すっかり忘れていたシュミータ
人はいろいろと忘れてしまうもので、アメリカの大統領も最近、「知り合いの議員が亡くなったこと」を忘れ、死者を探し続けていたことが報じられていますが、確かにいろいろと忘れるものです。
そんな中、「こんなことまで忘れてたのかよ」と自分で思わざるを得ないことを忘れていたことを今日知りました。
日刊ゲンダイで、投資関係の記事なんですが、以下のようなものを偶然見たのです。
(報道) ユダヤ暦から予測する7年周期の大暴落 イスラエルを取り巻く情勢を理解する (2022/10/01)
投資助言会社社長の松島修さんという方の記事なんですが、この記事の冒頭が以下のように始まっていたのでした。
> 世界の相場は7年ごとの9月近辺に金融危機や大暴落がありますが、これはユダヤ暦の7年ごとにある安息年(シュミータ年)の大晦日(エルル月)の29日近辺と合致します。 (nikkan-gendai.com)
これを読みまして、
「あいやー、シュミータだったか!」
と、すっかり忘れていたことに気づいたのでした。
シュミータとは、ユダヤ教の安息日の概念で、7年ごとにおとずれるものです。
このシュミータのときには、たとえば、株式相場でいえば、間違いなく「下落する」時でした。
過去6回のシュミータの際の相場
nikkan-gendai.com
「チックショー、思い出していれば投資を……」と舌打ちしながら、しかし、投資のほうはともかくとして、In Deep の過去記事を探してみました。
シュミータというのは、そのことを書いた時に初めて知った概念なのです。
今から 7年前の以下の記事ですね。
[記事] シュミータとは何か?:ユダヤ教のラビ、ジョナサン・カーンが語る「市場の崩壊、国家の盛衰、戦争、高い塔、9/11…etc」との関係についての全語録…
In Deep 2015年09月03日
このタイトルにもありますように、歴代のシュミータの時には、
・株式など市場の崩壊
・特定の国家の衰退
・戦争
が起こり「やすい」のです。
先ほどの記事では、2015年のアメリカのテレビ番組で、ユダヤ教のラビであるジョナサン・カーン(Jonathan Cahn)という方の語ったことを翻訳していますが、抜粋しますと、この記事を書いた 2015年までのシュミータでは以下のようなことが続きました。
(ジョナサン・カーン氏の言葉より)
> 株式市場の暴落と不況があった 1973年はシュミータの年で、1980年もシュミータの年、1987年もシュミータの年、そして、2000年もシュミータの年でした。2007年もそうです。すべてが聖書に書かれてある通りに起きているのです。ものによっては「秒」まで記録されています。歴史上の大恐慌を見ると、そのほとんどすべてがシュミータの年に起きていることがわかるのです。
>
> 歴史上で三番目に大きな不況が 1937年~38年に起きました。これはシュミータの年でした。この時は、ウォール街が暴落した翌日にシュミータが始まったのです。 2007年~2008年の大不況もシュミータの年に起きました。この時は、借金を完全に消し去る「エルル29」の日に、株式市場が大暴落しました。
>
> 1929年の大恐慌も関連しています。
さらには、シュミータには以下のようなことも起きてきました。
(ジョナサン・カーン氏の言葉より)
> 「揺れ」「陥落」「崩壊」の意味を持つシュミータですが、シュミータの年である 1917年にウォール街で暴落が起きましたが、それと同時に、そのシュミータの年には多くの国々を揺るがした第一次世界大戦がありました。
>
> シュミータは、崩壊を象徴しますが、この大戦では4つの帝国が崩壊しました。ドイツ、ハンガリー、ロシア、オスマン帝国です。
>
> シュミータは、国家の台頭も意味しますが、1917年にはアメリカが台頭し始めました。……それから4回目のシュミータを経た 28年後の 1945年には、第二次世界大戦で、またもさまざまな国々が揺さぶられました。
>
> ヒトラーが攻撃を始めたのは 1938年でした。シュミータの年です。そして、これは7年間続き、シュミータの年である 1945年に終わります。ホロコーストも、シュミータの年の 1938年に始まり、1945年に終わります。
>
> シュミータがピークのときは、第二次世界大戦は最も激しいときでした。そして、「消滅」、「一掃する」日が近づくシュミータのピークの 1945年の夏、原子爆弾が落とされます。この第二次世界大戦の終結も、7年間のシュミータの最後の週でした。
いろんなことが起きてきた時でもありました。
今回のシュミータは、9月25日頃に終わったと思われますが、そこから考えれば、シュミータの最後の週に、ロシアはウクライナの一部を併合すると共に、プーチン氏が「核も使いますよ」と正式に宣言したのでした。
