「意識」の在処
米エポックタイムズに「意識は墓場には行かない」というタイトルの記事がありました。
心臓を移植された患者が「提供者の性格に変化する」ということなどの話から始まり、最終的に「意識は自由に動き回る」ということにまで話は進んでいく壮大な記事でした。
ふと著者を見ますと、ユホン・ドン(Yuhong Dong)とありました。ユホン・ドン博士は、コロナワクチンが展開されていた頃、私が非常に参考にさせていただいた記事を数多く書かれていた医学者の方です。
mRNA の構造や終止コドンの意味などを勉強させていただいた 2023年の「ワクチン後の損傷、巨大な血栓、未知のタンパク質、そして逆転写と「切断されたmRNA」との関連」という記事でご紹介させていただいたものや、各種のワクチンに使用されているアルミニウムのリスクのメカニズムを正確に知ったのもユホン・ドン博士の記事によるものでした。(記事「アルミニウムとポリソルベート80の饗宴。作用と影響」)
その他にもさまざまなことを教わった感じのあるユホン・ドン博士ですが、今回の内容は、
「人間の意識は完全に自由に移動しており、それは物質や次元にさえも依存していない」
ことを示す内容で、大変に魅力的な記事です。
各種の研究の論文にもすべて資料やリンクが示されています。
かなり長い記事ですので、さっそくご紹介させていただこうと思いますが、記事の最初に出てくる「心臓移植された人の人格が変化する」ことについては、昨年の以下の記事でもふれたことがあります。
(記事)心臓には記憶がある。そしてRNAには記憶がある…ことから思う、これからの人類のDNA
In Deep 2023年8月17日
しかし、実際には、「意識」というものは、 DNA や RNA といったものにも縛られているわけではなく存在しているのでしょうね。DNA も RNA も物質ですから。
この「死後の意識」については、詩人イェイツの名著『ヴィジョン』にさまざまな概念が描かれていますが、それにふれると長くなりますので、また別の機会にと思います。
ここからです。太字の強調はこちらでしています。
意識は墓場には行かない - ではどこに行くのか?
Consciousness Does Not Go to the Grave - So Where Does It Go?
Yuhong Dong 2024/10/21
臓器移植を受けた人や臨死体験者から得られた検証可能な詳細情報の多くは医療ガイドラインに反映され、人間の意識の本質に光を当てている。
「彼が私を抱きしめたとき、息子の存在を感じました」とジェリーの母親は語った。「ジェリーがそこにいたのです」
ジェリーは生後 16か月のとき、悲劇的に溺死した。彼の心臓は先天性心疾患を患う生後 7か月の男の子、カーターに移植された。
数年後、医師で自称「生まれながらの懐疑論者」のジェリーの母親がカーターと出会ったとき、彼女は息子との類似点に衝撃を受けた。「カーターは 6歳ですが、ジェリーの赤ちゃん言葉を話し、ジェリーと同じように私の鼻で遊んでいました」と彼女は語る。
カーターの母親も、心臓移植後の息子の異常な行動を目撃した。
「カーターが(ジェリーの)母親のところに行くのを見たのです」とジェリーの母親について語った。「カーターは決してそんなことはしません。彼はとてもとても恥ずかしがり屋なのですが、赤ちゃんの頃に私のところへ走って行ったように、ジェリーの母親のところへ行きました。カーターが『大丈夫だよ、ママ』とささやいた時、私は泣き崩れました。カーターは(ジェリーの)母親に電話したのです」
さらに驚いたのは、ジェリーの父親に対するカーターの反応だった。
「私たちが一緒に教会に行ったとき、カーターはジェリーの父親に会ったことがなかったんです」と彼女は説明した。
「私たちは遅れて到着し、ジェリーの父親は会衆の真ん中で一団と一緒に座っていました。カーターは私の手を離して、その男性のところへまっすぐ走りました。彼は、(ジェリーの)父親の膝の上に登り、父親を抱きしめて『パパ』と言いました。私たちはびっくりしました。どうしてカーターはジェリーの父親を知っていたのでしょう? なぜ彼をパパと呼んだのでしょう?」
カーターのケースは、意識の本質について注目すべき疑問を提起している。意識は脳に限定されているのだろうか? 膨大な医学研究はそうではないことを示唆しており、意識は心臓などの他の臓器にまで及ぶ可能性があり、生と死の間の特別な境界(過渡的)状態では身体を超越することさえあることを示している。
新しい心、新しい人?
