上昇傾向は止まることなく継続中
アメリカで、「 16歳以上の労働人口における障害者数」が増加し続けていることは、たびたび取り上げてきました。
米国労働統計局(FRED)のデータでは、昨年の 2025年に以下のように過去最高を更新しています。
2009年から2025年7月までの16歳以上の障害のある米国人の推移

FRED、NOFIA
その後も傾向としては増え続けていて、ついに、今年 7月には過去最大の 3700万人に達したことをエド・ダウドさんが伝えています。
2009年から2026年7月までの障害のある16歳以上の米国人の推移

Ed Dowd
3700万人というのは、人口 3億4千万人のアメリカという国から見ても大きな数値であり、労働力や経済への影響も出てきているものと思われます(2020年に増加した障害者数は 700万人)。
そして、この大きな変動の契機は、2021年に始まったことであり、それはたとえば、2008~2019年の平均値との差を見れば明らかで、以下のように 2021年4月から突如、通常の平均値から大きく乖離した形で増え始めました。
米国の民間労働力(16歳以上):障害者 2008~2019年の平均値との差

Ilkka Rauvola
原因は何かというのは、まあ……もはやあまり考える余地のないことなのですが、問題は、
「時間の経過と共に増加が収まっていない」
ということです。
増減を繰り返しながら、完全な上昇トレンドが継続しています。
ここまで上昇の年月が長いということは、今後も増えていく可能性の方が高いようにも思いますが、それについては今後のデータを見ていくしかないです。
この最新の数字について、エド・ダウドさんが、自身のサブスタックで記事を書いています。
それをまずご紹介したいと思います。
米国の労働人口の障害者数が7月に過去最高の3700万人を記録:2021年2月以降23%増加
US Disabilities Hit an All-Time High of 37 Million In July: UP 23% Since Feb 2021
Ed Dowd 2026/08/11
誰も見たくないシグナル
労働統計局の最新データによると、16歳以上の米国人で障害があると報告した人の数は、過去最高の約 3700万人に達した。2026年7月現在、現行人口調査シリーズでは 3702万9000人となっている。
これは丸め誤差(※ コンピュータが数値を表すときに、端数を四捨五入や切り捨てすることで生じるズレ)や季節的な変動ではない。5年以上前に上昇に転じ、その後も平均回帰を拒み続けている傾向の継続だ。
私は COVID-19 流行初期からこの系列を追跡してきた。グラフは Phinance Technologies (※ エド・ダウド氏が創立したデータ分析の企業)のサイトや X のスレッドで何年も前から公開されている。
毎月、障害を持つ人の総数は徐々に増加している。2020年以前の横ばい状態から 2021年初頭にかけては、数字は比較的安定していた。その後、何かが変わった。
2021年2月は、明確な転換点となった。増加率は新たな、より急激な軌道へと移行し、それまでの傾向から 3~ 4シグマも乖離した。それ以来、調査対象者は 700万人増加した。
成熟人口におけるこれほどの規模の増加は、通常の加齢現象でもなければ、孤立した「ロング COVID 」でも、緩やかな社会学的変化でもない。それは突然の出来事であり、その後も継続している。
そして、他のあらゆる指標に長年執着してきた同じ公衆衛生当局によって、いまだに背景雑音として扱われ続けている。
これらの数字が公表されるたびに必ず出てくる予想通りの反論に答えておきたい。まず、「これは詐欺だ。人々は障害者給付を不正に利用している」という主張だ。
しかし、この主張はデータソースを少し調べればすぐに崩れる。これは社会保障障害保険の申請ではない。SSDI (社会保障障害保険)の支給決定でもない。SSDI の支給決定には時間がかかり、医学的判断が必要で、事務処理の遅れやインセンティブ効果の影響を受ける。
これは、失業率や労働力参加率の数値を算出するのと同じ、毎月実施される世帯調査である現況人口調査だ。
毎月約 6万世帯に連絡が入る。聴覚、視覚、集中力・記憶力・意思決定能力、歩行や階段昇降、着替えや入浴、一人での用事など、深刻な困難について 6つの簡単な質問がされる。「はい」と答えた人は、統計上、障害者とみなされる。
この調査はリアルタイムで行われ、申請に基づくものではなく、給付資格とは一切関係ない。質問内容は 2008年から一貫している。政治情勢の変化によって、突然何百万人もの新たな障害者が回答者として現れるわけではない。
市場、銀行、連邦準備制度が労働市場のシグナルとして頼りにしている同じ調査で、障害者の有病率に数年にわたる、数シグマの断絶が見られた場合、責任ある対応は調査であり、無視することではない。
第二に、「不法移民が数字を押し上げている」という主張も同様に説得力に欠ける。
不法移民は、摘発や強制送還のリスク、あるいは当局への全般的な不信感から、政府の調査に回答しない、あるいは全く回答しないことが以前から知られている。彼らは、電話や対面で、家族の健康上の制約に関する詳細な質問に答えるために列をなすことはない。
むしろ、この調査は、現実と比較して、この人口を体系的に過小評価していると言える。障害の報告件数の急激かつ持続的な増加は、国境での遭遇件数が最近最大規模に達するずっと前の 2021年2月に始まり、単純な人口流入とは矛盾する形で継続している。データは、障害の急増が不法移民によるものだという主張を裏付けていない。
公衆衛生機関やメディアは、この兆候をほとんど無視してきた。
2021年初頭に障害率が急激に変化し、その後も高い水準を維持している理由について、真剣かつ透明性のある調査は行われていない。
COVID 自体、ロックダウン、隔離によるメンタルヘルスへの影響といった一時的な説明は、いずれも時期と規模のテストに合格しない。