先日のメルマガに、ロシアの元大統領であるメドベージェフ氏の 9月27日のテレグラムへの投稿を翻訳して載せましたが、そこでは、以下のように大統領以上にハッキリと言っています。
(メドベージェフ氏の投稿より)
「私たちまたは私たちの同盟国がこの種の武器を使用して攻撃された場合、核抑止の分野における国家政策の基本に厳密に従って、ロシアは必要に応じて核兵器を使用する権利を持っている」
今、メドベージェフさんのテレグラムを見てみましたら、新しい投稿がありました。これもなかなか激しいものですが、短い投稿ですので、ご紹介します。「詩」から始まります。
これは「ウクライナがNATO加盟申請」 (読売新聞)という報道を受けてのものだと思われます。
10月1日のメドベージェフ氏の投稿より
私たちは祝福している。
彼らが持っているものは……
強力なドラッグ
認知症
キュニコス派ゼレンスキーはすぐに NATO に参加したいと考えている。
これは素晴らしいアイディアだ。
北大西洋同盟に第三次世界大戦の開始を早めるよう懇願するだけだ。
明らかにこの男はそれをカバーした。バイデンは、ロシアへの新領土併合の事実を認めないと発表した。
バイデンが私たちのことをまだ覚えていたことは不思議だが、しかし、恥知らずだ。
我々は、ロシア連邦の新しい地域にアメリカ領事館を開設するのに適した場所を見つけることができたようだ。
ストルテンベルグはこう言った。「ウクライナが戦闘をやめれば、国家として消滅するだろう」
なんという冷淡な子ども … 結局のところ、彼が止まらなければ、ウクライナ人のかなりの部分が姿を消すだろう。
ここに出てくる「ストルテンベルグ」というのは、誰だかわからないですが、おそらく、NATO 事務総長のイェンス・ストルテンベルグさんかなと思います。
キュニコス派というのも、よくわからないですが、Wikipedia によれば、
> 彼らは一切の所有物を持たない簡素な生活を送ることになった。
とあり、その語源 (Cynic / 英語で「皮肉屋」)は、「犬」という意味だそうで、
> 従来の常識を何ら恥じることなく拒絶して路上生活する彼らの決断に対する侮辱として、「犬」という単語が初期のキュニコス派に投げつけられていた…
ということだそうです。
つまり、メドベージェフ氏は、「彼らはたくさんの犬を持っている」と言いたかったようです。
「認知症」という文言もありますが、これは誰を指しているのか見当がつきません。欧米にそんな指導者はいないと思います。 (ジャッキーはどこ?)
遠回りになりましたが、こういうさまざまなことが起きていたのが「シュミータの期間」だったと。
売りから入る投資をしていた人たちはずいぶん儲けたと(未練はいいから)。
しかしですね。
先ほどの日刊ゲンダイの、松島修さんの記事で最も注目すべきは以下なのです。
> 実は、9月26日からヨベルの年のスタートだという説があります。
>
> ヨベルの年とはシュミータの7年を7回、49年の翌年50年目で大解放の時です。借りていた土地は返さなくていいし奴隷は解放されるリセットの年です。(nikkan-gendai.com)
「え?」と思いました。
この「ヨベルの年」というのは、Wikipedia 的には、以下のようなものです。
> 旧約聖書レビ記第25章に基づき、ユダヤ教では50年に1度の大恩赦の年(ヨベルの年)を迎えるようになっており、カトリック教会では、25年に1度「聖年」として記念してきた。すべてのものが元に戻る年。
ここには、50年とありますが、サイクルとしては、7× 7の「 49年のサイクル」とするものだと思いますが、それはともかくとして、私は、「 2015 - 2016年がヨベルの年」だと思っていたのでした。こちらの記事などにあります。
しかし、まあ、いろいろなことがあったとはいえ、2016年が、そんなに「終末的な年」だったとは思えず、
「ヨベル、大したことないじゃん」
と思ってから 7年後に、さきほど日刊ゲンダイの「 9月26日からヨベルの年のスタートだという説」という文字を見たのでした。
いろいろ調べてみましたが、説はいろいろとあるとはいえ、
「どうも、2022年9月26日からがヨベルの年である可能性は高い」
と知りました。
計算などを含めて、かなり丁寧に解説していたこちらの論文のようなもの(英語)がありましたが、ヨベルの年に突入した可能性があることが書かれています。
なぜ、年数についての説に混乱があるかというと、「起点」についての問題もあるようです。
先ほどの論文の解釈は、聖書(イザヤ書)にある、イエス・キリストが「聖なる年 (ヨベルの年)」を宣言した年を西暦 28年としており、その基準での計算でした。