ハワイ大学の臨床神経心理学者ポール・ピアソール氏とアリゾナ大学ツーソン校心理学部および医学部のゲイリー・シュワルツ氏およびリンダ・ラセック氏が、ジェリーとカーターの症例を初めて記録した。
彼らの研究は、ピアソール氏が 10年間にわたって注目した 23件の心臓移植を含む 74件以上の臓器移植事例に基づいている。
同氏は、臓器の受容者は、好み、感情、性格特性、記憶、さらにはアイデンティティの側面など、臓器提供者の特性を模倣することがあるということを発見した。ピアソール氏の研究計画は徹底したもので、移植受容者、その交友関係、提供者の近しい関係者へのインタビューが組み込まれている。
研究者らは、少女「ダニエル」のケースを含む、臓器移植後の性格の変化を経験した患者 10組のケースから得た重要な観察結果を詳述した。
18歳の少女ダニエルは、18歳の少年ポールから心臓移植を受けた。
移植前、ダニエルは音楽に興味がなかった。しかし、ポールの心臓を移植されてから、音楽に対する深い愛情が芽生え、ポールが演奏していたギターを弾きたいという強い衝動を感じた。
ダニエルはポールの家族に会ったとき、強いつながりを感じたと語り、「私は彼(ポール)を直接知っていました」とダニエルは述べた。
もう一つの有名なケースは、クレア・シルビアの事例だ。彼女は心臓移植後の体験を綴った回想録『心の変化』を 執筆した。彼女は移植後、予期せぬ食べ物への渇望が生じたと報告している。
自称「健康志向のダンサー」であるシルビアは、それまで嫌いだったチキンナゲットに対する「抑えきれない衝動」が突然湧き起こった。この渇望は後に、ドナーの好みと一致していることが判明した。
1992年に発表された回顧的研究によると、オーストラリアの移植患者 47人のうち 6%が新しい心臓を移植された結果、明らかな性格の変化が見られたと報告されている (論文)。
2024年に行われた横断研究では、心臓移植を受けた 23人の患者と腎臓、肺、肝臓など他の臓器の移植を受けた 24人の患者の性格の変化を比較した (論文)。
この研究では、臓器移植を受けた患者の 89%が性格の変化を経験したことが報告されているが、著者たちはこれらの変化をドナーの特性と関連付けてはいない。
調査結果によると、心臓移植を受けた人の 47.8%が少なくとも 4つの重大な性格の変化を経験したのに対し、他の臓器の移植を受けた人では 25%だった。
この調査では、スポーツ活動への参加や観戦、気質の変化、食べ物の好みなど、性格の変化が報告された。
さまざまな研究でさまざまな結果が報告されているが、これは研究デザインや方法論の違いから生じている可能性がある。また、移植後に性格に変化が見られなかったという報告もあることを指摘しておく必要がああるだろう。
心臓脳
コロラド大学医学部精神科臨床助教授のミッチェル・B・リースター博士は、心臓移植の際、臓器に保存されたドナーの意識や記憶がレシピエントに移される可能性があるという仮説を立てた (論文)。
彼は、受容者は細胞記憶を通じてドナーから性格特性を受け継ぐ可能性があると述べ、それをエピジェネティック、DNA、RNA、タンパク質記憶、心臓神経、電磁エネルギーの 6つのタイプに分類した。
解剖学的に、心臓の神経系は脳の神経系と驚くほど似ている。
どちらの系も複雑な構造を持ち、類似した神経伝達物質を共有し、時間の経過とともに適応性を示す。これらの類似点から、心臓はしばしば「心臓脳 (the heart brain)」と呼ばれる。
5,000年の歴史を持つ伝統的な中国医学にも、「心は精神と魂を司る」という同様の格言があり、私たちの心は意識の一部であることを示唆している。
性格の変化については、免疫抑制剤の影響、手術のストレス、統計的な偶然など、他の説明もある。これらの代替説明は、いくつかのケースについては説明できるが、ドナーとレシピエントの類似性が非常に高いケースを説明するには不十分だ。
元脳神経外科医でハーバード大学医学部の教授であるエベン・アレクサンダー博士は、エポックタイムズのインタビューで「これを『心臓の意識』として見るのは完全に理にかなっています」と述べた。
同時に、彼は、意識を心臓や脳だけに限定するのは、全体像ではないかもしれないと付け加えた。臓器はむしろ「トランシーバー、あるいはフィルター」として機能していると彼は語った。「私たちの肉体は、この意識を顕現する方法にすぎないのです」
