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かつて地球に「250年間の寒冷化」をもたらした原因となった「大西洋の海流の崩壊」が正式に確認され、少なくとも欧州と北米は、いつミニ氷河期に突入しても不思議ではない状態に

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11月30日の米国ゼロヘッジの記事より


Scientists: Weak Ocean Circulation Could Signify Incoming Mini Ice Age




 

昨日(12月01日)新しい号のメルマガを発行させていただきました。タイトルは、「 528の世界 : 太陽の周波数は528Hz…そして植物の緑の波長は528nm…」というものです。

いろいろ言われることのある「 528Hz 」という周波数を、数字のレベルから調べていましたら、いろいろ興味深いことが見つかりまして、そのことなどを書いています。

ややマニアックですので、興味のある方は限られるかもしれないですが、よろしければどうぞ。こちらのページからご紹介させていだたいています。

 

 

ついに「重要な海洋循環の崩壊」が確認された

今回ご紹介しますのは、地球の海洋を流れる海の大きな循環のうちの、大西洋にあたる部分の重要な海流の循環が、

「過去最大レベルで弱体化しており、崩壊していると言えるかもしれない」

ということが、研究で判明したことをご紹介します。

最初は科学記事で扱われたものですが、冒頭のゼロヘッジなどのような投資や経済関係のサイトやニュースでも多く取りあげられていました。

その理由は、

「この海流の崩壊により、ミニ氷河期の到来が極めて現実味を帯びてきた」

からです。

この「海流の崩壊とミニ氷河期の到来」の関係については、過去記事でも取りあげたことがあるのですが、まずは、今回の研究発表の内容をご紹介したいと思います。

この研究を最初に報じた科学メディアのユーレカ・アラートの記事からです。

なお、その大西洋の海流の名前は、日本語では「大西洋子午線逆転循環」と呼ばれるようですが、馴染みがない上に実際にほとんど使われていません。一般的には、英語の頭文字から「 AMOC 」と呼ばれています。

これを「アモック」と読んでいいのかどうかよくわからないですので、英語表記とさせていただきますが、この AMOC があるお陰で、「ヨーロッパは人間が住める気温となっている」のです。

AMOC は、ヨーロッパに暖かい海水をもたらしています。

下が AMOC の場所と、暖かい水と冷たい水が循環する様子です。

AMOCの海流の(従来の)構成


fasterthanexpected.com

これが今、「崩壊」しつつあるのです。

まずはここから記事です。


Ocean circulation in North Atlantic at its weakest
eurekalert.org 2018/11/28

北大西洋において海流が最も弱い状態となっている

最近の調査によると、北大西洋の海洋の循環は過去1500年で最も弱くなっていることがわかった

香港大学の地球科学専攻局(Department of Earth Sciences)と「太古海洋科学研究所(Swire Institute of Marine Science)」の科学者、クリステレ・ノット(Christelle Not)博士と、ベノワ・ティボデュー(Benoit Thibodeau)博士によって共同で研究された内容が発表された。

その論文は、20世紀の北大西洋の海洋循環が「劇的な弱体化」を示していることを強調しており、それは地球温暖化とグリーンランドの氷床と関連する溶融物の直接の結果であると解釈されている。

これは北大西洋における、より海流の遅い循環が、北アメリカとヨーロッパの両方の気候に影響を与えるだけでなく、アフリカやアジアの夏のモンスーンでの降雨にも深刻な変化をもたらす可能性があり、近い将来の地球全体の気候にとって重大な事象であると考えられる。

この発見は、権威ある科学誌「ジオフィジカル・リサーチ・レターズ (Geophysical Research Letters)」において発表された。

地球の重要な海流に「大西洋子午線逆転循環(以下、AMOC)」と呼ばれるものがある。この AMOC は、北極圏に対しては暖かい地表水をもたらし、赤道の海域に対しては冷たい海水を深海にもたらしている北大西洋循環の海流のひとつだ。

AMOC がもたらす熱とエネルギーの移動は、海面温度に影響を与えていると共に、水循環、大気の循環、そして熱帯収束帯の変動が含まれる。

このため、この AMOC は、ヨーロッパと北米の気候に直接影響を与えているだけではなく、アフリカとアジアのモンスーン・システムに影響を与える可能性がある。

検証されている多くの気候モデルは、この重要な海流である AMOC が弱体化していることを示し、あるいは「崩壊」の予測さえ示されてきていた。

これは地球温暖化の下で、グリーンランド氷床からの淡水の放出の一部に起因すると考えられている。この淡水は塩水よりも密度が低く、深水の形成を防ぎ、海流の循環全体を遅くしていると見られる。

しかしながら、この AMOC の弱体化については、AMOC についての長期的な記録が不足しているために、それが弱体化しているかどうかについては、依然として激しい議論が続いていた

その中で、ノット博士とティボデュー博士は、海洋の過去の温度を推定するために、海底の堆積物のコアに含まれる「有孔虫 (foraminifer / ※原生動物の一種)」と呼ばれる微生物の化石を検証するという方法をとった。

使用された堆積物のコアは、2つの重要な海流が交差するカナダ沿岸のローレンシャン海峡(Laurentian Channel)からのものだ。

したがって、この場所の海流の強さは、中心エリアの海水温度をコントロールしていると考えられ、すなわち、この中心エリアから再構成された温度が北大西洋循環の強さを示すことを意味する。

協力者たちと、機材でのデータを検証すると共に、気候と海洋をシミュレートできる 2つの数値モデルを使用してその結果を検証した。

ティボデュー博士は、以下のように言う。

「 AMOC は地球の気候を制御するうえで重要な役割を果たしますが、科学者たちは過去にその海流の強さに関しての信頼できる指標を見つけ出すのに苦労してきました」

「今回のこの新しい AMOC の記録の発見は、海流の原動力への理解を深め、最終的に、地球温暖化に伴う潜在的な近い将来の変化をよりよく理解するのに役立つことになるはずです」

