

「アメリカ(あるいはどの国でも)ロシア領土を標的として攻撃に、その国の兵器が使用された場合は、その国のロシアへの戦争行為と見なす」

というようなニュアンスのことを何度も語っていました。

今起きていることがそれです

さて、プーチン大統領はどうするのか。

すでに、実際にロシア領土の一部が、ウクライナ軍に占領されているのです。その戦闘には豊富なアメリカの兵器が使われました。

これで、特にプーチン大統領が「過度な反応」をしなかった場合、「プーチン大統領の言っていたことはすべてハッタリだった」ことになります。

普通の、どこにでもいる口だけの政治家の姿です。

それに関しては、今後、数日とはいわなくとも、数週間などを見ていればわかると思いますが、ウクライナとアメリカは、「明確に一線を越えた」のです。

ウクライナ側の行動が明確に一線を越えた以上は、確かに緊迫感は過去最大に高まっていますが、どうなるのかはわかりません。

 

ちなみに、ロシア政府は、このクルクスへのイスラエル軍の侵攻に関しては、特別軍事作戦の範疇ではなく、

「対テロ作戦として行動に当たっている」

報じています。

戦争ではなく「テロ」というカテゴリーに今回のことを当てはめることで、西側との最悪の衝突を避けようとしているのかもしれません。

それが賢明な態度なのか、さらにアメリカをつけあがらせるだけなのかはわからないですが、ロシア側はこれまで、欧米の一方的な「レッドライン超」を常に黙認してきたわけで、ここで沈黙した場合、それがさらにエスカレートすることは明らかです。それを理解しているのかなとは思います。

プーチン大統領がそこまで無思考だとは思いませんが…。

放っておくと、さらにエスカレートして、気づけば、手がつけられなくなるような状況の中で、全世界が巻き込まれるような事態の直前にまで状況が悪化してしまう可能性だってあるのかもしれません。

ロシアにはそれを可能とする十分過ぎる量の核兵器があります。

状況の進展次第では、今年後半に、とんでもない禍根を残すという事態のまま、2025年に突入してしまうかもしれません。

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Oka In Deep

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