アレクサンダー氏の見解は、メディカル・シティ・ダラス病院の元主任スタッフであるラリー・ドッシー博士の見解と一致しており、ドッシー博士は、私たちの意識は非局所的であり、心臓や脳などの特定の場所に限定されないと主張している (論文)。
しかし、心臓も脳も機能していない場合でも、意識は存在し続ける。
体外離脱
元心臓専門医のマイケル・サボム博士が報告した興味深い症例の 1つは、動脈瘤の手術を受けた 35歳のパム・レイノルズさん(仮名)の症例だ (論文)。
手術の成功を確実にするために、彼女の脳からすべての血液が抜かれ、心臓も止まった。
手術中、脳波は見られず、脳幹も活動を示さなかった。さらに、彼女は深い麻酔下にあり、体温は 15℃まで下がっていた。あらゆる臨床的定義からすると、彼女は完全に意識を失っていた。
しかし、後にサボム博士の著書『光と死』で語られているように、手術が始まって間もなく、パムさんはブンブンという音を聞いて、まるで自分の体から離れたかのような感覚を覚え、最終的には外科医の肩に座っているかのように、より高い視点から手術を観察した。
手術後、パムさんはいくつかの鮮明な詳細を報告した。彼女は頭蓋骨を開くために使用された脳神経外科医の器具を正確に描写し、医療スタッフ間の会話を詳しく話すことができた。
彼女は、100デシベルの装置が耳に挿入され、脳がまったく活動していないにもかかわらず、「ホテル・カリフォルニア」の曲が聞こえたと主張した。彼女の観察はすべて、後に医療スタッフによって確認された。
オランダの心臓専門医ピム・ファン・ロンメル博士は、 2001年にランセット誌でオランダでの別の症例を報告した (論文)。
44歳の男性が心停止を起こし、昏睡状態に陥った。蘇生処置中、看護師が患者の入れ歯を外し、近くのカートに載せた。数時間後、医療チームは男性の心臓を正常に再始動させた。
患者が完全に意識を取り戻すまで 1週間が経った。病院のベッドに横たわっていると、スタッフが何かを探しているのに気づいた。皆が驚く中、患者は突然、看護師の一人を指差して「彼女は私の入れ歯がどこにあるか知っている」と言った。入れ歯がカートの下の引き出しに入っていたことを彼は正確に思い出した。
珍しい経験ではない
「臨死体験」または NDE として知られるこれらの現象は、臨床的に死亡または極度の危険の瞬間に鮮明な体験をした人々によって報告されている。
サム・パルニア博士らの研究は、心停止症例 2,060件を調査し、患者の 9%は心臓が停止しても意識が保たれていたことを見出した。10人に 1人近くが臨死体験を経験しており、この現象が珍しいものではないことを示している (論文)。
同様に、ヴァン・ロンメル博士は、心停止後に蘇生した 344人の患者のうち 18%が鮮明な体験を述べたと報告した。
臨死体験に共通する特徴は、「意識が肉体から分離する」という感覚であり、これはしばしば「体外離脱体験」とも呼ばれる。
このような現象は、パルニア博士の研究では臨死体験者の 13%から報告され、ファン・ロンメル氏の臨死体験に関する研究では 24%から報告された。
これらの人々は、自分の体の外で浮遊し、周囲の細部を観察していると説明しており、その多くは、パムさんの場合のように、医療関係者によって独自に確認できるものだ。
驚くべき精度
臨死体験、死後のコミュニケーション、その他の超越体験のカウンセリング的意味合いを主な研究対象としているジャニス・ホールデン氏は、臨死体験をした患者 93名にインタビューを実施した (論文)。
ホールデン氏は参加者に、周囲で起こった出来事について観察したことを述べるよう依頼した。その後、病院のスタッフがこれらの観察の正確さを検証した。
結果によると、観察の 92.5%は完全に正確で、病院スタッフが確認した実際の出来事と一致していた。さらに、観察の 6.5%は、ほとんどは正確だったが、わずかな矛盾があったことを示している。
観察のわずか 1.1%が不正確であると判断され、これは研究対象となった 1人の患者に起因していた。
ケンタッキー州で放射線腫瘍医として活躍するジェフリー・ロング博士は、25年間にわたって臨死体験を研究してきた。
