近年の異常な増加ぶりはすでに警告レベル
今年の夏に、ノルウェーやスウェーデンなどの北欧で、「子どもの記憶障害が爆発的に増加している」ことについて、以下の記事で取り上げたことがあります。
・北欧での「子どもの記憶障害」の爆発的な増加に関する報道から知る、子どもの脳の問題が全世界で深刻化しているかもしれないこと。原因はおそらく「複合」的
In Deep 2025年8月28日
子どもの記憶障害や子どもの認知障害というのは、ちょっと洒落にならない話ですが、それが拡大していると。
ここでご紹介したノルウェーの報道では、ノルウェーでは、5歳から 14歳の子どもの記憶障害(実際に病院を受診した数)が、2019年以来、3倍に増加していると報じられていました。
ところが、その後の別の報道では、「増え方はこんなものではない」ことを知ります。
わりと最近の以下の記事でスウェーデンの報道を翻訳しています。
・北欧で子どもの記憶障害が著しく増加しているという論文。スウェーデンでは過去15年間で60倍に
NOFIA 2025年10月30日
この報道のデータによりますと、
・ノルウェーでは、2006年から 2024年まで 8.5倍の増加
・スウェーデンでは、2010年から 2024年までに 60倍の増加
という普通ではない数字が示されていました。
先ほどリンクした In Deep の記事のタイトルには、「原因はおそらく複合的」ありますが、確かにそうだとは思います。
しかし、この異常な増加には「原因」というものは必ずあるはずで、私はそのひとつに、コロナ(あるいはワクチン)のスパイクタンパク質(脳に直接影響するため)も関係しているかなあと以前は思っていたのですが、増加の推移を示す明確なグラフをその時は見られていませんでした。
今回ご紹介するザ・ディフェンダー紙が引用していた論文にそのグラフがあり、「これはスパイクタンパク質とはあまり関係がないな」と確信することができました。
その論文から一部のグラフを抜粋しますと、以下のようになります。
まず、ノルウェーの子どもの記憶障害の患者数の推移です。
次に、スウェーデンの子どもの「軽度認知障害」の推移です。
ノルウェーの子どもの記憶障害は、「2020年頃から急速に増えた」ことがわかります。
スウェーデンの子どもの軽度認知障害に至っては、
「 2010年までは、ほぼゼロだった」
のです。それが、2010年から現れ始め、2018年から急増、2023年からはさらに急増しています。今では、ノルウェーの記憶障害の子どもは「10万人に 1500人」もいて、スウェーデンの認知障害の子どもは「 10万人に 50人もいる」わけです。普通の話ではないです。
いずれにしても、グラフに大きな変動が見られるのは、コロナやそのワクチンの登場以前の話であり、唐突に増え始めた原因は、他にあると思わざるを得ません。
それで、今回ご紹介する記事に出てくる論文を書いた著者たちは、
「原因は携帯の電磁波(無線放射線)」
だと、ほぼ断言しています。
もちろん、無線放射線は携帯やスマートフォンに限ったものではなく、Wi-Fi にしても他のさまざまな端末の無線にしても、今の世の中では、あらゆる空間を飛び交っているのですけれど(スマートフォンの電磁波が圧倒的な量だと思いますが)、それが原因だと。
5Gが世界的に展開されたのは 2019年からで、その前の 4Gは 2009年に開始されましたが、AI の説明では、以下のようにあります。
> 世界で初めて 4G の商用サービスが開始されたのは、2009年にスウェーデンとノルウェーです。 2009年12月に開始されました。GEMINI
上のグラフにある、「スウェーデンで初めて軽度認知障害の子どもたちが現れた」頃でもあります。
赤ちゃんが最も脳に影響を受けるのだから
これらとは別に、「知的障害」の子どもの数も北欧では増加し続けています。以下は、フィンランドの知的障害患者数の推移です。
2018年-2025年8月までのフィンランドの知的障害患者数の推移

NOFIA
また、北欧では「言語と発話の発達障害」を持つ小さな子どもたちの数も増え続けているようで、医学データだと以下のようになっています。
フィンランドの言語と発話の発達障害患者数(年代別)
2018年〜2025年9月11日

NOFIA
この場合は、2020年から 2025年までに、最も小さな世代である 1歳から 6歳の発話に関する発達障害の患者数が 3倍以上に増えていることがわかります。
もちろん、先ほど書きましたように、「要因は複数」だとは思います。
