あまりにも脱力した価値観の世界で
先日、「正気を失ったアメリカ大統領のせいで、世界は午前3時の恐怖に包まれている」というタイトルの記事を書かせていただきましたが、その後も、ご本人はムチャクチャです。
この記事では、自身のソーシャルメディアに投稿した「自身をイエス・キリストのような姿に描いた AI 画像」についてふれました。
この投稿は多くのアメリカ人から非難を浴びて、その後削除されましたが、その後、最初の投稿者が誰なのかは明確ではないですが、イラン側の支持者と見られる存在による「動画」が投稿されました。
上の画像から発展していくものです。
A video is currently circulating in Christian countries showing Trump being punched by Christ and sent to hell.🚀 pic.twitter.com/bL4yGQTtWw
— Iran eye's (@IranMilittary) April 14, 2026
そして、米国大統領は、またすぐに別の AI 画像を投稿していました。
これですね。
イエスから赦された大統領というような図式でしょうか。
こんな馬鹿げた応酬が繰り広げられているわけですが、世界全体が悪質なジョーク国家の群となってしまっている。
大統領は、公的な発言でも相変わらず一貫性を欠いていまして、たとえば、以下は
「どちらも同じ 4月15日の報道」
です。
最初にタイトルだけを並べますと、こんな感じです。
・トランプ氏、イラン戦争は「終結間近」との見方を示す (4月15日)
・トランプ大統領、中東への米軍の大規模増派を命令 (4月15日)
報道「トランプ氏、イラン戦争は「終結間近」との見方を示す」より抜粋
ドナルド・トランプ米大統領は4月15日、パキスタンで行われた米イラン和平協議が合意に至らずに終わったにもかかわらず、イランでの戦争は「終結に近づいている」との見解を示した。
「もうすぐ終わると思う。というか、もうすぐ終わると考えている」とトランプ氏は、4月15日に放送された FOX ニュースの司会者マリア・バルティロモ氏とのインタビューで述べた。
トランプ大統領は、イランが戦争による被害から国を再建するには数十年かかるだろうと述べ、イラン政権は米国との合意を望んでいると信じていると語った。一時的な停戦は来週期限を迎える予定だ。
Epoch Times 2026/04/15
そして、同じの日の報道です。
報道「トランプ大統領、中東への米軍の大規模増派を命令」より抜粋
トランプ政権が地域情勢の緊張が高まる中、イランへの圧力を強める中、米国防総省は今後数日のうちに数千人規模の追加部隊を中東に派遣する準備を進めている。
ワシントン・ポスト紙の報道によると、米当局者らは、今回の派遣には空母ジョージ・H・W・ブッシュとその随伴艦艇に乗艦する約 6,000人の人員が含まれると述べた。ボクサー水陸両用即応群と第11海兵遠征部隊に配属される 4,200人の兵士は、今月後半に到着する予定だ。
増援部隊は、イランへの対抗作戦に既に従事している約 5万人の米軍要員に加わる予定で、2週間の停戦協定は 4月22日に予定通り期限を迎える。
Israel National News 2026/04/15
「イラン戦争は終結間近」と述べている一方で、「米軍の追加部隊を中東に派遣する」と。
普通なら、こんな言動はまともに相手にするようなものではなく、先ほどの AI 画像ともども、認知症的な傾向は明らかなのですけれど、しかし、
「トランプ氏は欲得勘定だけは決して忘れない」
という傾向があります。
欲だけが存在理由となっている
上の発言では、戦争は終結する」と言えば、
・戦争終結とホルムズ海峡開放の期待から「株価(先物)は上昇し、原油価格は下がる
一方で、大規模派兵を行うと言えば、
・戦争の激化と、海峡閉鎖の継続を示唆して、株価(先物)は下がり、原油価格は上昇する
というのが、イラン戦争が始まってからの、ずっと繰り返されてきたパターンでした。
実際、トランプ氏が戦争に言及する異なる内容の発言をするたびに、市場は大きく変動し続けました。
しかし、この「大統領の発言による市場の操作の疑い」は、2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏に「喝破」されています。
クルーグマン氏は、「先物市場における裏切り行為」というタイトルのサブスタック記事を投稿していまして、見出しにクルーグマン氏は「トランプ氏に近い人物が国家機密に基づいて取引を行っている」と書いています。「かもしれない」ではなく、断定口調です。
