そして、フッ素の問題
歯磨き粉については、以前から書かせていただくことも多くありましたが、多くが「フッ素の添加」の問題についてのこととして書いていました。
もちろん、大人には大した問題ではないのかもしれないですが、小さな子どもや赤ちゃんなどには、微量でも作用する可能性があります。
比較的最近の以下の記事でも書いたことがあります。
・小さな子どもへのフッ素の果てしない有害性を今再び思い返す
In Deep 2024年2月6日
フッ素には、以下のような作用があることが論文で示されています。すべての項目の論文のリンクは上の記事にあります。
論文で発表されたフッ素の影響
・フッ化物は松果腺に沈着し、松果体を石灰化する
・フッ化物は関節炎を引き起こす
・フッ化物は腎臓病を引き起こす
・フッ化物は IQ を低下させ、脳の損傷を引き起こす
・フッ化物は男性と女性の生殖能力を弱める
・フッ化物は骨格の健康を弱める(骨格フッ素症)
・フッ化物は心血管炎症およびアテローム性動脈硬化症を引き起こす
・フッ化物は鉛の吸収を増加させる
ここに太字で示しました「フッ化物は IQ を低下させる」というのも、これも主に子どもの話であって、大人はあまり関係ないと思いますが(大人は脳がすでに成長しているため)、アメリカの政府機関が正式に発表したこともあります。
以下の記事にあります。
・米国政府機関である国家毒性プログラムが、「フッ素が子供の IQ を著しく低下させる」ことを正式に発表
In Deep 2023年3月23日
日本の製品に限れば、普通にスーパーなどで販売されている歯磨き粉は、ほぼすべてがフッ素入りです。表向きは、フッ素が歯の健康に良いということでの添加ですが、
「仮にフッ素が歯を守るとしても、子どもの脳を破壊してしまう」
というのは、どことなく本末転倒な話だとは思います。
まあしかし、フッ素のことはともかくとして、英ガーディアン紙が、
「アメリカで販売されている、ほとんどの歯磨き粉製品に有害な重金属が含まれている」
という最近の調査結果を記事にしていました。
歯磨き粉製品の約90%に鉛、約半分には水銀が含まれている
製品への鉛の含有等を調査する組織であるリード・セーフ・ママの調査発表によります。
調査の結果、
「歯磨き粉の約 90%に鉛、65%にヒ素、約半分に水銀、3分の1にカドミウムが含まれていた」
とあり、鉛に関しては、アメリカのほぼすべての歯磨き粉製品に含まれていることになります。
もちろん、これはアメリカでの調査ですので、日本で販売されている製品がどうなのかはわからないですが、ある程度は似たようなことになっているのではないでしょうか。
先ほどのフッ素の影響の項目の中に、「フッ化物は鉛の吸収を増加させる」というものがあることも注目する部分です。
ちなみに、アメリカには、乳児用の食品においての鉛の許容レベルは定められているのですが、歯磨き粉は対象にはなっていません。確かに食べ物ではないですから。
しかし、米国 CDC の「小児鉛中毒予防について」というページを見ますと、「子ども、特に赤ちゃんに対しての鉛の許容レベルはない」と明記されています。微量でもダメなようです。
CDC のページには以下のように書かれています。
血中の鉛
小児における安全な血中鉛濃度(BLL)は特定されていません。たとえ低濃度の血中鉛であっても、発達の遅れ、学習障害、行動障害との関連が指摘されています。鉛中毒の影響は永続的で、障害を引き起こす可能性があります。
親と医療従事者は、子どもを鉛への曝露から守るために、いくつかの対策を講じることができます。子どもが鉛に曝露した、または曝露した可能性がある場合、医療従事者は血中鉛検査を行うことができます。
子どもたちは、生活の場、学びの場、遊びの場など、あらゆる場所で鉛にさらされる可能性があります。鉛への曝露源としては、以下のようなものが挙げられます。
・1978年以前に建てられた家や建物の塗装の剥がれや欠け
・鉛管からの水
・空港、高速道路、工場の近くの土壌
・輸入キャンディーや伝統薬
・輸入玩具
・特定の仕事や趣味