このあたりの宗教的解釈や数学的解釈は私にはわからないですが、現在の混乱し始めているかもしれないという雰囲気は、確かにそれをあらわしているような気もしないでもないです。
ふと、
「 2022年9月からがヨベルの年だとすれば、その前はどうだったんだろう?」
と思い見てみました。
今から 49年前は、1973年です。
以下のような項目が並びます。
1973年の出来事で印象的なこと
・日本の為替レートが固定相場制から変動相場制に移行
・ベトナム戦争でアメリカ軍が南ベトナムから完全に撤退
・ニューヨーク世界貿易センターがグランドオープン
・第四次中東戦争
・オイルショック
・米最高裁が妊娠中絶を規制する米国内法の大部分を違憲無効とする判断を示す。(ロー対ウェイド事件)
などですかね。
このヨベルの年の始まりに起きたアメリカの中絶に関しての判決であるロー対ウェイドの判決が「覆された」のもヨベルの年の始まりの年かもしれない今年というのは印象的でもあります。
(報道) 中絶の権利認める「ロー対ウェイド判決」を覆す判決 (2022/06/28)
世界貿易センターが崩壊したのは、2001年9月11日の「シュミータの時期」ですが、注目したのは、
・為替レートが変動相場制に移行した年
・オイルショックが起きた年
ということで、49年前のような繰り返しがあるのなら「通貨」と「エネルギー」には、今年も大きな混乱があっても不思議ではないです。
エネルギーは、ヨーロッパにおいては、すでに大きな混乱の中にありますが、今のレベルでは済まないものになっていくという可能性もありそうです。そのような雰囲気にすでに満ちています。
なお、49年ではなく、50年というサイクルで見ますと、50年前は 1972年ですが、以下のようなことが目につきます。
1972年の出来事で印象的なもの
・ ローマクラブ、報告書『成長の限界』を発表
・生物兵器禁止条約調印
・アメリカから日本へ沖縄が返還される
・ウォーターゲート事件発覚
・イギリス、ポンドの変動相場制移行
・台湾、日本との国交断絶を宣言
・アポロ計画が終了
・北朝鮮で金日成が国家主席に選出
うーん、1972年もなかなかのものです。
この年に、変動相場制に移行した英ポンドは、ちょうど 50年後の今年、最安値となっています。
ローマクラブの『成長の限界』というのは、地球の人口は削減されなければならないという方針が明確化された最初の頃のものです。
それと、ヨベルの年の聖書的な意味合いとして「不動産」ですかね。
海外のキリスト教系の国際聖書百科事典には、以下のようにあります。
> ヨベルの年の最大の特徴は、ヨベルの年にすべての不動産が完全に返還されたことだ。この規則の主な目的は、すべての世襲財産を最初に所有していた家族に返還し、土地の分割に関する元の取り決めを再確立することだった。
>
> …時間の経過とともに人間の罪によって歪められたすべてのものを回復し、罪のすべての奴隷状態を取り除くことを意味する。
いろいろと「リセットされる」年でもあるようです。
ヨベルの年とは関係ないですが、思い出せば、日本で「預金封鎖」という名目の「実質的な政府による土地の取り上げ」が布告されたのは、シュミータの翌年の2月 (1946年2月)のことでした。
こちらの 2020年5月の過去記事に「昭和21年2月16日の金融緊急措置令」から抜粋していますが、この預金封鎖の最大の目的は、以下でした。
預金封鎖の間に、国民の財産(現金、不動産など)に高い税率(税率90%)をかけることにより、徹底的な財産の没収を行って、国の借金に充てるということ。
国民の「財産の没収」が目的でした。その多くが不動産に向けられました。日本でも、人々が持っていた土地の「リセット」が、この時にあったのです。
しかし、そういうようなことや、経済の懸念などもありますが、今は戦争の行方が気になりますね。
そういえば、さきほどのヨベルの年の文書を書いていた方は、どんな計算なのか、私には理解できなかったですが、以下のように書いていました。
> したがって、イエスが戻ってくると計算される年は 2029年になる。
という主張でした。
同じ頃、悪魔も地上に君臨しますけどね。
[記事] シュタイナーが「悪魔的存在が人間の姿に化身して地球に生まれるのは2001年」と述べていたことを知り、そのアーリマンが表舞台に立つ2033年までの「地球が悪魔に支配されるまでの」道のりを…
In Deep 2020年9月23日
まあしかし、正直、2029年や 2033年などまで生きられる人がどのくらいいるのかなとは思います。
その前に相当究極的な状態が来てしまうんじゃないかという懸念は何となくあります。
この秋から冬の世界は注意深く見ていたほうが良さそうです。
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