興味深いことに、研究チームは、この AMOC の記録を研究している中で、小氷期( 1600年頃から 1850年頃の間の約 250年間のあいだに記録されている長く続いた寒冷期)にも、現在と同じ海流が弱体化していた兆候を発見したのだ。

現在の傾向ほど顕著ではないが、その 1600年頃から 1850年頃の時期には北大西洋での海流の循環が弱かったことが判明した。

これは当時のヨーロッパへの熱移動の減少を意味し、その期間のヨーロッパの寒冷化に寄与した可能性がある。

しかし、ノット博士は、小氷期の AMOC の海流の弱体化と、当時ヨーロッパが寒冷化に見舞われていたこととの関係についての仮説は、より慎重に分析をおこなう必要があると語っている。


 

ここまでです。

ここでは、「 AMOC の崩壊と、寒冷化の関係性」については、

> より慎重に分析をおこなう必要がある

となっていますが、実は数年前から、多くの科学者たちが、この AMOC の弱体化とそれに伴う「寒冷化」について述べてきていました。

以下の記事は 2015年10月のものですが、ここでは、英国のサウサンプトン大学の研究を取りあげています。

海の巨大な変化とミニ氷河期の関係(2):「温暖化が招く寒冷期」からの気温の回復に40年から100年かかるという気候モデルが提示される地球の海で成長する「モンスター・エルニーニョ」

ここで翻訳したこのサウサンプトン大学のニュースリリースのタイトルは、「デイアフタートゥモローは起こり得るのか?」というものでしたが、「デイアフタートゥモロー」というのは、2004年に公開されたハリウッド映画で、地球に氷河期がやってくるというパニック映画ですが、その映画で語られたメカニズムは、

「地球温暖化によって北大西洋の海流が崩壊したことが原因で、地球全体の天候が荒れ、一部は氷河期状態になる」

というものでした。

映画『デイアフタートゥモロー』より寒冷化したアメリカの様子

Day After Tomorrow

 

そして今、この「寒冷化のメカニズム」が現実化するかもしれないのですね。

サウサンプトン大学のニュースリリースから部分的に抜粋しますと、以下のようなことが「現実」に予測されるという結論になっていました。

2015年のサウサンプトン大学のニュースリリースより

サウサンプトン大学の海洋地球科学部のシブレン・ドゥリジョート教授は、ドイツのマックスプランク研究所の高度な気候モデルを使用し、

「もし、地球温暖化と、大西洋の南北方向鉛直循環(大西洋の海水の循環)の崩壊が同時に起きた場合」

には、約 20年間に渡り、暖かくなるのではなく、「寒くなる」であろうことを見出した。

ドゥリジョート教授は、以下のように語る。

「地球温暖化が現在の比率で継続した場合は、地球は、大西洋の南北方向鉛直循環の崩壊からの回復に、約 40年かかるでしょう。しかし、イギリスを含む北大西洋の東部境界では、気温が正常に戻るまでに1世紀以上かかると思われます」

このように語っていまして、この教授は、

「 AMOC が崩壊した場合、ヨーロッパの一部では《100年》にわたり寒冷化が続く可能性がある」

とおっしゃっているわけです。

しかし、この 2015年の時点では、議論はされていたとは言え、実際に北大西洋の海水の循環が「崩壊」していたかどうかはわからなかったのです。

それが今回、新しい調査方法により、「 AMOC の海流の流れが過去最大の弱体化を示している」ことが、ほぼ確実になったわけです。

しかも、今回の調査では、

「1600年頃から 250年ほど続いた《小氷期》にも同じような海水の循環の弱体化が起きていた」

ことがわかったということで、地球全体ではないですが、少なくともヨーロッパと、そして北米などの一部が、「ミニ氷河期のような状態に近づく可能性」は、かなり高くなっているといえます。

In Deep では、この「ミニ氷河期」については、ずいぶん取りあげてきました。

しかし、その多くは「太陽活動との関連」に関してのもので、それについての科学者たちの論文などを取りあげたものが多かったと思います。

記事としては、

ミニ氷河期は「2015年にすでに始まって」おり、今後「200年から250年間続く」というロシア科学アカデミーの科学者たちの主張が公開された
 In Deep 2016年11月5日

精度97%の「2030年までのミニ氷河期突入」予測は、その発表の元となったロシア人女性物理学者の「太陽活動の解析予測の実績」から実現確実な状勢に
 In Deep 2015年07月22日

などいろいろありますが、太陽活動の観点からもまた、今後 10年から 20年以内に、ミニ氷河期的な状況が訪れる可能性が相当高くなっていることは、確定的だと私は考えていました。

しかし、今回の「海流」の問題は、地域的ではあるにしても、太陽の問題より直接的に厳しい寒冷化をもたらす可能性があるということを認識しました。

そして、単に寒冷化というだけではなく、気温の高い場所も多くなっていて、結局は予測としての表現では、気候は、

「ますますカオスになる」

ということになっていくのではないでしょうか。

海流の崩壊の問題は気温だけでもないかもしれません。

漁業などでの異変は、この数年聞こえ続けていることでもあります。

最近も以下のようなニュースがあり、日本のスルメイカ漁が「崩壊」の危機に立たされていることが報じられていました。

スルメイカ 2019年も資源回復せず 「崩壊寸前」専門家に危機感
 デーリー東北 2018/11/30

 

こういうことは今後も増加していくはずです。

何しろ、

「大きな海流がこわれている」

のですから。





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