ところで、歯磨き粉になぜ鉛が混入するのか、ということについて、記事では、歯磨き粉の中に含まれる以下の成分に起因している可能性が高いとしていました。
・ハイドロキシアパタイト
・炭酸カルシウム
・ベントナイト粘土
ハイドロキシアパタイトというのは、骨や歯に含まれるリン酸カルシウムの一種で、製品では、牛の骨から抽出されたものを使用しているのだそう。
ちなみに、検索しますと、ハイドロキシアパタイトを使用している歯磨き粉(リンク)も、ベントナイト粘土を使用している歯磨き粉(リンク)も日本でたくさん販売されているようです。
そして、
「皮肉なことだなあ」
と思ったのは、これらのハイドロキシアパタイトやベントナイト粘土というようなものが使用されている製品は、普通に販売されているものより、「天然」や「特別」と謳う製品が多いことです。
また、「フッ素不使用」と表記されているものも多いです。
フッ素を含まない製品を購入してみれば、それは鉛で汚染されている可能性があるということにもなり得ます。
何だかもう、結局、歯磨き粉というのは、どんな製品を使ってのも「子どもには何らかの悪影響がある」ことがわかる話です。
昨年 12月に、「むし歯の本当の原因」について、ふれさせていただいた記事があります。
以下の記事です。
・感染症もむし歯も菌やウイルスによって起きるのではなく、全身の細胞の機能不全が起こしている
In Deep 2024年12月18日
この記事では、歯科医師の松尾晋吾さんという方の名著『世界一やさしいむし歯の教科書』という本をご紹介しています。
難しく書くとキリがないですが、一言で書けば、
「むし歯の原因は、全身の体(細胞)の状態の悪化による」
ものであるということが、わかりやすく書かれている本です。
ここから考えますと、執拗に歯磨きなどで口内衛生を保ち続けることだけを続けるのは、あまり意味がないということにもなり得ます。
もちろん、ある程度の口内ケアは必要なものなのかもしれないですが、多くの歯磨き製品は、これまで書いてきたフッ素、そして今回ご紹介させていただく、鉛やヒ素などの重金属が含まれているということで、繰り返しになりますが、大人はともかく、小さな子どもへの口腔ケアの概念は少し変えるべきなのではないかとも思います。
以前書いた記事で、「唾液の働き」についてふれたことがあります。
米メリーランド大学の研究者たちによる 2019年の「唾液の力:抗菌作用とその先」という論文からでの抜粋です。
論文「唾液の力」より
重要なのは、唾液には過酸化水素、ラクトフェリン、リゾチームなどの抗菌化合物が豊富に含まれているため、微生物種に対する防御に不可欠であるということだ。
その結果、味覚、咀嚼、嚥下への影響に加えて、唾液分泌の乱れは口腔カンジダ症、歯周病、虫歯、呼吸器感染症などの口腔疾患の頻度を増加させる。
…したがって、唾液には、特に口腔内の微生物、常在菌、病原体に対する防御において、有益な保護特性と治癒特性が無限に蓄積されていることが明らかになっている。
子どもの口腔ケアの対応は、この論文に含まれている概念だけでも十分なのではないのかなと。
歯を磨くにしても、「何もつけない」とか、そういうほうがむしろ良いんじゃないかなと。
歯磨き粉に含まれる重金属についてのガーディアン紙の記事です。
歯磨き粉が鉛などの金属で広く汚染されていることが米国の調査で判明
Toothpaste widely contaminated with lead and other metals, US research finds
Guardian 2025/04/17
検査された51銘柄のほとんどに、子ども向けのものも含め、危険な重金属が含まれていた。
新たな研究によると、歯磨き粉は鉛やその他の危険な重金属で広範囲に汚染されている可能性があるという。
鉛検査を受けた 51ブランドの歯磨き粉のほとんどには、子ども用やグリーンと謳うものも含め、危険な重金属が含まれていた。
また、 リード・セーフ・ママが実施した検査では、多くのブランドで、非常に毒性の高いヒ素、水銀、カドミウムが懸念されるレベルまで含まれていることも判明した。