ロング博士は著書『死後の世界の証拠:臨死体験の科学』の中で、臨死体験者 617人を対象にした調査について説明している。そのうち 46.5%が体外離脱体験を体験したと述べている。これらの人々の間では、観察の 97.6%が現実であると確認された。
「命の危険にさらされた体験から回復した時に見たものを確認すると、細部に至るまで基本的に常に正確です」と、4,000件以上の臨死体験の事例を研究したロング博士はエポックタイムズに語った。
臨死体験に見られる類似点、一貫性、正確さは、これらの研究や現象を正当な科学的調査とみなすよう我々を促すはずだと彼は述べた。
彼は著書の中で、当初は臨死体験に懐疑的だったと述べている。臨死体験を否定しようとさえした。しかし、数年にわたる徹底的な研究を経て、彼の見方は変わった。
科学は基本的に、事実は繰り返し検証可能な観察によって確立されるという原則に基づいている。報告されている事例が何千件もあることから、臨死体験は真剣な科学的検討に値する。
他の次元へ
体外離脱体験に加えて、著名な医学雑誌や医師は、人々が現在の物質世界を超えて旅した事例を報告している。
ヴァン・ロンメル博士の研究では、臨死体験をした人の 29%が、意識が別の次元に旅し、鮮明な体験を持って戻ってきたと報告している。
一方、パルニア博士の研究では、被験者の 7%が、別の超自然的な世界に入ったように感じたと報告している (論文)。
アレクサンダー氏は脳神経外科医として 25年以上のキャリアを積んでおり、そのうち 15年間はボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院、小児病院、ハーバード大学医学部に勤務した。
2008年11月10日の早朝、アレクサンダー氏は珍しい細菌性髄膜炎で深い昏睡状態に陥った。医師から「生存率は 2%まで落ち、回復の見込みはありません」と告げられたとアレクサンダー氏はエポックタイムズとのインタビューで語った (本人による論文)。
彼の容態は急速に悪化したが、7日後に目覚めた。昏睡状態にあった一週間、命が消えていく中、アレクサンダー氏は非常に鮮明な体験をした。彼の記憶によると、彼は原始的でねばねばした物質として生まれ変わったように感じ、その後、蝶の羽に乗って「地球外のまったく異なる種類の永遠の自然」の領域へと導かれたという。
アレクサンダー氏が見た世界には、ピンクと白の巨大な雲があり、透明でキラキラ光る存在が空を弧を描いて動き、虹の筋を残していた、と彼はエポックタイムズに語った。
彼は著書『天国の証明:脳神経外科医の死後の世界への旅』の中で、アレクサンダー氏はこの世界を天国と解釈したと書いている。また、神の愛と天使の存在を感じたとも述べている。
南カリフォルニア大学の整形外科医メアリー・C・ニール博士は、著書『天国への旅』の中で同様の体験を報告している。
1999年、カヤックの事故でニールさんは溺死しかけたことがあり、そのとき、意識が体から抜け出して光の領域に入ったように感じた。そこで彼女は霊的な存在と遭遇し、人生を振り返る経験をした。
サム・パルニア博士とハーバード大学、ベイラー大学、カリフォルニア大学リバーサイド校、バージニア大学の神経科学者、救命救急専門医、精神科医、心理学者を含む医療専門家チームによる「死と死の想起体験の研究に関するガイドラインと基準」では、臨死体験は互いに驚くほど類似したパターンをたどるとまとめられている。
「非物理的」
心臓移植手術と臨死体験はどちらも、意識の驚くべき流動性を示唆している。人間の意識は、体内を自由に動き回っているようだ。
心臓に移動したり、体の外に移動したり、さらには人間の目には見えない別の次元に移動したりすることもできる。
「たとえば、虹のように、それが本物だと分かるが、触れることはできないのです」と ベイラー大学医療センターのピーター・ウォーリング博士はエポックタイムズに語った。
ロング博士は、もし人々が肉体から独立した意識の存在を示す圧倒的な証拠を本当に理解すれば、「私たちは文字通り、地上の物理的な存在を持つ永遠の存在ですが、私たちのより大きな現実は非物理的なものであり、その非物理的な意識の中にあるということを受け入れるのは非常に簡単です」と語った。
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