ウイルスは 2020年には既に蔓延していたが、このような持続的な減少は起こらなかった。最も急激な増加は、大規模な導入とそれに続く職場での義務化と一致している。
相関関係は因果関係ではないことは、常に言われている。それはもっともだが、何億人もの就労年齢の成人に新たな医療介入が短期間で実施され、独立した高頻度の人口健康調査がまさにその時にマルチシグマ体制の変化を記録した場合、立証責任は変わる。他のあらゆる相関関係の調査を何年も要求してきた当局は、突然関心を失う。
経済的な影響は抽象的なものではない。3700万人以上が障害を抱えていると報告しているということは、社会への完全な参加を阻む障壁に直面する人口の割合が恒久的に増加することを意味する。
障害者の労働力参加率は、障害のない人に比べて依然として大幅に低い。雇用主は欠勤率の上昇とコスト増に直面する。保険制度は増加する請求を吸収する。
今回の調査が請求件数を直接反映したものではないとしても、社会保障制度への財政的圧力は増大する。これらすべては、人口高齢化という背景の中で起こっている。人口高齢化は、障害者の有病率を徐々に上昇させることは予想されていたものの、2021年初頭以降に見られるような急激な上昇は予想されていなかった。
私は長年にわたり、16歳以上の総人口、民間労働力人口、男性、女性、就業者と非就業者といった区分でグラフを掲載してきた。そのパターンは一貫している。
変化率が緩やかになる時期が時折見られるが、その後再び上昇に転じる。2021年2月の転換点が決定的な特徴だ。トレンドが 3~ 4シグマも変化するということは、真剣なアナリストなら見過ごすものではない。市場、疫学、工学など、他の分野であれば、即座に徹底的な調査が行われるようなシグナルだ。
保健当局は別の道を選んだ。
データは蓄積され続けている。全人口調査では、ますます高い数値が報告されている。世帯への質問内容は変わっていない。調査方法は、毎月市場を動かす公式雇用統計と同じだ。
それにもかかわらず、障害者に関する統計は、危険信号ではなく、単なる不便なものとして扱われている。
データから導き出される結論は明白だ。
発生時期、規模、これまで健康だった就労年齢層における集中度、そして他の説明が通用しないことなど、あらゆる点から見て、COVID ワクチン接種キャンペーンが過剰な障害発生の主要因の一つであることは明らかだ。これは、数字が更新されるたびに私が一貫して抱いてきた見解でもある。
政府の主要調査で持続的に見られるマルチシグマの異常値を無視しても、その異常値が消えるわけではない。むしろ、機関が目を背けている間に、その影響がさらに深刻化していくことを確実にするだけだ。
2026年7月の 3700万人という数字は、単なる最新の裏付けに過ぎない。2021年2月に始まったこの傾向は、保健当局によって説明されておらず、適切な厳密さで調査されておらず、逆転もしていない。
状況が変わらない限り、権力者が耳を傾けるかどうかに関わらず、データは語り続けるだろう。
ここまでです。
2021年からの世界
実際、ここまで極端な変化があった場合、専門家などによる調査が行われるのが普通であるけれど、「それがなされていない」ということに、エド・ダウドさんは憤っているようです。
今後も調査が行われるかどうかは難しいところのような気もします。
ちなみに、最近のエド・ダウドさんのインタビュー記事では、これに関して、アメリカ経済への影響として、以下のように述べています。
エド・ダウドさんのインタビューより
質問:これが経済に悪影響を及ぼすのはいつでしょうか?
回答:すでに(米国の)経済に影響が出ています。超過死亡や超過障害が発生し始めたとき、生命保険会社はどうしたでしょうか?商品の価格を引き上げました。
そのため、医療保険の費用は誰にとっても上昇しています。障害者が増えるということは、システムがそれを分散する必要があるということです。つまり、誰にとっても価格が上がるということです。生命保険料が上がり、健康保険料が上がり、障害保険料が上がります。これは雇用主にも影響し、人材を見つけるのが難しくなります。
政府は障害者の費用を負担しなければなりません。…これは経済的な負担であり、生産性の低下につながります。…これはまさに大惨事です。2020年以降、新たに 700万人の障害者が発生しました。…そして、その傾向は依然として続いています。
同時に、日本、あるいは世界ではどうなっているのだろうなという思いもあります。しかし、アメリカ以外では、このような分野での定期的な統計はとられていないように思われ、正確に知ることは難しいと見られます。
障害というのとは別として、少し以前、「2021年以降、人々は変わったままなのだろうか?」というタイトルのメルマガを書きましたが、アメリカのナオミ・ウルフ博士の動画の言葉を抜粋して書いています。
このように述べていました。
ナオミ・ウルフ博士の言葉より
それは大規模な催眠を引き起こしました。
人口の3分の2はもはや推論する能力を失い、脳を損傷させました。人類の3分の2はもう、まともに考えられなくなりました。
彼らは反応しません。
彼らは疑問を持ちません。
ただ…従うのです。
他にもいろいろと述べていましたが、それが「 2021年に起きた特定の理由」が原因なのかどうかは正確には不明です。そんな調査は行われたことがないからです。
ナオミ・ウルフ博士については、2022年に、以下の記事で彼女の文書をご紹介したことがあります。
2021年以来、人間のエネルギーは変わってしまったのだろうか
2022年10月9日
私もそれを感じることはありますが、しかし、これも「主観的なもの」と言われれば、それまでであり、曖昧ではあります。
しかし、エド・ダウドさんの掲げた「数値」に関しては、まったく曖昧なものではなく、2021年以来、何かが進行していて、今後も進行していく可能性があるということには思えます。
行き着く先はどんなものなのでしょうね。
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