歯磨き粉の約 90%に鉛、65%にヒ素、約半分に水銀、3分の1にカドミウムが含まれていた。多くのブランドがこれらの毒素をいくつも含んでいる。
検出された最高値はワシントン州の基準値には達していたが、連邦基準値には達していなかっった。これらの基準値は、公衆衛生擁護者から安全基準として機能していないとして厳しく批判されてきた。
米 CDC は、鉛への曝露レベルはいかなるものであっても安全ではないと結論付けている。
「これは到底受け入れられない現実です」と、リード・セーフ・ママの創設者タマラ・ルービン氏は述べた。「本当に興味深いのは、誰もこれを懸念事項だとは考えていなかったことです」
鉛は、子どもの認知機能に悪影響を与え、腎臓に悪影響を与え、心臓病などを引き起こす可能性がある。鉛、水銀、カドミウム、ヒ素はすべて発がん性物質だ。
ルービン氏が初めて歯磨き粉に鉛汚染物質が添加されていることを知ったのは、約 12年前、血中鉛濃度が高い子どもを持つ家庭で活動していた時だった。彼らに共通していたのは、鉛を含む歯磨き粉ブランド「アースペースト」だった。
昨年、彼女は蛍光X線(XRF)鉛検出装置を用いて、ある歯磨き粉に高濃度の鉛が含まれていることを検出した。その濃度は懸念されるほど高かったため、読者からのクラウドファンディングで人気ブランドの歯磨き粉を独立系研究所に送り、検査を依頼した。
毒素が含まれていると判明した製品には、クレスト、センソダイン、トムズ・オブ・メイン、ドクターブロナー、デイビッズ、ドクタージェンなどがある。
ルービン氏によると、これまでのところ、リード・セーフ・ママが調べた企業の中で、製品から鉛を取り除く取り組みを行うと表明した企業は 1社もないという。複数の企業から差し止め命令が届いたが、彼女はそれを無視したといい、ブログにもこのことを投稿したという。
一部の企業は、鉛は環境中に微量に存在し、避けられないと主張して自らを弁明している。一方、ルービン氏が検出した濃度は問題にならないと主張する企業もある。
連邦議会で停滞している 2024年ベビーフード安全法は、幼児用食品の鉛含有量を 10ppbに制限することを定めている。カリフォルニア州のベビーフードの鉛含有量制限は 6ppbだが、どちらの法律にも歯磨き粉は含まれていない。
ほとんどの歯磨き粉はそれらの基準を超えていた。
FDA(アメリカ食品医薬品局)の現在の鉛含有量制限値は、フッ素を含まない歯磨き粉の場合は 10,000ppb、フッ素を含む歯磨き粉の場合は 20,000ppbだ。FDAの制限値を超えた製品はなかった。
ワシントン州は最近、1,000ppbの制限を定める法律を制定した。この制限を超えた企業がいくつか報告されているとルービン氏は述べたが、企業には新しい規則を順守する時間がある。
FDA はコメント要請に直ちには応じなかった。クレストの親会社であるプロクター・アンド・ギャンブルも同様にコメントに応じなかった。
ルービン氏によると、汚染は歯磨き粉に添加されている成分、例えばハイドロキシアパタイト (骨や歯に含まれるリン酸カルシウムの一種)、炭酸カルシウム、ベントナイト粘土などに起因しているようだ。
ハイドロキシアパタイトは牛の骨から抽出され、歯のカルシウム吸収を助けるとされているが、ルービン氏はそれが本当かどうかは疑問だと述べている。炭酸カルシウムは歯の汚れを落とすために添加されている。ベントナイト粘土は洗浄剤だ。
最も高い濃度を示したものはすべてベントナイト粘土だった。一方、ルービン氏がハイドロキシアパタイトと炭酸カルシウムを個々の成分として検査したところ、鉛やその他の金属が懸念されるレベルに達し、これらが汚染源であることを示唆した。
ドクターブラウンのベビー歯磨き粉など、いくつかの子ども用歯磨き粉では金属検査で陽性反応が出ず、問題となっている成分も含まれていなかった。
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