一例として、3月23日の事例を挙げていまして、この日の流れは以下のようになっていました。
ポール・クルーグマン氏の記事より
トランプ大統領は、イランが 48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければイラン国民に痛烈な報復を行うという週末の約束を撤回した。しかし、月曜日の午前7時5分、トランプ大統領は尻込みし、 Truth Social への投稿を通じて5日間の敵対行為の停止を発表した。
ペルシャ湾からの原油出荷量が激減したことで数週間にわたり高騰していた原油価格は、発表前の 1バレルあたり約 112ドルから、午前 11時までに 97ドルまで急落した。
しかし、 CNBC の報道によると、トランプ氏の投稿の約 15分前に、 S&P500 e-Mini 先物の取引量が大幅に増加し、その直後に価格が約 6,500ドルから約 6,700ドルに急騰した。また、原油市場でも信じられないほど幸運な取引が行われたようで、ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI原油先物取引)5月先物の取引量がほぼ同時刻に急増した。
ポール・クルーグマン氏が示したグラフ

paulkrugman.substack.com
つまり、「誰か」が、トランプ大統領の声明の「直前 (数分前など)」に、大きな取引をしていたということです。
この「突然の方針転換の声明」は、イラン戦争が始まってから何度も繰り返されていますが、そのたびに株価が激しく上下したり、原油価格が激しく上下したりし続けてきました。
このポール・クルーグマン氏の記事を取りあげたスウェーデンの報道は以下で翻訳しています。
・「トランプ氏が戦争を利用して市場を操作しているという証拠が増えている」という報道
NOFIA 2026年3月28日
クルーグマン氏は、
「通常の社会であれば、これは反逆罪に十分すぎるほどの理由となるだろう」
と述べていて、そして、
「 FBIが、徹底的かつ一切の制約のない捜査を実施すれば、きっと真相が明らかになるだろう」
と書いていて、国のトップが市場を操作しているとなると大きな犯罪ですが、実際には捜査などはまったく行われていません。
(ほとんどの人がこのことに気づいていても)何も行われていないのが現状です。
現大統領は、専門家の見立てでは、完ぺきな認知症(行動変異型前頭側頭型認知症)であるのに、「名誉欲と金銭的欲望は決して衰えない」という、いわゆる、
「餓鬼の状態」
に陥っているように見えます。
餓鬼とは
餓鬼とは、仏教の六道輪廻において、生前の強欲・嫉妬・物惜しみの報いで「餓鬼道」に堕ちた亡者のこと。腹は膨れ、喉は針のように細く、食物や水に触れると火に変わるため、常に飢えと渇きに苦しむ存在とされる。また、転じて子供の食いしん坊な様子や、貪欲な人への比喩としても用いられる。 本光寺
ちなみに、私はこれを、「国家のトップが市場操作のようなことをして、金銭を得ることをしてはいけない」という意味で書いているのではありません。そんなこと、歴代の米国大統領は(こんなにあからさまではなくとも)誰でもやっていたことでしょう。
それより問題は、
「他国の経済やシステムがボロボロにされている」
ということです。
「ホルムズ海峡の閉鎖が解かれる」というきちんとした展望があるのなら、それを念頭において、日本の多くの企業も先の対策を立てられるでしょうけれど、「突然、また戦争が激化する」とか、「かと思えば突然停戦となる」という不安定なことの繰り返しでは、企業も先の予測など立てられるわけがありません。
日本のさまざまな分野で、日々、供給や価格面で厳しい状態が広がっていますが、いろいろな要素はあるとはいえ、「大本はアメリカ大統領のイラン攻撃という決断から始まったこと」です。
「こんな吉祥寺のガイは放っておけばいいのに」と本当に思うのですが、今のところ、現役の大統領ではあるわけで、その発言をメディアが無視するというわけにもいかない。
このまま餓鬼に人々の生活を殺されるのは、もうたくさんだと、そう思う次第です。
少し前の In Deep の記事では、「世界は悪と恐怖に支配されている」というようなことを書きましたけれど、
「餓鬼に支配されている世界」
では、もうどうにも救いようがないです。
まさにカリ・ユガの時代。
暗黒時代として象徴的な現在の状況といえます。
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