現代社会には、特に子どもや赤ちゃんの脳を攻撃するものがあまりにも多く、口から入るものや環境から曝露するもの、あるいは強い電磁波など、いろいろなものが脳に悪影響を与えていると思われます。
これに関しては、すでに脳が発達した大人より、脳が成長中の子どものほうが影響を受けることは確実で、もっといえば、電磁波などは、
「お腹の赤ちゃん」
も強い影響を受けていると思います。
お腹の赤ちゃんは、脳が一から作られていく存在なのですから、影響を最も大きく受けるはずです。
何よりも思うのは、「これが北欧に限った問題のわけがない」ということです。北欧は、医学データがかなりきちんとしているからこそ、こういうデータが見られるわけで、データが曖昧な国では、実際の数字はわかりません。
日本にしても(あるのかもしれないですが)子どもの記憶障害や認知障害の患者数の推移の医学データは見たことがないです。
ともあれ、原因は何であるにしても、時間が経過するにつれて、この問題は社会にも大きな影響を与えていくことになると思われます、
近い未来を作るのは子どもであり若者ですから。
米ディフェンダー紙に、スザンヌ・バーディック博士という方が書いた記事をご紹介します。
研究は、子どもの記憶障害の急増と無線放射線被曝との関連性を示唆している
Study Links Surge in Children’s Memory Problems to Wireless Radiation Exposure
Suzanne Burdick, Ph.D. 2025/10/23
スウェーデンとノルウェーの子どもや十代の若者の間で、記憶障害が「驚くべき」ほど増加しており、新たな査読付き研究の著者たちは、その原因は無線放射線への曝露増加にあるとしている。
「記憶障害の急増は、診断基準の変更や登録機関への報告だけでは説明できません」と、本研究の著者の一人である医学博士レナート・ハーデル氏はプレスリリースで述べている。
「記憶障害を持つ子どもの数が増加しているという私たちの調査結果を公衆衛生当局が真剣に受け止め、無線放射線への子どもの被曝増加がその原因の可能性として考慮するよう強く求めます」
「したがって、私たちは、子どもたちの脳と全般的な健康を守るために、 RF放射線(無線周波放射線)への曝露を減らすことを目的とした対策を求めます。」
この研究は今月、「Archives of Clinical and Biomedical Research (臨床と生物医学研究)」誌に掲載された。
環境・がん研究財団の腫瘍学者兼疫学者であるハーデル氏は、350本以上の論文を執筆しており、そのうち約 60本が高周波放射線に関するものだ。また、枯葉剤の毒性に関する報告書を最初に発表した研究者の一人でもある。
ハーデル氏と、スウェーデン放射線防護財団の共同設立者兼理事で主任研究著者のモナ・ニルソン氏は、スウェーデンとノルウェーの国民健康データを調べ、ノルウェーの 5~ 19歳の児童の記憶障害に関する医療相談件数が 2006年から 2024年の間に約 8 .5倍に増加したことを発見した。
スウェーデンでは、記憶障害を含む軽度認知障害と診断された 5~ 19歳の子どもの数が、2010年から 2024年の間に 60倍近く増加した。
「調査結果は真剣に受け止め、評価する必要があります」とハーデル氏はディフェンダー紙に語った。
「特に学校において、子どもたちの全体的な曝露を減らすための対策を講じる必要があります」
ニルソン氏も同意見だ。「こうした憂慮すべき傾向は逆転させなければなりません。放射線被曝量を減らし、関連する健康リスクについて人々に情報を提供する必要があります」と彼女は述べた。
著者たちは記憶障害と無線放射線を関連付けている
著者たちは報告書の中で、無線放射線が子どもの記憶力低下の主な原因であると主張している。
彼らは、非常に低レベルの RF 放射線が脳、特に記憶と学習に中心的な役割を果たす海馬に悪影響を与える可能性があることを示す多数の疫学的研究と実験的研究を引用した(論文の 1つ)。
「動物と人間の両方において、RF放射線が記憶を阻害するという証拠は数十年前から豊富にあります」とニルソン氏は述べた(引用されていた1969年の論文)。「私たちが観察している傾向は、子どもや青少年のRF放射線への曝露が急増している時期とほぼ一致しています。」
ハーデル氏は、スマートフォン、ワイヤレスヘッドセット、Wi-Fi、5Gの利用増加により、過去 10年間で無線への露出が増加したと述べた。
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